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遺留分侵害額請求で提示額が高すぎる|減額方法と反論を弁護士が解説

遺留分侵害額請求で提示額が高すぎる|減額方法と反論を弁護士が解説

遺留分侵害額請求で提示額が高すぎる|減額方法と反論を弁護士が解説

遺留分侵害額請求で提示額が高すぎる|減額方法と反論を弁護士が解説

遺留分侵害額請求で提示額が高すぎる|減額方法と反論を弁護士が解説

「兄弟から遺留分侵害額請求の通知が届いたが、請求された金額があまりに大きく、とても払えない」——このようなご相談は少なくありません。相手方が示してきた金額は、あくまで相手方の主張にすぎず、そのまま支払わなければならない確定額ではありません。財産の評価方法や、相手方が過去に受け取っていた生前贈与の扱いなどによって、実際の支払額が大きく変わることがあります。

この記事では、遺留分侵害額請求で提示された金額が「高すぎる」と感じたときに、どのような点を検討すれば減額できる可能性があるのか、反論の主なポイントと交渉・調停の進め方を、横浜の弁護士がわかりやすく解説します。

なぜ提示された遺留分侵害額が「高すぎる」と感じるのか

遺留分侵害額請求とは、遺言や生前贈与によって最低限の取り分(遺留分)を侵害された相続人が、その侵害額に相当する金銭の支払を求める制度です(民法1046条1項)。かつての「遺留分減殺請求」と異なり、2019年7月1日施行の改正相続法によって、請求できるのは金銭に一本化されました。

請求する側は、なるべく多くの金額を受け取ろうとするため、財産を高めに評価し、自分が受け取った贈与は少なめに主張する傾向があります。その結果、請求される側にとっては「実態より高い金額」が提示されがちです。しかし遺留分侵害額は、法律で定められた計算式に沿って算定されるものであり、前提となる数字が変われば結論も変わります。まずは相手方の計算の根拠を確認することが出発点です。

減額の出発点:遺留分侵害額の計算式を理解する

遺留分侵害額は、おおまかに次のように計算されます(民法1042条・1043条・1046条2項)。

  • ①遺留分額=「遺留分を算定するための財産の価額」(相続開始時の財産+一定の贈与-債務)×遺留分割合×法定相続分
  • ②遺留分権利者が受けた遺贈・特別受益を①から控除
  • ③遺留分権利者が遺産分割で取得すべき財産を①から控除
  • ④遺留分権利者が承継する相続債務を①に加算

つまり「遺留分侵害額=①-②-③+④」という構造です。ここから分かるのは、②や③(相手方が受け取る財産)を正しく反映させ、①の前提となる財産評価を適正化すれば、請求される金額を抑えられる可能性があるということです。計算の詳しい手順は「遺留分侵害額の計算方法|計算式と具体例を横浜の弁護士が解説」もあわせてご覧ください。

減額できる主なケースと反論のポイント

実務で減額の争点になりやすいのは、次のような点です。

争点反論の内容根拠
不動産などの財産評価財産を過大に評価していないか。時価を適正な水準に見直す相続開始時の時価が基準
相手方の特別受益・遺贈相手方が受けた生前贈与・遺贈を侵害額から控除する民法1046条2項1号
相手方が取得する財産遺産分割で相手方が取得する財産分を控除する民法1046条2項2号
相続債務の扱い基礎財産から債務を控除し、承継債務の負担を反映する民法1043条・1047条3項
時効・期間制限1年・10年の期間経過で請求権が消滅している場合がある民法1048条

財産(不動産)の評価を争う

遺留分の算定における財産は、原則として相続開始時の時価(実勢価格)で評価します。固定資産税評価額や路線価は税務上の指標であり、これらをそのまま時価として用いることは原則として認められていません。相手方が不動産を高く評価している場合、不動産業者の査定や不動産鑑定士による鑑定評価を用いて、より実態に近い評価額を主張することで、遺留分の基礎となる財産額が下がり、結果として侵害額も減少することがあります。不動産が中心の遺産では特に重要な争点です。

相手方が受け取った特別受益・遺贈を控除する

遺留分権利者自身が被相続人から受けた遺贈や、特別受益に当たる生前贈与(住宅資金・事業資金・多額の学費援助など)は、その人の遺留分侵害額から控除されます(民法1046条2項1号)。相手方が生前に多額の援助を受けていた場合、その事実を預金の取引履歴や贈与契約書などで裏づけられれば、減額の有力な根拠になります。相続人に対する贈与は原則として相続開始前10年間のものが遺留分算定の基礎財産に加算されます(民法1044条3項)。

