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不貞行為の定義とは?どこからが不貞にあたるのか|横浜の弁護士が解説

不貞行為の定義とは?どこからが不貞にあたるのか|横浜の弁護士が解説

不貞行為の定義とは?どこからが不貞にあたるのか|横浜の弁護士が解説

2026/04/03

不貞行為の定義とは?どこからが不貞にあたるのか|横浜の弁護士が解説

「配偶者が浮気をしているかもしれない。これは法律上の"不貞行為"にあたるのだろうか?」——そのような疑問を抱えている方は少なくありません。不貞行為の有無は、慰謝料請求の可否はもちろん、離婚原因の成立にも直結する重要な法的判断です。しかし、「どの行為から不貞行為になるのか」は意外に知られておらず、キスや一緒に宿泊することが不貞にあたるのかどうか、迷われる方も多いのが現状です。

本記事では、不貞行為の法律上の定義から、具体的にどこからが不貞にあたるのか、またグレーゾーンの行為をどう評価するのかについて、最高裁の判例や近年の裁判例をふまえて解説します。不貞慰謝料の請求を検討している方、あるいは相手方から「不貞だ」と言われてお困りの方にとって、判断の基礎となる情報をまとめています。

不貞行為の法律上の定義と根拠条文

不貞行為は、まず離婚事由として民法第770条第1項第1号に規定されています。同条は「配偶者に不貞な行為があったとき」を法定離婚事由のひとつとして定めており、裁判離婚においても協議離婚においても重大な意味を持ちます。また、不貞行為は民法第709条(不法行為)に基づく損害賠償請求の根拠ともなります。配偶者以外の第三者が不貞行為に関与した場合、その第三者に対しても慰謝料を請求できる場合があります。

では、「不貞行為」そのものはどう定義されているのでしょうか。この点については、最高裁昭和48年11月15日判決が重要な先例となっています。同判決において、不貞行為とは「配偶者ある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」と定義されています。この定義を分解すると、①配偶者がいること、②自由な意思によること(強制された場合は除く)、③配偶者以外の者であること、④性的関係を結ぶこと、という4つの要素が必要とされています。

どこからが不貞行為にあたる?行為別の具体的な判断基準

不貞行為の定義の核心は「性的関係を結ぶこと」ですが、具体的にどの行為が「性的関係」に含まれるのかが実務上しばしば問題となります。以下の表に、代表的な行為ごとの評価をまとめます。

行為 不貞行為への該当 備考
性交渉(挿入を伴う性行為) 該当する 1回のみ・恋愛感情なしでも該当しうる
性交類似行為(口淫・手淫など) 該当する可能性が高い 近年の裁判例では不貞行為と認定される傾向
ラブホテルへの長時間滞在 肉体関係を推認する証拠となりうる 状況によっては不貞行為の存在が推認される
宿泊を伴う二人旅行 肉体関係を推認する証拠となりうる 同室宿泊等の事情があれば推認されやすい
キス・ハグ 原則として該当しない ただし慰謝料請求が認められる事例もあり
手をつなぐ・二人でデート 該当しない 親密な交際の証拠にはなりうる
LINEや電話での連絡 該当しない 内容によっては不貞行為の間接証拠となりうる

実務上、性交渉(挿入を伴う性行為)が不貞行為の典型例であることに争いはありません。問題となりやすいのは、いわゆる「性交類似行為」の扱いです。口腔性交や挿入を伴わない性的行為についても、近年の裁判例では不貞行為または不法行為に準ずるものとして慰謝料請求が認められる傾向が見られます。また、風俗店での性的サービスの利用についても、不貞行為と評価されうるとする見解が実務上は有力です。

不貞行為にあたらないグレーゾーンの行為について

キスやハグ(抱擁)は、感情的には「不倫だ」と感じる方も多いものの、法律上の「性的関係」には原則として含まれないと解されています。したがって、キスだけであれば、不貞行為として離婚を請求したり、不法行為に基づく慰謝料を請求したりする根拠にはなりにくいのが現状です。

ただし、注意すべき点があります。肉体関係がなくとも、夫婦関係を破壊するほどの深い精神的・感情的な親密関係にある場合、別の法的構成(民法第709条の「法律上保護される利益の侵害」)に基づいて慰謝料が認められた裁判例が存在します。たとえば、夫婦の一方が配偶者以外の異性と継続的に二人きりで会い、積極的な交際を続けていたケースで、肉体関係の存在は認定されなかったにもかかわらず、慰謝料の支払いを命じた事例があります。こうした場合は「不貞行為」ではなく「婚姻共同生活の平和を侵害する行為」として評価されることがあります。

