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不貞慰謝料請求で「仮差押え」を活用する方法|財産隠しを防ぐ手続きと費用を弁護士が解説

不貞慰謝料請求で「仮差押え」を活用する方法|財産隠しを防ぐ手続きと費用を弁護士が解説

不貞慰謝料請求で「仮差押え」を活用する方法|財産隠しを防ぐ手続きと費用を弁護士が解説

不貞慰謝料請求で「仮差押え」を活用する方法|財産隠しを防ぐ手続きと費用を弁護士が解説

不貞慰謝料請求で「仮差押え」を活用する方法|財産隠しを防ぐ手続きと費用を弁護士が解説

配偶者の不貞行為が発覚し、慰謝料を請求しようと準備を進めていた矢先に、相手が財産を隠してしまったり、預金を使い果たしてしまったりするケースがあります。訴訟で勝訴判決を得たとしても、相手に財産がなければ慰謝料を回収することはできません。こうした「勝訴してもお金が取れない」という事態を未然に防ぐための手段が、民事保全法に基づく「仮差押え」です。

仮差押えは、裁判が終わる前の段階で相手の財産を一時的に凍結・確保しておく法的手続きです。適切なタイミングで活用することで、慰謝料の確実な回収につながる重要な手段となります。本記事では、横浜の弁護士が、不貞慰謝料請求における仮差押えの基本的な仕組みから手続きの流れ、費用の目安まで、わかりやすく解説します。

仮差押えとは何か?「差押え」との違い

まず、「仮差押え」と「差押え」の違いを整理しておきましょう。

「差押え」とは、確定した判決や公正証書などの「債務名義」を取得した後に、相手の財産を強制的に取り立てる手続きです。これに対して「仮差押え」は、裁判で勝訴する前の段階で、将来の強制執行を確保するために相手の財産を一時的に処分できない状態にする保全手続きです。

仮差押えをしても、すぐに慰謝料を受け取れるわけではありません。仮差押えはあくまで財産を「凍結」する措置であり、実際に回収するには別途、本裁判を提起して判決を得る必要があります。ただし、相手が財産を隠したり第三者に譲渡したりするリスクを大幅に下げられるという点で、非常に有効な手段といえます。

ポイント:仮差押えは「将来の回収を確保するための予防措置」です。本裁判の判決を待つ間に財産が失われないよう、先手を打つ手続きです。

不貞慰謝料請求で仮差押えが必要になるケース

不貞慰謝料の請求において、仮差押えが特に有効になるのは次のようなケースです。

相手が財産を隠したり処分しようとしている兆候がある

不貞が発覚した後、相手が預金を引き出し始めたり、不動産を急いで売却しようとしたりしている場合は、財産隠しの可能性があります。こうした状況では、早急に仮差押えを申し立てることで財産を保全できる場合があります。

相手が行方不明・連絡が取れない状況

不貞の相手方(不倫相手)が突然連絡を絶ち、所在が不明になってしまったケースでも、あらかじめ財産の所在が判明していれば仮差押えを申し立てることが可能です。

多額の慰謝料請求が見込まれる事案

長期間にわたる不貞関係や、婚姻関係が破綻するほどのダメージがあった事案では、慰謝料の金額が数百万円規模になることもあります。このような高額な請求が見込まれる場合は、仮差押えによって回収可能性を高めることが重要です。

相手の支払い能力が不明または不安定

相手方が転職中であったり、事業を営んでいて収入が不安定であったりする場合も、財産を確保しておく必要性が高まります。

仮差押えが認められるための2つの要件

仮差押えを申し立てるには、民事保全法上、次の2つの要件を疎明(一応確からしいと裁判所が判断できる程度に示すこと)する必要があります。

①被保全権利の存在

不貞慰謝料請求の場合、「不法行為に基づく損害賠償請求権」が被保全権利となります。つまり、不貞行為が行われたことを示す証拠(LINE・メール・写真・ホテルの領収書など)を提示し、慰謝料請求権が存在することを一応示す必要があります。確実な証拠が必要なわけではなく、一定の蓋然性を示せれば足りるとされています。

②保全の必要性

仮差押えをしなければ、将来の強制執行が困難または不可能になるおそれがあることを示す必要があります。相手が財産を隠しそうな具体的な事情(財産の処分の動きがある、突然の退職など)があれば、この要件を疎明しやすくなります。ただし、相手が一定の財産を持っており逃げる様子がないケースでは、保全の必要性が認められにくいこともあるため、弁護士に相談して見極めることが重要です。

仮差押えができる財産の種類

不貞慰謝料請求において仮差押えの対象となり得る財産は、主に次のとおりです。

財産の種類 概要・注意点
預金口座(銀行・ゆうちょ等) 最も一般的な仮差押え対象。口座番号や金融機関名が特定できれば申立可能。
不動産(土地・建物) 登記情報から特定する。処分禁止の仮処分と組み合わせることも多い。
給与・賃金債権 勤務先が判明している場合に申立可能。ただし差押禁止財産の規定(民事執行法152条)に注意が必要。
株式・投資信託 証券会社の口座を特定できれば対象となり得る。
売掛金・請負代金等の債権 相手が事業者の場合、取引先への売掛金が対象になることもある。

