タングラム法律事務所

Instagramの誹謗中傷コメントへの法的対処法|削除申請・開示請求・損害賠償を弁護士が解説

Instagramの誹謗中傷コメントへの法的対処法|削除申請・開示請求・損害賠償を弁護士が解説

Instagramの誹謗中傷コメントへの法的対処法|削除申請・開示請求・損害賠償を弁護士が解説

2026/03/26

Instagramの誹謗中傷コメントへの法的対処法|削除申請・開示請求・損害賠償を弁護士が解説

「Instagramのコメント欄に心ない言葉が書き込まれている」「身に覚えのない悪口を投稿され、フォロワーに広まってしまった」「ストーリーやリール動画で誹謗中傷されている」——こうした被害に遭い、どうすればよいのかわからず、不安や怒りを感じながらこの記事を読んでいる方も多いのではないでしょうか。

Instagramは国内で数千万人が利用する大規模SNSです。その分、誹謗中傷被害の件数も多く、コメント欄への心ない書き込みや、第三者の投稿による名誉毀損など、様々な形で被害が生じています。しかし、こうした被害には法的な手段で対処することができます。

本記事では、Instagramでの誹謗中傷に対して被害者が取り得る法的対処法を、削除申請の具体的な手順から発信者情報開示請求・損害賠償請求まで、順を追って解説します。2025年4月に施行された情報流通プラットフォーム対処法(以下「情プラ法」)の最新情報も踏まえてお伝えします。

Instagramで問題になりやすい誹謗中傷の種類

Instagramでの誹謗中傷は、様々な形で起こります。主なものを整理しておきましょう。

  • コメント欄への書き込み:投稿写真やリール動画のコメント欄に、侮辱的・中傷的な言葉を投稿する行為
  • 第三者の投稿への言及:自分のアカウントやフォロワーのアカウントに、被害者を特定できる形で悪口・虚偽情報を投稿する行為
  • ストーリーズでの拡散:ストーリーズ機能を使って誹謗中傷的なスクリーンショットや文章を拡散する行為
  • なりすましアカウント:被害者に似た名前・アイコンを用いたアカウントを作成し、誹謗中傷・なりすましを行う行為
  • DM(ダイレクトメッセージ)での嫌がらせ:プライベートメッセージで脅迫・誹謗中傷を繰り返す行為

これらのうち、他人が見ることのできる形での投稿は名誉毀損(刑法第230条・民法上の不法行為)または侮辱(刑法第231条)に該当する可能性があります。また、なりすまし行為は不正競争防止法違反や信用毀損罪の問題となることもあります。

まず最初にすべきこと——証拠の保全

誹謗中傷被害を受けたとき、最初に行うべき重要な作業が証拠の保全です。Instagramの投稿やコメントは、投稿者が削除したり、アカウントを非公開・削除した場合には、後から確認できなくなります。法的手続きを進めるにあたって、証拠が失われると請求が困難になるため、被害に気づいた段階ですぐに行動することが大切です。

スクリーンショットの撮り方の注意点

証拠として有効なスクリーンショットには、以下の情報が含まれていることが重要です。

  • 問題のある投稿・コメントの全文
  • 投稿日時(タイムスタンプ)
  • 投稿者のユーザー名(アカウント名)
  • 投稿が掲載されているページのURL(ブラウザで表示した場合はアドレスバーも含める)

スクリーンショットを撮影した後は、画像ファイルを安全な場所に保存し、紛失しないよう管理してください。弁護士に相談する際には、これらの証拠を持参・提示することで、スムーズな対応が可能になります。

Instagramの報告機能・削除機能を活用する

まずは、Instagram自体が提供している報告機能を使って、問題のある投稿やコメントの削除を申請することができます。

コメントを自分で削除する(自分の投稿に付いたコメントの場合)

自分が投稿した写真や動画に付いた誹謗中傷コメントは、投稿者自身が削除することができます。削除したいコメントを長押し(または左スワイプ)すると、削除アイコンが表示されます。複数のコメントをまとめて削除したい場合は、コメント欄の右上メニューから「コメントを管理」を選択して一括操作することもできます。

