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養子縁組と相続の関係|普通養子・特別養子の違いと相続権・遺留分への影響を弁護士が解説

養子縁組と相続の関係|普通養子・特別養子の違いと相続権・遺留分への影響を弁護士が解説

養子縁組と相続の関係|普通養子・特別養子の違いと相続権・遺留分への影響を弁護士が解説

養子縁組と相続の関係|普通養子・特別養子の違いと相続権・遺留分への影響を弁護士が解説

再婚や家族関係の変化、あるいは相続対策の一環として養子縁組を行うケースは少なくありません。しかし、「養子にすると相続権はどうなるのか」「実の子どもの相続分が減ってしまうのでは」「特別養子と普通養子では何が違うのか」といった疑問を抱える方は多く、専門家への相談なしに判断することは難しい問題です。

本記事では、普通養子縁組と特別養子縁組の相続権の違い、養子の遺留分の扱い、相続税法上の養子の人数制限、そして養子縁組をめぐってよく生じる相続トラブルについて、横浜の弁護士がわかりやすく解説します。

養子縁組とは?2種類の養子縁組の基本

養子縁組とは、血縁関係のない者の間に法律上の親子関係を生じさせる制度です。日本の法律上、養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があり、それぞれ要件や効果が大きく異なります。

普通養子縁組は、養親と養子の合意(養子が未成年の場合は家庭裁判所の許可)によって成立します(民法第792条以下)。普通養子縁組の最大の特徴は、養親との間に新たな親子関係が生まれる一方で、実親との親子関係も引き続き存続する点です。つまり、養子は養親・実親の双方と法律上の親子関係を持つことになります。

一方、特別養子縁組は、家庭裁判所の審判によって成立し(民法第817条の2)、原則として養子の年齢が15歳未満であることが要件とされています。特別養子縁組が成立すると、民法第817条の9の規定により、養子と実親およびその血族との間の親族関係は原則として終了します。実親との法的な親子関係が完全に断ち切られ、養親の子として新たな家族関係が構築される点が、普通養子縁組との根本的な違いです。

普通養子縁組の場合の相続権|実親・養親の双方から相続できる

普通養子縁組において、養子は養親の法定相続人になるとともに、実親との親族関係も継続しているため、実親が亡くなった場合にも相続人となります。すなわち、普通養子は養親・実親の双方の財産を相続する権利を持つことになります。

養子の相続分は実子と全く同等です。たとえば、被相続人(養親)に配偶者と実子1人・養子1人がいた場合、配偶者の法定相続分は2分の1、実子と養子はそれぞれ4分の1ずつとなります(民法第900条)。養子であることを理由に相続分が減らされることはありません。

ただし、後述するとおり、相続税の計算上、法定相続人として算入できる養子の数には制限が設けられていますので注意が必要です。

特別養子縁組の場合の相続権|実親からの相続権は消滅する

特別養子縁組が成立した場合、民法第817条の9の規定により、養子は実親およびその血族との法律上の親族関係を失います。そのため、実親が亡くなっても特別養子は実親の相続人とはなりません。特別養子は養親の子として、養親の相続において実子と同等の相続権を持つことになります。

この点は普通養子縁組と大きく異なります。特別養子縁組は、生まれた家庭での養育が困難な子を安定した家庭環境に迎え入れることを主な目的とした制度であるため、実親との関係を法的に完全に断ち切る仕組みになっています。

【整理】普通養子と特別養子の相続権の違い
普通養子:養親からも実親からも相続できる
特別養子:養親からのみ相続できる(実親からは相続不可)

養子の遺留分|実子と同等の権利が認められる

遺留分とは、兄弟姉妹を除く法定相続人(配偶者・子・直系尊属)に最低限保障された相続財産の取り分のことをいいます(民法第1042条)。

養子は実子と同じ「子」として扱われるため、養親の相続において遺留分が認められます。仮に養親が遺言で「全財産を実子に相続させる」と定めていたとしても、養子は遺留分侵害額請求権を行使することができます。この点は普通養子縁組・特別養子縁組のいずれの場合も同様です。

遺留分の割合は、相続人の構成によって異なりますが、子が相続人である場合の遺留分は相続財産全体の2分の1です(民法第1042条第1項第2号)。この2分の1を相続人全員で法定相続分に応じて分けることになるため、たとえば養親の子(実子+養子)が3人いる場合、各人の遺留分は相続財産全体の6分の1となります。

また、普通養子縁組の場合は実親との親族関係も存続しているため、実親が亡くなった際にも遺留分が認められます。実親が養子を含む他の相続人を遺言で排除しようとしても、養子は遺留分侵害額請求を行使できる立場にあります。なお、遺留分侵害額請求権は、侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年(民法第1048条)の短期消滅時効の対象となるため、時効に注意することが重要です。

