タングラム法律事務所

不貞慰謝料の内容証明を自分で作成・送付する方法|弁護士が解説

不貞慰謝料の内容証明を自分で作成・送付する方法|弁護士が解説

不貞慰謝料の内容証明を自分で作成・送付する方法|弁護士が解説

不貞慰謝料の内容証明を自分で作成・送付する方法|弁護士が解説

不貞慰謝料の内容証明を自分で作成・送付する方法|弁護士が解説

配偶者の不貞相手に慰謝料を請求したいと考えたとき、まず思い浮かぶのが「内容証明郵便」ではないでしょうか。弁護士に依頼せず、できるところは自分で進めたいという方も少なくありません。しかし、内容証明には字数や行数の細かなルールがあり、書き方を誤ると証拠として不十分になったり、かえって相手から反撃を受けたりすることもあります。

この記事では、不貞慰謝料の内容証明を自分で作成・送付する方法を、横浜の弁護士の視点から解説します。内容証明の役割、記載すべき項目、文例の考え方、郵便局とe内容証明での出し方、そして自分で行う場合のリスクまで、順を追って確認しましょう。

不貞慰謝料における内容証明の役割と限界

内容証明郵便とは、「いつ、どのような内容の文書を、誰から誰あてに差し出したか」を郵便局(日本郵便)が証明してくれる制度です。日本郵便の説明でも、証明されるのは文書の存在であって、その内容が真実かどうかを証明するものではないとされています。内容証明を送っただけで、不貞の事実が認められるわけではありません。

それでも不貞慰謝料の請求で内容証明が使われるのは、主に次の理由からです。

  • 請求した事実と日付を客観的に残せる:後から「請求など受けていない」と言われても、送付日と内容を証明できます。
  • 時効の完成を一時的に止められる:内容証明による請求は法律上の「催告」にあたり、時効の完成が6か月間猶予されます。
  • 相手に本気度が伝わる:正式な書面が届くことで、相手が交渉のテーブルに着くきっかけになる場合があります。

一方で、内容証明には支払いを強制する力はありません。相手が無視すればそれ以上の効果は生じないため、その後は示談交渉・調停・訴訟へと進むことを前提に位置づけておく必要があります。

内容証明に記載すべき項目

不貞慰謝料の請求書として内容証明を作成する場合、盛り込むべき基本項目は次のとおりです。過不足があると請求の趣旨が伝わりにくくなるため、順序立てて整理しましょう。

項目記載内容のポイント
タイトル「通知書」「請求書」など。書面の性格が一目でわかるようにする
当事者の特定差出人(自分)と受取人(不貞相手)の氏名。相手の住所が必要
不貞行為の事実いつ頃・誰と・どのような関係があったかを、把握している範囲で簡潔に
請求の根拠不法行為(民法709条・710条)にもとづく慰謝料請求であること
請求金額と支払方法金額、振込先、支払期限を明記する
接触禁止などの要求今後配偶者に接触しないことを求める場合は記載する
回答期限・連絡先いつまでに・どこへ連絡してほしいかを示す
日付・署名作成日と差出人の氏名・住所
不貞行為の具体的な日時や場所を細かく書きすぎると、証拠が乏しい場合に「証拠はあるのか」と反論の糸口を与えることがあります。確実に立証できる範囲にとどめ、断定を避けるのが無難です。

文例の考え方と表現上の注意点

内容証明の文章は、法律用語で厳密に書く必要はありませんが、事実を淡々と述べ、請求の趣旨を明確にすることが基本です。本文の中核部分は、次のような構成が考えられます。

「貴殿は、私の配偶者である〇〇と、〇〇年〇月頃から不貞関係にありました。これは私の婚姻共同生活の平穏を侵害する不法行為であり、私は精神的苦痛を被りました。つきましては、その慰謝料として金〇〇円を、本書面到達後〇日以内に下記口座へお支払いくださいますよう請求いたします。」といった形です。

