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相続した空き家はどうする?管理・売却・解体と3,000万円特別控除を横浜の弁護士が解説

相続した空き家はどうする?管理・売却・解体と3,000万円特別控除を横浜の弁護士が解説

相続した空き家はどうする?管理・売却・解体と3,000万円特別控除を横浜の弁護士が解説

相続した空き家はどうする?管理・売却・解体と3,000万円特別控除を横浜の弁護士が解説

相続した空き家はどうする?管理・売却・解体と3,000万円特別控除を横浜の弁護士が解説

親が亡くなり、実家が突然「空き家」になってしまった――そのような状況に直面し、どうすればよいか途方に暮れている方は少なくありません。誰も住まなくなった家は老朽化が進み、管理の手間や費用が重くのしかかります。しかも遺産分割の話し合いが長引くことで、空き家の問題が先送りになるケースも多く見られます。

本記事では、相続した空き家を放置することのリスクから、管理・賃貸・売却・解体といった各選択肢の特徴、そして売却時に最大3,000万円の所得控除を受けられる「相続空き家の特例」(令和6年改正対応)まで、横浜の弁護士がわかりやすく解説します。遺産分割の問題を抱えながら空き家をどう扱うべきか、判断の糸口としてお役立てください。

相続した空き家を放置し続けるとどうなるか

相続が発生してもすぐに空き家の活用や処分に着手できるとは限りません。相続人間で遺産分割の話し合いが続いていたり、空き家の利用方法について意見が分かれていたりすると、空き家の問題が長期にわたって放置される事態になりがちです。

しかし空き家を放置することには、深刻なリスクが伴います。建物の老朽化が進むにつれ、雨漏りや外壁の崩落、害虫・害獣の発生といった問題が生じます。近隣住民との間でトラブルが発生する可能性もあります。また、誰も住んでいない建物は不法侵入や放火の標的になりやすいという防犯上の問題もあります。さらに後述するように、放置した空き家は税制上の優遇も受けられなくなるおそれがあります。

「特定空き家」「管理不全空き家」に認定されると固定資産税が最大6倍になる

空き家を長期間放置すると、行政による指導・勧告の対象となることがあります。平成27年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」は、令和5年(2023年)12月に改正され、行政の関与できる範囲が大幅に拡大されました。

改正後の制度では、管理が不十分で放置すれば「特定空き家」になるおそれのある空き家を「管理不全空き家等」として行政が指定できるようになりました。「特定空き家等」はもとより、「管理不全空き家等」についても、行政から「勧告」を受けると、固定資産税の「住宅用地特例」(小規模住宅用地は課税標準を6分の1に軽減)の適用が外れる可能性があります。これにより固定資産税が実質的に最大6倍程度に跳ね上がる場合があります。

行政から「助言・指導」の段階で適切に対処すれば固定資産税が増えることはありませんが、「勧告」を受け、賦課期日(1月1日)までに是正が確認できない場合には翌年度から特例が解除されます。空き家の管理状態には十分な注意が必要です。

【ポイント】
令和5年(2023年)12月施行の改正空き家対策特別措置法により、「管理不全空き家等」という新たなカテゴリが設けられ、行政の勧告対象が拡大されました。放置したまま遺産分割の話し合いを続けることには相応のリスクがあります。

遺産分割が終わっていない間の空き家管理はどうすればよいか

相続が発生してから遺産分割が確定するまでの間、相続財産は相続人全員の「共有」状態になります。空き家についても同様で、特定の相続人が勝手に売却したり解体したりすることは原則としてできません。ただし、建物の日常的な維持管理(保存行為)は、各相続人が単独で行うことが可能です(民法第252条第5項)。

遺産分割の話し合いが長引きそうな場合は、以下のような暫定的な管理対応を検討してください。

  • 定期的な見回り・換気・清掃など最低限の維持管理を行う
  • 電気・ガス・水道を安全に管理(凍結防止・漏電防止)
  • 建物の保険(火災保険・空き家保険)の継続または新規加入を確認する
  • 近隣に連絡先を周知し、緊急時の対応ルートを確保する
  • 空き家管理サービス(専門業者に委託)の活用を検討する

管理にかかった費用は、相続財産の管理費用として遺産分割の際に考慮される場合があります。領収書等を保管しておくことをおすすめします。

相続した空き家の主な活用・処分の選択肢

遺産分割が確定したあと、あるいは共有のまま共同で決定できる場合、空き家の扱いには大きく次の選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、物件の状態や立地、相続人の状況に応じて判断が必要です。

