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発信者情報開示で投稿者特定までどれくらいかかる?期間を弁護士が解説

発信者情報開示で投稿者特定までどれくらいかかる?期間を弁護士が解説

発信者情報開示で投稿者特定までどれくらいかかる?期間を弁護士が解説

発信者情報開示で投稿者特定までどれくらいかかる?期間を弁護士が解説

発信者情報開示で投稿者特定までどれくらいかかる?期間を弁護士が解説

SNSや掲示板で誹謗中傷の被害に遭い、「投稿した相手を特定したい」と考えて発信者情報開示請求を検討し始めたとき、多くの方が最初に気にされるのが「特定までにどれくらいの時間がかかるのか」という点です。すぐに相手が分かるとイメージされている方も少なくありませんが、実際には複数の手続を段階的に進める必要があり、一定の期間を要します。そして、この手続は「時間との勝負」という側面を持っています。

この記事では、発信者情報開示によって投稿者が特定できるまでの期間の目安、なぜ時間がかかるのかという手続の内訳、期間を左右する要素と短縮のポイントを、横浜の弁護士がわかりやすく解説します。開示請求を検討している被害者の方が、見通しを立てるための参考にしていただければ幸いです。

発信者情報開示で投稿者特定までにかかる期間の全体像

まず結論からお伝えすると、発信者情報開示によって投稿者の氏名・住所が判明するまでの期間は、利用する手続によって異なります。現在の実務で主流となっている「発信者情報開示命令」(非訟手続)を利用した場合、おおむね4〜6ヶ月が一つの目安とされています。一方、従来型の2段階の手続をとる場合には、8〜10ヶ月程度、事案によっては半年から1年程度かかることもあります。

手続の種類期間の目安特徴
発信者情報開示命令(非訟手続)約4〜6ヶ月一連の手続で開示まで進められる。現在の主流
従来型(仮処分+訴訟の2段階)約8〜10ヶ月サイト運営者への請求とプロバイダへの請求を別々に行う

ここで示した期間はあくまで一般的な目安であり、相手方の対応の早さ、開示に同意しない旨の意見が出されるかどうか、裁判所の混雑状況などによって前後します。権利侵害が明白なケースほどスムーズに進みやすい傾向がありますが、断定的な期間をお約束できるものではない点にはご留意ください。

なぜ時間がかかるのか|手続の流れと期間の内訳

「投稿を見た瞬間に相手が分かるわけではない」のには理由があります。匿名の投稿から発信者にたどり着くには、通常、次のような複数の主体を経由する必要があるためです。

誹謗中傷の投稿は、まずX(旧Twitter)やGoogle、掲示板などを運営する「コンテンツプロバイダ(サイト運営者)」のサーバーに記録されます。ここから得られるのは、多くの場合、投稿者の氏名や住所そのものではなく、投稿時のIPアドレスやタイムスタンプといった情報です。そのIPアドレスを手がかりに、今度は投稿者が契約している「アクセスプロバイダ(携帯会社やインターネット回線事業者など)」に対して、契約者の氏名・住所の開示を求めることになります。

つまり、発信者を特定するには「サイト運営者から発信元の手がかりを得る」→「アクセスプロバイダから契約者情報を得る」という二段構えのプロセスが必要です。各段階で、裁判所への申立て・意見照会・審理といった手続を踏むため、一定の期間を要します。

投稿者への「意見照会」とは、開示するかどうかについて発信者本人の意見を聴く手続です。この照会に対する回答期間として一定の日数が設けられているため、その分の時間も全体の期間に含まれます。

発信者情報開示請求の全体像や費用については、発信者情報開示請求の流れと費用を解説した記事でも詳しくまとめています。あわせてご覧ください。

発信者情報開示命令(非訟手続)で期間が短縮された理由

かつては、上記の二段構えのプロセスを、「サイト運営者に対する仮処分」と「プロバイダに対する訴訟」という別々の裁判手続として行うのが一般的でした。手続が分断されているため、全体として長い時間がかかっていたのです。

この状況を改善するため、2022年(令和4年)10月1日に施行された改正により、新たな裁判手続(非訟手続)として「発信者情報開示命令」の制度が創設されました。この制度は、2025年4月に施行された情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)にも引き継がれています。発信者情報開示命令の制度は、次の3つの命令から構成されています。

  • 開示命令:サイト運営者やアクセスプロバイダに対し、保有する発信者情報の開示を命じるもの。
  • 提供命令:発信者の特定ができなくなることを防ぐため、サイト運営者に対し、次に請求すべきアクセスプロバイダの名称などを提供させるもの。
  • 消去禁止命令:手続が終わるまでの間、プロバイダに対して発信者情報(ログ等)の消去を禁止するもの。

これらの命令を一つの手続の中で連続的に利用できるようになったことで、サイト運営者への手続とアクセスプロバイダへの手続を切れ目なくつなげられるようになり、全体としての期間短縮が図られました。この非訟手続の詳しい仕組みについては、発信者情報開示の非訟手続を解説した記事で掘り下げています。

