公務員・教員がトレントの意見照会書を受け取ったら|懲戒リスクを解説
公務員・教員がトレントの意見照会書を受け取ったら|懲戒リスクを解説
ご自宅に届いた「意見照会書」を開いたとき、頭に浮かんだのは示談金の額よりも、「これが職場に知られたらどうなるのか」ということではなかったでしょうか。公務員や教員として働いている方にとって、金銭の問題は最悪の場合どうにか工面できるとしても、身分や免許を失うことの意味はまったく別です。何年もかけて積み上げてきた職歴が、数年前のファイル共有ソフトの操作ひとつで崩れるのではないか——そう考えると、書面を前にして手が止まってしまうのも当然です。
この記事では、BitTorrent(トレント)による著作権侵害を理由に発信者情報開示の意見照会書を受け取った公務員・教員の方に向けて、(1)意見照会の段階で勤務先に連絡が行く仕組みになっているのか、(2)懲戒処分の根拠条文と人事院の指針は私生活上の著作権侵害をどう扱っているのか、(3)どのような場合に私生活上の行為が懲戒の対象になるのか、(4)処分は公表されるのか、(5)教員の免許状はどうなるのか、(6)刑事事件になった場合の失職・起訴休職はどうか、を条文と最高裁判例に即して整理します。不安の大きさに見合った正確な見取り図を持っていただくことが目的です。
意見照会の段階で、勤務先に連絡が行く仕組みにはなっていない
まず、いちばん心配されている点からお答えします。意見照会書が届いたこと自体が勤務先に伝わる仕組みは、法律上ありません。
意見照会は、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)6条1項に基づく手続です。同項は次のように定めています。
「開示関係役務提供者は、前条第一項又は第二項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、当該開示の請求に応じるかどうかについて当該発信者の意見(当該開示の請求に応じるべきでない旨の意見である場合には、その理由を含む。)を聴かなければならない。」
条文が求めているのは、プロバイダが「発信者の意見を聴く」ことだけです。勤務先への通知も、行政機関への報告も、この条文には登場しません。回答書の宛先はあくまでプロバイダであり、勤務先の人事担当課でも教育委員会でもありません。
公務員・教員の方が実際に不安を感じるのは、多くの場合、次の3つの経路です。いずれについても、意見照会の段階では現実化しません。
| 心配される経路 | 意見照会段階での位置づけ |
|---|---|
| プロバイダから勤務先への連絡 | 情プラ法6条1項にそのような定めはない。照会先は契約者本人 |
| 権利者から勤務先への連絡 | この段階では権利者は契約者の氏名も住所も知らない(開示前だから照会が行われている) |
| 報道・処分の公表 | 懲戒処分が現に行われて初めて問題になる。後述の公表指針の対象範囲も限定されている |
誰にどの段階で何が伝わるのかという全体像は、トレント開示請求は会社・学校・家族に知られるのかで段階別に整理しています。あわせてご覧ください。
懲戒処分の根拠条文——国家公務員法82条1項と地方公務員法29条1項
次に、懲戒処分そのものの根拠を確認します。処分は任命権者の自由な判断で行えるものではなく、法律の定める事由に該当することが前提です。
国家公務員については、国家公務員法82条1項が、(1)同法・国家公務員倫理法・これらに基づく命令に違反した場合、(2)職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合、(3)国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合、のいずれかに該当するときに、免職・停職・減給・戒告の処分をすることができると定めています。
地方公務員については、地方公務員法29条1項が、(1)同法等に違反した場合、(2)職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合、(3)全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合、のいずれかに該当するときに、戒告・減給・停職・免職の処分をすることができると定めています。公立学校の教員は地方公務員ですから、この条文が適用されます。
私生活上のファイル共有が問題になるとすれば、根拠となるのは各3号(「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」)です。職務中の行為ではないため2号には当たらず、1号の法令違反も、ここでいう「この法律」は公務員法制を指しますから直接には当たりません。あわせて、国家公務員法99条は「職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」と、地方公務員法33条は「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」と定めており(信用失墜行為の禁止)、この義務違反が3号の評価に取り込まれるという構成が実務上一般的です。