表現上、特に気をつけたいのは次の点です。

  • 侮辱・脅迫にあたる表現を避ける:「不倫女」などの侮辱的表現や、「払わなければ会社・家族にばらす」といった記載は、名誉毀損・脅迫として逆に責任を問われるおそれがあります。
  • 事実と異なる断定をしない:確証のない事実を断定すると、後の交渉や裁判で不利になることがあります。
  • 金額の根拠を意識する:相場からかけ離れた高額を提示すると、相手が交渉を拒みやすくなります。慰謝料の目安については、後掲の関連記事もご参照ください。

字数・行数のルールと用紙の作り方

紙で作成した内容証明を郵便局の窓口から出す場合、謄本(郵便局と差出人が保管する控え)には字数・行数の制限があります。日本郵便の基準は次のとおりです。

書き方1行の字数1枚の行数
縦書き20字以内26行以内
横書き(パターン1)20字以内26行以内
横書き(パターン2)13字以内40行以内
横書き(パターン3)26字以内20行以内

句読点やかっこ、記号も1字として数えます。用紙の大きさや筆記具は問われず、パソコンで作成して印刷したものでも差し支えありません。1枚に収まらない場合は複数枚にできます(枚数が増えると加算料金も増えます)。使用できる文字は、かな・漢字・数字が基本で、英字や記号は固有名詞などに限って使えます。

字数制限が煩雑に感じられる場合は、後述のe内容証明(電子内容証明)を使うとこの制限が大幅に緩和され、Wordで作成した文書をそのまま送れます。

郵便局での出し方とe内容証明

郵便局の窓口から出す場合

紙で作成する場合は、次の3点を郵便窓口に提出します。

  • 内容文書(受取人へ送るもの)1通
  • その謄本2通(差出人用・郵便局保管用)
  • 差出人と受取人の住所・氏名を記載した封筒

内容証明はすべての郵便局で扱っているわけではなく、集配郵便局など指定された局に限られます。取扱曜日が限られる局もあるため、事前に確認しておくと安心です。念のため印鑑を持参するとよいでしょう。差出人は、差し出した日から5年以内であれば、郵便局に保管された謄本の閲覧を請求できます。

e内容証明(電子内容証明)を使う場合

e内容証明は、Wordで作成した文書をインターネット上でアップロードして送付できるサービスで、24時間受付に対応しています。郵便局へ出向く必要がなく、字数・行数の制限も大幅に緩和されるため、自分で作成する方には利用しやすい方法です。支払いはクレジットカードなどで行い、日本郵便側で印刷・封入して発送してくれます。

費用の目安

内容証明は一般書留とすることが必要で、通常はさらに配達(受け取り)を証明する配達証明を付けます。文書1枚・定形郵便の場合の費用の目安は次のとおりです(2026年時点。料金は改定される場合があります)。

項目金額の目安
郵便料金(定形・1枚)110円
内容証明の加算料金480円(2枚目以降は290円増)
一般書留480円
配達証明350円
合計1,400円前後

送付後の流れと時効との関係

内容証明を送ったあとの展開は、(1)相手が支払いや交渉に応じる、(2)相手に代理人弁護士が就く、(3)相手が無視する、のいずれかです。相手が応じれば示談交渉に進み、合意ができれば示談書(合意書)を作成します。無視された場合は、調停や訴訟の検討が必要になります。

ここで重要なのが時効との関係です。不貞慰謝料の請求権は、被害者が損害および加害者を知った時から3年で時効にかかります(民法724条1号)。内容証明による請求(催告)には時効の完成を6か月間猶予する効果がありますが、あくまで猶予にすぎません。その6か月の間に訴訟提起などをしなければ、時効の完成を確定的に止めることはできない点に注意が必要です。時効を止める方法の詳細は、別記事もあわせてご確認ください。

