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相続税の基礎控除とは?申告が必要になる目安をわかりやすく解説|横浜の弁護士

相続税の基礎控除とは?申告が必要になる目安をわかりやすく解説|横浜の弁護士

相続税の基礎控除とは?申告が必要になる目安をわかりやすく解説|横浜の弁護士

2026/05/01

相続税の基礎控除とは?申告が必要になる目安をわかりやすく解説|横浜の弁護士

「相続税って、うちにも関係あるのだろうか」「財産がどのくらいあれば税金がかかるの?」——身近な人が亡くなったとき、多くの方がこのような疑問を抱えます。相続税は、すべての相続に課税されるわけではなく、遺産の総額が一定の金額(基礎控除額)を超えた場合にのみ申告・納税の義務が生じます。しかし、この仕組みを正確に理解していないと、申告が必要なのに放置してしまったり、逆に不要な心配をして多くの時間と費用を費やしたりする可能性があります。

本記事では、相続税の基礎控除の意味と計算方法、申告が必要になる目安、特例や控除の活用方法、そして2024年に施行された生前贈与に関する改正点まで、横浜の弁護士がわかりやすく解説します。相続税の全体像を把握し、適切な対応への第一歩にお役立てください。

相続税の基礎控除とは?

相続税の「基礎控除」とは、相続税の計算において遺産総額から差し引くことができる金額のことです。遺産の課税価格の合計額がこの基礎控除額以下であれば、相続税は課税されず、申告も不要です。

現行の基礎控除額は、2015年(平成27年)1月1日施行の相続税法改正によって引き下げられた水準が現在も維持されています。改正前は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」でしたが、改正後は以下の計算式に変わり、課税対象者の割合が大幅に増加しました。

【基礎控除額の計算式】
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人とは、民法の規定によって相続する権利を有する人のことです。配偶者は常に法定相続人となり、子・直系尊属(父母・祖父母)・兄弟姉妹が優先順位に従って法定相続人となります。なお、基礎控除の計算においては、相続放棄をした人も法定相続人の数に含めて計算する点に注意が必要です。

基礎控除額の計算例と申告が必要になる目安

具体的な家族構成ごとに基礎控除額を計算すると、以下のようになります。

家族構成(法定相続人) 法定相続人の数 基礎控除額
配偶者のみ 1人 3,600万円
配偶者+子1人 2人 4,200万円
配偶者+子2人 3人 4,800万円
配偶者+子3人 4人 5,400万円
子1人(配偶者なし) 1人 3,600万円
子2人(配偶者なし) 2人 4,200万円

「課税価格の合計額」とは、相続や遺贈によって取得した財産の価額(時価が原則)から、債務・葬式費用を差し引いた金額に、一定の生前贈与財産を加算したものです。この合計額が上記の基礎控除額を超えると、相続税の申告義務が生じます。

一般的に、都市部(特に首都圏)では自宅の不動産だけで基礎控除額を超えるケースも少なくありません。横浜市を含む神奈川県の地価水準を踏まえると、「うちには関係ない」と思っていたご家庭でも、実際には申告が必要になる場合があります。まずは遺産の概算を把握することが大切です。

相続税の申告が必要なケース・不要なケース

申告が不要なケース

遺産の課税価格の合計額が基礎控除額以下であれば、相続税は0円となり、申告も不要です。例えば、法定相続人が配偶者と子2人(計3人)の場合、課税価格の合計が4,800万円以下であれば申告義務は生じません。

申告が必要なケース

課税価格の合計額が基礎控除額を超える場合は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に、被相続人の住所地を管轄する税務署に申告・納税しなければなりません(相続税法第27条)。期限を過ぎると、延滞税や加算税が課される場合があるため、早めに動くことが重要です。

特例を使う場合は申告が必須

ここで多くの方が見落としがちな重要なポイントがあります。小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減(配偶者控除)を適用した結果、納税額が0円になる場合でも、これらの特例を受けるためには必ず相続税の申告が必要です。申告をしなければ、特例の適用は認められません。

【申告が必要な主なケース】
  • 課税価格の合計額が基礎控除額を超える場合
  • 小規模宅地等の特例を適用して納税額が0円になる場合
  • 配偶者の税額軽減を適用して納税額が0円になる場合
  • 農地の納税猶予など各種特例を利用する場合

