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不貞慰謝料の時効は何年?請求期限と起算点・時効を止める方法を弁護士が解説

不貞慰謝料の時効は何年?請求期限と起算点・時効を止める方法を弁護士が解説

不貞慰謝料の時効は何年?請求期限と起算点・時効を止める方法を弁護士が解説

2026/03/25

不貞慰謝料の時効は何年?請求期限と起算点・時効を止める方法を弁護士が解説

配偶者の不貞行為(浮気・不倫)を知ったとき、「慰謝料を請求したい」と思う方は多いでしょう。しかし、慰謝料の請求には「時効」という制限があり、一定期間が経過すると権利が消滅してしまいます。「もう時間が経ってしまったけど今からでも請求できるのだろうか」「時効が来る前に何をすべきか分からない」と不安を感じている方も少なくないはずです。

本記事では、不貞慰謝料の時効期間(原則3年・最長20年)とその起算点、離婚後の扱い、婚姻中の特例、そして時効を止める具体的な方法について、法律の条文や判例を交えながらわかりやすく解説します。時効が迫っている方は、ぜひ早めに弁護士へご相談ください。

不貞慰謝料の時効の基本|3年と20年の2つの期間

不貞慰謝料の請求は、法律上「不法行為に基づく損害賠償請求権」として扱われます。民法724条では、不法行為に基づく損害賠償請求権について、以下の2つの時効期間を定めています。

  • 短期消滅時効:損害および加害者を知ったときから3年
  • 長期消滅時効:不法行為(不貞行為)の時から20年

この2つのうち、どちらか早く到来した時点で時効が完成します。つまり、不貞行為があったことを知り、かつ不倫相手が誰かを把握した日から数えて3年以内に請求手続きを行わなければ、権利を失ってしまうおそれがある点に注意が必要です。

【ポイント】
民法2020年(令和2年)改正後も、不貞慰謝料(精神的苦痛に対する慰謝料)の時効は「知ったときから3年」のまま変わっていません。改正で5年に延長されたのは「人の生命・身体の侵害」による損害賠償に限られるため、不倫の慰謝料には適用されません。

時効の「起算点」はいつから?不貞を知った日とは

3年の時効期間は「損害および加害者を知ったとき」から始まりますが、実務上は次の2つの要件を同時に満たした日が起算点となる傾向があります。

  • 配偶者の不貞行為(性的関係)があったことを知った日
  • 不倫相手が誰であるか(氏名・住所などを特定できる状態)を知った日

「不倫相手の顔は知っているが、名前や連絡先が分からない」という状態では、不倫相手を「知った」とはいえないと解釈される場合があり、その場合は時効のカウントが始まっていない可能性があります。一方で、不倫相手の氏名や職場が判明している場合は、その時点から3年の起算点となる可能性が高いといえます。

なお、配偶者に対する慰謝料請求と不倫相手に対する慰謝料請求では、それぞれ起算点が異なる場合があるため、請求相手ごとに時効の計算を確認することが重要です。

不貞行為が継続していた場合の時効の考え方

不貞行為が一度きりではなく、長期間にわたって継続していたケースも珍しくありません。このような場合、時効はどのように計算されるのでしょうか。

判例(最高裁平成6年1月20日)では、継続的な不貞行為による損害賠償請求権については、不貞行為が行われるたびに個別の損害賠償請求権が発生するものと解されています。したがって、不貞関係が長年にわたっていたとしても、最後の不貞行為から3年以内であれば、その期間の分は請求できる可能性があります。

ただし、以前の不貞行為を知ってから3年以上が経過している部分については、時効が完成している可能性があります。継続的な不貞があった場合は、個々の行為の時効をどのように捉えるかが複雑になるため、弁護士への相談が特に重要です。

婚姻中の請求と離婚後の請求|時効に違いはある?