自分で行う場合の限界と弁護士に依頼した場合の違い

内容証明の作成・送付そのものは、ルールを守れば自分で行うことも可能です。もっとも、自分で進める場合には次のような限界・リスクがあります。

  • 相手の住所がわからないと送れない:内容証明は相手の住所が必要です。相手が匿名・住所不明の場合、特定の作業が別途必要になります。
  • 表現を誤ると逆にリスクを負う:脅迫的・侮辱的な表現は、逆に慰謝料や損害賠償を請求される原因になり得ます。
  • 交渉の主導権を握りにくい:相手に弁護士が就くと、法的な反論に一人で対応するのは負担が大きくなります。
  • 証拠が不十分なまま送ってしまう:立証の見通しを立てずに送ると、相手に否認され、その後の交渉が難しくなることがあります。

弁護士に依頼すると、弁護士名義の内容証明を送ることで相手に与える心理的な効果が高まり、その後の示談交渉・調停・訴訟までを一貫して任せられます。証拠の評価や適正な請求金額の設定、時効管理といった、自分では判断が難しい部分を代わりに担ってもらえる点も大きな違いです。

よくある質問

内容証明を出せば必ず不貞慰謝料を回収できますか?

内容証明には支払いを強制する効力はなく、あくまで請求の事実と日付を証明する制度です。相手が応じない場合は、示談交渉・調停・訴訟へと段階を進める必要があります。ただし、正式な請求書として交渉のきっかけになる場合があります。

内容証明の字数・行数の制限はどうなっていますか?

手書き・パソコン作成いずれの場合も、縦書きは1行20字以内・1枚26行以内です。横書きは、1行20字以内・1枚26行以内、1行13字以内・1枚40行以内、1行26字以内・1枚20行以内のいずれかとされています。句読点やかっこも1字として数えます。e内容証明を利用する場合は、この制限が大幅に緩和されます。

内容証明の送付にはいくらかかりますか?

内容証明は一般書留とすることが必要で、通常はさらに配達証明を付けます。文書1枚・定形郵便の場合、郵便料金に内容証明の加算料金480円(2枚目以降は1枚につき290円増)、一般書留480円、配達証明350円が加わり、合計で1,400円前後が目安となります(2026年時点。料金は改定される場合があります)。

内容証明を送ると時効は止まりますか?

内容証明による請求は民法上の「催告」にあたり、時効の完成が6か月間猶予されます(完成猶予)。ただし猶予されるだけで時効が振り出しに戻る(更新される)わけではないため、その6か月の間に訴訟提起などの手続をとらなければ、時効の完成を確定的に防ぐことはできません。

自分で内容証明を作るときに最も注意すべき点は何ですか?

感情的・侮辱的な表現や過度な脅し文句を避けることです。相手の名誉を害する表現や「支払わなければ会社に言う」といった記載は、逆に慰謝料や損害賠償を請求されるリスクがあります。送った内容は撤回できないため、金額や事実関係を確認してから送付しましょう。

まとめ

不貞慰謝料の内容証明は、ルールを理解すれば自分で作成・送付することも可能です。ポイントは、字数・行数の制限を守ること、記載すべき項目を過不足なく盛り込むこと、感情的・脅迫的な表現を避けることの3点です。e内容証明を使えば字数制限が緩和され、郵便局に出向く手間も省けます。

もっとも、内容証明はあくまで請求の出発点にすぎません。相手が応じない場合の交渉や訴訟、証拠の評価、時効の管理といった判断が難しい場面では、弁護士に相談することで見通しを立てやすくなります。自分で送るべきか迷ったときや、相手に代理人が就いたときは、早めに横浜の弁護士など専門家へ相談することをおすすめします。

関連記事もあわせてご覧ください。不貞慰謝料の内容証明が届いたときの対応不貞慰謝料を自分で請求する訴訟の起こし方不貞慰謝料の時効を止める方法(完成猶予と更新)

内容証明の送付から示談交渉まで、弁護士にご相談ください

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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