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事実婚・内縁関係でも不貞慰謝料は請求できる?法律婚との違いと請求のポイントを横浜の弁護士が解説

事実婚・内縁関係でも不貞慰謝料は請求できる?法律婚との違いと請求のポイントを横浜の弁護士が解説

事実婚・内縁関係でも不貞慰謝料は請求できる?法律婚との違いと請求のポイントを横浜の弁護士が解説

2026/05/04

事実婚・内縁関係でも不貞慰謝料は請求できる?法律婚との違いと請求のポイントを横浜の弁護士が解説

「入籍はしていないけれど、長年一緒に暮らしてきたパートナーに浮気をされた。こんな場合でも慰謝料は請求できるのだろうか」――そのような不安を抱えていらっしゃる方は少なくありません。事実婚や内縁関係は法律的な婚姻届を提出していないため、法的な保護が薄いのではないかと思われがちです。しかし、実際には一定の要件を満たすことで、法律婚と同様に不貞慰謝料を請求できる場合があります。

本記事では、事実婚・内縁関係における不貞慰謝料請求の可否、請求が認められるための要件、慰謝料の相場、法律婚との違い、さらには証拠収集のポイントまで、実務に携わる弁護士の視点からわかりやすく解説します。パートナーの不貞行為に悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。

事実婚・内縁関係とは何か

「事実婚」や「内縁関係」とは、婚姻の意思を持ちながらも法律上の婚姻届を提出せず、実態として夫婦同様の共同生活を送っている関係をいいます。近年は、さまざまな事情から意図的に婚姻届を出さないカップルも増えており、社会的にも認知されてきています。

法律上、内縁関係は民法(明治29年法律第89号)が規定する「法律婚」には該当しませんが、判例・学説上は「準婚関係」として一定の法的保護が認められています。具体的には、貞操義務・扶養義務・同居義務など、法律婚に準じた権利義務関係が生じると解されており、この点が不貞慰謝料請求の根拠となります。

事実婚・内縁関係でも不貞慰謝料を請求できるか

結論からいえば、事実婚・内縁関係においても、不貞行為を理由とした慰謝料を請求できる場合があります。これは、内縁関係にあっても貞操義務が存在すると認められているためです。パートナーが第三者と性的関係を持った場合、その行為はあなたとの内縁関係における貞操義務違反にあたり、不法行為(民法第709条)として損害賠償請求の対象となり得ます。

また、不貞行為の相手(第三者)も、内縁関係の存在を知りながら(あるいは知ることができたにもかかわらず)交際した場合、共同不法行為者として慰謝料請求の対象となる場合があります。ただし、法律婚とは異なり、内縁関係の立証責任は請求する側にあるため、この点には十分な注意が必要です。

不貞慰謝料請求が認められるための3つの要件

事実婚・内縁関係において不貞慰謝料の請求が認められるためには、主に次の3つの要件を満たす必要があると考えられています。

① 内縁関係が成立していること

まず前提として、法的に保護される「内縁関係」が存在していたことを証明する必要があります。裁判所が内縁関係を認定するにあたっては、次の2点が重視される傾向があります。

  • 婚姻の意思:お互いに夫婦として生活することへの合意があること
  • 夫婦共同生活の実態:同居の有無、生活費の共有、社会的な夫婦としての扱いなど

単なる交際関係や同棲とは区別されるため、関係の実態を客観的な証拠で示すことが求められます。同居の証拠(住民票・公共料金の契約書)、共同の銀行口座、互いを「夫・妻」と紹介している記録などが有効な証拠となり得ます。

② 不貞行為(肉体関係)が存在すること

不貞行為とは、配偶者(または内縁のパートナー)以外の者と性的関係(肉体関係)を持つことをいいます。精神的なつながりや感情的な親密さだけでは、通常は不貞行為とは認められず、慰謝料請求の根拠としては弱いとされています。ラブホテルへの出入り写真、性的内容のメッセージのやりとりなど、肉体関係の存在を推認させる証拠の収集が重要です。

③ 不貞相手に故意・過失があること

不貞行為の相手に対して慰謝料を請求する場合、相手が内縁関係の存在を知っていた(故意)、あるいは知ることができたにもかかわらず過失によって知らなかった(過失)ことが要件となります。相手が真摯に「独身だと思っていた」と主張し、かつそれが認められるケースでは、請求が認められない可能性もあります。

法律婚との主な違い

事実婚・内縁関係における不貞慰謝料請求は、法律婚の場合と基本的な枠組みは共通していますが、以下の点で違いがあります。

比較項目 法律婚 事実婚・内縁関係
不貞慰謝料の請求可否 可能 要件を満たせば可能
婚姻関係の証明 戸籍謄本で容易に証明可能 実態を自ら証明する必要がある
慰謝料の相場 50万〜300万円程度 同程度(内縁期間等による)
関係解消の手続き 離婚届の提出が必要 届出不要(内縁解消の合意)
財産分与 法律上認められる 判例上、一定程度認められる傾向

