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ネット誹謗中傷の慰謝料相場はいくら?損害賠償請求の流れと増額のポイント

ネット誹謗中傷の慰謝料相場はいくら?損害賠償請求の流れと増額のポイント

ネット誹謗中傷の慰謝料相場はいくら?損害賠償請求の流れと増額のポイント

2026/03/22

ネット誹謗中傷の慰謝料相場はいくら?損害賠償請求の流れと増額のポイント

SNSや掲示板、口コミサイトなどで誹謗中傷を受けた場合、「慰謝料はどのくらい請求できるのか」という点が最も気になるのではないでしょうか。ネット上の誹謗中傷は、名誉毀損やプライバシー侵害など複数の法的問題に該当する可能性があり、その内容によって慰謝料の金額も異なります。

この記事では、インターネット上の誹謗中傷に対する慰謝料の相場を類型ごとに解説するとともに、損害賠償請求を行う際の手続きの流れや、慰謝料を適正に算定するためのポイントについてご説明します。

ネット誹謗中傷で請求できる慰謝料の相場

インターネット上の誹謗中傷に対する慰謝料は、投稿の内容や被害の程度によって大きく異なります。以下では、代表的な類型ごとの相場をご紹介します。

名誉毀損の場合

名誉毀損とは、公然と事実を摘示して他人の社会的評価を低下させる行為です(刑法第230条)。ネット上での名誉毀損の慰謝料は、個人の場合で10万円〜100万円程度、企業や事業者の場合で50万円〜300万円程度が一般的な目安とされています。ただし、事案の悪質性や被害の大きさによってはこの範囲を超えることもあります。

侮辱の場合

侮辱とは、事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱する行為です(刑法第231条)。令和4年の刑法改正により侮辱罪の法定刑が引き上げられたことに伴い、侮辱行為に対する社会的な評価も変化しつつあります。侮辱に基づく慰謝料は、一般的に10万円〜50万円程度とされていますが、投稿の内容や回数、拡散の程度によって変動します。

プライバシー侵害の場合

氏名、住所、電話番号、前科・前歴、病歴などの個人情報をネット上に無断で公開された場合は、プライバシー侵害として慰謝料請求が可能です。プライバシー侵害の慰謝料は、公開された情報の秘匿性の程度によって異なりますが、10万円〜100万円程度が目安とされています。

類型別の慰謝料相場まとめ

誹謗中傷の類型 個人の場合 事業者の場合
名誉毀損 10万円〜100万円 50万円〜300万円
侮辱 10万円〜50万円 10万円〜100万円
プライバシー侵害 10万円〜100万円
※注意:上記の金額はあくまで一般的な目安です。個別の事案によって慰謝料の金額は大きく異なりますので、具体的な見通しについては弁護士にご相談ください。

誹謗中傷で慰謝料が高額になるケース

すべての誹謗中傷が同じ金額の慰謝料になるわけではありません。以下のような事情がある場合、慰謝料が相場より高額になる傾向があります。

投稿の悪質性が高い場合

虚偽の事実を繰り返し投稿した場合や、意図的に拡散を狙った投稿の場合は、悪質性が高いと判断され、慰謝料が増額される傾向にあります。特に、複数のアカウントを使い分けて執拗に誹謗中傷を繰り返すケースでは、加害者の害意が明確であるとして高額な慰謝料が認められやすくなります。

被害が深刻な場合

誹謗中傷によって精神的な疾患(うつ病、適応障害など)を発症した場合や、実際に退職・廃業に追い込まれた場合には、慰謝料が大幅に増額される可能性があります。このような場合には、医師の診断書や売上減少を示す資料など、被害を立証するための証拠が重要となります。

拡散の範囲が広い場合

投稿がSNSで大きく拡散(いわゆる「炎上」)した場合や、まとめサイトに転載された場合など、多くの人の目に触れたケースでは、被害の範囲が広いとして慰謝料が増額されることがあります。

