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セックスレスを理由に不貞慰謝料は減額される?婚姻関係の破綻との関係を横浜の弁護士が解説

セックスレスを理由に不貞慰謝料は減額される?婚姻関係の破綻との関係を横浜の弁護士が解説

セックスレスを理由に不貞慰謝料は減額される?婚姻関係の破綻との関係を横浜の弁護士が解説

セックスレスを理由に不貞慰謝料は減額される?婚姻関係の破綻との関係を横浜の弁護士が解説

「夫(妻)がセックスレスを続けていたから不倫した」「セックスレスが何年も続いていたのだから、婚姻関係はすでに破綻していたはずだ」——不貞慰謝料をめぐるトラブルでは、このような主張が不倫した配偶者や不倫相手から持ち出されることが少なくありません。一方で、不貞をされた配偶者にとっては、「セックスレスだったとしても、不倫を正当化する理由にはならないはずだ」という思いがあり、慰謝料が減額されてしまうのか、大きな不安を感じるケースも多くみられます。

本記事では、セックスレスと不貞慰謝料の関係について、「婚姻関係の破綻」の抗弁が認められる条件や判例の傾向、請求する側・された側それぞれの対処法を横浜の弁護士の視点から詳しく解説します。お互いの立場を整理しながら、法的な実態をご確認ください。

セックスレスとは?法的な定義と日本の現状

まず「セックスレス」の定義を確認しておきましょう。日本性科学学会は、セックスレスを「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはそれに準ずる性的行為がおおむね1か月以上ないこと」と定義しています。もっとも、裁判所がセックスレスを認定する際には、この定義に厳密に縛られるわけではなく、性的関係がない期間の長さや経緯、夫婦それぞれの意思など、総合的な事情が考慮されます。

厚生労働省の調査や各種アンケート結果によれば、日本の夫婦の約4割以上がセックスレスの状態にあるとされており、社会的にも広く認知された問題です。しかし、セックスレスであることと、婚姻関係の破綻や不貞慰謝料の免除・減額とは、法律上まったく別の問題として扱われます。

「婚姻関係の破綻」を理由とした慰謝料請求の否定とは

不貞慰謝料の請求に対し、不倫をした側や不倫相手から最もよく出される反論が「婚姻関係はすでに破綻していた」という抗弁です。最高裁判所は、婚姻関係が既に破綻していた場合には、その後の不貞行為は夫婦の共同生活の平和を侵害するものではなく、不法行為(民法709条)の要件を満たさないと判断しています(最高裁平成8年3月26日判決)。

つまり、婚姻関係の破綻が法的に認定されれば、不貞慰謝料の請求そのものが否定される可能性があります。だからこそ、不倫した側にとってはこの抗弁が非常に魅力的に見えるのです。

【ポイント】婚姻関係の破綻が認められるためには、「夫婦関係が客観的に修復不可能な状態にまで至っていること」が必要です。単に夫婦仲が良くないとか、会話が少ない、セックスレスである、といった事情だけでは不十分とされることが多いです。

セックスレスだけで婚姻関係の破綻は認められるか

結論から述べると、セックスレスの事実だけで婚姻関係の破綻が認められることは、現在の裁判実務においてほとんどありません

裁判所が婚姻関係の破綻を認定するためには、一般的に以下のような複合的な事情が必要とされる傾向があります。

  • 長期間にわたる別居(特に3年以上)
  • 夫婦間の連絡・会話がほとんど途絶えている状態
  • 一方が離婚を強く求め、他方も離婚を受け入れている状態
  • 家計が完全に分離されている状態
  • 夫婦の共同生活に実質がまったくない状態

これに対してセックスレスは、たとえ数年間にわたっていたとしても、それ自体は夫婦間の性的関係の問題に過ぎず、同居・家計の共有・日常的な交流など婚姻生活の他の側面が維持されている場合には、破綻の認定は困難とされます。実際に、「不倫当時も夫婦として同居しており、家計も共有し、外見上は普通の夫婦として生活していた」というケースでは、相手方がセックスレスを強調しても破綻の抗弁が退けられる事例が多くあります。

セックスレスは不貞慰謝料の減額事由になり得るか

破綻の抗弁が認められない場合でも、セックスレスという事情が慰謝料の減額事由として考慮される可能性はあります。不貞慰謝料の金額は、さまざまな事情を総合的に考慮して裁判所が決定しますが、その判断要素の一つとして「婚姻関係の状況」が挙げられています。

具体的には、セックスレスが長期間続いており、夫婦関係が冷え込んでいた事実は、慰謝料の増減に影響を与える可能性があります。ただし、その影響の程度はあくまで「事情の一つ」にとどまり、決定的な要素とはならないのが実務上の傾向です。