ポイント:キスやプラトニックな交際であっても、夫婦関係への影響次第では慰謝料請求が認められる場合があります。ただし、これは不貞行為そのものではなく、別の法的根拠に基づくものである点に注意が必要です。

ラブホテルへの滞在・宿泊旅行は不貞行為の証明になるか

不貞行為の認定において実務上よく問題となるのが、「ラブホテルへの入室」や「二人での宿泊を伴う旅行」という間接事実です。性行為そのものを直接証明する証拠を入手することは容易ではないため、裁判では間接的な事実から肉体関係の存在を「推認」するアプローチが多く採用されます。

ラブホテルは、社会通念上、性的な関係を持つ目的で利用される施設として広く認識されています。そのため、配偶者と第三者がラブホテルに入室し、相当時間滞在していたことが証明された場合、特段の反証がない限り、肉体関係があったものと推認される傾向があります。同様に、二人きりで宿泊を伴う旅行をした事実が証明された場合も、同室宿泊など状況によっては肉体関係が推認されることがあります。

もっとも、推認に過ぎない以上、相手方が「ラブホテルに入ったが性的関係はなかった」と反論する可能性はあります。こうした場合には、その他の証拠(LINEのやり取り、交際の経緯、写真など)と組み合わせて総合的に判断されることになります。証拠の収集・評価については、横浜をはじめ各地の弁護士に相談することをお勧めします。

同性間の不貞行為と近年の裁判例の動向

かつての判例理論では、「性的関係」は異性間における性交渉(陰茎の挿入)を基本として考えられてきました。しかし、近年は同性間の行為についても不貞行為と認める裁判例が現れており、注目を集めています。

東京地裁令和3年2月16日判決では、同性カップルの一方が第三者と性的関係を持ったケースについて、不貞行為の概念を「婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益を侵害する蓋然性のある行為」として広く解釈し、性行為(陰茎の挿入行為)の存在が不可欠ではなく、夫婦共同生活を破壊しうる性行為類似行為も含まれるとしました。この判決は、不貞行為の定義が社会の変化に対応して柔軟に解釈される可能性を示すものとして、実務上も重要な意義があります。

また、最高裁においても、同性カップルの一方が不貞行為の被害者として法的保護を受けうるとする判断が示されており、これは日本の法実務における先進的な変化といえます。不貞行為に関する法的判断は、今後も社会情勢や裁判例の蓄積に伴い変化していく可能性があります。

不貞行為と「婚姻を継続し難い重大な事由」との関係

民法第770条第1項第5号は、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」を法定離婚事由として定めています。不貞行為(第1号)に該当しない場合でも、この第5号に基づいて離婚が認められることがあります。

たとえば、キスや情緒的な親密関係の継続が認められるものの、肉体関係の存在が証明できないケースでも、夫婦関係が深刻に破綻しているのであれば「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚が認められる可能性があります。また、不貞行為(第1号)が認定されれば、通常はこの第5号の事由にも該当するとして併せて主張されることが多いです。

慰謝料請求の観点では、不貞行為(肉体関係の存在)が認定される場合のほうが、一般的に高額な慰謝料が認められる傾向があります。肉体関係のない精神的不貞や情緒的浮気については、認定される慰謝料の金額が低くなる場合があることも念頭に置いておく必要があります。

不貞行為の認定は個別の事情が重要——まとめ

不貞行為の法律上の定義は「配偶者ある者が自由な意思にもとづいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」ですが、実際の法的判断は個々の事情によって大きく異なります。行為の内容(性交渉か性交類似行為か)、証拠の内容(直接証拠か間接証拠か)、夫婦関係への影響度合いなど、さまざまな要素を総合的に考慮する必要があります。

特に、「これは不貞行為にあたるのか」という判断は、専門的な法律知識と裁判例の理解が求められます。自己判断では証拠収集の方向性を誤ったり、慰謝料の適正額を見誤ったりするリスクもあります。不貞行為の有無や慰謝料請求の可否について疑問や不安がある場合は、早い段階で弁護士に相談し、適切な方針を確認することが重要です。横浜の弁護士など、身近な専門家への相談を積極的に活用することをお勧めします。

不貞行為にあたるか判断できずにお困りの方へ

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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