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不倫相手に貢いだお金は取り戻せる?不貞慰謝料での回収を弁護士が解説

不倫相手に貢いだお金は取り戻せる?不貞慰謝料での回収を弁護士が解説

不倫相手に貢いだお金は取り戻せる?不貞慰謝料での回収を弁護士が解説

不倫相手に貢いだお金は取り戻せる?不貞慰謝料での回収を弁護士が解説

不倫相手に貢いだお金は取り戻せる?不貞慰謝料での回収を弁護士が解説

配偶者の不倫が発覚したとき、通帳や明細を見て「こんなに大金を不倫相手に渡していたのか」とショックを受ける方は少なくありません。高価なブランド品、旅行代、毎月の小遣いのような送金——不倫相手に流れたお金を、なんとか取り戻せないものかとお考えになるのは当然のことです。

しかし、「不倫相手に貢いだお金」の返還は、法律上そう簡単には認められません。その背景には、贈与・不法原因給付・不当利得といった民法上の考え方があります。この記事では、なぜ返還請求が難しいのか、例外的に取り戻せる場合はどんなときか、そして現実的な回収手段としての不貞慰謝料請求について、横浜の弁護士が整理します。返還を求められた不倫相手側の視点にも触れます。

不倫相手に貢いだお金は取り戻せる?結論と2つの考え方

まず結論からお伝えすると、配偶者が不倫相手に贈った金銭やプレゼントそのものを「返せ」と請求しても、認められる可能性は高くありません。一方で、不倫という不法行為によって被った精神的損害については、不倫相手に対して慰謝料を請求できる場合があります。つまり、お金の問題は次の2つのルートに分けて考える必要があります。

アプローチ法的性質認められやすさ
貢いだお金そのものの返還請求贈与の取消し/不当利得返還/不法原因給付原則として困難
不貞慰謝料としての請求不法行為に基づく損害賠償(民法709条・710条)要件を満たせば可能

「渡したお金を全額そのまま取り戻す」ことにこだわると行き詰まりやすい一方、視点を「不倫による損害の回復」に切り替えると、解決の糸口が見えてくることが多いのです。

返還請求が難しい理由(贈与と不法原因給付)

不倫相手に渡したお金の返還が認められにくいのには、大きく2つの理由があります。

1.「贈与」と評価されやすい

民法549条は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手方が受諾することで贈与が成立すると定めています。不倫相手への金銭やプレゼントは、見返りを約束したものではなく好意から渡されているケースが多く、この「贈与」に当たると評価されやすいのです。いったん有効に贈与が成立してしまうと、後から一方的に「やっぱり返して」と求めることは原則としてできません。

2.「不法原因給付」に当たり得る

さらに、不倫関係の維持・継続を目的として渡された金銭は、公序良俗に反する「不法な原因」に基づく給付として、民法708条の不法原因給付に該当し得ます。同条は「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない」と定めており、贈った本人であっても取り戻せないのが原則です。愛人契約のように不倫関係と金銭の授受が結びついている場合ほど、この規定が問題となります。

不当利得の返還を定める民法703条・704条を根拠に「相手が不当に利益を得ている」と主張することも考えられますが、給付が贈与や不法原因給付と評価される場面では、不当利得を理由とする返還も認められにくくなります。

例外的に返還請求が認められる可能性があるケース

もっとも、すべてのケースで返還が不可能というわけではありません。次のような事情があれば、返還が認められる余地があります。

  • 「貸したお金」であると立証できる場合:贈与ではなく金銭の貸し借り(消費貸借)であれば、貸金返還請求の対象になります。借用書、金銭消費貸借契約書、返済を前提とするやり取りが残るLINE・メール、振込履歴などの証拠が鍵になります。
  • 不法な原因が「受益者にのみ」ある場合:民法708条ただし書は、不法な原因が受け取った側だけにあるときは返還請求を妨げないとしています。給付した側にほとんど落ち度がないと評価できる例外的事案では、返還が認められる余地があります。

ただし、口頭だけの貸し借りは、相手が「もらったものだ」と主張すると立証が難しく、実際の回収に至らないことも多いのが実情です。返還を目指す場合は、早い段階で客観的な証拠を確保しておくことが重要です。

夫婦共有財産から支出されていた場合の視点

「不倫相手に渡ったのは、家計、つまり夫婦二人のお金ではないか」という疑問もよく寄せられます。ここで関わるのが、夫婦別産制を定めた民法762条です。同条は、婚姻中に夫婦の一方が自己の名で得た財産はその特有財産とし、どちらに属するか明らかでない財産は共有と推定すると定めています。

そのため、給与口座など名義人の財産から支出された場合、それを他方配偶者が直接「自分の財産だから返せ」と請求するのは容易ではありません。他方で、日常家事に関する債務については夫婦が連帯して責任を負うとする民法761条など、夫婦の財産関係には複数の規律が関わります。家計の共有財産が不倫のために費消された事情は、離婚に至る場合の財産分与や慰謝料の算定で考慮され得ます。「誰の財産から出たお金か」で結論が変わり得るため、判断は専門的です。