仮差押えの申立においては、対象となる財産を具体的に特定することが求められます。預金口座であれば銀行名・支店名・口座番号まで特定することが望ましく、これらの情報が不明な場合は申立が困難になることもあります。弁護士を通じて調査を行うか、弁護士照会を活用して情報を収集することが有効な場合があります。

仮差押えの手続きの流れ

仮差押えの申立から決定までの大まかな流れは次のとおりです。

Step 1:弁護士への相談・証拠の収集

まずは弁護士に相談し、仮差押えの必要性と可能性について判断を仰ぎます。同時に、被保全権利(不貞行為の事実)を疎明するための証拠を整理します。

Step 2:申立書類の作成・裁判所への申立

仮差押命令の申立書(申立の趣旨・保全すべき権利・保全の必要性を記載)や疎明資料(証拠)を作成し、管轄裁判所(債務者の住所地または仮差押えの対象財産の所在地を管轄する地方裁判所)に申し立てます。

Step 3:担保の提供

裁判所が仮差押命令を発令するにあたっては、申立人に担保の提供を求めることが一般的です。担保の金額は裁判所の裁量によりますが、請求金額の10〜30%程度が目安とされています(例:請求金額300万円の場合、担保金30〜90万円程度)。担保は現金または有価証券で法務局に供託する形で提供します。

Step 4:仮差押命令の発令

申立が認められると、裁判所から仮差押命令が発令されます。この手続きは相手方への審尋(ヒアリング)なしで進められることが多く、申立から発令まで数日〜2週間程度かかるのが一般的な傾向です。

Step 5:本裁判の提起

仮差押命令が発令された後は、一定期間内(通常は2週間以内)に本裁判(慰謝料請求訴訟)を提起する必要があります。本裁判で判決が確定した後、仮差押えを本差押えに移行して実際の回収を行います。

注意:仮差押えが認められなかった場合や、後の裁判で請求が棄却された場合、相手方に損害が生じれば担保金から損害賠償が支払われる仕組みになっています。申立の適否は慎重に判断する必要があります。

仮差押えにかかる費用の目安

仮差押えの申立にかかる主な費用は次のとおりです。

費用の種類 目安
担保金(供託金) 請求金額の10〜30%程度(例:300万円請求の場合、30〜90万円程度)
裁判所への申立手数料 数千円〜数万円程度(収入印紙・郵便切手)
弁護士費用(仮差押えのみ) 着手金として10〜20万円程度が目安(事務所・事案によって異なる)

担保金は申立人が立替払いするものですが、後の裁判で勝訴した場合は返還されます。ただし裁判が長期化した場合はその間資金が拘束されるため、資金計画を弁護士と一緒に検討することをお勧めします。

また、仮差押えと並行して慰謝料請求訴訟を提起する場合は、別途訴訟の弁護士費用(着手金・成功報酬)が発生します。横浜をはじめ各地の弁護士事務所では、仮差押えから本裁判までをパッケージで受任しているケースも多く、総費用について事前に見積もりを確認することが重要です。

仮差押え後の注意点

本裁判への移行を忘れずに

仮差押命令が発令されても、それだけで慰謝料を受け取れるわけではありません。仮差押え後に本裁判を提起しなければ、仮差押えが取り消される可能性もあります。タイムスケジュールの管理は弁護士に任せることが安全です。

相手が仮差押えの取消しを求めてくる場合がある

仮差押えを受けた相手方は、保全異議(民事保全法26条)や保全取消しの申立(同法37条等)を行ってくる場合があります。こうした対応のためにも、弁護士によるサポートが不可欠です。

相手方との交渉に有利に働く場合がある

仮差押えが執行されると、相手方の銀行口座が凍結されたり、不動産の処分が禁止されたりするため、相手が早期解決(示談による支払い)に応じやすくなる傾向があります。仮差押えは単なる保全手段にとどまらず、交渉において有力なカードになることもあります。

まとめ:慰謝料の確実な回収には早期の保全が重要

不貞慰謝料請求において、裁判で勝訴しても相手に財産がなければ回収はできません。こうしたリスクに備えるための手段が「仮差押え」です。特に相手が財産を隠しそうな兆候がある場合や、高額の慰謝料請求が見込まれる事案では、早期に弁護士に相談して保全手続きを検討することが重要です。

仮差押えの申立には「被保全権利の疎明」と「保全の必要性の疎明」が求められ、対象財産の特定や担保金の準備なども必要です。手続きが複雑なうえに迅速な対応が求められることから、専門家である弁護士に依頼することが不可欠といえます。横浜や神奈川県内で不貞慰謝料請求をお考えの方は、まずは弁護士にご相談ください。

財産隠しが心配な方へ|仮差押えを含む慰謝料請求のご相談

タングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求の事案について豊富な実績を有しております。仮差押えの要否判断から申立手続き、本裁判まで一貫してサポートいたします。相手の財産保全が必要かどうか、まずはお気軽にご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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