タングラム法律事務所

不貞慰謝料は相手の収入で変わる?高収入・経営者が相手の場合の相場を横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料は相手の収入で変わる?高収入・経営者が相手の場合の相場を横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料は相手の収入で変わる?高収入・経営者が相手の場合の相場を横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料は相手の収入で変わる?高収入・経営者が相手の場合の相場を横浜の弁護士が解説

不貞慰謝料は相手の収入で変わる?高収入・経営者が相手の場合の相場を横浜の弁護士が解説

「不倫相手は会社を経営していて、かなりの収入があるらしい。それなら慰謝料も多く取れるのではないか」——配偶者の不貞が発覚し、相手方が高収入の経営者や高い役職に就いていると分かったとき、このように考える方は少なくありません。逆に、ご自身が不貞慰謝料を請求された側で、「収入が高いという理由だけで高額を請求されているが、応じなければならないのか」と不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。

結論から申し上げると、相手の収入や社会的地位が高いことが、ただちに慰謝料額を引き上げるとは限りません。慰謝料はあくまで「被害者が受けた精神的苦痛」を金銭に換算するものであり、加害者の財力を基準に決まるものではないからです。とはいえ、収入や地位がまったく無関係というわけでもありません。この記事では、相手が高収入・経営者であるケースで不貞慰謝料がどう判断される傾向にあるのか、相場や最新の裁判例の考え方、支払い能力との関係まで、横浜の弁護士の視点で整理して解説します。

不貞慰謝料の金額はそもそも何によって決まるのか

不貞慰謝料は、配偶者と不貞相手が共同で行った不法行為に対する損害賠償として請求されます(民法709条、710条、719条)。その金額は法律で固定されているわけではなく、個々の事情を総合的に考慮して、裁判所が相当と判断する範囲で決められます。

慰謝料額に影響する代表的な要素としては、次のようなものが挙げられます。

  • 婚姻期間の長さ(長いほど高くなる傾向)
  • 不貞行為の期間・回数・態様
  • 未成熟の子の有無
  • 不貞によって離婚・別居に至ったかどうか
  • 妊娠・出産があったか
  • 不貞発覚後の態度(反省の有無、関係解消の有無)
  • 不貞行為が婚姻関係の破綻に与えた影響の程度

これらはいずれも「被害を受けた配偶者がどれだけ精神的な苦痛を被ったか」を測るための事情です。慰謝料はこの精神的苦痛をお金に換算したものであるため、判断の出発点は加害者の収入ではなく、被害者の受けた苦痛にあると理解しておくことが大切です。

相手の収入や社会的地位は慰謝料額に影響するのか

では、相手の収入や社会的地位はまったく考慮されないのでしょうか。実務上の扱いは一律ではなく、考え方が分かれている部分です。

かつては「資力・地位」が増額要素とされることもあった

従来の慰謝料論では、加害者の資力や社会的地位が高いことを慰謝料の増額事由の一つとして挙げる考え方も存在しました。社会的地位の高い人物による不貞は、被害者に与える衝撃や社会的影響が大きいと評価される場合があったためです。

近年の裁判例では「精神的苦痛とは無関係」とする傾向も

一方で、近年の裁判例には、加害者に高い収入や資産、社会的地位があっても、それによって被害者の精神的苦痛が大きくなるわけではないとして、収入の多寡を慰謝料額に直接反映させない判断も見られます。慰謝料はあくまで被害者側の損害を評価するものであり、加害者がどれだけ裕福かは、被害者の苦痛の大きさとは本来別の問題だという考え方です。

このため、「相手が高収入だから慰謝料も高額になる」と単純に期待するのは適切ではなく、増額が認められるかどうかはケースごとに判断される傾向があります。

相手の収入の高さそのものよりも、「婚姻期間が長い」「不貞が原因で離婚した」「不貞期間が長期にわたる」といった事情の方が、慰謝料額を左右する要素として重視される傾向があります。