現実的な回収手段は「不貞慰謝料」としての請求

以上のとおり、貢いだお金そのものの返還はハードルが高い一方、多くのケースで現実的な選択肢となるのが不貞慰謝料の請求です。不倫(不貞行為)は、婚姻共同生活の平和を害する不法行為として、損害賠償請求(民法709条・710条)の対象になります。配偶者と不倫相手は共同不法行為者(民法719条)として、慰謝料を連帯して負う関係に立つのが一般的です。

ここで重要なのは、不倫相手に多額の金銭やプレゼントが渡っていた事情が、慰謝料の増額方向に働く傾向があるという点です。高額な貢ぎは、不貞行為の継続性・悪質性や、婚姻関係へのダメージの大きさを示す事情として評価され得ます。渡したお金を「返還」という形では取り戻せなくても、慰謝料という損害賠償の中で一定程度カバーできる可能性があるわけです。慰謝料が高くなる事情の全体像は、不貞慰謝料の増額事由まとめもあわせてご覧ください。

なお、慰謝料はあくまで精神的損害に対する賠償であり、貢いだ金額がそのまま上乗せされるわけではありません。慰謝料の相場は、婚姻期間・不貞期間・離婚に至ったか否かなど多くの要素で幅があります。相手の資力との関係については不貞慰謝料は相手の収入で変わるか、金銭の名目の違いについては解決金・手切れ金と慰謝料の違いで詳しく解説しています。

請求する側・された側それぞれの注意点

請求する側(配偶者)の注意点

感情的になって不倫相手に直接連絡を取り、「貢いだ分を全部返せ」と強く迫ると、かえって脅迫やプライバシー侵害を主張されるリスクがあります。まずは通帳・振込履歴・やり取りの記録など、金銭の流れを裏づける客観的資料を保全し、返還請求と慰謝料請求のどちらで求めるのかを冷静に整理することが大切です。

返還を求められた側(不倫相手)の注意点

不倫相手の立場からは、受け取った金銭が贈与や不法原因給付に当たると評価できれば、返還義務を負わない場合があります。ただし、不貞慰謝料の請求は別問題として残ります。過大な請求に対しては、婚姻関係が既に破綻していたか、既婚者であると知らなかった(善意無過失)かなどの反論の余地を検討することになります。夜職・パパ活の関係で金銭の授受があり慰謝料を請求された方は、夜職・パパ活の不倫慰謝料請求への対応もご参照ください。

よくある質問(FAQ)

夫が不倫相手に貢いだお金を、直接返してもらうことはできますか?

貢いだお金は「贈与」と評価されることが多く、また不倫関係の維持を目的とした給付は不法原因給付(民法708条)に当たり得るため、贈った本人からの返還請求は認められにくいのが実情です。ただし借用書や振込履歴などで「貸したお金」であると立証できる場合には、貸金の返還請求として認められる可能性があります。

お金を貢いだのは配偶者ですが、配偶者ではない私(もう一方の夫婦)が返還を求められますか?

実際に給付をしていない側の配偶者が、不当利得や不法原因給付を理由に返還を求めることは通常は困難です。もっとも、不倫による精神的損害については不倫相手に不貞慰謝料を請求できる場合があり、貢いだ金額が大きいことは増額要素として考慮される傾向があります。

貢いだお金が高額な場合、慰謝料は増額されますか?

不倫相手に多額の金銭やプレゼントが渡っていた事情は、不貞行為の悪質性・継続性を示すものとして、慰謝料の増額方向に働く傾向があります。ただし金額がそのまま上乗せされるわけではなく、婚姻期間や破綻の有無など他の事情と合わせて総合的に判断されます。

夫婦の共有財産から不倫相手に支払われていた場合はどうなりますか?

民法762条は夫婦別産制を定めており、婚姻中に自己の名で得た財産は原則としてその名義人の特有財産です。もっとも、家計の共有財産が不倫のために費消された事情は、離婚時の財産分与や慰謝料の算定で考慮され得ます。判断は複雑なため、弁護士への相談をおすすめします。

まとめ

不倫相手に貢いだお金は、「贈与」や「不法原因給付」と評価されやすく、返還そのものを求める請求は認められにくいのが原則です。例外的に返還が認められるのは、貸金であることを証拠で立証できる場合などに限られます。一方で、不倫による精神的損害は不貞慰謝料として請求でき、貢いだ金額が大きいことは増額要素として考慮される傾向があります。「返還」にこだわるより、慰謝料という枠組みで損害の回復を図る方が実益のある解決につながることも少なくありません。

もっとも、贈与か貸金か、誰の財産から出たお金か、どこまでを慰謝料に反映できるかといった判断は、証拠と事情の評価が絡み合う専門的な問題です。ご自身のケースで何をどこまで請求できるのか迷われたときは、早めに弁護士へご相談ください。

不倫相手に渡ったお金と慰謝料について、横浜のタングラム法律事務所へ

タングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求の事案について豊富な実績を有しております。貢いだお金の返還と慰謝料請求のどちらで進めるべきか、証拠の整理から交渉・訴訟までを見据えて、あなたの事案に即した最適な方針をご提案します。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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