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遺留分侵害額請求の調停・訴訟の流れと弁護士に依頼するメリット|横浜の弁護士が解説

遺留分侵害額請求の調停・訴訟の流れと弁護士に依頼するメリット|横浜の弁護士が解説

遺留分侵害額請求の調停・訴訟の流れと弁護士に依頼するメリット|横浜の弁護士が解説

2026/03/26

遺留分侵害額請求の調停・訴訟の流れと弁護士に依頼するメリット|横浜の弁護士が解説

「相手が話し合いに応じてくれない」「遺言の内容に納得できないが、どこに相談すればよいかわからない」——遺留分侵害額請求を検討しているものの、次の一手に迷っている方は多いのではないでしょうか。任意の交渉で解決しない場合、家庭裁判所の調停や地方裁判所での訴訟という法的手続きに移行することになります。

本記事では、遺留分侵害額請求において交渉がまとまらなかった場合の調停・訴訟の具体的な流れを解説します。申立費用や弁護士費用の目安、弁護士に依頼するメリットも合わせてご紹介しますので、横浜や神奈川エリアで相続トラブルを抱えている方はぜひ参考にしてください。

遺留分侵害額請求と2019年民法改正のポイント

遺留分とは、被相続人の財産のうち、一定の相続人(配偶者・子・直系尊属)が最低限受け取ることを法律で保障された取り分です。遺言や生前贈与によってこれが侵害されている場合、遺留分権利者は侵害した相手に対して金銭の支払いを求めることができます(民法1046条)。

かつては「遺留分減殺請求」と呼ばれ、財産そのものの返還を求める制度でしたが、2019年7月1日施行の改正民法により、「遺留分侵害額請求」として金銭請求に一本化されました。この改正により、不動産などを共有状態にすることなく、侵害額に相当する金銭のみを請求できるようになっています。なお、相続開始日が2019年7月1日より前の案件には旧制度が適用されます。

解決までの全体の流れ

遺留分侵害額請求の事件は、一般的に「①内容証明の送付→②当事者間の交渉→③家庭裁判所での調停→④訴訟→⑤強制執行」という流れで進みます。①・②の段階で解決するケースも多いですが、相手が応じない場合は③以降に移行します。

ステップ 手続き 主なポイント
内容証明郵便による請求 時効停止のために必須。調停申立とは別に行う
当事者間の交渉(協議) 任意の話し合いで解決を目指す
調停(家庭裁判所) 調停前置主義。申立費用は数千円程度
訴訟(地方・簡易裁判所) 調停不成立後、原則6か月以内に提起
強制執行 判決確定後も支払わない場合は財産を差し押さえ
【重要】内容証明は必ず別途送付すること
家庭裁判所への調停申立だけでは、遺留分権利行使の意思表示をしたことにはなりません。相続開始と遺留分侵害を知った時から1年の時効(民法1048条)を止めるためにも、調停申立と同時またはそれ以前に、内容証明郵便で権利行使の意思を相手方に通知することが不可欠です。

調停(遺留分侵害額の請求調停)の手続き

調停前置主義とは

遺留分侵害額請求について交渉が不成立の場合、いきなり訴訟を提起することは原則としてできません。家事事件手続法第257条第1項により、まず家庭裁判所に調停を申し立てることが義務付けられています(調停前置主義)。これを無視して訴訟を提起すると、裁判所から調停に回送される可能性があります。

申立先・費用・必要書類

申立先は原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。申立にかかる費用は、収入印紙代(1,200円程度)と郵便切手代を合わせて数千円程度が目安で、訴訟と比べて費用負担は非常に小さいといえます。

申立に必要な主な書類は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本、遺言書の写しまたは検認調書謄本、不動産登記事項証明書や預貯金残高証明書などの遺産に関する証明書類です。

調停の流れと成立した場合の効果

調停では、調停委員が仲介役となり、当事者双方から事情を聴取したうえで解決案を提示します。非公開の手続きのため、当事者が直接対面しなくてもよい場合があります。解決までにかかる期間はケースによりますが、数か月〜1年前後を要することが多い傾向があります。調停が成立すると「調停調書」が作成され、確定判決と同一の効力を持ちます。

調停不成立後の訴訟手続き

調停で合意に至らず「調停不成立」となった場合、家事審判に移行するのではなく訴訟(裁判)に移行します。遺留分侵害額請求は審判事項として定められていないため、調停不成立後は訴訟を提起して解決を図ることになります。

調停不成立後は、原則として6か月以内に訴訟を提起しないと時効消滅のリスクが生じる場合があります。管轄裁判所は、請求額が140万円を超える場合は地方裁判所、140万円以下の場合は簡易裁判所です。訴訟では双方が主張・証拠を提出しながら審理が進み、解決まで1〜2年以上かかることもあります。判決確定後に相手が支払わない場合は、強制執行(預貯金・不動産などの差し押さえ)によって回収を図ることができます。

手続きにかかる費用の目安

訴訟提起の際は、請求額に応じた収入印紙を納付する必要があります。請求額500万円であれば約3万円、1,000万円であれば約5万円程度が目安とされています(詳細は裁判所の算定基準によります)。弁護士費用については各事務所によって異なりますが、着手金の相場は全体で22〜55万円程度、成功報酬として獲得額の10〜16%程度が一般的な目安です。調停や訴訟に発展する場合は段階ごとに追加費用が生じることもありますが、事前に見積もりを確認しておくと安心です。

遺留分侵害額請求を弁護士に依頼する主なメリット

弁護士に依頼することには、次のようなメリットが期待できます。第一に、時効管理と証拠収集のサポートです。内容証明の送付タイミングや調停申立と時効の関係など、手続き上の落とし穴を回避するうえで専門家のサポートは大きな助けになります。

第二に、遺産評価をめぐる交渉を有利に進められる点です。不動産や非上場株式の評価、特別受益の扱いなど、遺留分侵害額の計算において争点になりやすい事項について、法的根拠に基づく主張が可能になります。

第三に、精神的負担の軽減です。相続トラブルは感情的な対立を伴いやすく、当事者同士の直接交渉は精神的に消耗します。弁護士が代理人として手続きを進めることで、依頼者が相手方と直接やり取りする必要がなくなります。

まとめ|時効に注意し、早期に弁護士へご相談を

遺留分侵害額請求の手続きには、調停前置主義(家事事件手続法第257条第1項)や時効(民法1048条)など、専門的な知識が不可欠なポイントが数多くあります。特に「調停申立だけでは時効が止まらない」「調停不成立後は原則6か月以内に訴訟提起が必要」という点は、見落とすと権利を失うリスクにつながります。

遺留分侵害額請求権の時効は、相続開始と侵害の事実を知った時から原則1年と短いため、「もう少し様子を見てから」と先延ばしにすることには大きなリスクが伴います。横浜エリアで相続トラブルにお悩みの方は、できるだけ早い段階で弁護士への相談をご検討ください。

遺留分侵害額請求の調停・訴訟でお困りの方へ

タングラム法律事務所では、相続や遺留分侵害額請求の事案について豊富な実績を有しております。横浜を中心に、交渉から調停・訴訟対応まで、依頼者の権利実現に向けて丁寧にサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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