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不貞慰謝料と遅延損害金|利率・起算点・計算方法を横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料と遅延損害金|利率・起算点・計算方法を横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料と遅延損害金|利率・起算点・計算方法を横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料と遅延損害金|利率・起算点・計算方法を横浜の弁護士が解説

配偶者や不倫相手への不貞慰謝料を請求しようとしているとき、「遅延損害金」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。慰謝料の金額ばかりに注目しがちですが、相手が任意に支払いに応じない場合や、裁判になった場合には、この遅延損害金が加算されるケースがあります。不貞行為が続いていた期間が長かったり、交渉や裁判が長引いたりすると、遅延損害金の額も無視できない水準になることがあります。

本記事では、不貞慰謝料における遅延損害金の基本的な仕組みから、現在の法定利率、起算点の考え方、具体的な計算例、さらに示談書に遅延損害金の条項を設ける際のポイントまで、横浜を拠点とするタングラム法律事務所の弁護士がわかりやすく解説します。

遅延損害金とは何か

遅延損害金とは、金銭の支払義務を負う者が、支払期日(履行期)を過ぎても支払いを行わない場合に、債務者が支払うべき「遅延による損害の補償」として発生する金員のことです。民法上、金銭債務の不履行については損害賠償として遅延損害金を請求できると定められています(民法419条)。

不貞慰謝料は不法行為(民法709条・710条)に基づく損害賠償請求ですが、不法行為による損害賠償債務は、損害の発生と同時に履行遅滞に陥る、すなわち別途催告を行うことなく遅延損害金が発生するという特徴があります。つまり、相手が「請求書を受け取っていないから払う義務はない」と主張したとしても、不法行為の時点から遅延損害金が発生している可能性があります。

不貞慰謝料における法定利率(2026年現在)

遅延損害金の利率には、当事者が示談書等で合意した「約定利率」と、法律で定められた「法定利率」があります。不貞慰謝料を請求する場面では、示談書に遅延損害金の規定がない場合や、裁判で請求する場合に、法定利率が適用されます。

民法の改正(令和2年4月1日施行)により、法定利率は従来の年5%から年3%に引き下げられました。その後、3年ごとに見直しが行われていますが、法務省の告示(令和7年3月31日付)によれば、令和8年(2026年)4月1日から令和11年(2029年)3月31日までの法定利率は、引き続き年3%のまま変動しないことが確定しています。2026年5月現在においても、不貞慰謝料に適用される法定利率は年3%となります。

期間 法定利率
令和2年3月31日まで 年5%
令和2年4月1日〜令和5年3月31日 年3%
令和5年4月1日〜令和8年3月31日 年3%
令和8年4月1日〜令和11年3月31日 年3%(変動なし・確定)
ポイント:不法行為(不貞行為)が令和2年4月1日より前に発生していた場合、その時点の法定利率(年5%)が適用される可能性があります。不法行為が改正法施行前か後かによって適用される利率が異なるため、正確な計算には専門家への確認が必要です。

遅延損害金の起算点:いつから計算が始まるのか

遅延損害金を計算するうえで非常に重要なのが「起算点」、すなわち遅延損害金がいつから発生するかという問題です。不貞慰謝料における起算点については、不法行為の性質に応じて考え方が分かれます。

(1)不法行為時が起算点となる原則

不法行為による損害賠償債務は、損害の発生と同時に遅延損害金が発生するとされています。このため、一時的な不貞行為(特定の1回の行為)が問題となる場合には、その行為の時点が起算点となるのが原則です。裁判においてもこの考え方を採用した事例が見られます。

(2)継続的な不貞行為の場合

実際の不倫問題では、長期間にわたって繰り返し不貞行為が続いていたケースが少なくありません。この場合、不貞行為が始まった時点から終了した時点まで継続的に損害が発生し続けているとも考えられます。裁判例においては、継続的な不貞行為があった場合、最後の不貞行為の時点を起算点とする判断や、不貞行為が発覚した日(被害者が損害および加害者を知った日)を起算点とする考え方も見られ、事案の具体的な事情によって起算点の認定が異なる傾向があります。

(3)示談(合意)後の遅延損害金

示談が成立した後に相手が支払いを怠った場合には、示談書に定めた支払期日の翌日から遅延損害金が発生します。示談書で「○月○日までに支払う」と明記しておくことで、起算点を明確にすることができます。この場合に適用される利率は、示談書で約定利率を定めていればその利率、定めていなければ法定利率(年3%)となります。

