トレントの示談金は分割払いに応じてもらえるのか|交渉の考え方をBitTorrent対応の弁護士が解説
トレントの示談金は分割払いに応じてもらえるのか|交渉の考え方をBitTorrent対応の弁護士が解説
BitTorrent(トレント)の利用による著作権侵害で発信者情報が開示されると、著作権者(メーカー)側から損害賠償請求の通知が届き、示談交渉に進むのが一般的な流れです。示談金の提示額を見て、「一括ではとても支払えない」「分割払いは可能なのか」と不安になる方は少なくありません。特に、複数の作品や複数のメーカーが対象となっている場合、総額が大きくなり、支払方法が現実的な問題となります。この記事では、トレント事案の示談金について、分割払いに応じてもらえる可能性と、交渉にあたっての考え方を解説します。
分割払いは法律上当然に認められるものではない
まず前提として、示談金の支払方法は、当事者間の合意によって決まるものであり、分割払いを求める法律上の権利が当然にあるわけではありません。著作権者側が一括払いを希望すれば、分割払いにするためには相手方の同意を得る必要があります。したがって、分割払いが認められるかどうかは、交渉次第ということになります。
分割払いに応じてもらえる可能性はあるのか
実務上、著作権者側が分割払いに一切応じないとは限らず、支払能力や事案の内容によっては、分割での支払いが合意される場合もあるとされています。著作権者側にとっても、支払不能で回収できないよりは、分割でも現実に回収できる方が合理的と判断される場合があるためです。
もっとも、分割払いには相手方にとって回収リスクがあるため、一括払いの場合と比べて、示談金の総額面で譲歩を得にくくなる可能性や、分割回数・期間に制限が付される可能性も考えられます。分割払いを希望するかどうかは、金額面の交渉との兼ね合いも踏まえて検討する必要があります。
一括払いと分割払いの一般的な比較
| 観点 | 一括払い | 分割払い |
|---|---|---|
| 相手方の同意 | 得やすい傾向 | 交渉が必要 |
| 金額面の交渉 | 譲歩を得やすい場合がある | 譲歩を得にくくなる可能性がある |
| 支払管理 | 1回で完了 | 長期の支払管理が必要 |
| 支払遅滞のリスク | 生じない | 遅滞時の不利益条項に注意が必要 |
分割払いの合意をする場合の注意点
①期限の利益喪失条項を確認する
分割払いの示談書には、支払いを1回でも怠った場合に残額を一括で支払う義務が生じる「期限の利益喪失条項」が定められることが一般的です。あわせて、遅延損害金の定めが置かれることもあります。無理のある分割計画で合意してしまうと、1回の遅滞でかえって重い負担を負うことになりかねないため、確実に支払える金額・回数で合意することが重要です。
②現実的な支払計画を立てる
分割払いを求める場合、毎月いくらであれば確実に支払えるのかを、収入と支出を踏まえて現実的に検討しておく必要があります。交渉の場面でも、具体的な支払計画を示すことができれば、相手方の理解を得やすくなると考えられます。
③合意内容を必ず書面で確認する
分割払いの回数・金額・支払日・振込先・遅滞時の取り扱いなどは、必ず示談書の条項として明確に定め、内容を確認したうえで署名することが重要です。口頭のやり取りだけで支払いを始めることは避けるべきです。
支払えないからといって放置するのは危険
「支払えないから」といって、著作権者側からの通知を無視・放置することはお勧めできません。交渉の機会を失い、訴訟に移行した場合、判決に基づく強制執行(給与や預金の差押え等)に至る可能性も否定できません。支払いが難しい事情があるのであれば、その事情を踏まえた交渉を行うことこそが重要であり、放置は最も避けるべき選択です。
弁護士を通じて交渉するメリット
支払能力に関する事情は、伝え方によって受け取られ方が変わります。弁護士が代理人として交渉することで、支払能力の事情を整理して適切に伝え、金額面と支払方法の両面から現実的な解決を目指すことができます。また、複数のメーカーから請求を受けている場合には、全体の支払計画を踏まえた交渉が必要となるため、早い段階で全体像を弁護士と共有することをお勧めします。
まとめ|分割払いは交渉次第——放置せず現実的な解決を
トレント事案の示談金の分割払いは、法律上当然に認められるものではありませんが、交渉によって合意に至る場合もあります。無理のない支払計画と示談書の条項確認が重要であり、支払いが難しい場合こそ、放置せずに早めに弁護士へ相談することをお勧めします。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。
※BitTorrent利用による著作権侵害事案に関してアクセスプロバイダから意見照会書が届いた方、発信者情報が開示され、著作権者から損害賠償請求の通知が届いた方を対象に、ビデオ会議アプリ「Google Meet」を用いたオンライン相談限定で20分間の無料法律相談を実施しています。なお、当事務所では、そのたの事案に関する無料法律相談は行っておりません。
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