事情 慰謝料への影響 備考
セックスレスのみ(同居・共同生活は継続) わずかな減額事由となる可能性あり 破綻の抗弁は認められにくい
セックスレス+長期別居 減額幅が大きくなる可能性あり 状況次第では破綻が認定されることも
セックスレス+家庭内別居+会話なし かなりの減額または破綻認定の可能性 他の事情との組み合わせ次第
不倫した側自身がセックスレスの原因 減額は認められにくい 自ら引き起こした事情は有利に働かない

一方で、セックスレスの「原因」も重要な考慮要素です。不倫をした当事者自身がセックスを拒否し続けていたために生じたセックスレスである場合、その者が「セックスレスだったから不倫した」と主張しても、裁判所はその主張を有利に評価しないと考えられます。

請求する側(不貞をされた配偶者)が気をつけるべきこと

不貞をされた側の配偶者にとって、セックスレスを理由とした減額・破綻の抗弁は大きな脅威に感じられることがあります。この点について、請求する側が注意すべきポイントを整理します。

同居・生活実態の証拠を保持しておく

婚姻関係の破綻が認められないためには、不倫があった当時も夫婦として同居し、一定の生活実態があったことを示す証拠が重要です。家族で外出した記録、共同の家計管理の実態、共有の住所・世帯の状況などが参考になります。

セックスレスの原因に関する事情を整理する

セックスレスに至った経緯についても、整理しておくことが有益です。たとえば、育児や体調不良、ライフスタイルの変化など、特定の理由がある場合は、その事情を説明できる資料や記録が、破綻認定を否定する方向の主張につながる場合があります。

弁護士に相談して事前に対策を立てる

相手方がセックスレスや破綻を主張することが予想される場合には、早い段階で横浜の弁護士に相談し、対応策を検討しておくことをお勧めします。主張の整理や証拠収集の方針について、専門家の助言を得ることが重要です。

請求された側(不倫した配偶者・不倫相手)が注意すべきこと

不貞慰謝料を請求された側が「セックスレスだったから」という理由で交渉・裁判に臨む場合にも、いくつかの注意点があります。

セックスレスの事実だけでは免責は難しい

繰り返しになりますが、セックスレスであったとしても、それだけでは婚姻関係の破綻は認められず、慰謝料義務の全面的な免除には結びつかないのが実情です。「相手が応じなかったから自分は悪くない」という論理は、法律的には通用しないことが多いと理解しておく必要があります。

不倫相手には特に主張が通りにくい

不倫相手(配偶者以外の第三者)の立場でセックスレスや破綻を主張する場合は、さらにハードルが高くなります。不倫相手は、そもそも婚姻関係の内実を詳しく知りうる立場にないため、「破綻していたと信じていた」という善意・無過失の主張も簡単には認められません。

減額交渉として活用する余地はある

完全な免責が難しくても、セックスレスの事実や婚姻関係の冷え込みを主張することで、示談交渉における減額の余地が生まれることがあります。弁護士を通じた交渉によって、双方が納得できる解決を目指すアプローチが現実的といえます。

セックスレスを原因として離婚・慰謝料請求ができるケース

視点を変えて、セックスレスを理由として慰謝料を請求するケースも存在します。これは、セックスレスを引き起こした側の配偶者に対する請求であり、不貞慰謝料とは別の問題です。

裁判例では、「婚姻後一度も性的関係を持たず、接触すら拒否し続けた」「夫婦の性生活という婚姻の本質的要素を一方的に拒絶した」といった極端な事情がある場合に、不法行為(民法709条)としての慰謝料請求が認められた事例があります。最高裁は、夫婦の性生活は「婚姻の基本となるべき重要事項」であると判示しており、一方的・継続的な拒絶は場合によって法的責任を生じさせることがあります。

ただし、通常の長期間セックスレス(双方の暗黙の合意によるものや加齢・病気等が原因のもの)については、不法行為とまで評価されないことが多く、離婚事由(民法770条1項5号「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」)に該当するかどうかが主な争点となります。

まとめ:セックスレスと不貞慰謝料は複雑—早期の弁護士相談が重要

セックスレスと不貞慰謝料の関係は、単純ではありません。セックスレスの事実があるからといって、慰謝料が自動的に減額される、あるいは婚姻関係の破綻が認められるわけではありませんが、他の事情と組み合わされることで、慰謝料額に一定の影響を及ぼす可能性はあります。

不貞をされた側にとっては、相手方の主張に惑わされず、法的に適正な慰謝料を確保するための準備が重要です。一方、不貞をした側・不倫相手にとっても、根拠のある主張を組み立て、現実的な解決を目指すためには専門的なサポートが欠かせません。

いずれの立場であっても、セックスレスと不貞慰謝料が絡む案件は複雑な事情を含むことが多く、早期に横浜の弁護士へ相談することで、適切な方針を立てることができます。まずは専門家の意見を聞くことをお勧めします。

セックスレスと不貞慰謝料に関するご相談はタングラム法律事務所へ

タングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求の事案について豊富な実績を有しております。セックスレスを絡む複雑な案件も、横浜を拠点とする弁護士が丁寧にご相談をお受けしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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