遅延損害金の計算方法と具体例

遅延損害金の計算式は次のとおりです。

遅延損害金 = 元本(慰謝料額)× 年利率 × 日数 ÷ 365

具体的な例を見てみましょう。

条件 内容
慰謝料元本 300万円
法定利率 年3%
遅延期間 2年(730日)

この場合、遅延損害金は次のように計算されます。

300万円 × 0.03 × 730日 ÷ 365 = 18万円

したがって、2年間支払いが遅れた場合には、元本300万円に加えて18万円の遅延損害金が加算され、合計318万円を請求できることになります。不貞行為の発覚から裁判の判決確定まで数年かかるケースもあるため、最終的に受け取れる金額が当初の請求額より大きくなる場合があります。

示談書における遅延損害金の定め方

示談交渉で慰謝料の合意をする際には、遅延損害金についても明確に定めておくことが重要です。示談書に遅延損害金の条項を設けない場合、相手が支払いを遅滞しても法定利率(年3%)での遅延損害金しか請求できず、相手方に対する抑止力が十分でないこともあります。

一般的に示談書の遅延損害金条項には、以下の内容を盛り込むことが考えられます。

  • 支払期日の明示(「○年○月○日までに支払う」)
  • 遅延損害金の利率の設定(法定利率3%、または約定利率で年14.6%以内の範囲で設定)
  • 遅延損害金の起算日(支払期日の翌日から発生することを明記)
注意点:遅延損害金の約定利率を非常に高く設定した場合、公序良俗違反(民法90条)として一部または全部が無効とされる可能性があります。実務上は消費者契約法が定める上限である年14.6%以内に収めることが一般的です。

また、示談書を公正証書として作成すれば、支払いの遅滞が生じた場合に裁判を経ることなく強制執行が可能になります。分割払いで合意する場合は特に、公正証書化を検討することをお勧めします。

裁判で遅延損害金を請求する場合のポイント

訴訟において不貞慰謝料を請求する際、遅延損害金も同時に請求するのが通常です。裁判での遅延損害金請求には以下のような点に留意が必要です。

訴状での明示

遅延損害金を請求するためには、訴状において「不法行為の日(または特定の日)から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金を求める」旨を記載する必要があります。請求の趣旨に記載しなければ、判決において認められないことになります。

起算点の主張・立証

不貞行為の時期については、証拠に基づいて具体的に特定することが重要です。証拠(通話履歴、ホテルの領収書、探偵の調査報告書等)によって不貞行為の開始時期・継続期間・終了時期を立証することで、遅延損害金の起算点の主張が認められやすくなります。不貞行為の開始時期が不明確な場合、裁判所が「認定できる範囲」で起算点を決定することになります。

民法改正前後の行為が混在するケース

令和2年(2020年)4月1日の民法改正(法定利率の変更)をまたいで不貞行為が継続していた場合、改正前の行為部分については旧法の年5%、改正後の行為部分については新法の年3%が適用されるとも考えられ、計算が複雑になる場合があります。このような場合は専門的な判断が必要となります。

遅延損害金の交渉での活用

遅延損害金は、示談交渉においても有効な交渉ツールとなります。「裁判になれば遅延損害金が加算され相手の負担が増える」という点を示すことで、相手方が任意の示談に応じやすくなる場合があります。

また、相手方から「慰謝料額を下げてほしい」という減額交渉があった場合でも、遅延損害金の放棄を代わりの条件として提示するなど、交渉のなかで活用できます。一方で、遅延損害金を強調しすぎると交渉が硬直化することもあるため、弁護士と連携しながら交渉の進め方を検討することが望ましいでしょう。

まとめ:遅延損害金を正しく理解し、適切に請求するために

不貞慰謝料における遅延損害金は、2026年現在、法定利率年3%で計算されます(令和8年4月1日以降も年3%が維持されることが法務省告示で確定)。遅延損害金は、相手方が慰謝料を支払わなかった期間に比例して増加するため、早期の解決を目指す観点からも重要な概念です。

起算点は不法行為時を原則としつつも、継続的な不貞行為の場合には最後の不貞行為時や発覚時が起算点とされる場合があり、事案ごとに判断が異なります。示談書において遅延損害金の利率・起算点・適用場面を明確に定めておくことで、将来の紛争を防ぐことができます。

遅延損害金の計算や示談書の条項設計、裁判での請求の組み立てには専門的な知識が必要です。横浜を拠点とするタングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求に関する幅広いご相談に対応しています。遅延損害金を含めた適切な請求額の算定や交渉戦略について、まずはお気軽にご相談ください。

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タングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求の事案について豊富な実績を有しております。遅延損害金の計算・示談書の条項設計・裁判での請求まで、経験豊富な弁護士が丁寧にサポートいたします。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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