Googleの口コミは削除できる?削除方法・条件・弁護士に依頼すべきケースを解説
2026/03/23
Googleの口コミは削除できる?削除方法・条件・弁護士に依頼すべきケースを解説
「身に覚えのない低評価をつけられた」「事実と異なる口コミで売上が落ちている」——Googleマップの口コミに悩まされている経営者の方は少なくありません。
近年、飲食店やクリニック、美容室などの店舗ビジネスにおいて、Googleマップの口コミが集客に与える影響は非常に大きくなっています。多くのお客様が来店前にGoogleマップの評価を確認するため、悪質な口コミが放置されたままでは、日々の売上に直接的なダメージを受けてしまいます。
しかし、すべての口コミが削除できるわけではありません。また、対応を誤ると、かえって炎上を招くリスクもあります。
この記事では、Googleの口コミを削除するための具体的な方法や条件、そして弁護士に依頼すべきケースについて、インターネット上の誹謗中傷対応を専門とする弁護士の視点からわかりやすく解説します。
Googleの口コミを放置するリスクとは
Googleマップの口コミを放置することで生じるリスクは、想像以上に深刻です。
まず、集客への直接的な悪影響があります。Googleマップの★評価はローカル検索結果の上位に表示されるため、平均評価が下がると検索順位やクリック率も低下するといわれています。結果として、来店数や問い合わせ数が目に見えて減少することがあります。
次に、採用活動への影響も無視できません。求職者が企業名を検索した際に低評価の口コミが表示されると、応募をためらう原因になり得ます。
さらに、二次拡散のリスクも存在します。ネガティブな口コミのスクリーンショットがX(旧Twitter)やまとめサイトに転載されると、元の口コミを削除してもインターネット上にいわゆる「デジタルタトゥー」として残り続けてしまう可能性があります。
削除できる口コミ・削除が難しい口コミ
Googleの口コミの削除を検討するにあたって、まず「どのような口コミが削除対象になるのか」を把握しておくことが大切です。
削除が認められやすい口コミ
以下のような口コミは、Googleのポリシー違反や法令違反に該当し、削除が認められる可能性があります。
- 虚偽の内容を含む口コミ — 実際には利用していない施設に対する口コミや、事実に反する情報が記載されているもの
- 誹謗中傷・名誉毀損にあたる口コミ — 「あの店は詐欺だ」「食中毒になった」など、根拠なく社会的評価を低下させる内容
- 個人攻撃を含む口コミ — 従業員の個人名を挙げて侮辱する内容など
- プライバシーを侵害する口コミ — 個人情報やプライベートな事実を暴露する内容
- 競合他社による嫌がらせ目的の口コミ — 営業妨害を目的とした投稿
- 差別的表現や暴力的な表現を含む口コミ
削除が難しい口コミ
一方で、以下のような口コミは削除が認められにくい傾向にあります。
- 主観的な感想にとどまる口コミ — 「料理がおいしくなかった」「待ち時間が長かった」など、個人の体験に基づく感想
- 星のみの低評価 — コメントなしで星1つだけがつけられた場合、投稿者の意図の判断が難しく、削除は困難です
- 削除申請の理由が不十分な場合 — なぜポリシー違反にあたるのかを具体的に説明できなければ、削除されにくくなります
削除可否の判断基準まとめ
| 口コミの内容 | 削除の可否 | 根拠 |
|---|---|---|
| 虚偽の事実(「食中毒になった」等) | 削除できる可能性が高い | ポリシー違反/名誉毀損 |
| 個人名を挙げた侮辱 | 削除できる可能性が高い | ポリシー違反/侮辱 |
| 個人情報の暴露 | 削除できる可能性が高い | ポリシー違反/プライバシー侵害 |
| 競合他社による虚偽投稿 | 削除できる可能性がある | なりすまし/不正投稿 |
| 主観的な感想(「まずい」等) | 削除は難しい | 意見・感想の範囲 |
| 星のみの低評価(コメントなし) | 削除は難しい | 意図の判断が困難 |
ただし、「まずかった」という感想であっても「腐った食材を使っている」など虚偽の事実を含んでいる場合には、削除の対象となる可能性があります。この線引きの判断が難しいケースも多いため、迷った場合は専門家に相談されることをおすすめします。
自分でできるGoogleへの口コミ削除申請の方法
Googleに対して口コミの削除を求める方法は、主に2つあります。
方法1:Googleビジネスプロフィールまたはマップから報告する
もっとも基本的な方法は、Googleの管理画面やGoogleマップから、問題のある口コミを「違反コンテンツ」として報告することです。手順は次のとおりです。
① Googleマップで対象の店舗・施設を検索する
② 該当する口コミを見つけ、右上の「⋮」(三点リーダー)をクリックする
③ 「違反コンテンツを報告」を選択する
④ 報告する理由を選択し、送信する
Googleビジネスプロフィールを管理している場合は、管理画面からも同様の報告が可能です。
ただし、この方法で削除されるのは、Googleのコンテンツポリシーに明確に違反している口コミに限られます。報告しても削除されないケースは珍しくありません。
方法2:法的な削除リクエストを送信する
口コミの内容が日本の法律に違反している場合(名誉毀損、信用毀損、プライバシー侵害など)は、Googleに対して法的な削除リクエスト(法的申立て)を送信する方法があります。
Googleが公開している専用のフォームから、権利侵害の内容を具体的に記載して削除を求めます。こちらの方法では、報告に対するGoogleからの回答も得られます。
ただし、法的な主張を正確かつ説得的に記載する必要があるため、法律の専門知識がない状態で申請すると、削除が認められにくいことがあります。
Googleが削除に応じない場合の法的手段
上記の方法でGoogleが任意の削除に応じない場合、裁判所を通じた法的手段を検討することになります。
削除仮処分の申立て
もっとも一般的な法的手段は、裁判所に対する投稿削除の仮処分命令の申立てです。
仮処分とは、正式な裁判の判決を待たずに、裁判所が暫定的な措置として削除命令を出す制度です。「仮」の命令ではありますが、裁判所から削除の仮処分命令が出された場合、Googleを含む多くのプラットフォーム事業者はこれに応じて口コミを削除します。
仮処分が認められるためには、投稿された口コミが法的な権利侵害(名誉毀損、信用毀損、プライバシー侵害など)にあたることを立証する必要があります。
発信者情報開示請求
口コミの削除だけでなく、投稿者を特定して損害賠償を請求したい場合には、発信者情報開示請求という手続きが利用できます。
2022年10月に施行された改正プロバイダ責任制限法(現在の情報流通プラットフォーム対処法)により、開示命令・提供命令・消去禁止命令から構成される非訟手続が設けられ、従来よりも迅速に投稿者を特定できるようになりました。
2025年施行の「情報流通プラットフォーム対処法」で何が変わった?
