タングラム法律事務所

外部送信規律(Cookie規制)とは|企業サイトの対応を弁護士が解説

外部送信規律(Cookie規制)とは|企業サイトの対応を弁護士が解説

外部送信規律(Cookie規制)とは|企業サイトの対応を弁護士が解説

外部送信規律(Cookie規制)とは|企業サイトの対応を弁護士が解説

外部送信規律(Cookie規制)とは|企業サイトの対応を弁護士が解説

執筆:弁護士 安藤 一章(タングラム法律事務所/神奈川県弁護士会所属) 公開日:2026年10月30日 最終更新日:2026年10月30日

自社サイトにアクセス解析や広告のタグを入れているけれど、「外部送信規律」への対応が必要なのか分からない――。制作会社から指摘されて初めてこの規制を知ったという事業者の方は少なくありません。

この記事では、電気通信事業法の「外部送信規律」(いわゆるCookie規制)の対象範囲、通知・公表すべき事項、適用除外、実務上の対応手順を、中小企業・IT企業向けに横浜の弁護士が解説します。

結論として、外部送信規律はすべての企業サイトに及ぶものではなく、SNS・掲示板、オンラインモール、ニュース配信などの一定の役務を提供する事業者が対象です。対象となる場合は、外部に送信される情報の内容・送信先・利用目的を、通知・公表・同意取得・オプトアウトのいずれかの方法で利用者に示す必要があります。まずは自社サービスが対象かを確認し、設置しているタグを棚卸しすることが出発点です。

外部送信規律とは|電気通信事業法の改正で2023年6月16日施行

外部送信規律とは、Webサイトやアプリの閲覧時に、利用者の端末からCookie IDや閲覧履歴などの情報を外部に送信させる場合に、その内容をあらかじめ利用者に知らせることを求めるルールです。電気通信事業法の一部を改正する法律(令和4年法律第70号)により新設された同法27条の12に規定され、2023年6月16日から施行されています。

典型例は、アクセス解析ツール、広告タグ、SNSのシェアボタンなどです。外部送信規律は、こうした送信を禁止するものではなく、利用者が確認できる機会を確保することを求めるものです。

外部送信規律の対象となる事業者・サービス|自社サイトは対象か

法27条の12の対象は、電気通信事業者又は「第三号事業を営む者」のうち、総務省令で定める電気通信役務を提供する者です。届出をしていない一般企業でも、Webサービスの内容によっては対象になり得ます。

対象となる役務は、電気通信事業法施行規則22条の2の27で、ブラウザその他のソフトウェアにより提供される次の4類型と定められています。

類型内容典型例
第1号他人の通信を媒介する役務メールサービス、ダイレクトメッセージ、参加者限定のWeb会議
第2号利用者が入力した情報を不特定の利用者の求めに応じて送信する役務SNS、電子掲示板、動画共有サービス、オンラインモール、マッチングサービス
第3号全てのウェブページを対象とする検索サービス検索エンジン
第4号不特定の利用者の閲覧に供することを目的として情報を送信する役務(第3号以外)ニュース配信、気象情報、地図、動画配信など

一方、総務省の外部送信規律FAQでは、自社の商品やサービスを紹介するだけのWebサイトや会社案内のページ、自社商品を自社サイトで販売するだけのネットショップは、原則として対象外と整理されています。もっとも、判断はサービスごとに行われるため、同じサイト内でもニュース配信ページや会員コミュニティ、モール機能などは対象に当たる可能性があります。機能を追加・改修するたびに確認することが大切です。

通知・公表すべき事項と方法

対象となる事業者は、外部送信を行わせようとするときは、あらかじめ次の事項を利用者に通知し、又は利用者が容易に知り得る状態に置く(公表する)必要があります(法27条の12、施行規則)。

  • 送信される利用者に関する情報の内容(例:閲覧したページのURL、Cookie ID、端末情報など)
  • 送信先となる者の氏名又は名称(ツールやサービスの名称だけでなく、提供事業者名を記載することが求められます)
  • 送信される情報の利用目的(総務省FAQでは、送信先での利用目的も含めて記載することが原則とされています)

方法についても施行規則で、日本語で平易に記載すること、文字を適切な大きさで表示すること、容易に到達できる場所に掲載することなどが求められます。実務上は公表ページを作成し、フッターからリンクする方法が一般的です。

なお、通知・公表のほかに、利用者の同意を得る方法(法27条の12第3号)や、利用者の求めに応じて送信や利用を停止するオプトアウト措置を講じ、その内容を容易に知り得る状態に置く方法(同条第4号)によっても対応できます。いずれの方法を採るかは、サービスの性質やタグの数を踏まえて選択します。

適用除外となる情報|通知・公表が不要なケース

すべての外部送信に通知・公表が必要なわけではありません。法27条の12第1号を受けた施行規則22条の2の30は、利用者が役務を利用する際に送信が必要な情報として、必要な範囲内で送信される次の情報を適用除外としています。

