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定期借家契約と普通借家契約の違いとは?店舗・事務所を借りる前に知っておくべき法的リスクを横浜の弁護士が解説

定期借家契約と普通借家契約の違いとは?店舗・事務所を借りる前に知っておくべき法的リスクを横浜の弁護士が解説

定期借家契約と普通借家契約の違いとは?店舗・事務所を借りる前に知っておくべき法的リスクを横浜の弁護士が解説

定期借家契約と普通借家契約の違いとは?店舗・事務所を借りる前に知っておくべき法的リスクを横浜の弁護士が解説

定期借家契約と普通借家契約の違いとは?店舗・事務所を借りる前に知っておくべき法的リスクを横浜の弁護士が解説

「賃料が相場より少し安い」「立地がいい」という理由で、契約内容を十分確認しないまま店舗や事務所の賃貸借契約を結んでしまう中小企業・個人事業主の方は少なくありません。しかし、サインした契約が「定期借家契約」だった場合、契約期間満了時に店舗を退去しなければならなかったり、業績悪化で途中解約しようとしても高額の違約金が生じたりするリスクがあります。

本記事では、普通借家契約と定期借家契約の違い、そして事業主がとくに注意すべき法的リスクについて、横浜の弁護士が解説します。店舗・事務所を新規に借りる方はもちろん、更新のタイミングを控えている方にも参考にしていただければ幸いです。

普通借家契約と定期借家契約とは何か

建物の賃貸借契約には、大きく分けて「普通借家契約」と「定期借家契約(定期建物賃貸借契約)」の2種類があります。

普通借家契約は、一般的な賃貸借契約です。借地借家法によって借主(テナント)の保護が手厚く、貸主(オーナー)は「正当事由」がない限り、更新を拒絶することができません(借地借家法第28条)。事業用・居住用を問わず広く用いられており、契約書に「定期建物賃貸借」と明示されていない限り、普通借家契約として扱われます。

定期借家契約は、2000年(平成12年)3月1日の借地借家法改正により導入された制度です(借地借家法第38条)。あらかじめ定めた期間の満了をもって契約が確定的に終了し、更新という概念がありません。期間満了後も引き続き使用したい場合は、あらためて「再契約」を締結する必要があります。

項目 普通借家契約 定期借家契約
更新 原則として更新可能(正当事由なく拒絶不可) 更新なし。期間満了で終了
中途解約 特約なしでも一定の予告期間で可能 原則不可(特約がある場合のみ)
契約形式 口頭でも成立しうる 書面必須・事前説明書の交付が必要
賃料改定 増減請求権あり(借地借家法第32条) 特約により増減請求権の排除が可能
立退料 貸主都合の終了には立退料が必要なことが多い 期間満了での終了には原則不要

最大の違いは「更新できるかどうか」

普通借家契約では、借主が更新を望む場合、貸主が正当事由なく更新を拒絶することはできません。「正当事由」として考慮される要素は、貸主自身またはその家族の使用必要性、老朽化による建て替えの必要性などです。ただし、これらの事情があるからといって直ちに更新拒絶が認められるわけではなく、実務上は相当額の立退料の支払いが必要になるケースがほとんどです。

これに対して定期借家契約では、原則として貸主・借主ともに期間満了をもって契約が終了します。契約期間が1年以上の場合、貸主は期間満了の1年前から6か月前までに「期間満了により終了する」旨を借主に通知しなければなりません(借地借家法第38条第4項)。この通知を怠ると、通知後6か月が経過するまで終了を借主に対抗できなくなりますが、いずれにしても最終的には契約が終了します。

10年単位で設備投資をする飲食店や専門店では、「更新できる」という前提で事業計画を立てているケースがほとんどです。定期借家契約の物件を選択した場合は、契約期間満了時に退去を余儀なくされるリスクを常に念頭に置く必要があります。

事業用物件では中途解約が原則できない

定期借家契約における借主からの中途解約については、借地借家法第38条第5項に規定がありますが、この規定が適用されるのは「床面積200㎡未満の居住用建物」に限られます。

事業用の店舗・事務所については、法律上の中途解約権が借主に当然に認められているわけではなく、契約書に「中途解約特約(解約権留保特約)」が設けられている場合にのみ中途解約が可能とされています。

特約がない場合、借主が中途解約を希望しても、残存期間の賃料相当額の違約金を請求されたり、貸主が合意解約に応じてくれなかったりするリスクがあります。違約金の金額は契約書によって異なりますが、「残存期間の賃料全額」と定められているケースも存在し、長期契約であれば相当な負担になります。なお、違約金条項が著しく高額で公序良俗(民法第90条)に反すると認められれば裁判で減額される余地もありますが、そのような判断が得られるかは個別の事情によります。

注意:業績悪化や業態転換など、経営上の理由で途中解約が必要になる場面は珍しくありません。定期借家契約では「辞めたくても辞められない」状況に陥るリスクがある点を、契約前に必ずご確認ください。