相続税計算上の養子の人数制限(相続税法第15条第2項)

民法上は何人の養子を迎えても全員が相続人となりますが、相続税の計算においては、法定相続人の数に算入できる養子の人数に上限が設けられています。相続税法第15条第2項の規定により、被相続人に実子がいる場合は養子1人まで、実子がいない場合は養子2人まで、法定相続人の数に含めることができます。

これは、過度な節税目的での養子縁組を抑制するための規定です。相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されるため、養子を増やせば基礎控除額や生命保険金の非課税枠が拡大し、相続税の節税効果が生まれます。しかし相続税法上は算入できる養子の数に上限が設けられているため、民法上の相続人の数と相続税計算上の法定相続人の数が異なる場合があります。

実子の有無 相続税計算上に算入できる養子の数
実子あり 1人まで
実子なし 2人まで

なお、相続税の節税のみを目的とした養子縁組については、最高裁判所平成29年1月31日の決定において、「節税目的があっても直ちに縁組の意思がないとはいえない」とされた一方で、縁組を成立させる意思(縁組意思)がない場合には無効になるとも示されています。実態のない節税目的のみの養子縁組は税務当局から否認されるリスクがあるため、専門家への相談が不可欠です。

養子縁組をめぐるよくある相続トラブルと対処法

養子縁組は相続において様々なトラブルの原因となることがあります。代表的なケースとその対処法を以下にまとめます。

実子と養子の間での遺産分割トラブル

被相続人が実子と養子の両方を持つ場合、遺産分割協議の場で実子と養子の間で利益が対立することがあります。「養子は他人なのだから取り分を少なくすべきだ」といった主張が実子側からなされることがありますが、法律上、養子は実子と全く同等の相続分を有するため、このような主張は法的には認められません。

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることが有効な手段の一つです。調停においても合意が得られなければ、審判手続きに移行して裁判所が分割方法を決定することになります。

再婚相手の連れ子と養子縁組をしなかった場合のトラブル

再婚に際して、配偶者の連れ子と養子縁組をしなかった場合、その連れ子には相続権が生じません。再婚した配偶者が亡くなったとき、前婚の子(実子)と後婚の連れ子(養子縁組なし)の間で相続権の有無をめぐるトラブルが起きることがあります。遺産をどのように残すかについては、生前に遺言書を作成しておくことが重要です。

節税目的の養子縁組に対する他の相続人からの異議

被相続人が節税対策として孫や第三者と養子縁組を行った場合、既存の相続人(実子など)が「縁組意思がない」として養子縁組の無効を主張するケースがあります。養子縁組無効確認の訴えを提起されると、遺産分割協議が長期化・複雑化する恐れがあります。養子縁組を行う際には、その目的・経緯・実態を明確にしておくことが紛争予防につながります。

養子の遺留分侵害額請求への対応

遺言によって養子の相続分が侵害されている場合、養子は遺留分侵害額請求を行使することができます。一方、遺留分侵害額請求を受けた側(主に受遺者・受贈者)は、請求額の妥当性を確認したうえで、交渉や調停を通じた解決を図ることが重要です。遺留分侵害額の計算は複雑な場合もあるため、弁護士に依頼して適切に対応することをお勧めします。

まとめ|養子縁組と相続の問題は弁護士に相談を

養子縁組は、普通養子縁組か特別養子縁組かによって相続権の範囲が大きく異なります。普通養子は養親・実親の双方から相続できる一方、特別養子は実親との親族関係が終了するため養親からのみ相続できます。いずれの場合も養子の相続分・遺留分は実子と同等であり、法律上の差別はありません。

また、相続税の計算においては養子の算入人数に上限があるため、節税目的での養子縁組には専門家のアドバイスが欠かせません。さらに、養子縁組をきっかけとした実子と養子間の遺産分割トラブルや遺留分侵害額請求のリスクについても、生前から対策を講じておくことが重要です。

養子縁組と相続の問題は、家族関係・税務・民法が複雑に絡み合う分野です。個別の事情に応じた判断が必要となるため、横浜の弁護士へのご相談を早期に行うことをお勧めします。

養子縁組・相続に関するトラブルはタングラム法律事務所へ

タングラム法律事務所では、相続や遺留分侵害額請求の事案について豊富な実績を有しております。養子縁組に関する相続権・遺留分の問題から遺産分割トラブルまで、横浜の弁護士が丁寧にサポートいたします。初回ご相談についてはお気軽にお問い合わせください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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