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不貞慰謝料請求で相手の住所がわからない場合の対処法|調査方法・公示送達・訴訟の流れを横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料請求で相手の住所がわからない場合の対処法|調査方法・公示送達・訴訟の流れを横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料請求で相手の住所がわからない場合の対処法|調査方法・公示送達・訴訟の流れを横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料請求で相手の住所がわからない場合の対処法|調査方法・公示送達・訴訟の流れを横浜の弁護士が解説

配偶者の不貞行為が発覚し、慰謝料を請求しようとしたものの、「不倫相手の住所がわからない」「連絡先すら知らない」という状況に直面して途方に暮れている方は少なくありません。内容証明郵便を送るにも、裁判を起こすにも、相手方の住所は基本的に必要となります。しかし、住所が不明であっても請求を諦める必要はありません。

本記事では、不貞慰謝料の請求に当たって相手方の住所がわからない場合の対処法について、住所を調べる具体的な方法から、どうしても住所が特定できない場合の公示送達・訴訟手続の活用まで、横浜の弁護士が詳しく解説します。

不貞慰謝料請求に住所が必要な理由

不貞慰謝料を請求する方法は主に、①任意の示談交渉、②内容証明郵便による請求、③民事調停・裁判(訴訟)の3つです。いずれの方法をとるにせよ、相手方に請求の意思を伝え、法的手続を進めるためには、相手方の住所(送達先)が基本的に必要となります。

内容証明郵便は相手の住所に送付することが前提であり、裁判所に訴状を提出する際も「被告の住所・氏名」の記載は訴状の必須事項です(民事訴訟規則第53条)。相手の住所がわからないまま放置すれば、時効(不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、損害および加害者を知ったときから3年)が進行してしまうリスクもあります。

ポイント:住所がわからないと感じていても、弁護士に依頼することで職権(職務上請求・弁護士会照会)を活用して住所を特定できる場合があります。まずは弁護士に相談することをおすすめします。

相手方の住所を調べる方法

不倫相手や不貞行為をした配偶者の住所を調べる手段として、実務上よく活用されるものを以下に紹介します。

①弁護士による職務上請求(住民票・戸籍の附票)

弁護士には「職務上請求」という権限があり、弁護士業務で必要な場合に限り、住民票や戸籍の附票を取得することができます。住民票には現住所が記載されており、戸籍の附票には過去の住所の履歴も含まれるため、引越しで住民票が変わっていても現在の住所を追跡できる可能性があります。相手の氏名と生年月日(または旧住所)がわかっていれば調査できる場合があります。

個人がみだりに他人の住民票を取得することは法律で制限されていますが、弁護士が受任した事件に関して必要と認められる場合は、職務上請求として取得が認められています(住民基本台帳法第12条の3)。不貞慰謝料請求事件の受任弁護士であれば、この制度を活用することが可能です。

②弁護士会照会(23条照会)

弁護士会照会(弁護士法第23条の2に基づく照会)とは、弁護士会を通じて公務所や会社・団体に対し、必要な事項の報告を求める制度です。たとえば、不倫相手の携帯電話番号がわかっている場合は、弁護士会照会によって通信会社に契約者情報(氏名・住所)の開示を求めることが考えられます。また、不倫相手の車のナンバープレートを記録している場合は、運輸局・軽自動車検査協会への照会によって車両所有者の住所を調べることができる場合があります。

ただし、弁護士会照会はあくまでも任意の協力を求めるものであり、照会を受けた機関が必ず回答するわけではなく、プライバシーの観点から一定の制限があることも事実です。それでも、多くのケースで有用な情報が得られる可能性があります。

③探偵・興信所への調査依頼

探偵や興信所に調査を依頼する方法もあります。相手方の勤務先や行動パターンがわかっている場合は、尾行・張り込みなどの調査によって住所を特定できる場合があります。探偵調査は費用がかかるものの、住所特定と同時に不貞行為の証拠収集も並行して行える点がメリットです。なお、探偵費用が不貞慰謝料の損害として認められるかどうかは、調査の相当性・因果関係によって判断が分かれる傾向があります。

④相手方の勤務先・会社への送達

相手方の住所は不明でも、勤務先がわかっている場合は、勤務先に訴状や内容証明郵便を送付する方法があります。民事訴訟法上、「就業場所」も送達場所として認められており(民事訴訟法第103条)、勤務先に送達することで訴訟手続を進められる場合があります。

住所を特定するための情報整理:何がわかれば調査可能か

弁護士が調査を行うにあたって、依頼者から得られる情報が多いほど住所特定の可能性が高まります。以下の表に、保有している情報と対応する調査手段の目安をまとめます。

手元にある情報 活用できる調査手段
氏名・生年月日 職務上請求(住民票・戸籍の附票)
携帯電話番号 弁護士会照会(通信会社への契約者情報照会)
車のナンバープレート 弁護士会照会(運輸局への車両所有者照会)
勤務先名・所在地 就業場所への送達、弁護士会照会(社員情報照会)
SNSアカウント・ハンドルネームのみ 発信者情報開示請求(プラットフォーム事業者への開示請求)
行動パターン・通勤経路等 探偵・興信所への調査依頼