  • 画面を適正に表示するために必要な情報その他、役務の提供のために真に必要な情報(OSや画面サイズ、言語設定など)
  • 利用者が入力した情報を再表示するために必要な情報(入力フォームの内容保持など)
  • 入力した認証に関する情報を再表示するために必要な情報(ログイン状態の保持など)
  • 不正な行為の検知や被害の軽減のために必要な情報(セキュリティ対策)
  • 設備の負荷軽減など、設備の適切な運用のために必要な情報

事業者自身が発行した識別符号(ファーストパーティCookieのIDなど)を自社サーバーに送信させる場合も適用除外です(法27条の12第2号)。他方、アクセス解析や広告配信のための第三者への送信は、通常「真に必要な情報」に当たらないと考えられています。

個人情報保護法との関係|Cookie同意バナーとの違い

外部送信規律は、送信される情報が個人情報かどうかにかかわらず適用されます。他方、個人情報保護法では、Cookie等に紐づく閲覧履歴などは「個人関連情報」とされ、提供先で個人データとして取得されることが想定される場合は、本人の同意が得られていること等の確認が必要です(同法31条)。

このように2つの法律は要件が異なるため、両方の観点からタグの用途を整理し、プライバシーポリシーの記載も見直すことが望ましいでしょう。プライバシーポリシーの作り方については「プライバシーポリシー・利用規約は弁護士に作ってもらうべき?必要性と費用感」も参考にしてください。

違反した場合のリスクと実務対応の手順

外部送信規律に違反した場合、総務大臣から業務の改善を命じられる可能性があり(電気通信事業法29条)、その命令に違反すると200万円以下の罰金の対象となります(同法186条)。行政指導や報道による信用低下のおそれもあります。実務上は、次の手順で対応を進めるとよいでしょう。

  1. 対象サービスの特定:自社のWebサイト・アプリを機能ごとに分け、4類型のいずれかに当たるかを確認する
  2. タグの棚卸し:タグマネージャーやソースコードを確認し、設置されている外部ツールと送信先事業者を一覧化する(Web制作会社に設置を任せている場合は一覧の提出を依頼する)
  3. 適用除外の判断:各タグが「真に必要な情報」に当たるかを検討し、対応が必要なものを絞り込む
  4. 対応方法の選択と公表ページの作成:通知・公表、同意、オプトアウトのいずれで対応するかを決め、送信情報・送信先・利用目的を平易に記載する
  5. 運用ルールの整備:タグの追加・削除のたびに公表内容を更新する社内ルールを定め、委託先との契約にも反映する

特に見落とされやすいのが運用です。制作会社が独自にタグを追加すると公表内容と実態がずれるため、委託契約での手当ても検討します(「個人情報の委託先管理|契約書の必須条項と監督義務」参照)。利用規約の整備は「利用規約の作り方|Webサービス運営に必要な条項」で解説しています。当事務所の取扱内容は企業法務(契約書・IT法務)のご相談ページをご覧ください。

よくある質問

Q1. コーポレートサイトにGoogleアナリティクスを入れているだけでも対応が必要ですか?

自社商品の紹介や会社案内のみのサイトは、総務省のFAQ上、原則として対象外です。ただし、ニュース配信や会員機能など対象となる役務を提供する部分があれば、対応が必要になる可能性があります。

Q2. Cookie同意バナーを設置すれば外部送信規律に対応したことになりますか?

同意取得は対応方法の一つですが、送信情報・送信先・利用目的を利用者が理解できるよう示す必要があり、バナーを置くだけで足りるとは限りません。

Q3. 違反すると直ちに罰則がありますか?

外部送信規律の違反そのものに直接罰金が科されるわけではありませんが、総務大臣による業務改善命令の対象となる可能性があり、その命令に違反すると200万円以下の罰金の対象となります(電気通信事業法29条、186条)。

Q4. 公表ページには何を書けばよいですか?

送信される利用者情報の内容、送信先の事業者名、利用目的(送信先での利用目的を含む)を、外部ツールごとに平易な日本語で記載します。オプトアウトを用意する場合は、その方法も併せて記載します。

まとめ

外部送信規律は、一定のWebサービスを提供する事業者に、外部送信される情報の内容・送信先・利用目的の明示を求めるルールです。対象か否か、適用除外に当たるかは、サービスの構成やタグの用途によって変わります。

対象性の判断に迷う場合や、プライバシーポリシー・利用規約とあわせて見直したい場合は、早めに弁護士へ相談することで、過不足のない対応を効率よく進めることができます。

外部送信規律への対応・プライバシーポリシーの見直しは弁護士にご相談ください

タングラム法律事務所では、企業法務(契約書レビュー・労務・法改正対応等)について、中小企業・個人経営の事業者向けに豊富な実績を有しております。Webサイト・アプリの外部送信規律への対応、公表ページやプライバシーポリシー・利用規約の作成についても、横浜の弁護士がご相談に応じます。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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