損害賠償請求の手続きの流れ

ネット誹謗中傷に対する損害賠償請求は、一般的に以下の流れで進めます。

1. 証拠の保全

まず、誹謗中傷の投稿をスクリーンショットなどで保存し、証拠を確保します。投稿が削除されてしまうと証拠がなくなるため、できるだけ早い段階での対応が重要です。投稿のURL、投稿日時、投稿者のアカウント情報なども記録しておきましょう。

2. 発信者情報開示請求

匿名の投稿者に対して損害賠償を請求するためには、まず投稿者を特定する必要があります。改正プロバイダ責任制限法(正式名称:特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)に基づく発信者情報開示請求の手続きにより、投稿者のIPアドレスや氏名・住所などの情報を取得します。発信者情報開示請求の具体的な手続きについては、別記事で詳しく解説しています。

3. 示談交渉

発信者(投稿者)が特定できたら、まずは示談交渉(任意の交渉)を行うことが一般的です。示談交渉では、弁護士が代理人として相手方に慰謝料の支払いや再発防止の誓約を求めます。示談が成立すれば、裁判を行うよりも早期に解決することが可能です。

4. 訴訟(損害賠償請求訴訟)

示談交渉が不調に終わった場合は、裁判所に損害賠償請求訴訟を提起します。訴訟では、投稿内容が名誉毀損やプライバシー侵害に該当することを主張・立証し、慰謝料の支払いを求めます。判決が確定すれば、強制執行による回収も可能となります。

損害賠償請求にかかる弁護士費用の目安

誹謗中傷の損害賠償請求を弁護士に依頼する場合の費用は、手続きの段階によって異なります。発信者情報開示請求から損害賠償請求までを一貫して依頼する場合、着手金と報酬金を合わせて数十万円から100万円程度の費用がかかることが多いです。

なお、裁判で認められた慰謝料の金額によっては、弁護士費用が慰謝料を上回る場合もあります。そのため、手続きを開始する前に、弁護士と費用対効果について十分にご相談されることをお勧めします。費用の見通しを事前に確認し、納得した上で手続きを進めることが重要です。

慰謝料請求を有利に進めるためのポイント

証拠を確実に保存する

誹謗中傷の投稿は、いつ削除されるかわかりません。スクリーンショットの撮影だけでなく、Webページの印刷やURLの記録など、複数の方法で証拠を保全しておくことが重要です。特に、投稿日時やアカウント名が確認できる形で保存してください。

早期に弁護士に相談する

発信者情報開示請求には期限があります。プロバイダが通信ログを保存している期間は一般的に3か月〜6か月程度とされており、時間が経過するとログが消去されて投稿者の特定が困難になります。被害を受けたら、できるだけ早く弁護士にご相談ください。

被害の記録をつける

誹謗中傷によって受けた精神的苦痛や生活への影響を記録しておくことも、慰謝料の算定において有利に働きます。通院歴がある場合は医師の診断書を取得し、仕事や日常生活への影響があれば具体的に記録しておきましょう。

まとめ

ネット上の誹謗中傷に対する慰謝料は、名誉毀損で10万円〜100万円(個人の場合)、事業者の場合は50万円〜300万円程度が一般的な相場です。ただし、投稿の悪質性や被害の程度、拡散の範囲など様々な事情によって金額は変動します。

損害賠償請求を成功させるためには、早期の証拠保全と発信者の特定が不可欠です。通信ログの保存期間は限られているため、誹謗中傷の被害に気づいたら、速やかに弁護士への相談をご検討ください。

誹謗中傷による被害でお悩みの方へ

タングラム法律事務所では、ネット誹謗中傷に関する発信者情報開示請求・削除請求・損害賠償請求について、豊富な実績を有しております。慰謝料請求の見通しや手続きの進め方について、弁護士が丁寧にご説明いたします。

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