タングラム法律事務所

意見照会書の回答書を自分で書く方法|チケット転売の記載事項と注意点

意見照会書の回答書を自分で書く方法|チケット転売の記載事項と注意点

意見照会書の回答書を自分で書く方法|チケット転売の記載事項と注意点

意見照会書の回答書を自分で書く方法|チケット転売の記載事項と注意点

意見照会書の回答書を自分で書く方法|チケット転売の記載事項と注意点

チケット転売を理由とする発信者情報開示請求で意見照会書が届いたとき、「弁護士に頼まず、自分で回答書を書きたい」と考える方は少なくありません。

この記事は、ご自身で回答書を作成される方に向けて、回答書に何を書くのか、開示に同意しない理由をどう組み立てるのか、逆に書くと不利になりやすい記載は何か、そして本人で対応する場合にどこに限界があるのかを、弁護士が順を追って整理したものです。

回答書に決まった書式はあるのか

結論から申し上げると、法令で回答書の書式が定められているわけではありません。情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)第6条第1項は、開示請求を受けた事業者に発信者の意見を聴くことを義務づけていますが、発信者がどのような形式で答えるかまでは定めていません。

実務上は、同封の回答用紙に記入する、その用紙に加えて別紙で理由を述べる、自分で作成した書面を送る、のいずれかになります。多くの携帯電話会社・接続業者は、チェック欄と理由欄のある用紙を同封しています。

迷ったときは、同封されている用紙を使い、書ききれない部分を別紙に回すのが最も安全です。指定された様式を使わないと受け付けてもらえないことがあり、期限が短い状況でその確認に時間を取られるのは得策ではないからです。

回答書に必ず書く5つの事項

形式は自由でも、記載すべき内容には共通の型があります。次の5つが入っていれば、書面として不足はありません。

項目内容注意点
①宛先照会書に記載された事業者名・部署名略さず、照会書の表記どおりに書く
②整理番号等照会番号・受付番号・お客様番号など照会書の右上や欄外にある。なければ照合に時間がかかる
③日付と自分の氏名・住所作成日と、契約者情報と一致する氏名・住所旧姓・旧住所のままだと照合できないことがある
④開示についての意見「開示に同意しない」旨を明確に書く曖昧な書き方をせず、結論を一文で示す
⑤理由なぜ同意しないのかを、事実に基づいて説明するここが本体。次の章で詳しく述べる
④を明確に書くことには、法律上の実益があります。同法第6条第2項は、事業者が発信者情報開示命令を受けたときは、意見の聴取において開示の請求に応じるべきでない旨の意見を述べた発信者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならないと定めています。不同意の意見を述べておけば、開示が命じられた事実を知ることができるということです。

「開示に同意しない」理由をどう組み立てるか

理由欄は、思いついたことを並べる場所ではありません。開示請求が認められるための要件に対応させて書くと、筋の通った書面になります。チケット転売の事案では、次の3つの方向が考えられます。

方向1:自分が発信者ではないと述べる

回線を家族が使っていた、共用回線だった、心当たりのある出品がないといった場合です。いつ・誰が・どのような形でその回線を使っていたかを、分かる範囲で具体的に書きます。単に「知りません」と書くよりも実態が伝わります。

方向2:権利侵害が明らかとはいえないと述べる

出品自体は自分が行ったが、違法な転売にはあたらないと考える場合です。チケット不正転売禁止法は、興行主等の同意のない有償譲渡のうち、業として行う有償譲渡であって、定価を超える価格によるものを規制しています。したがって、定価以下で譲っていた、行けなくなった1公演分を手放しただけであるといった事情は、そのまま理由になります。この論点はチケットを定価以下で譲るのは違法かで整理しています。

方向3:開示を受けるべき正当な理由を争う

請求者が主張する損害や必要性に疑問がある場合です。ただし、この方向は請求書面の中身が分からないと踏み込みにくく、本人で書く場合には、方向1・方向2を丁寧に述べるほうが現実的です。複数が当てはまるときは、番号を付けて分けて書くと伝わりやすくなります。

書くと不利になりやすい記載

回答書は、開示するかどうかの判断材料になるだけではありません。開示された後の損害賠償請求の場面で、あなた自身が述べたこととして扱われる可能性があります。開示後に何が起きるかはチケット転売で氏名・住所が開示された後で解説していますが、その段階を見据えると避けたい記載がはっきりします。

避けたい記載なぜ不利になるか
聞かれていない他の出品まで書き添える照会の対象外だった出品まで、争いの対象に引き込むことになる
「何度も出していました」など反復を自認する業として行ったという評価を、自分から補強してしまう
「儲かると思って」など動機を書く営利目的の裏づけとして引用される可能性がある
記憶があいまいなまま断定的に書く後に取引履歴と食い違ったとき、説明全体の信用が下がる
相手方や制度への不満を書く判断材料にならず、その後の交渉の余地を狭める

