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遺産を独り占めされたときの対処法|取り戻す方法を横浜の弁護士が解説

遺産を独り占めされたときの対処法|取り戻す方法を横浜の弁護士が解説

遺産を独り占めされたときの対処法|取り戻す方法を横浜の弁護士が解説

遺産を独り占めされたときの対処法|取り戻す方法を横浜の弁護士が解説

遺産を独り占めされたときの対処法|取り戻す方法を横浜の弁護士が解説

「親と同居していた兄が、遺産の内容を教えてくれないまま財産をすべて管理している」「気づいたら親名義の預金が引き出されていた」——特定の相続人が遺産を独り占めし、他の相続人が蚊帳の外に置かれてしまうご相談は少なくありません。血のつながった家族だからこそ、強く言い出せずに時間だけが過ぎてしまうこともあります。

しかし、法律上、相続人にはそれぞれ取得できる相続分が保障されており、一部の相続人が遺産を独占してよいというルールはありません。この記事では、遺産を独り占めされたときにまず確認すべきこと、遺産を取り戻すための手続きの流れ、すでに使い込まれている場合や遺言で独占されている場合の対応まで、横浜の弁護士が順を追って解説します。

「遺産の独り占め」とはどのような状態か

ひとくちに「遺産を独り占めされた」といっても、その中身はケースによって異なります。大きく分けると、次のような状況が考えられます。

タイプ典型的な状況
遺産分割の未了型特定の相続人が遺産を管理・占有し、分割の話し合いに応じない・内容を開示しない
使い込み型被相続人の生前や死亡後に、預貯金が無断で引き出される・不動産の賃料を独占するなど
遺言による独占型「全財産を長男に相続させる」といった遺言により、他の相続人の取り分が奪われている

どのタイプにあたるかによって、とるべき対応が変わります。遺産分割が未了であれば分割手続きを、使い込みがあれば返還請求を、遺言による独占であれば遺留分の問題を検討することになります。まずはご自身の状況がどれにあたるかを整理することが第一歩です。

遺産を独り占めされたときにまず確認すべきこと

感情的に相手を問い詰める前に、事実関係を客観的に把握しておくことが、その後の交渉や手続きを有利に進める鍵になります。次の3点を確認します。

1. 相続人が誰かを確定する

遺産分割は相続人全員でなければ有効に成立しません。被相続人の出生から死亡までの戸籍をたどり、法定相続人を確定します。前婚の子や認知した子など、把握していない相続人が判明することもあります。

2. 遺産の内容を調べる

相続人であれば、金融機関に対して被相続人名義の預貯金の残高証明や取引履歴の開示を単独で請求できます。不動産は市区町村の名寄帳や登記情報で調べられます。独り占めしている相続人が財産の内容を明かさなくても、これらの方法で全体像に近づくことが可能です。

3. 遺言の有無を確認する

公正証書遺言は公証役場の「遺言検索システム」で有無を照会できます。自筆証書遺言が出てきた場合は、法務局保管制度を利用していない限り、家庭裁判所での検認が必要です。遺言があるかどうかで、遺産分割の対象範囲や検討すべき論点が大きく変わります。

財産の全容が分からない場合でも、判明している財産から手続きを進めることができます。使い込みが疑われるケースでは、預貯金の取引履歴を早めに取得しておくことが証拠確保の観点から重要です。

遺産を取り戻すための手続き(協議・調停・審判)

遺産分割が終わっていない場合、遺産を取り戻す基本的な流れは「協議 → 調停 → 審判」の三段階です。民法907条は、相続人がまず協議によって遺産を分割し、協議が調わないときは家庭裁判所に分割を請求できると定めています。

遺産分割協議

相続人全員で話し合い、誰がどの財産を取得するかを決め、合意できれば遺産分割協議書を作成します。独り占めしている相続人が話し合いに応じない、不当な条件を譲らないといった場合には、次の調停に進みます。

遺産分割調停

相続人の一人が、他の相続人全員を相手方として、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。調停委員が双方から事情を聴き、資料をもとに解決案を示しながら合意を目指します。当事者が直接顔を合わせずに進められるため、対立が激しいケースでも話し合いを継続しやすい利点があります。

遺産分割審判

調停でも合意に至らず不成立となった場合は、自動的に審判手続きに移行します。審判では、裁判官が遺産に属する物や権利の種類・性質その他一切の事情を考慮して、分割方法を決定します(民法906条参照)。相手が最後まで応じなくても、審判によって分割の結論が出されるため、独り占めの状態を法的に解消することができます。

相続開始から10年を経過すると、原則として特別受益や寄与分を主張できなくなります(民法904条の3、令和5年4月1日施行)。取り分を最大化するためにも、放置せず早めに手続きを検討することが望ましいといえます。

すでに使い込まれている場合の返還請求

独り占めしている相続人が、すでに被相続人の預貯金を引き出して費消しているケースもあります。この場合、遺産分割とは別に、使い込まれた金銭の返還を求めることが考えられます。

