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業務委託契約書の作り方|必ず入れるべき条項と注意点を弁護士が解説

業務委託契約書の作り方|必ず入れるべき条項と注意点を弁護士が解説

業務委託契約書の作り方|必ず入れるべき条項と注意点を弁護士が解説

業務委託契約書の作り方|必ず入れるべき条項と注意点を弁護士が解説

業務委託契約書の作り方|必ず入れるべき条項と注意点を弁護士が解説

外部の事業者やフリーランスに仕事を発注するとき、あるいは自社が仕事を受けるとき、その取引の土台になるのが業務委託契約書です。ところが、法務担当者のいない中小企業では「取引先から渡された契約書にそのまま押印している」「ネットで拾ったひな形を毎回使い回している」というケースが少なくありません。契約書の中身をよく確認しないまま取引を続けた結果、報酬の未払いや成果物をめぐるトラブル、知的財産権の帰属をめぐる争いに発展してしまう例もあります。

この記事では、業務委託契約書を作成・チェックする際に押さえておきたい基本条項と注意点を、横浜の弁護士が整理します。あわせて、2024年11月施行のフリーランス法と、2026年1月施行の取適法(旧・下請法)が業務委託契約にどう関わるかも解説します。

業務委託契約書とは?「請負」と「準委任」で責任が変わる

「業務委託契約」という名称の契約類型は、実は民法に定められていません。実務上、外部に業務を委ねる契約を広く「業務委託契約」と呼んでいますが、その法的性質は主に民法上の「請負契約」(民法第632条)か「準委任契約」(民法第643条・第656条)のいずれか、あるいはその混合型に整理されます。

両者は、負う責任の重さが大きく異なります。請負は「仕事の完成」を目的とし、成果物が契約に適合しない場合には契約不適合責任を負います。一方、準委任は「一定の事務の処理」を目的とし、原則として結果ではなく善良な管理者の注意をもって業務を遂行する義務(善管注意義務)を負うにとどまると解されています。契約書のタイトルが「業務委託契約書」であっても、どちらの性質を持つのかによって、成果物の完成義務や報酬の発生条件、責任の範囲が変わってきます。両者の違いの詳細は、準委任契約と請負契約の使い分け方を解説した記事もあわせてご覧ください。

委託する業務が「成果物の完成」を求めるものか、「作業や役務の提供」を求めるものかを意識して契約類型を選ぶことが、契約書作成の出発点になります。

業務委託契約書に必ず入れるべき基本条項

業務委託契約書には、最低限、次の項目を盛り込んでおくことが望ましいと考えられます。取引先から提示された契約書をチェックする際も、これらが漏れなく、かつ自社に不利でない形で定められているかを確認してください。

条項定めておくべき内容・確認ポイント
業務の範囲・内容委託する業務を具体的に特定する。「別紙仕様書のとおり」とする場合は仕様書を必ず添付する
成果物・納品成果物の内容・形式・納期・検収の方法と期間を明記する
報酬・支払条件報酬額(税抜/税込)、支払時期、支払方法、経費負担の扱いを定める
知的財産権の帰属成果物の著作権・著作者人格権の取扱い、移転の時期を明記する
契約不適合責任成果物に不備があった場合の対応・期間制限を定める
秘密保持取引で知り得た情報の目的外利用・第三者開示を禁止する
再委託第三者への再委託の可否・条件を定める
契約期間・中途解除期間、更新の有無、解除事由、解除の予告期間を定める
損害賠償賠償責任の範囲・上限を定める
反社会的勢力の排除暴力団等でない旨の表明と、該当した場合の解除権を定める
合意管轄紛争時の管轄裁判所を定める

トラブルになりやすい条項と注意点

成果物と検収の定義をあいまいにしない

「何をもって業務完了とするか」が不明確だと、報酬支払の可否をめぐって争いになります。成果物の仕様、納品形式、検収期間(納品後何日以内に合否を通知するか)、合格・不合格の基準を具体的に定めておくことが、後日の紛争予防につながると考えられます。

知的財産権の帰属は「移転の時期」まで書く

システム開発やデザイン、記事作成などの委託では、成果物の著作権が誰に帰属するかが重要になります。「発注者に帰属する」と定める場合でも、著作権法上、譲渡の対象に翻案権等(著作権法第27条・第28条の権利)を含める旨を明記しないと、これらが受託者に留保されると推定される点に注意が必要です。あわせて、著作者人格権を行使しない旨の合意や、権利移転の時期(報酬支払完了時とするか等)も定めておくことが望ましいと解されています。

契約不適合責任の範囲と期間を確認する

2020年施行の改正民法により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に整理されました。成果物が種類・品質などの点で契約の内容に適合しない場合、注文者は、修補等の追完請求(民法第562条)、報酬(代金)の減額請求(同第563条)、損害賠償請求および契約解除(同第564条)ができるとされています。また、契約不適合を知った時から1年以内にその旨を通知しないと、これらの権利を行使できなくなる場合があります(同第566条)。契約書でこの通知期間や責任の範囲を修正しているケースもあるため、発注者・受注者いずれの立場でも、自社にとっての有利・不利を確認することが重要です。

中途解除と損害賠償の上限

契約期間中に解除できる事由と予告期間、解除に伴う既履行分の報酬清算のルールを定めておきましょう。受託者側としては、損害賠償の上限(例えば「受領済み報酬額を上限とする」等)を設けられるかが重要な交渉ポイントになります。