選択肢 主なメリット 主なデメリット・注意点
管理・維持(当面保有) 急いで決断しなくてよい 固定資産税・管理費が継続発生、老朽化リスク
賃貸に出す 収益を得られる・建物を活かせる リフォーム費用・入居者とのトラブルリスク
売却 現金化できる・管理負担がなくなる 譲渡所得税の発生(特例の活用が重要)
解体して更地に 管理コストが減少、売却しやすくなる場合も 解体費用が発生・固定資産税の軽減が外れる場合がある
相続土地国庫帰属制度の利用 不要な土地を国に帰属させられる 建物の解体が必要・審査要件が厳格

特に「売却」は遺産分割の方法としても有力であり、売却代金を相続人間で分ける「換価分割」として活用できます。売却を検討する場合は、後述する税制の特例を事前に確認することが重要です。

相続した空き家を売却したときの「3,000万円特別控除」とは

相続した空き家を売却すると、売却益(譲渡所得)に対して所得税・住民税が課税されます。しかし一定の要件を満たす場合は、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(租税特別措置法第35条第3項、国税庁タックスアンサーNo.3306)として、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。適用期限は令和9年(2027年)12月31日まで延長されています。

主な適用要件は以下のとおりです。

  • 被相続人が相続直前まで居住していた家屋であること(一定要件を満たした老人ホーム等への入居前まで居住していた場合も対象となる場合があります)
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準の建物)
  • 区分所有建物登記がされていないこと(マンション等は対象外)
  • 相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 売却時に耐震基準を満たす状態にあること、または建物を除却した後に土地を売却すること(令和6年改正で条件が緩和されています)

この特例を活用することで、数百万円単位の節税効果が期待できる場合があります。弁護士や税理士と連携しながら、早めに売却の可否を検討することが有利です。

令和6年(2024年)改正で3,000万円特別控除はどう変わったか

令和5年度税制改正(令和6年1月1日以降の譲渡に適用)により、相続空き家の3,000万円特別控除に重要な改正が加えられました。主な変更点は2点です。

①売却後の解体・耐震改修でも特例が使えるように

改正前は、売却(引渡し)の時点までに建物の耐震改修または解体を完了していることが要件でした。改正後は、売却した年の翌年2月15日までに買主が耐震改修または建物の除却を行った場合にも特例の適用が認められるようになりました。これにより、売主が解体費用を負担せず、買主側での建て替えを前提とした売却でも特例を使えるケースが増えています。

②相続人が3人以上の場合は控除上限が2,000万円に縮小

令和6年1月1日以降の譲渡については、家屋および敷地を相続した相続人の数が3人以上の場合、一人あたりの控除上限が3,000万円から2,000万円に縮小されました。相続人が2人以下の場合は従来通り最大3,000万円です。相続人が複数いる場合は、相続人の人数も特例活用の重要な検討要素になります。

【注意点】
3,000万円特別控除を受けるには、売却後に市区町村から「被相続人居住用家屋等確認書」を取得し、確定申告を行う必要があります。要件の判断や書類の準備は複雑なため、横浜の弁護士や税理士に早めにご相談ください。

まとめ:相続した空き家の問題は早めに専門家へ相談を

相続した空き家の問題は、「放置すればよい」という選択肢がなく、時間の経過とともにリスクが大きくなる性質のものです。空き家の管理・処分の方針を決めるには、まず遺産分割の話し合いを進めることが前提となりますが、相続人間の意見対立や連絡が取れない相続人の存在など、さまざまな事情で話し合いが難航するケースも少なくありません。

遺産分割の問題と空き家の処分は不可分に絡み合っています。法的な権限の確認、遺産分割協議の進め方、売却時の特例活用など、複数の専門知識を要する局面では、弁護士に相談することで問題解決への道筋が見えやすくなります。また、売却時の税金については税理士との連携も重要です。放置期間が長くなるほど選択肢が狭まり、特例の期限も迫ってきます。「どうすればよいかわからない」と感じたら、早めに専門家へのご相談をおすすめします。

相続した空き家の処分・遺産分割についてお悩みの方へ

タングラム法律事務所では、相続や遺留分侵害額請求の事案について豊富な実績を有しております。空き家を含む不動産の遺産分割、相続人間のトラブル解決から、売却・活用方針の法的サポートまで、横浜を拠点に幅広くご支援いたします。初回のご相談もお気軽にどうぞ。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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