相続債務の負担を反映する

遺留分を算定するための財産の価額は、被相続人の債務を控除して求めます(民法1043条)。また、遺贈や贈与を受けた側が、遺留分権利者が本来負担すべき相続債務を弁済したときは、その額の限度で意思表示によって遺留分侵害額の支払義務を消滅させることができます(民法1047条3項)。相続債務がある事案では、誰がどの債務を負担するのかの整理が欠かせません。

時効・期間制限を確認する

遺留分侵害額請求権は、相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年間行使しないと時効で消滅します。また、相続開始の時から10年を経過したときも消滅します(民法1048条)。相手方が長期間権利を行使していなかった場合、時効の主張によって請求そのものを退けられる可能性があります。通知が届いた日付や、相手方が事情を知った時期を確認することが大切です。

相続税など税金の取扱いは個別の事情によって異なります。具体的な税額計算や申告については、税理士または所轄の税務署にご確認ください。

減額が難しくても負担を抑える方法

金額そのものを減らせない場合でも、支払方法を工夫して負担を和らげる余地があります。遺留分侵害額は金銭債務であるため、直ちに全額を用意できないときは、裁判所に対して支払期限の猶予(期限の許与)を求めることができます(民法1047条5項)。また、相手方との合意による分割払いなどを検討することも考えられます。手元資金が乏しく支払いに困る場合の対応は「遺留分侵害額請求をされて払えない場合の対処法|期限の許与・分割払いを弁護士が解説」で詳しく解説しています。

減額交渉・調停の進め方

遺留分侵害額をめぐる争いは、まず当事者間の交渉で解決を図り、まとまらなければ家庭裁判所の調停、さらに訴訟へと進みます。交渉段階で、財産評価や特別受益に関する客観的な資料を示して主張すれば、相手方も譲歩に応じやすくなります。合意ができたときは、金額・支払方法・清算条項などを明記した合意書を作成しておくと安心です。交渉で解決する場合の進め方は「遺留分侵害額請求は交渉・和解で解決できる?進め方と注意点を弁護士が解説」もご参照ください。

交渉がまとまらない場合、相手方から遺留分侵害額の請求調停が申し立てられることがあります。反論の根拠を整理しないまま臨むと不利になりやすいため、早い段階で横浜をはじめ地域の弁護士に相談し、方針を立てておくことをおすすめします。

反論する際の注意点

金額に納得できないからといって、請求を無視したり放置したりするのは避けるべきです。対応を怠ると遅延損害金が生じたり、調停・訴訟に発展して解決が長期化したりします。減額を主張するなら、根拠を示して積極的に反論することが必要です。早めに専門家の助言を得ることが、結果的に負担の軽減につながります。

よくある質問

遺留分侵害額請求で提示された金額は減額できますか?

相手方の計算に誤りや過大な部分があれば、減額できる場合があります。特に不動産などの財産評価、相手方が受けた生前贈与・遺贈の控除、承継する相続債務の扱いは争点になりやすく、これらを精査することで金額が変わることがあります。

不動産の評価は誰が決めるのですか?

遺留分の算定では相続開始時の時価(実勢価格)が基準とされ、固定資産税評価額や路線価をそのまま時価とすることは原則として認められていません。当事者間で合意できない場合は、不動産業者の査定や不動産鑑定士の鑑定評価を用いて評価額を定めることがあります。

請求された金額に納得できない場合、無視してもよいですか?

無視は避けるべきです。支払期限を過ぎると遅延損害金が発生する場合があり、調停や訴訟に発展すると解決が長引きます。金額に疑問があっても放置せず、反論の根拠を整理したうえで交渉や調停で主張することが大切です。

相手が受け取った生前贈与を主張して減額できますか?

遺留分権利者自身が被相続人から受けた遺贈や特別受益に当たる生前贈与は、その人の遺留分侵害額から控除されます(民法1046条2項)。相手方が過去に多額の援助を受けていた事実を示す資料があれば、減額の根拠となる可能性があります。

減額交渉は自分でできますか?弁護士に依頼すべきですか?

当事者同士で交渉することも可能ですが、財産評価や特別受益の主張には専門的な検討が必要です。弁護士に依頼すると、計算の妥当性を検証し、証拠に基づいて減額を主張しやすくなります。

まとめ

遺留分侵害額請求で提示された金額は、相手方の主張にすぎず、そのまま支払うべき確定額ではありません。計算式に沿って、財産評価・相手方の特別受益や取得財産・相続債務・時効などを一つずつ検証すれば、減額できる可能性があります。大切なのは、無視や放置をせず、根拠を示して冷静に反論することです。判断が難しいと感じたら、早めに弁護士へ相談することで、適正な負担での解決を目指しやすくなります。

遺留分侵害額請求の金額に疑問がある方へ

タングラム法律事務所では、相続や遺留分侵害額請求の事案について豊富な実績を有しております。提示された金額が高すぎるとお感じの場合は、計算の妥当性を検証し、減額の可能性を一緒に検討します。まずはお気軽にご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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