相続税を大きく左右する主な特例・控除

相続税の計算では、基礎控除に加えて様々な特例や控除が設けられています。代表的なものをご紹介します。

① 配偶者の税額軽減(配偶者控除)

配偶者が相続した財産が「1億6,000万円以下」または「配偶者の法定相続分相当額以下」であれば、配偶者は相続税を納めなくてよいとされています(相続税法第19条の2)。ただし、この軽減を受けるためには申告が必要です。また、二次相続(配偶者が亡くなった際の相続)での税負担が増加する可能性もあるため、長期的な視点での検討が望まれます。

② 小規模宅地等の特例

被相続人が居住していた自宅の土地(特定居住用宅地等)については、330㎡を限度として評価額を最大80%減額できる特例があります(租税特別措置法第69条の4)。例えば、評価額5,000万円の土地が1,000万円に圧縮されることになるため、課税価格が大幅に低下し、相続税が課されない、あるいは大幅に軽減される場合があります。適用を受けるには一定の要件(同居の有無・申告期限まで居住継続など)を満たす必要があります。

③ 未成年者控除・障害者控除

相続人が未成年者である場合(相続税法第19条の3)や、一定の障害を有する場合(相続税法第19条の4)には、税額の控除を受けられる制度があります。いずれも申告を通じて適用を受けることが必要です。

2024年の生前贈与ルール改正と相続税への影響

2024年(令和6年)1月1日より、生前贈与と相続税の関係に関して重要な改正が施行されました。相続税の申告を検討する際には、この改正も念頭に置く必要があります。

① 生前贈与の加算期間が3年から7年に延長

従来、相続開始前3年以内に行われた暦年課税による生前贈与は、相続財産に加算して相続税を計算する必要がありました。2024年1月1日以後の贈与から、この加算期間が段階的に延長され、最終的には7年となります(相続税法第19条)。なお、延長された4年間(3年超7年以内)の贈与については、合計100万円までは加算対象から除かれる措置が講じられています。この改正により、従来よりも相続財産への加算額が増加するケースが出てくると考えられます。

② 相続時精算課税制度への基礎控除の創設

2024年1月1日以後の贈与より、相続時精算課税制度を選択している場合でも、年間110万円の基礎控除が新設されました(相続税法第21条の11の2)。この110万円以内の贈与については、贈与税・相続税ともに課税されません。生前の財産移転を検討する際、税制上の有利・不利が変化していますので、専門家への相談が一層重要になっています。

相続税申告の期限と手続きの流れ

相続税の申告・納税の期限は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10か月以内です。この期間内に、遺産の調査・評価、申告書の作成・提出、そして納税を完了させる必要があります。

主な流れとしては、①相続人の確定(戸籍謄本の収集)→②遺産の調査・評価→③遺産分割協議→④申告書の作成→⑤申告・納税、という順序で進みます。不動産の評価や金融資産の残高確認など、実務的に時間がかかる作業が多いため、早い段階から準備を始めることが大切です。

期限内に申告・納税が難しい場合でも、期限後の申告(自主的な申告)は可能ですが、無申告加算税や延滞税が課される場合があります。税務調査によって発覚した場合はさらに重い加算税が課されることもあるため、期限を意識した対応が求められます。

まとめ:相続税は早めの確認と専門家への相談が重要

相続税は、遺産の課税価格の合計額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた場合に申告・納税の義務が生じます。しかし、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などの特例を活用することで、納税額をゼロあるいは大幅に抑えることができるケースも少なくありません。一方で、これらの特例は申告しなければ適用されないという点には十分な注意が必要です。

また、2024年からの生前贈与に関するルール変更により、相続税の計算に影響が生じるケースが増えています。「うちには関係ない」と思わず、まずは遺産総額の概算と法定相続人の数を確認することから始めましょう。相続税に関しては税理士への相談が基本となりますが、遺産分割の協議が難航している場合や、遺留分侵害額請求が絡む場合には、横浜の弁護士に相談することも重要な選択肢となります。弁護士と税理士が連携して対応することで、法律面と税務面の双方をカバーしたサポートが可能になります。

相続税や遺産分割のことで不安がある方へ

タングラム法律事務所では、相続や遺留分侵害額請求の事案について豊富な実績を有しております。相続税の申告が必要かどうかの判断から、遺産分割協議・調停のサポート、遺留分侵害額請求への対応まで、横浜の弁護士が総合的にご相談をお受けします。まずはお気軽にご連絡ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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