法的な構成としては、正当な理由なく他人の財産で利益を得たとする不当利得返還請求(民法703条・704条)と、故意・過失による違法な財産侵害とする不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)があります。

さらに、令和元年7月1日施行の民法906条の2により、遺産分割前に処分された財産でも、共同相続人全員の同意により遺産分割の対象に含めることができます。財産を処分した相続人本人の同意は不要とされているため(同条2項)、使い込んだ相続人が反対しても、他の相続人の同意で対象に取り込める場合があります。

いずれの方法でも、預貯金の取引履歴など、引き出しの事実と使途を裏づける客観的な資料の確保が出発点になります。使い込みへの具体的な対応は、遺産の使い込みの証拠の集め方もあわせてご覧ください。

消滅時効に注意が必要です。不当利得返還請求権や損害賠償請求権には期間制限があり、時間の経過により請求できなくなる場合があります。

遺言で独り占めされた場合は遺留分侵害額請求を検討

「全財産を特定の相続人に相続させる」といった遺言によって取り分を奪われている場合、遺産分割の問題ではなく、遺留分の問題として対応することになります。

兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者・子・直系尊属)には、最低限保障された取り分である遺留分が認められています。割合は、直系尊属のみが相続人の場合は3分の1、それ以外は2分の1です(民法1042条)。遺留分を侵害された相続人は、遺産を多く受け取った受遺者などに対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できます(民法1046条)。

注意すべきは時効です。遺留分侵害額請求権は、相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年間行使しないと時効によって消滅し、相続開始の時から10年を経過したときも消滅します(民法1048条)。「おかしい」と感じたら、まずは内容証明郵便で請求の意思を明確に示しておくことが有効です。

独り占めを早期に解決するためのポイント

遺産の独り占めをめぐる紛争は、対応が遅れるほど解決が難しくなる傾向があります。次の点を意識しておきましょう。

  • 感情的なやり取りに終始せず、財産と手続きの事実を書面で整理する
  • 預貯金の取引履歴など、後から取得しにくくなる資料を早めに確保する
  • 相続放棄(3か月)や遺留分侵害額請求(1年)など、期限のある手続きを見落とさない
  • 話し合いが行き詰まったら、調停・審判といった法的手続きに切り替える判断をためらわない

相手方が財産を握って情報を出さない状況では、当事者だけで交渉を進めるのは容易ではありません。具体的な対応は、遺産分割協議に応じない相続人への対処法遺産分割審判とはもあわせて参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

遺産を独り占めされていますが、遺産の内容も教えてもらえません。どうすればよいですか?

相続人であれば、金融機関に対して被相続人名義の預貯金の取引履歴や残高証明の開示を単独で請求できるほか、不動産は名寄帳や登記情報で調べられます。それでも全容が分からない場合は、弁護士会照会などを利用して財産を調査する方法があります。まずは判明している財産から遺産分割の対象を確定していくことになります。

話し合いに応じてくれない相続人がいる場合はどうなりますか?

遺産分割は相続人全員の合意が必要ですが、話し合いに応じない相続人がいる場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停でもまとまらないときは自動的に審判へ移行し、裁判官が一切の事情を考慮して分割方法を決めます。相手が応じなくても手続きを前に進める方法があります。

すでに使い込まれてしまった預貯金は取り戻せますか?

使い込みが認められる場合、不当利得返還請求(民法703条・704条)や不法行為による損害賠償請求(民法709条)により返還を求められる場合があります。また、令和元年施行の民法906条の2により、遺産分割前に処分された財産を一定の要件で遺産分割の対象に含めることも可能です。取引履歴などの証拠の確保が重要になります。

遺言で全財産を他の相続人に相続させると書かれていました。何もできませんか?

兄弟姉妹以外の法定相続人には遺留分が保障されており、遺言で遺留分を侵害された場合は、受遺者などに対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できます(民法1046条)。ただし、相続の開始と遺留分を侵害する遺贈等を知った時から1年で時効消滅するため(民法1048条)、早めの対応が必要です。

まとめ

遺産を独り占めされたとしても、相続人には法律上の取り分が保障されており、泣き寝入りをする必要はありません。まずは相続人・遺産の内容・遺言の有無を確認し、状況が「遺産分割の未了」「使い込み」「遺言による独占」のどれにあたるかを見極め、遺産分割の協議・調停・審判、使い込みへの返還請求、遺留分侵害額請求といった手続きを選択していくことになります。

もっとも、相手が情報を開示しない状況では、証拠収集や交渉、期限のある手続きの管理を当事者だけで進めるのは負担が大きいのが実情です。弁護士に依頼すれば、財産調査から交渉、調停・審判の代理まで一貫して任せることができます。取り分を守るためには、時効や期限が問題となる前の早めの相談が有効です。

遺産の独り占め・遺産分割のトラブルは横浜のタングラム法律事務所へ

タングラム法律事務所では、相続や遺留分侵害額請求の事案について豊富な実績を有しております。遺産を独り占めされてお困りの方、話し合いが進まずお悩みの方は、財産調査から交渉・調停・審判まで、弁護士が状況に応じた解決の道筋をご提案します。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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