期間との勝負|ログの保存期間というタイムリミット

発信者情報開示が「時間との勝負」といわれる最大の理由が、プロバイダが保有する通信ログの保存期間です。アクセスプロバイダがどの契約者にそのIPアドレスを割り当てていたかという記録(ログ)は、無期限に保存されているわけではなく、一定期間が経過すると消去されてしまいます。

ログが消去されてしまうと、たとえ投稿が明らかな誹謗中傷であっても、発信者をたどることが技術的にできなくなり、特定は極めて困難になります。そのため、開示請求は投稿から時間が経つほど不利になり、実務上は「投稿を見つけたら、遅くとも1ヶ月以内には相談を」といわれています。前述の消去禁止命令はログの消去を防ぐための仕組みですが、その前提として早い段階で手続に着手していることが重要になります。

ログの保存期間や消去禁止命令については、プロバイダのログ保存期間と消去禁止命令を解説した記事で詳しく説明しています。また、投稿が削除される前にURL・投稿日時・投稿内容が分かる形でスクリーンショットを保全しておくことも、手続をスムーズに進める前提となります。

開示までの期間を左右する要素・短縮するためのポイント

同じ発信者情報開示でも、期間には幅があります。次のような要素が、実際にかかる時間に影響します。

期間が長くなりやすいケース

  • 投稿者が開示に同意せず、意見照会に対して反論してきた場合
  • 海外に拠点を置くサービスや、VPN・複数のプロバイダを経由している場合
  • 権利侵害の明白性が争点となり、審理が長引く場合
  • 年度末など、裁判所の事件が混み合っている時期にあたった場合

期間を無駄にしないためのポイント

  • とにかく早く動く:ログの保存期間が過ぎれば手続そのものが成り立ちません。迷っている時間が最大のリスクです。
  • 証拠を先に固める:投稿のURL・日時・内容を保全してから相談すると、着手までの時間を短縮できます。
  • 手続の選択を誤らない:どの手続を、どの相手に、どの順序で行うかの判断は期間に直結します。

これらのうち、手続の選択や進め方の判断は専門的で、対応を誤ると貴重な時間を失いかねません。開示される情報の範囲や、どこまで特定できるのかを事前に把握しておきたい方は、発信者情報開示で開示される情報の範囲を解説した記事もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

発信者情報開示で投稿者が特定できるまでどれくらいかかりますか?

現在の主流である発信者情報開示命令(非訟手続)を利用した場合、投稿者の氏名・住所の特定まで、おおむね4〜6ヶ月が目安とされています。従来型の2段階の手続を用いる場合は8〜10ヶ月程度かかることもあります。ただし相手方の対応や裁判所の状況によって前後するため、あくまで一般的な目安です。

できるだけ早く特定するには、いつ相談すればよいですか?

投稿を見つけたらできるだけ早く、遅くとも投稿から1ヶ月以内を目安にご相談いただくことが望ましいといえます。プロバイダが保有する通信ログの保存期間には限りがあり、ログが消去されると発信者の特定が困難になるためです。手続に着手する前に証拠(スクリーンショット・URL・投稿日時)を保全しておくことも重要です。

発信者情報開示命令の非訟手続は、なぜ従来より早いのですか?

2022年10月に施行され、現在は情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)に引き継がれた発信者情報開示命令の制度では、開示命令・提供命令・消去禁止命令という3つの命令を一つの手続の中で利用できます。従来は別々に行っていたサイト運営者への請求とアクセスプロバイダへの請求を連続的に進められるようになり、全体の期間短縮につながっています。

期間内に特定できず失敗することはありますか?

あります。ログの保存期間を過ぎていた場合や、海外のサービス・VPNの利用で発信元をたどれない場合、権利侵害が明白と認められなかった場合などには、特定に至らないこともあります。だからこそ時間との勝負であり、早期に着手して期間を無駄にしないことが結果を大きく左右します。

まとめ

発信者情報開示によって投稿者を特定するまでの期間は、発信者情報開示命令(非訟手続)を利用した場合でおおむね4〜6ヶ月、従来型の2段階の手続では8〜10ヶ月程度が一つの目安です。匿名の投稿からサイト運営者、アクセスプロバイダへと段階的にたどる必要があるため、どうしても一定の時間を要します。

そして何より重要なのは、プロバイダのログには保存期間という「タイムリミット」があるという点です。時間が経つほど特定は難しくなるため、投稿を見つけたら証拠を保全したうえで、できるだけ早く弁護士に相談することが、期間を無駄にせず投稿者の特定にたどり着くための最大のポイントとなります。横浜のタングラム法律事務所でも、こうした発信者情報開示のご相談に対応しています。

発信者情報開示の期間・見通しについてお悩みの方へ

タングラム法律事務所では、ネット誹謗中傷に関する発信者情報開示請求・削除請求・損害賠償請求について、豊富な実績を有しております。ログの消去というタイムリミットがある中で、証拠保全から投稿者の特定まで迅速に対応いたします。まずはお早めにご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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