2025年4月、従来の「プロバイダ責任制限法」が改正され、「情報流通プラットフォーム対処法」(通称:情プラ法)として施行されました。
この法改正の大きなポイントは、GoogleやMeta(Instagram、Facebook)、LINEヤフー、X(旧Twitter)などの大規模プラットフォーム事業者に対して、権利侵害情報への対応の迅速化と運用状況の透明化を義務づけたことです。
具体的には、大規模プラットフォーム事業者は、権利侵害の申出を受け付ける方法を定めて公表すること、そして申出を受けた場合には一定期間内に対応することが求められるようになりました。
Googleも「大規模特定電気通信役務提供者」に指定されているため、この法改正により、Google口コミの削除申請に対する対応が従来よりも改善されることが期待されます。
ただし、法改正によって自動的にすべての口コミが削除されるわけではなく、権利侵害にあたるかどうかの判断は引き続き必要です。法改正の内容を踏まえた適切な申請を行うためにも、専門家への相談をおすすめします。
口コミ対応でやってはいけないこと
悪質な口コミに対して、やってしまいがちな対応の中には、状況を悪化させるものもあります。
感情的な返信をする
口コミに対して怒りをぶつけるような返信をすると、その返信自体がスクリーンショットで拡散され、炎上につながるリスクがあります。口コミへの返信は、冷静かつ丁寧な対応を心がけてください。
口コミの自作自演をする
高評価の口コミを自作自演で投稿したり、業者に依頼して大量に投稿させたりすることは、Googleのポリシー違反にあたります。発覚した場合、ビジネスプロフィール自体がペナルティを受ける可能性があり、長期的にはかえって大きなダメージとなります。
対応を後回しにする
悪質な口コミは、放置すればするほど閲覧数が増え、二次拡散のリスクも高まります。また、発信者情報開示請求には、ログの保存期間という時間的制約があるため、対応が遅れると投稿者の特定自体ができなくなってしまうことがあります。
弁護士に相談すべきケース
ご自身での対応が難しいと感じた場合や、以下のようなケースに該当する場合は、インターネット上の誹謗中傷対応を専門とする弁護士への相談をおすすめします。
- Googleに違反報告をしても削除されなかった場合
- 口コミの内容が名誉毀損やプライバシー侵害にあたる可能性がある場合
- 投稿者を特定し、損害賠償を請求したい場合
- 同一人物から繰り返し悪質な投稿が行われている場合
- どの口コミが削除対象になるか判断がつかない場合
弁護士に依頼することで、Googleへの削除申請の段階から法的に適切な理由を構成できるため、削除の成功率が高まります。また、削除に応じない場合の仮処分申立てから、発信者情報開示請求、損害賠償請求まで、一貫した対応が可能です。
まとめ
Googleの口コミは、店舗や企業の評判を大きく左右する重要な要素です。悪質な口コミを放置することは、集客・採用・信用のすべてにわたってリスクを生じさせます。
まずは、問題のある口コミがGoogleのポリシーや法律に違反しているかどうかを確認し、Googleへの報告を行ってみてください。それでも削除されない場合には、法的手段を含めた対応を検討する必要があります。
2025年4月に施行された情報流通プラットフォーム対処法により、大規模プラットフォーム事業者の対応義務が強化されましたが、具体的にどのように活用すべきかについては専門的な知識が求められます。
悪質な口コミでお困りの方は、お早めに専門家にご相談されることをおすすめします。証拠の保全やログの保存期間の問題があるため、早期のご相談が解決の可能性を高めることにつながります。
Google口コミの削除でお悩みの方へ
タングラム法律事務所では、Google口コミの削除請求・発信者情報開示請求・損害賠償請求について、豊富な実績を有しております。口コミ削除の見通しや手続きの進め方について、弁護士が丁寧にご説明いたします。
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