高額な慰謝料が認められたケースの実際

もっとも、過去には経営者など資産家が当事者となった事案で、比較的高額な慰謝料が認められた例も報告されています。たとえば、複数の会社を経営する資産家の不貞をめぐる事案で、1,000万円を超える慰謝料が認められたと紹介されることがあります。

こうしたケースで高額になった理由は、「収入が高いから」という一点だけではありません。多くの場合、婚姻期間が長期にわたっていた、不貞が長く継続していた、不貞が直接の原因となって婚姻関係が破綻し離婚に至った、といった複数の重い事情が重なっています。収入や地位は、あくまでそうした事情の一つとして総合的に評価されているにすぎないと理解しておくとよいでしょう。

不貞慰謝料の一般的な相場の目安

相手が高収入かどうかにかかわらず、不貞慰謝料の相場はおおむね次のような幅で語られることが多いです。あくまで目安であり、個別の事情によって上下する点にご留意ください。

状況 慰謝料額の目安(傾向)
不貞があったが離婚・別居に至らなかった場合 数十万円〜150万円程度
不貞が原因で別居に至った場合 100万円〜200万円程度
不貞が原因で離婚に至った場合 150万円〜300万円程度

相手が経営者や高所得者であっても、この相場の枠組み自体が大きく変わるわけではありません。重要なのは、婚姻関係にどれだけの実害が生じたかという点です。

収入が高い相手の場合に実務上意味を持つ「支払い能力」

収入や資産の高さが、慰謝料額の算定とは別の場面で大きな意味を持つことがあります。それが「実際に回収できるかどうか」という支払い能力の問題です。

慰謝料は、金額が認められても相手に支払い能力がなければ現実の回収は困難になります。その点、高収入の経営者や資産家が相手であれば、示談や判決で確定した金額を実際に支払ってもらえる可能性が相対的に高いといえます。さらに、相手が財産を隠したり処分したりするおそれがある場合には、預貯金や不動産に対する仮差押えなどの手段を検討できる余地もあります。

つまり、相手の収入の高さは「慰謝料を大きく増やす要素」というよりも、「認められた金額を回収しやすくする要素」として捉えるのが実務に即した理解といえるでしょう。

請求された側が「収入が高いから」と高額を求められたら

逆に、不貞慰謝料を請求された側の立場では、「あなたは収入が高いのだから、これくらいは当然だ」と相場を大きく超える金額を提示されることがあります。しかし前述のとおり、収入の高さがそのまま増額に直結するわけではありません。

提示額が妥当かどうかは、婚姻期間や不貞の態様、婚姻関係が破綻していたかどうかといった具体的な事情に照らして検討する必要があります。婚姻関係がすでに実質的に破綻していた、不貞行為があったとまでは証拠上認められない、といった事情があれば、減額が認められる場合もあります。感情的な交渉に押される前に、冷静に事案を整理することが大切です。

まとめ|収入の評価は専門的な判断が必要です

不貞慰謝料は、相手の収入や社会的地位の高さによって自動的に増額されるものではなく、被害を受けた配偶者の精神的苦痛を中心に、婚姻期間や不貞の態様など多くの事情を総合して判断されます。相手が高収入の経営者である場合には、慰謝料額そのものよりも「回収できるか」という支払い能力の面で有利に働くことがある、という整理が実務的です。

もっとも、収入や地位をどこまで主張に反映できるか、相場を超える請求にどう対応すべきかは、証拠の内容や事案の経緯によって大きく変わります。請求する側・された側のいずれであっても、見通しを誤ると本来得られたはずの結果と差が生じてしまうおそれがあります。判断に迷う場合には、早い段階で弁護士に相談し、ご自身の事案に即した方針を立てることをおすすめします。

高収入・経営者が相手の不貞慰謝料でお悩みの方へ

タングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求の事案について豊富な実績を有しております。相手の収入や資産状況を踏まえた請求方針の検討から、回収の見通し、相場を超える請求への対応まで、横浜を拠点に幅広くサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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