最も大きな違いは、内縁関係の存在そのものを証明しなければならない点です。法律婚であれば戸籍謄本一枚で婚姻関係が証明できますが、事実婚・内縁関係の場合は、さまざまな間接証拠を積み重ねて関係の実態を立証する必要があります。この点が、法律婚の場合よりも訴訟上の立証負担が大きくなる要因です。

慰謝料の相場はどのくらいか

事実婚・内縁関係における不貞慰謝料の相場は、法律婚の場合と概ね同程度で、50万円〜300万円程度が目安とされています。事実婚だからといって慰謝料の額が自動的に下がるわけではなく、以下のような事情を総合的に考慮して判断される傾向があります。

  • 内縁関係の継続期間(長期間であるほど評価が高まる傾向)
  • 子どもの有無
  • 不貞行為の期間・頻度・悪質性
  • 不貞行為によって内縁関係が破綻したかどうか
  • 請求される側の資力(支払い能力)
  • 精神的苦痛の程度(うつ病等の診断がある場合は増額要因となることもある)

裁判例としては、同居期間約7年の内縁関係において不貞行為が認定された事案で150万円の慰謝料が認められたケースなど、実態に応じた判断がなされる傾向があります。ただし、慰謝料額は個別の事情によって大きく異なるため、あくまでも目安として理解してください。

証拠収集のポイント:内縁関係の証明と不貞行為の証明

事実婚・内縁関係での不貞慰謝料請求においては、大きく2種類の証拠収集が必要になります。

内縁関係を証明する証拠

内縁関係の実態を示す証拠としては、次のようなものが考えられます。

  • 同一住所での住民票(同一世帯として登録されている場合)
  • 共同名義の賃貸借契約書・公共料金の契約書
  • 共同口座の通帳・クレジットカードの明細
  • 互いを「夫・妻」「パートナー」と紹介している写真・SNS投稿・手紙
  • 友人・知人・職場の同僚による証言(陳述書)
  • 年賀状・招待状などで夫婦として扱われている記録

不貞行為を証明する証拠

不貞行為(肉体関係)の存在を示す証拠としては、次のようなものが有効とされる場合があります。

  • ラブホテルへの2人での出入りを撮影した写真・動画
  • 性的な内容のLINEメッセージ・メール
  • 宿泊施設の領収書・クレジットカードの利用履歴
  • 探偵(興信所)の調査報告書
  • 相手方本人による不貞行為の自認(録音・文書)

証拠収集の際には、プライバシーの侵害や違法な手段による証拠は裁判において証拠能力が否定される可能性があるため、収集方法にも十分な注意が必要です。探偵に依頼する場合も、信頼できる業者を選ぶことが重要です。横浜の弁護士に相談することで、適法な証拠収集の方法についてアドバイスを得ることができます。

単なる交際(同棲)と内縁関係の境界線

「内縁関係」として保護されるためには、前述のとおり「婚姻意思」と「夫婦共同生活の実態」が必要です。単なる交際相手や同棲関係は、これらの要素を欠く場合には内縁関係とは認められず、貞操義務の違反を主張することが困難になります。

たとえば、お互いに「将来は結婚しよう」と話し合い、同居して生活費を共に負担し、周囲にも夫婦として紹介しているような場合は、内縁関係として認められる可能性が高いといえます。一方、「結婚はするつもりがなかった」「それぞれが独立した生活を送っていた」という場合には、内縁関係の認定が難しくなる傾向があります。自分の関係が内縁関係にあたるかどうか判断に迷う場合は、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

まとめ:事実婚・内縁関係の不貞慰謝料請求は早めに弁護士へ

事実婚・内縁関係においても、要件を満たすことで不貞慰謝料を請求できる場合があります。ただし、内縁関係の立証という法律婚にはない難しさがあり、適切な証拠の収集と整理が不可欠です。また、相手方が内縁関係の存在を否定してくることも想定されるため、早期の段階から弁護士とともに戦略を立てることが重要です。

「入籍していないから請求できないのでは」と諦める前に、ぜひ一度、専門家に状況を聞いてもらうことをお勧めします。弁護士に相談することで、あなたの関係が内縁関係として認められるかどうかの見通し、有効な証拠の種類と収集方法、慰謝料請求の現実的な見込みなど、具体的なアドバイスを得ることができます。

事実婚・内縁関係の不貞慰謝料についてお悩みの方へ

タングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求の事案について豊富な実績を有しております。事実婚・内縁関係特有の立証の難しさも含め、横浜の弁護士が丁寧にご事情をお聞きし、最善の対応をご提案します。まずはお気軽にご相談ください。

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【ご注意】証拠収集は早めに
不貞慰謝料請求には時効(不貞行為および加害者を知った時から3年、または不貞行為の時から20年)があります。また、相手がLINEのメッセージを削除したり、証拠を隠滅したりするおそれもあるため、証拠の保全は早急に行うことが重要です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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