SNSアカウントのみが手がかりの場合は、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求によって、プラットフォーム事業者やプロバイダから個人情報の開示を受けられる場合があります。ただし、この手続きには一定の時間と費用が必要です。

どうしても住所が特定できない場合:公示送達による訴訟

上記の手段を尽くしても相手方の住所が特定できない場合でも、「公示送達」という制度を利用して裁判を提起・進行させることが可能な場合があります。

公示送達とは

公示送達とは、相手方の住所・居所が不明で通常の方法で訴状等を送達できない場合に、裁判所の掲示板に一定期間掲示することによって送達の効力を発生させる制度です(民事訴訟法第110条〜第113条)。掲示から2週間が経過すると送達の効力が生じ、相手方が実際に訴状を受け取っていない場合でも、裁判を進めることが認められます。

公示送達の要件と手続

公示送達が認められるためには、相手方の住所・居所・就業場所が不明であること、かつ調査を尽くしてもなお所在不明であることが必要です。裁判所に公示送達を申し立てる際には、住民票や戸籍の附票の取得、弁護士会照会の実施など、住所特定に向けた調査を行ったことを疎明する必要があります。住所不明であることを理由に何もせず公示送達を求めても認められない点に注意が必要です。

公示送達が認められた場合、相手方が欠席したまま裁判が進行し、原告の請求を認める判決(欠席判決)が下される場合もあります。ただし、判決後に相手方の財産を差し押さえるためには、その財産を特定する必要があります。公示送達後に相手方の居所が判明した場合は、強制執行による回収が可能となります。

注意:公示送達の申立ては手続が複雑であり、裁判所の判断も厳格です。弁護士なしで申立てを行うことは難しいため、専門家への依頼を強くおすすめします。

氏名すら不明な場合の対処法

不倫相手の「顔と連絡先(電話番号やSNS)はわかるが、本名と住所が不明」というケースも少なくありません。この場合、いきなり法的手続をとることは難しいため、まず以下の方法で相手の身元を特定することが検討されます。

  • 配偶者への聴取:不倫を認めた配偶者に相手方の氏名・住所を確認する。ただし、配偶者が相手方に情報を漏らすリスクに注意が必要です。
  • 携帯電話番号から弁護士会照会:上述のとおり、電話番号がわかれば弁護士会照会によって氏名・住所の開示を受けられる場合があります。
  • SNSアカウントから発信者情報開示請求:SNSのダイレクトメッセージ等が証拠としてある場合は、プロバイダ責任制限法(令和4年改正施行)に基づく発信者情報開示請求によって相手の個人情報を取得できる可能性があります。
  • 探偵への依頼:容貌・勤務先・利用する交通手段等のわずかな情報から探偵が身元を特定できる場合もあります。

氏名が一切不明の場合は現実的に請求が困難になりますが、配偶者に対する慰謝料請求は相手方を特定できているため、まず配偶者に対してのみ請求するという方針をとることも選択肢の一つです。

時効への注意:住所調査中も時効は進行する

不貞行為に基づく損害賠償請求権の時効は、不法行為による損害賠償請求権として、「損害および加害者を知ったときから3年」または「不法行為のときから20年」のいずれか早い方で消滅するとされています(民法第724条)。

住所の調査に時間をかけているうちに時効期間が経過してしまうと、請求権を失う恐れがあります。時効を中断(更新)する方法としては、内容証明郵便による催告(6か月の時効完成猶予)や、訴訟の提起(時効の更新)などがあります。住所が不明でも、判明している住所(旧住所など)への催告や、弁護士に相談して早期に対応策を講じることが重要です。

横浜をはじめ全国各地で、「住所がわからないから請求できないと思っていたが、弁護士に相談したら時効ギリギリで請求できた」という事案があります。時間が経過するほど選択肢は狭まるため、早期の相談が大切です。

まとめ:住所不明でも諦めずに弁護士に相談を

不貞慰謝料の請求において相手方の住所が不明な場合でも、弁護士の職務上請求や弁護士会照会、探偵調査などの手段を組み合わせることで、住所を特定できる可能性は十分にあります。それでも住所が特定できない場合は、公示送達制度を利用して訴訟を進めることも可能です。

ただし、これらの手続はいずれも専門的な知識と経験を要するものであり、個人が単独で対応することには相当の困難が伴います。また、住所の調査から訴訟の提起・執行まで一貫してサポートを受けることで、手続の迅速化や権利の確実な保全につながります。「相手の住所がわからない」という状況でも弁護士であれば多くのケースで対処策を見出せる可能性がありますので、まずはご相談ください。

相手の住所がわからなくても、まずご相談ください

タングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求の事案について豊富な実績を有しております。相手方の住所が不明な場合でも、弁護士の職務上請求・弁護士会照会などを活用した住所特定から公示送達を利用した訴訟対応まで、横浜の弁護士が一貫してサポートいたします。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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