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不貞慰謝料と精神的苦痛(うつ病・適応障害)の関係|診断書は増額事由になる?横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料と精神的苦痛(うつ病・適応障害)の関係|診断書は増額事由になる?横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料と精神的苦痛(うつ病・適応障害)の関係|診断書は増額事由になる?横浜の弁護士が解説

2026/05/01

不貞慰謝料と精神的苦痛(うつ病・適応障害)の関係|診断書は増額事由になる?横浜の弁護士が解説

配偶者の不貞行為が発覚したとき、多くの方が深刻な精神的ショックを受けます。眠れない夜が続いたり、食欲がなくなったり、仕事や日常生活に支障をきたしたりと、その苦しみは言葉では言い表せないほどです。そのような状態が続き、心療内科や精神科を受診したところ「うつ病」や「適応障害」と診断された、というケースも決して珍しくありません。

こうした状況にある方から「うつ病の診断書は慰謝料の増額に使えますか?」「治療費も請求できますか?」というご相談をよくいただきます。本記事では、不貞慰謝料と精神的苦痛(うつ病・適応障害)の関係について、因果関係の考え方・診断書の活用方法・裁判例の傾向などを横浜の弁護士がわかりやすく解説します。

不貞慰謝料における「精神的苦痛」の位置づけ

不貞行為(不貞慰謝料)は、民法709条(不法行為)に基づく損害賠償請求の一種です。損害賠償の対象となるのは、財産的損害だけでなく「精神的苦痛」などの非財産的損害(慰謝料)も含まれます(民法710条)。

不貞行為は、婚姻関係にある配偶者に対する貞操義務の違反であり、不法行為として被害者に精神的損害を与えるものです。そのため、慰謝料の算定においては、被害者が受けた精神的苦痛の大きさが重要な考慮要素となります。一般的に慰謝料の相場は50万〜300万円程度とされていますが、精神的苦痛が特に重大であると認められる場合には、この相場を超える金額が認定される傾向があります。

うつ病・適応障害は慰謝料の増額事由になるのか?

結論から言うと、不貞行為が原因でうつ病や適応障害を発症した場合、慰謝料の増額事由として考慮される可能性があります。ただし、重要なのは「不貞行為との因果関係が認められるかどうか」です。

裁判例では、以下のような事情が認められた場合に慰謝料が増額される傾向があります。

  • 不貞行為が発覚した直後から心療内科・精神科を受診し、うつ病・適応障害と診断されたこと
  • 医師が作成した診断書に「不貞の発覚が契機」「不貞発覚後から症状が出現」など因果関係を示す記述があること
  • 診断後も継続して通院し、日常生活や仕事に支障をきたしていること
  • 不貞行為の期間が長期にわたっていたり、悪質な態様があったりすること
ポイント:精神疾患の診断を受けていても、それが不貞行為以外の原因(職場のストレスや既往症など)によるものと判断される場合は、増額事由として考慮されない可能性があります。因果関係の立証がきわめて重要です。

実際の裁判例から見る慰謝料の傾向

以下に、不貞行為とうつ病・精神疾患との関係が認定された裁判例の傾向を紹介します。

東京地裁平成27年3月17日判決

配偶者から不貞行為を打ち明けられた後、重度の精神的苦痛を被り、3か月後にうつ病と診断、その後適応障害とも診断されたケースで、慰謝料250万円に加え、通院治療費等の実損害の支払いも認められました。不貞行為との時間的近接性が因果関係の認定に寄与した事例です。

慰謝料200万円超が認められた事例の傾向

不貞行為が継続的に行われ、婚姻関係の平穏が大きく侵害された事案で、被害者が不貞発覚翌日に精神科を受診し、うつ病と診断されてその後3年以上通院が続いた事例では、200万円を超える慰謝料が認定されています。通院の継続性と生活への影響の大きさが増額に結びついたと考えられます。

軽度の精神的症状に留まる場合の扱い

一方、うつ状態や不眠・不安などの症状があっても、医師の診断を受けておらず通院実績がない場合、または症状が軽微で治療の必要性が低いと判断される場合は、精神的苦痛は通常の慰謝料の中に「吸収」されるにとどまり、別途の増額事由として認定されにくい傾向があります。

