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コミサイトの悪評・誹謗中傷への法的対応|食べログ・転職会議等の削除方法を弁護士が解説

コミサイトの悪評・誹謗中傷への法的対応|食べログ・転職会議等の削除方法を弁護士が解説

コミサイトの悪評・誹謗中傷への法的対応|食べログ・転職会議等の削除方法を弁護士が解説

2026/04/08

口コミサイトの悪評・誹謗中傷への法的対応|食べログ・転職会議等の削除方法を弁護士が解説

口コミサイトの悪評・誹謗中傷への法的対応|食べログ・転職会議等の削除方法を弁護士が解説

飲食店への理不尽な低評価、元従業員による虚偽の会社批判——口コミサイトに書き込まれた悪評は、一度広まると事業や評判に深刻なダメージを与えます。「削除を申請したのに無視された」「書いた本人を特定したい」とお悩みの方も少なくないでしょう。

本記事では、食べログや転職会議をはじめとする口コミサイトに悪評・誹謗中傷を書き込まれた場合の法的対応について、削除申請の手順から発信者情報開示請求まで、弁護士の視点でわかりやすく解説します。2025年4月に施行された情報流通プラットフォーム対処法(以下「情プラ法」)の影響も含めてご確認ください。

口コミサイトの悪評がもたらす法的問題

口コミサイトへの書き込みは「個人の感想」として捉えられがちですが、内容によっては法的に問題のある書き込みとなり得ます。主に問題となる類型は次のとおりです。

名誉毀損(民法709条・刑法230条)

虚偽の事実を不特定多数に向けて摘示し、相手の社会的評価を低下させる書き込みは名誉毀損にあたります。例えば「この店は食材の産地を偽っている」「あの会社はパワハラを隠蔽している」など、事実に反する具体的な事柄の記述がこれに該当し得ます。刑事上は2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(刑法230条1項)が定められており、民事上は損害賠償請求の根拠になります。

業務妨害(刑法233条・234条)

虚偽の風説を流布して、または偽計や威力を用いて他人の業務を妨害する行為です。競合店が意図的に低評価を大量投稿するようなケースは、偽計業務妨害罪(刑法233条)に問われる可能性があります。

侮辱(刑法231条)

事実の摘示がなくても、単に侮辱的な表現で相手の名誉感情を傷つける書き込みは侮辱罪にあたります。2022年の改正により法定刑が引き上げられ、現在は1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科されます(刑法231条)。

ポイント:正当な批評・評価と違法な誹謗中傷の境界は、①事実に基づいているか、②社会通念上許容される表現か、③公益目的に基づいているか、などの基準から判断されます。単なる「まずかった」「対応が悪かった」という感想は、通常は違法とはなりません。

主要口コミサイト別の削除申請方法

食べログの場合

食べログ(カカクコム社運営)は、原則として店舗側からの削除依頼には応じない方針をとっています。これはサイトの中立性・信頼性を維持するためです。ただし、口コミが明らかに名誉毀損や業務妨害に該当する場合、以下の手順での申請が可能です。

  • 問題の口コミ下部にある「問題のある口コミを連絡する」リンクから申請フォームを送信する
  • 侵害の内容を具体的に記述し、なぜ権利侵害に当たるかを明示する
  • 運営側の審査後、削除可否が通知される

食べログが削除に応じない場合は、仮処分(送信防止措置仮処分)を申し立てる方法が有効です。裁判所が権利侵害を認めれば、食べログ側に投稿の削除を命じることができます。

転職会議の場合

転職会議(リブセンス社運営)は、在職中・退職後の従業員が会社の実態を投稿する転職系口コミサイトです。会社にとって不利な内容の書き込みが多く、削除対応が難しいサイトとして知られています。

転職会議への削除申請には「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」を提出します。2025年4月施行の情プラ法(情報流通プラットフォーム対処法)のもと、プラットフォーム事業者は申請受理から原則として迅速に審査を行い、投稿者への意見照会を実施することが求められています。投稿者から7日以内に異議申し出がなければ、サイト側は削除しても免責されるとされています(プロバイダ責任制限法3条2項2号)。

ただし実務上、転職会議は「権利侵害に当たる内容」のみを削除対象とし、「イメージが悪化する」「不快な内容だ」という理由だけでは削除申請を受理しません。法的根拠を明確に示した書面を作成することが不可欠です。

その他の主要口コミサイト

サービス名 主な用途 削除申請窓口の特徴
Google マップ(口コミ) 飲食・小売・サービス業全般 Googleへのフラグ報告。対応が遅く、弁護士名義の申請が効果的な場合がある
食べログ 飲食店 申請フォームから。法的根拠が薄い場合は仮処分申立てが必要
転職会議 企業の内部情報・職場環境 送信防止措置依頼書の提出。権利侵害の明示が必須
OpenWork(旧:Vorkers) 企業の内部情報・職場環境 書面申請が原則。情プラ法の適用対象プラットフォーム
Glassdoor 外資系を含む企業口コミ 米国企業が運営。英語での申請が必要なケースもある
HealthCare.jp等(医療口コミ) 病院・クリニック 医療機関特有の評価要素を含むため、法的判断に専門知識が必要