問題の投稿・アカウントをInstagramに報告する

他者のアカウントの投稿やコメントが問題となっている場合は、Instagramの報告(通報)機能を使います。投稿右上の「…」(三点リーダ)から「報告する」をタップし、「嫌がらせやいじめ」「虚偽情報」などの該当する理由を選択します。コメントに対しては、コメント横の「!」(感嘆符)アイコンから同様に報告できます。

注意:報告機能による削除は、必ずしも迅速に対応されるとは限りません。Instagramのコミュニティガイドラインに明確に違反していると判断された場合に削除対応がなされますが、結果の通知が遅れたり、削除されない場合もあります。より確実な対処が必要な場合は、後述の法的手段を検討してください。

情プラ法施行(2025年4月)でInstagramの削除対応が迅速化

2025年4月1日、「情報流通プラットフォーム対処法」(情プラ法)が施行されました。これはプロバイダ責任制限法が大幅に改正・名称変更されたもので、Instagramを運営するMeta Platforms, Inc.を含む大規模プラットフォーム事業者に対して、新たな義務が課されました。

7日ルール(削除申し出への迅速対応義務)

情プラ法では、大規模プラットフォーム事業者に対して、被害者から誹謗中傷・権利侵害投稿の削除申し出を受けた場合、原則として7日以内に削除可否を判断し、その結果を申し出者に通知することが義務づけられました。これは、以前に比べて被害者への対応が大幅に迅速化されることを意味します。

また、削除対応を行った場合には、削除された投稿の発信者(投稿者)にも、原則として削除した旨とその理由を通知する義務があります。透明性を高め、投稿者の異議申し立て機会を確保するための規定です。

大規模プラットフォームへの指定

情プラ法の対象となる大規模特定電気通信役務提供者として、Meta Platforms, Inc.(Instagram・Facebookを運営)は2025年4月に政府から指定を受けています。月間アクティブユーザー数が1,000万人以上、または月間投稿数が200万以上のサービスが対象となります。Instagramはこれらの基準を大きく上回るため、法的義務の対象に含まれています。

Instagramへの法的削除申請(書面・弁護士書簡)

報告機能による対応が不十分な場合や、より確実な削除を求める場合には、情プラ法に基づく正式な削除申請を行うことが考えられます。弁護士が書面で申請を行うことで、プラットフォーム側が対応を検討する際に法的根拠が明確になり、削除が認められやすくなる場合があります。

削除申請において求められる主な要件は、①当該投稿が自身の権利(名誉権・プライバシー権等)を侵害していること、②削除を求める正当な理由があること、の2点です。権利侵害の内容を具体的に示した書面を作成し、Instagramの窓口(法執行機関対応窓口や所定の申請フォーム)を通じて申請します。

発信者情報開示請求でInstagram投稿者を特定する

誹謗中傷の投稿者が匿名・偽名アカウントであっても、法的手続きによって投稿者を特定することが可能な場合があります。これが発信者情報開示請求と呼ばれる手続きです。

Instagramの発信者情報開示手続きの流れ

Instagramに対して発信者情報(ログイン時のIPアドレスとタイムスタンプ等)の開示を求めるには、裁判所に発信者情報開示命令の申立てを行います(情プラ法第5条以下)。管轄は東京地方裁判所となります。

申立てに際しては、①権利侵害が明らかであること、②損害賠償請求のために開示が必要であることを疎明する必要があります。裁判所が要件を認めると、Instagramに対してIPアドレス等の開示命令が発令されます。

Instagramからログイン時のIPアドレスが開示された後、そのIPアドレスを管理しているインターネットプロバイダ(携帯電話会社を含む)に対して、今度は契約者の氏名・住所等の開示命令申立てを行います。これにより、投稿者の実名・住所が判明することになります。

手続きの段階 対象 取得できる情報
第1段階 Instagram(Meta Platforms) ログイン時IPアドレス・タイムスタンプ
第2段階 インターネットプロバイダ(携帯会社等) 契約者の氏名・住所等
重要:IPアドレスのログは一般的に保存期間が限られています。証拠を保全してから速やかに弁護士に相談し、手続きを進めることが重要です。時間が経つとIPアドレスのログが消去されてしまい、投稿者の特定が困難になる可能性があります。

