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社内不倫が発覚した場合の不貞慰謝料請求と会社への影響|横浜の弁護士が解説

社内不倫が発覚した場合の不貞慰謝料請求と会社への影響|横浜の弁護士が解説

社内不倫が発覚した場合の不貞慰謝料請求と会社への影響|横浜の弁護士が解説

2026/04/13

社内不倫が発覚した場合の不貞慰謝料請求と会社への影響|横浜の弁護士が解説

配偶者が職場の同僚や上司・部下と不倫していることが発覚した——そう知ったとき、怒り・悲しみ・混乱が入り混じる気持ちになるのは当然のことです。「慰謝料を請求できるのか」「相手は今も同じ職場にいるのか」「会社に知らせた方がいいのか」など、社内不倫ならではの疑問が次々と浮かんでくるのではないでしょうか。

本記事では、社内不倫が発覚した場合に直面しやすい問題——不貞慰謝料の請求と相場、社内不倫ならではの増額事由、そして懲戒処分や解雇など会社への影響——について、法的な観点からわかりやすく解説します。

社内不倫の法的位置づけ|一般的な不倫と何が違うのか

社内不倫とは、職場内での不倫関係のことを指します。法律上、不倫の成立要件は「既婚者が配偶者以外の異性と性的関係(肉体関係)を持つこと」であり、相手が社内の人間であっても社外の人間であっても、不貞行為の要件に違いはありません。すなわち、社内不倫であっても不貞慰謝料を請求する権利は等しく認められます。

ただし、社内不倫には一般的な不倫と異なる側面がいくつかあります。まず、職場という日常的な接点があるため、不倫関係が長期化・深刻化しやすい傾向があります。また、不倫発覚後も当事者同士が同じ職場で顔を合わせ続ける可能性があり、精神的な苦痛が継続するケースが少なくありません。さらに、上司と部下という権力関係が慰謝料額や法的評価に影響することもあります。こうした特有の事情が、社内不倫を法的にも複雑にする要因となっています。

社内不倫における不貞慰謝料の相場

不貞慰謝料の金額は、社内不倫だからといって特別な相場があるわけではなく、基本的には一般的な不貞慰謝料の基準に従って判断されます。裁判例を参考にすると、以下のような目安が示されています。

状況 慰謝料の目安
離婚に至らなかった場合 50万円〜150万円程度
離婚に至った場合 150万円〜300万円程度

これらはあくまで目安であり、実際の慰謝料額は個別の事情によって大きく異なります。婚姻期間の長さ、不倫関係の継続期間、子どもの有無、精神的損害の程度、当事者の収入・資産状況など、さまざまな要素が総合的に考慮されます。

ポイント:慰謝料の請求先は配偶者と不倫相手の両方が原則ですが、二重取りはできません(どちらか一方または合計で全額を受け取る形になります)。なお、不倫相手から配偶者への「求償権」(不倫相手が慰謝料を支払った後、配偶者に対して一部の負担を求める権利)を防ぐために、示談書に求償権放棄条項を盛り込むことが重要です。

社内不倫ならではの慰謝料増額事由

社内不倫では、職場内という特殊な環境・人間関係が慰謝料の増額事由として考慮される場合があります。主なものとして以下が挙げられます。

① 上司から部下への誘いがあった場合

上司が部下に対し業務上の立場を利用して不倫関係に誘った場合、または評価・昇進などへの不安を感じた部下が断れなかったような事情がある場合、上司側の責任はより重く評価される傾向があります。このようなケースでは、上司に対する慰謝料額が増額される可能性があります。また、部下が「拒否できなかった」と主張すれば、セクシュアルハラスメントとして別途法的問題となる場合もあります。

② 不倫関係の期間が長期にわたる場合

同じ職場にいることで日常的に接触の機会があり、不倫関係が数年にわたって継続していたようなケースでは、精神的苦痛の大きさを示す事情として慰謝料増額の根拠になると考えられます。

③ 不倫の発覚後も接触が続く場合

同じ職場であるために、不倫が発覚した後も二人が顔を合わせる状況が続く場合、被害配偶者の精神的苦痛は継続または増大することがあります。このような継続的な苦痛は、慰謝料請求において正当に考慮されうる要素です。

④ 不倫関係が積極的・計画的であった場合

社内での密会を重ねたり、業務時間中に性的関係に及んでいたりした場合は、悪質性が高いとして増額要素になる場合があります。

不倫相手の配偶者から「会社を辞めろ」と要求された場合

社内不倫が発覚すると、不倫相手の配偶者から「同じ職場にいるのは許せない。辞めてほしい」と退職を要求されるケースがあります。しかし、退職するかどうかはあくまで本人の意思に委ねられており、不倫の事実があるからといって当然に退職義務が生じるわけではありません。

ただし、示談交渉の中で「退職する」「転部・転勤する」という内容を合意することは実際にも行われており、そうした条件を示談書に盛り込むことは可能です。もっとも、こうした条件を含む合意は後々のトラブルにもつながりやすいため、内容の整合性や実現可能性を弁護士と十分に検討した上で進めることが重要です。