定期借家契約の有効要件——成立に必要な手続き

定期借家契約は、以下の要件をすべて満たさないと有効に成立しないと解されています(借地借家法第38条)。

  • 書面による契約:定期借家契約は必ず書面によって締結しなければなりません(電子契約でも可)。口頭での合意は定期借家契約として認められません。
  • 説明書の交付と事前説明:貸主は、契約締結前に「更新がなく、期間満了により賃貸借が終了する」旨を記載した書面を借主に交付し、説明する義務があります(借地借家法第38条第3項)。
  • 契約書とは別の書面による説明:上記の説明書は、賃貸借契約書とは別の書面で行うことが必要とされています(最高裁平成24年9月13日判決)。

これらの要件が満たされていない場合、定期借家契約としての効力が否定され、普通借家契約として取り扱われる可能性があります。すでに入居中の方でも、契約書と説明書がそろっているかを改めて確認する価値があります。横浜の弁護士にご相談いただければ、現在の契約が有効な定期借家契約かどうかを確認することも可能です。

賃料の増減請求と賃料固定特約に注意

普通借家契約では、租税の増減や経済事情の変動、周辺相場の変化を理由に、借主・貸主ともに賃料の増減を請求できます(借地借家法第32条)。

定期借家契約でも原則として同様の賃料増減請求権は認められますが、特約によってこの権利を排除すること(賃料固定特約)が可能です(借地借家法第38条第7項)。そのため、定期借家契約では「契約期間中は賃料を変更しない」という特約が設けられることがあります。

この場合、景気後退や周辺相場の下落があっても借主からの減額請求ができなくなります。逆に、貸主からの賃料値上げ要求にも応じる必要がなくなるというメリットもありますが、全体的に見て借主にとってはリスクが大きい特約といえます。「相場より安い代わりに定期借家契約」とう説明がされた場合でも、賃料が将来にわたって固定される可能性がある点は、事前に十分確認してください。

更新時に「定期借家への切り替え」を求められたら

すでに普通借家契約でテナントとして入居している場合に、更新のタイミングで「次回は定期借家契約に切り替えたい」と貸主から提示されることがあります。

このような切り替えには借主の合意が必要です。貸主が一方的に定期借家契約に変更することはできません。更新の際に差し出された契約書が「定期建物賃貸借契約書」と記載されていても、それに気づかずサインすれば、それ以降は更新保護を失うことになります。

また、定期借家契約に「再契約可」と記載されていても、再契約するかどうかは貸主の裁量に委ねられており、法律上は再契約を強制することができません。「更新可能」と「再契約可能」は似て非なるものであり、混同しやすい点に注意が必要です。

「建物の老朽化対応のため」「リノベーション予定のため」などを理由として定期借家契約への切り替えを求められた場合には、安易に応じず、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。

契約前に確認すべきチェックポイント

事業用の店舗・事務所を借りる際には、以下の点を必ず確認してください。

  • 契約書に「定期建物賃貸借」と明記されているか(記載がなければ普通借家契約)
  • 契約書とは別に「更新がない旨の説明書(書面)」が交付されているか
  • 中途解約特約の有無と、解約する場合の違約金の計算方法
  • 契約期間の長さと、再契約の条件(貸主の裁量か、借主の権利か)
  • 賃料の増減に関する特約(賃料固定特約)の有無
  • 原状回復の範囲と費用負担の取り決め
  • 期間満了の通知義務(1年前から6か月前)に関する条項

契約書は分量が多く専門用語も多いため、見慣れていない方には重要な条項を見落とすリスクがあります。特に事業用の長期賃貸借契約は金額が大きく、後から交渉しようとしても難しいケースがほとんどです。契約前に弁護士によるリーガルチェックを受けることが、将来のトラブル回避につながります。

まとめ——定期借家契約のリスクを理解して契約に臨む

定期借家契約と普通借家契約の最大の違いは、「更新ができるかどうか」にあります。事業用物件では特に、中途解約が原則できない点、更新がなく再契約も保証されない点が、事業の継続に直接影響するリスクとなります。

「賃料が安い」「条件が良い」と感じた場合でも、定期借家契約にはそれ相応の事情がある場合がほとんどです。契約書に「定期建物賃貸借」の記載がないか、中途解約特約の有無、賃料固定特約の有無などを必ず確認し、疑問があれば契約前に専門家に相談されることを強くお勧めします。

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タングラム法律事務所では、企業法務(契約書レビュー・労務・法改正対応等)について、中小企業・個人経営の事業者向けに豊富な実績を有しております。事業用賃貸借契約の内容確認、定期借家契約のリスクチェック、中途解約交渉など、横浜の弁護士が対応いたします。

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※本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。具体的な案件については弁護士にご相談ください。

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