フリーランス(個人事業者)への発注は「フリーランス法」に注意

委託先が従業員を使用しない個人(フリーランス)である場合、2024年11月1日に施行された「フリーランス法」(正式名称・特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が適用されます。発注者側には、主に次のような義務が課されています。

  • 取引条件の明示義務:業務委託をした場合、給付の内容や報酬額などを、書面または電磁的方法で明示する必要があります。
  • 報酬支払期日の設定・60日ルール:発注者は、成果物などの給付を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に報酬支払期日を定め、支払う必要があるとされています。「60日以内」といった漠然とした定めでは足りず、具体的な期日を特定できるよう定めることが求められています。
  • 中途解除の30日前予告:継続的な業務委託を中途解除する場合、原則として解除日の30日前までに予告する必要があるとされています。
  • 禁止行為:1か月以上の業務委託では、受領拒否、報酬の減額、返品、買いたたき、購入・利用の強制など、一定の行為が禁止されています。

自社の業務委託契約書の支払条項や解除条項が、これらの規制に反していないかを確認することが重要です。フリーランスが実態として「労働者」と評価されるかどうかも別途問題になり得ます。この点は業務委託のフリーランスが「労働者」と認定されるケースを解説した記事もご参照ください。

2026年1月施行「取適法(旧・下請法)」への対応

2026年1月1日、従来の「下請法」(下請代金支払遅延等防止法)が改正され、名称も「中小受託取引適正化法」(通称・取適法)へと変わりました。あわせて「親事業者」は「委託事業者」、「下請事業者」は「中小受託事業者」へと呼称が改められています。

今回の改正では、規制対象となる取引に運送の委託が加えられたほか、協議に応じない一方的な代金の決定の禁止、手形払の禁止などが新たに盛り込まれました。資本金など一定の要件を満たす取引では、業務委託契約における代金の決定方法や支払手段がこの法律の規制に服することになります。自社が委託事業者・中小受託事業者のいずれの立場にあたるのか、既存の契約書や取引条件が改正法に対応しているかを、改正を機に点検しておくことが望ましいと考えられます。詳細な要件は所管である公正取引委員会・中小企業庁の公表資料や、専門家への確認をおすすめします。

ひな形をそのまま使うことのリスク

インターネット上の契約書ひな形は出発点としては有用ですが、そのまま使うことには注意が必要です。自社の取引実態に合っていない条項が残っていたり、報酬・知的財産権・責任範囲などの重要な部分が一方に不利に設定されていたりすることがあります。前述のフリーランス法や取適法など、近年の法改正に対応していない古いひな形も見られます。特に、金額が大きい取引や、知的財産が関わる開発案件などでは、契約書を弁護士にリーガルチェックしてもらうことで、見落としていたリスクを事前に把握できる可能性があります。リーガルチェックで何が変わるのかは、契約書レビューを弁護士に頼むと何が変わるかを解説した記事もご参照ください。

よくある質問

業務委託契約書は必ず書面で作成しなければならないのですか?

民法上は口頭の合意でも契約自体は成立しますが、後日のトラブルを防ぐため書面(または電子契約)で作成することが望ましいと解されています。また、相手がフリーランス(個人事業者)の場合は、フリーランス法により発注者に取引条件を書面または電磁的方法で明示する義務が課されており、実質的に書面化が必要になります。

業務委託契約書に必ず入れるべき条項は何ですか?

業務の範囲・成果物の内容、報酬額と支払時期、知的財産権の帰属、契約不適合責任、秘密保持、中途解除・契約期間、損害賠償の範囲、反社会的勢力の排除、管轄裁判所などが基本条項です。特に成果物の定義・知的財産権の帰属・契約不適合責任は、後日の紛争になりやすいため具体的に定めることが重要と考えられます。

インターネット上のひな形をそのまま使っても問題ありませんか?

ひな形は出発点としては有用ですが、自社の取引実態に合っていない条項が含まれていたり、報酬・知的財産権・責任範囲など重要な部分が自社に不利に設定されていたりする場合があります。フリーランス法や取適法など近年の法改正に対応していないひな形も見られます。重要な取引では弁護士によるリーガルチェックを受けることが望ましいと考えられます。

フリーランスに業務を委託する場合、報酬はいつまでに支払う必要がありますか?

フリーランス法により、発注者は成果物などの給付を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に、報酬支払期日を定めて支払う必要があるとされています。支払期日は具体的な日を特定できるよう定める必要があり、契約書の支払条項がこの規制に反していないか確認することが重要です。

まとめ

業務委託契約書は、取引の性質(請負か準委任か)を意識したうえで、業務範囲・成果物・報酬・知的財産権の帰属・契約不適合責任・中途解除・損害賠償といった基本条項を過不足なく定めることが、トラブル予防の第一歩になります。加えて、相手がフリーランスの場合はフリーランス法、一定の委託取引では取適法(旧・下請法)への対応も欠かせません。契約書は紛争が起きてから見直すより、締結前にチェックしておくことで多くのリスクを未然に防げると考えられます。自社の契約書に不安がある場合は、企業法務を扱う横浜の弁護士に相談することで、自社の立場に合った実務的な対応を検討しやすくなります。

業務委託契約書の作成・リーガルチェックは横浜のタングラム法律事務所へ

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※本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。具体的な案件については弁護士にご相談ください。

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