情プラ法施行後の口コミサイト対応の変化

2025年4月1日、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」の大幅改正(いわゆる情プラ法)が施行されました。これにより、一定規模以上のプラットフォーム事業者には、誹謗中傷等の違法情報について迅速に対応する義務が課されるようになりました。

口コミサイト運営事業者も、この法律の対象となりうる「特定電気通信役務提供者」に該当する場合があります。情プラ法のもとでは、削除申請への対応の迅速化が求められており、以前と比べて削除申請が通りやすくなるケースが増えてきています。一方で、法的根拠の明確な申請書類を用意することは依然として重要であり、弁護士名義での書面申請が奏功するケースも多くあります。

削除申請が拒否された場合の法的手続き

送信防止措置仮処分

サイト運営者への任意の削除申請に応じてもらえない場合、裁判所に対して送信防止措置を命じる仮処分(民事保全手続)を申し立てることができます。申立てには権利侵害の疎明(一応の証明)が必要ですが、仮処分が認められれば数週間から1か月程度で口コミを削除させることが可能です。本訴訟と比べて迅速に対応できる手続きとして多く活用されています。

発信者情報開示請求

書き込みを削除するだけでなく、投稿者を特定して損害賠償請求や刑事告訴を検討する場合は、発信者情報開示請求を利用します。2022年10月施行の改正プロバイダ責任制限法により創設された「発信者情報開示命令」(非訟手続)を使えば、従来の仮処分+本案訴訟の二段階手続きと比べてよりスムーズに投稿者の氏名・住所・IPアドレス等を取得できるようになっています。

口コミサイトの場合、IPアドレスの保存期間(一般に3〜6か月程度)が短いことが多いため、被害に気づいたらできるだけ早期に弁護士へ相談し、手続きを進めることが重要です。

損害賠償請求・刑事告訴

投稿者が特定できた後は、民事上の損害賠償請求訴訟や、刑事上の名誉毀損罪・侮辱罪・業務妨害罪での告訴が可能です。損害賠償の認容額は事案によって異なりますが、事業者が受けた売上の損失なども損害として主張できるケースがあります。

証拠保全の重要性:口コミサイトの書き込みはいつ削除されるか予測できません。スクリーンショットをURLや日時が確認できる状態で複数枚保存し、ウェブ魚拓サービスによる保全もあわせて行うことを強くお勧めします。

口コミサイトの悪評に対応する際の注意点

自社で反論投稿をするリスク

口コミに対して「店側の公式回答」として反論を投稿する方法をとる事業者もありますが、これはかえって炎上を招くリスクがあります。また、第三者を装って反論する「サクラ投稿」は景品表示法違反(優良誤認)に問われる可能性があり、絶対に行ってはいけません。

削除依頼の乱用を避ける

正当な批評や事実に基づいた指摘は、たとえ事業者にとって不都合であっても、削除できないケースがほとんどです。法的根拠のない削除申請を繰り返すと、サイト運営者との関係が悪化し、今後の対応に支障をきたすことがあります。削除を要求できる書き込みかどうか、弁護士に相談して見極めたうえで申請することが肝心です。

逆提訴(スラップ訴訟)への懸念

近年、事業者が批判的な口コミを書いた消費者を訴えるケース(いわゆる「スラップ訴訟」)が社会問題として取り上げられることがあります。正当な批評に対して法的措置を取ることはかえって風評被害を拡大させる恐れがあるため、対応の法的妥当性について専門家のアドバイスを受けることが重要です。

まとめ——口コミの悪評対応は早期の専門家相談が鍵

口コミサイトへの悪評・誹謗中傷への対応は、①任意削除申請、②仮処分申立て、③発信者情報開示請求、④損害賠償・刑事告訴という段階的なアプローチが基本です。2025年4月施行の情プラ法により一部プラットフォームでの削除申請が迅速化されていますが、依然として法的根拠を明確に示した書面の作成が不可欠であることに変わりはありません。

IPアドレスの保存期間や仮処分の手続き期間を考えると、被害を認識してから動き出すまでの時間が勝負です。「これは削除できるのか」「誰が書いたのか特定できるのか」という疑問が生じたら、早めに弁護士へ相談することをお勧めします。

口コミサイトの悪評・誹謗中傷でお困りの方へ

タングラム法律事務所では、ネット誹謗中傷に関する発信者情報開示請求・削除請求・損害賠償請求について、豊富な実績を有しております。食べログ・転職会議・Google口コミ等の悪評削除や投稿者特定をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案については、弁護士等の専門家にご相談ください。

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