婚姻中は配偶者への請求時効が猶予される

民法159条は、「夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から6か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」と定めています。つまり、婚姻関係が継続している間は、配偶者に対する慰謝料の時効は完成しません。離婚後6か月以内であれば請求できる期間がありますが、それ以後は通常の時効規定が適用されます。

なお、この特例が適用されるのは「配偶者への請求」に限られます。不倫相手(第三者)に対する慰謝料請求については、婚姻中であっても「知ったときから3年」の時効が進行します。

離婚慰謝料の時効起算点は「離婚成立時」

不貞行為を原因として離婚した場合、「離婚そのものによって生じた精神的苦痛への慰謝料(離婚慰謝料)」については、離婚成立時が起算点となる傾向があります。離婚してから3年以内であれば請求できる可能性がありますが、すでに離婚から3年以上が経過している場合は時効が完成しているおそれがあります。

横浜をはじめ各地の弁護士が扱うケースでは、離婚成立から数年が経過した後に慰謝料請求を検討するケースもありますが、時効が成立しているかどうかをまず確認することが重要です。

時効を止めるための手段|完成猶予と更新

時効が完成してしまう前に、適切な手段を取ることで時効の進行を止める(完成猶予・更新)ことができます。主な方法は以下のとおりです。

① 催告(内容証明郵便)

相手方に内容証明郵便で慰謝料請求の意思を通知(催告)することで、その日から6か月間は時効の完成が猶予されます(民法150条)。ただし、催告だけでは時効は「更新」されず、あくまで猶予にとどまる点に注意が必要です。催告から6か月以内に訴訟提起などの手続きを行わないと、時効が完成してしまいます。

② 訴訟の提起

裁判所に慰謝料請求の訴えを起こすことで、時効の完成が猶予されます(民法147条)。判決が確定した場合は時効が更新(リセット)され、新たに10年間の時効期間が起算されます。時効完成が迫っている場合は、早急に訴訟を提起することが最も確実な手段の一つです。

③ 仮処分・仮差押え

相手方の財産に対して仮差押えや仮処分を申し立てることも、時効完成猶予の手段となります(民法149条)。訴訟に先行して行うことで財産の保全を図ることができる場合があります。

④ 協議による合意

当事者間で「時効の完成を猶予する旨の合意」を書面でかわすことで、最大1年間(合意から)時効の完成を猶予することができます(民法151条)。ただし、この方法は相手方の協力が必要なため、現実的には利用しにくい場面も多いといえます。

【注意】
時効が迫っている場合は、まず内容証明郵便で催告を行い、その後6か月以内に訴訟提起を行うという二段階の対応が実務上よく取られます。しかし、タイミングの計算を誤ると時効完成を防げなくなるリスクがあるため、できるだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

時効に関連する慰謝料請求の注意点まとめ

以下の表で、主なケースごとの時効期間と起算点を整理します。

請求の種類 時効期間 起算点の目安
不貞行為に対する慰謝料(不倫相手への請求) 3年(または不貞行為から20年) 不貞の事実と相手を知った日
不貞行為に対する慰謝料(配偶者への請求) 婚姻中は完成しない(離婚後6か月の猶予あり) 離婚成立時(または婚姻解消後)
離婚を原因とする慰謝料 3年(または離婚原因となった行為から20年) 離婚成立時
継続的な不貞行為に対する慰謝料 各行為ごとに3年(または20年) 各不貞行為を知った日

時効の起算点や適用される時効期間は、個々の事情によって判断が異なります。「まだ時効ではないか」「すでに時効が完成しているのではないか」と不安な方は、一人で判断せず、早めに弁護士への相談をご検討ください。

まとめ|時効が迫っているなら弁護士に早急に相談を

不貞慰謝料の時効は、原則として「不貞行為と不倫相手を知ったときから3年」です。この期間を過ぎてしまうと、正当な権利を持っていても法律上の請求が困難になる場合があります。特に、不貞行為の継続期間が長かった場合や、不倫相手への請求と配偶者への請求を並行して検討している場合は、それぞれの起算点が異なるため、注意が必要です。

時効完成を防ぐためには、内容証明郵便による催告や訴訟提起といった適切な手続きを、期限内に確実に行う必要があります。弁護士に依頼することで、時効の計算確認から内容証明郵便の作成・送付、交渉・訴訟対応まで一括してサポートを受けることができます。「もしかして時効が近いかもしれない」と感じたら、ためらわず早期に相談されることをお勧めします。

不貞慰謝料の時効・請求期限についてお急ぎの方へ

タングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求の事案について豊富な実績を有しております。時効が迫っているケースでも、早期にご相談いただくことで適切な対応策をご提案できる場合があります。横浜エリアを中心に、オンライン相談にも対応しておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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