診断書の重要性と入手・活用の方法

精神的苦痛を裏付ける最も重要な証拠のひとつが、医師が作成した診断書です。診断書の取り扱いにあたっては、以下の点に注意してください。

診断書に記載してほしい内容

診断書には単に病名が書かれているだけでなく、できるかぎり以下の情報が含まれているとより有効です。

  • 診断名(うつ病・適応障害・PTSD等)
  • 症状の発症時期・初診日
  • 症状が発現した経緯・契機(「配偶者の不貞発覚を機に〜」など)
  • 治療の見込み期間・加療の必要性
  • 日常生活や就労への影響

担当医師に対して、「不貞行為の発覚が症状の原因である旨を診断書に明記していただけますか」と相談することを検討してください。医師が臨床上の観点から妥当と判断すれば、より証拠力の高い診断書を作成してもらえる場合があります。

通院記録・医療費領収書の保存

診断書のほかに、通院記録(来院日・治療内容のわかる資料)や医療費の領収書も大切な証拠となります。これらは後の請求の際に実損害額(治療費)を証明するためにも必要となります。すべてまとめて保管しておきましょう。

治療費・通院交通費は別途請求できるのか?

不貞行為との因果関係が認められれば、精神疾患の治療に要した費用は、慰謝料とは別に財産的損害として請求できる場合があります。具体的には以下のような費用が対象となり得ます。

請求できる可能性のある費用 主な証拠書類
心療内科・精神科の診察費・薬代 領収書・診療明細書
通院のための交通費 交通費の記録・ICカードの履歴
カウンセリング費用 領収書・カウンセリング契約書
休業損害(治療のため仕事を休んだ場合) 給与明細・休業証明書

ただし、休業損害については、精神疾患と不貞行為との因果関係だけでなく、「精神疾患のために就労不能であったこと」まで立証する必要があり、認定されるハードルは高い傾向にあります。主治医の意見書などを用意して、丁寧に立証することが重要です。

慰謝料増額のために準備すべきこと

不貞行為による精神的苦痛(うつ病・適応障害)を慰謝料の増額に結びつけるためには、早期の行動が重要です。以下のステップを参考にしてください。

① できるだけ早く医療機関を受診する

不貞行為の発覚後に精神的な不調を感じたら、我慢せず心療内科や精神科を受診することをお勧めします。不貞発覚と受診の時間的距離が近いほど、因果関係の立証がしやすくなります。受診が遅れると「別の原因によるものではないか」と反論されるリスクが高まります。

② 受診時に医師へ経緯をしっかり伝える

初診時に「いつ、何をきっかけに精神的な不調が始まったか」を医師に正確に伝えることが大切です。不貞行為の発覚が直接のきっかけであれば、その旨を明確に伝えましょう。カルテに記録されることで、後日の診断書に経緯が反映される可能性が高まります。

③ 不貞行為の証拠も確保する

精神疾患の立証に加えて、不貞行為そのものの証拠(LINEのやり取り・ホテルの領収書・探偵報告書など)も確保しておくことが不可欠です。不貞の事実が立証できなければ、慰謝料請求自体が認められません。精神的苦痛の主張はあくまで増額事由であり、不貞行為の立証が大前提です。

④ 弁護士に早めに相談する

横浜の弁護士など、不貞慰謝料に詳しい専門家へ早期に相談することで、証拠の保全方法・診断書の取得方法・請求の進め方などについて適切なアドバイスを受けられます。精神的に辛い状況だからこそ、法的な手続きは専門家に任せることで、心身の回復に集中することができます。

まとめ:精神的苦痛の大きさを正当に評価してもらうために

不貞行為によってうつ病や適応障害を発症した場合、それは単なる「心の弱さ」ではなく、不法行為によって引き起こされた重大な損害です。適切に証拠を整え、因果関係を丁寧に立証することで、精神的苦痛に見合った慰謝料の増額が認められる可能性があります。

一方で、因果関係の立証は専門的な知識を要し、相手方から「不貞行為とは無関係だ」「別の原因があるはずだ」と反論されることも少なくありません。また、治療費や休業損害の請求には追加の証拠収集が必要となる場合もあります。こうした複雑な問題を一人で抱え込まず、弁護士に相談することが、適切な解決への近道となります。

不貞行為による精神的苦痛(うつ病・適応障害)でお悩みの方へ

タングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求の事案について豊富な実績を有しております。精神的苦痛を適切に評価してもらうための証拠収集・診断書の活用・増額交渉まで、横浜の弁護士が丁寧にサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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