社内不倫と会社への影響|懲戒処分・解雇はできるのか

社内不倫が発覚した際、会社として懲戒処分を行いたいと考える経営者・人事担当者も少なくありません。しかし、日本の労働法制のもとでは、社内不倫を理由とする懲戒処分・特に懲戒解雇は、一定の要件を満たさない限り違法となる可能性があります。

懲戒処分が認められる要件

労働契約法第15条は、懲戒処分は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」には無効とすると定めています。社内不倫に対する懲戒処分が有効と認められるためには、主に以下の要件が必要です。

  • 就業規則に懲戒事由として明確に規定されていること(例:「職場の風紀・秩序を乱す行為」など)
  • 企業の業務運営や職場環境に具体的な支障が生じていること
  • 処分が事案の重大性に照らして相当な範囲内であること
  • 弁明の機会を付与するなど手続が適正であること

単に既婚者同士が社内で不倫していたという事実だけでは、懲戒解雇が認められない場合が多いとされています。裁判例においても、「職場の風紀・秩序を乱した」とは企業運営に具体的な影響を与えるものに限ると解釈され、単なる不倫関係だけでは懲戒解雇の理由として不十分と判断されたケースが見られます。

懲戒処分が認められやすいケース

  • 業務時間中に社内で性的関係に及んでいた
  • 不倫関係が原因で職場の人間関係が崩壊し、業務に支障が生じた
  • 上司が業務上の地位を利用して部下に不倫を迫った(セクハラを伴う場合)
  • 不倫関係の発覚により他の従業員が退職するなど、採用・雇用維持に悪影響が及んだ

会社への慰謝料請求リスク(企業側の注意点)

社内不倫についての噂や情報を会社が把握していながら適切な対応をとらなかった場合、環境型セクシュアルハラスメントとして会社が損害賠償責任を負う可能性も指摘されています。企業としては、問題を認識した際に適切な調査・指導を行うことが重要です。

不貞慰謝料を請求する際の注意点|社内不倫ならではのリスク管理

社内不倫の不貞慰謝料請求には、通常の不倫とは異なる注意が必要な場面があります。

証拠収集の工夫

職場という環境では、当事者同士が業務上の連絡を理由に接触を続けることができるため、不倫関係が継続していてもその証拠を外部から掴みにくいことがあります。一方で、社内メール・チャットツールの履歴、社内での目撃情報、業務外の時間帯における二人の行動記録なども証拠となりうる場合があります。証拠収集の方法については、違法にならないよう弁護士に相談しながら進めることが重要です。

示談交渉における接触禁止条項の重要性

社内不倫では、示談成立後も二人が同じ職場に勤め続ける可能性があります。示談書において「今後一切接触しない」旨の接触禁止条項を設けることが望ましいですが、同一職場の場合は「業務上必要な最低限の連絡を除く私的な接触を禁止する」などの現実的な表現を検討する必要があります。横浜を拠点とする弁護士に相談し、状況に応じた条項を検討することをお勧めします。

会社への通知・告知をどうするか

不倫の事実を相手の会社や所属上長に通知することは、場合によっては名誉毀損や不法行為として問題になる可能性があります。通知の目的・内容・方法が正当な範囲内かどうかは、慎重に判断する必要があります。感情的な行動をとる前に、弁護士に相談することを強くお勧めします。

社内不倫の慰謝料請求を進める際の流れ

社内不倫に基づく不貞慰謝料請求の基本的な流れは以下のとおりです。

  • ① 証拠の確保:不貞行為の存在を示す証拠(LINEのやり取り、写真、ホテルの領収書など)を適法な方法で収集・保全する
  • ② 弁護士への相談:証拠の評価、請求先(配偶者・不倫相手またはその両方)、請求額の見立てを弁護士と確認する
  • ③ 内容証明郵便による請求:弁護士を通じて内容証明郵便を送付し、慰謝料の支払いと接触禁止を求める
  • ④ 示談交渉:相手方との交渉により示談書を締結する。公正証書化により強制執行力を持たせることも可能
  • ⑤ 調停・訴訟:交渉が決裂した場合は、家庭裁判所の調停または地方裁判所への訴訟提起を検討する

まとめ|社内不倫は複雑だからこそ早期に弁護士へ

社内不倫は、感情的なダメージの大きさに加え、法的・職場的な問題が複雑に絡み合うケースです。慰謝料請求の進め方、証拠の評価、示談書の内容、会社への対応方法など、判断を誤ると取り返しのつかない事態になることもあります。

特に、同じ職場の人間が相手であるという特殊性から、通常の不倫案件とは異なる配慮や戦略が求められます。示談書の接触禁止条項、退職要求への対応、会社への通知の是非——これらはいずれも慎重な判断が必要です。

「まず何をすべきか」「どう証拠を集めるべきか」という段階から、弁護士に相談することで、感情的な判断を避けながら適切な対応をとることができます。早期の相談が、最終的な解決の近道となることが多いです。

社内不倫の不貞慰謝料請求・対応についてお悩みの方へ

タングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求の事案について豊富な実績を有しております。社内不倫特有の複雑な事情(証拠収集・示談書作成・会社への対応方法など)についても、横浜を拠点とする弁護士が丁寧にご対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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