原則は単純です。聞かれていることに、事実に基づいて、必要な範囲で答える。誠実さを量で示そうとしないことが、自分を守ります。

添付資料は付けるべきか

取引画面や購入履歴を添付するかどうかは、内容によって判断が分かれます。

  • 付ける価値が高いもの:定価以下で譲ったことが分かる出品価格の画面、公演に行けなくなった事情を示す資料
  • 慎重に検討したいもの:対象外の出品まで写り込んでいる取引履歴の一覧、金額の総額が分かる入金画面

ここで大切なのは、提出するかどうかにかかわらず、資料自体は必ず保存しておくということです。退会や出品削除をすると、自分に有利な資料まで確認できなくなります。

提出の方法と、控えの残し方

提出方法は照会書の案内に従いますが、投函前に全ページを撮影または複写して控えを残すこと郵送の場合は発送の記録が残る方法を選ぶことの2点は、どの方法でも共通して行っておくことをおすすめします。後日「届いていない」と言われたときに説明できるようにするためです。

意見照会書そのものの読み方や、届いた直後にすべきことはチケット転売で意見照会書が届いたらにまとめています。あわせてご覧ください。

自分で書く場合の限界

ご自身で回答書を作成すること自体は可能です。そのうえで、限界として知っておいていただきたい点が3つあります。

第一に、回答書の記載は撤回できません。後から補充することはできても、先に書いた内容は残ります。示談交渉の段階になって、自分の回答書が相手方の主張の裏づけとして引用される、ということが起こり得ます。

第二に、照会の段階で手続が終わるとは限りません。開示の判断は裁判所の発信者情報開示命令の手続の中で進むことがあり、その場合、回答書に書いたことが次の段階の前提になります。

第三に、争える点があるかどうかの見極めが難しいことです。事情を並べて書いても、要件に対応していなければ理由として働きません。当事務所の対応の範囲と費用はチケット転売の発信者情報開示請求への対応ページでご案内しています。

よくある質問

回答書は手書きでもよいのですか。

法令で書式が定められているわけではないため、手書きでも差し支えないのが通常です。ただし、読み違えられて不利に扱われることを避けるため、書き直した跡が残らない形で、丁寧に清書することをおすすめします。照会書に回答用紙が同封されている場合は、その用紙を使うのが確実です。

「身に覚えがありません」とだけ書いてもよいですか。

本当に心当たりがない場合に、その旨を述べること自体は問題ありません。ただし、回線を家族が使っていた、共用のWi-Fiがあったなど、事情を説明できる場合には、その事実も併せて書いたほうが実態が伝わります。事実に反する否認は、後に資料と食い違ったときに立場を弱めます。

回答書に押印や本人確認書類は必要ですか。

取扱いは事業者によって異なりますので、同封されている案内の記載に従ってください。案内に指定がある場合にそれを欠くと、回答を受け付けてもらえないことがあります。判断に迷う場合は、記載されている窓口に確認するのが確実です。

一度出した回答書を、後から訂正できますか。

追加の書面を出すことは可能ですが、先に出した回答が消えるわけではありません。前の記載と食い違えば、その食い違い自体が不利に働くことがあります。訂正を前提にとりあえず出す、という進め方は避けたほうがよいといえます。

まとめ

  • 回答書の書式は法令で定められていない。同封の用紙を使い、書ききれない分を別紙に回すのが安全
  • 記載すべきは、宛先・整理番号・氏名住所・開示についての意見・理由の5つ
  • 「同意しない」と明確に述べておけば、開示命令が出た事実の通知を受けられる(情プラ法第6条第2項)
  • 理由は、発信者性を争う/権利侵害の明白性を争う、という要件に対応させて組み立てる
  • 反復や動機の自認、聞かれていない出品の記載は、開示後の損害賠償の場面で不利に働き得る
  • 回答書の記載は撤回できず、その後の手続の前提になる。ここが本人対応の最大のリスク

ご自身で書き上げた回答書を、出す前に一度確認したいというご相談も多くいただきます。横浜のタングラム法律事務所では、回答書の内容確認から作成の代行、開示後の示談交渉までを取り扱っています。

回答書をご自身で作成される方へ

タングラム法律事務所(横浜・山下公園)は、チケット転売を理由とする発信者情報開示請求について、意見照会書への回答書の作成・内容確認から、開示後の損害賠償請求への対応・示談交渉まで取り扱っています。オンラインで全国からご相談いただけます。回答期限がある場合は、その日付をお知らせください。

法律相談の予約はこちら

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

インターネット問題に横浜で対応

身を守るための横浜の開示請求

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。