特定した投稿者への損害賠償請求

発信者情報開示によって投稿者が特定できた場合、その相手に対して損害賠償請求を行うことができます。ネット誹謗中傷による損害賠償は、不法行為に基づく慰謝料(民法第709条)として請求するのが一般的です。

損害賠償の内容

請求できる損害の内容としては、精神的苦痛に対する慰謝料のほか、弁護士費用の一部、名誉回復・信用回復に要した費用(風評対策費用等)なども含まれる場合があります。慰謝料の金額は、投稿内容の悪質性・拡散の程度・被害者の社会的地位・継続期間などを考慮して判断されます。

示談交渉と訴訟

損害賠償請求は、まず任意の交渉(示談交渉)から始めることが多いです。弁護士が投稿者に対して内容証明郵便で請求書を送付し、合意が得られれば示談成立となります。交渉が決裂した場合や相手方が無視する場合には、民事訴訟によって裁判所に判断を求めることになります。

刑事告訴という選択肢——名誉毀損罪・侮辱罪

民事上の損害賠償請求とは別に、刑事告訴という手段もあります。名誉毀損罪(刑法第230条)は、公然と事実を摘示して他人の名誉を毀損した場合に成立し、3年以下の懲役・禁錮または50万円以下の罰金が科されます。侮辱罪(刑法第231条)は、事実の摘示なく侮辱した場合に成立し、2022年の厳罰化改正により1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金(改正前は拘留または科料のみ)となりました。

刑事告訴は警察への申告から始まりますが、捜査機関の判断によって捜査の開始・不開始が決まるため、必ずしも起訴や有罪判決につながるとは限りません。ただし、告訴を行うこと自体が投稿者への抑止力となったり、民事交渉を有利に進める材料になることがあります。

弁護士に相談すべきケースとメリット

Instagramの誹謗中傷被害において、以下のようなケースでは早期に弁護士へ相談することをお勧めします。

  • 投稿が匿名・偽名アカウントによるもので、自力での削除・交渉ができない
  • 複数のアカウントや大量の投稿で継続的に嫌がらせを受けている
  • 業務妨害や取引先・家族への影響が生じている
  • 投稿者を特定して慰謝料を請求したい
  • ログの保存期限が迫っており、早急な対応が必要

弁護士に依頼することの最大のメリットは、証拠保全から削除申請・発信者情報開示請求・損害賠償請求まで、一貫してサポートを受けられる点です。手続きの期限管理や書面作成など、専門的な作業を任せることで、被害者自身の精神的・時間的負担を大幅に軽減することができます。また、弁護士名での申請・書簡は、相手方(プラットフォームや投稿者)に与えるプレッシャーも大きく、解決につながりやすくなります。

まとめ——Instagramの誹謗中傷は放置せず早期に行動を

Instagramでの誹謗中傷被害は、SNSの特性上、短時間で拡散し、深刻な名誉・精神的被害につながることがあります。しかし、適切な手順を踏むことで、投稿の削除・投稿者の特定・損害賠償請求を実現できる可能性があります。

2025年4月施行の情プラ法により、Instagram(Meta)を含む大規模プラットフォームの削除対応がより迅速・透明になりました。ただし、こうした手続きを効果的に活用するためには、早期の証拠保全と法律専門家によるサポートが不可欠です。

被害に気づいたら、まずスクリーンショットで証拠を保全し、できるだけ早く専門家に相談することが、問題を最短で解決するための第一歩です。

Instagramの誹謗中傷でお困りの方へ——まずは弁護士にご相談ください

タングラム法律事務所では、ネット誹謗中傷に関する発信者情報開示請求・削除請求・損害賠償請求について、豊富な実績を有しております。Instagramでの誹謗中傷・なりすまし被害については、ログの消失前に早期対応することが重要です。証拠保全の段階からご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

法律相談の予約はこちら

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な法的対応については、弁護士にご相談ください。

インターネット問題に横浜で対応

身を守るための横浜の開示請求

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。