人事院「懲戒処分の指針」に、著作権侵害の標準例はない
処分の重さを決める際に実務で参照されるのが、人事院の「懲戒処分の指針について」(平成12年3月31日職職―68、最終改正令和2年4月1日職審―131)です。国家公務員向けの通知ですが、多くの地方公共団体が自前の懲戒基準をこの指針に倣って作成しているため、実質的な影響範囲は広く及びます。
この指針の第2「標準例」のうち、私生活上の行為を扱う3「公務外非行関係」に掲げられているのは、放火、殺人、傷害、暴行・けんか、器物損壊、横領、窃盗・強盗、詐欺・恐喝、賭博、麻薬等の所持等、酩酊による粗野な言動等、淫行、痴漢行為、盗撮行為の14項目です。著作権侵害という項目は、この標準例に置かれていません。
ただし、これを「対象外」と読むのは誤りです。同指針の第1「基本事項」は、末尾で次のように述べています。
「なお、標準例に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分の対象となり得るものであり、これらについては標準例に掲げる取扱いを参考としつつ判断する。」
したがって正確には、著作権侵害は、あらかじめ量定の目安が用意されていない類型であり、第1が挙げる考慮要素に沿って個別に判断されるということになります。その考慮要素として指針が明示しているのは、次の5点です。
- 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか
- 故意又は過失の度合いはどの程度であったか
- 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか
- 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか
- 過去に非違行為を行っているか
さらに指針は、標準例より重くする方向の事情(動機・態様が極めて悪質、公務内外に及ぼす影響が特に大きい、複数の非違行為があるなど)と、軽くする方向の事情を対で挙げています。軽くする方向として明記されているのは次の2つです。
- 職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき
- 非違行為を行うに至った経緯その他の情状に特に酌量すべきものがあると認められるとき
この2点は、公務員・教員の方が対応方針を考えるうえで実益のある記載です。もっとも、いつ・どこまで・誰に申し出るかは、意見照会の段階か開示後かによって意味がまったく異なります。開示すらされていない段階での自己申告は、まだ生じていない不利益を自ら確定させてしまう危険を伴いますので、判断は慎重に行う必要があります。
私生活上の行為が懲戒の対象になるのは、どのような場合か
私生活上の行為と職場の秩序との関係について、最高裁は枠組みを示しています。
最高裁判所第一小法廷昭和49年2月28日判決(昭和45年(オ)第1196号・雇用関係存続確認等請求事件、民集28巻1号66頁。裁判所ウェブサイト)は、就業規則の懲戒事由にいう「著しく不都合な行い」について、次のように述べています。
「日本国有鉄道の社会的評価を低下毀損するおそれがあると客観的に認められる職場外の職務遂行に関係のない行為で著しく不都合なものと評価されるものをも包含する。」
公務員の懲戒に直接適用される判断ではありませんが、職場外の行為が懲戒の対象になるのは、それが組織の社会的評価を低下毀損するおそれがあると客観的に認められる場合であるという考え方は、公務員の「信用失墜行為」の解釈にも通じます。裏返せば、私生活上の行為であればすべて懲戒事由になるわけではなく、そのおそれが客観的に認められる程度のものかどうかが問われます。
もう一つ、処分の重さに対する裁判所の審査の枠組みを示したのが、最高裁判所第三小法廷昭和52年12月20日判決(昭和47年(行ツ)第52号・行政処分無効確認等事件、民集31巻7号1101頁。裁判所ウェブサイト。いわゆる神戸税関事件)です。同判決の裁判要旨は次のとおりです。
「裁判所が懲戒権者の裁量権の行使としてされた公務員に対する懲戒処分の適否を審査するにあたつては、懲戒権者と同一の立場に立つて懲戒処分をすべきであつたかどうか又はいかなる処分を選択すべきであつたかについて判断し、その結果と右処分とを比較してその軽重を論ずべきものではなく、それが社会観念上著しく妥当を欠き裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法と判断すべきものである。」
この判示は、当事者にとって二面性を持ちます。処分が出てしまった後に裁判所でこれを覆すハードルは「社会観念上著しく妥当を欠き」という高い水準に置かれているという意味では厳しい枠組みです。同時に、処分の当否を決める勝負どころが、処分が出た後の訴訟ではなく、処分に至る前の段階——事実関係がどのように認定され、どの考慮要素がどう評価されるか——にあることを示しています。意見照会への回答の内容が実質的な意味を持つのは、この構造があるからです。
懲戒処分は公表されるのか——公表指針の対象範囲
「処分の内容が発表されて、名前が出るのではないか」という不安も多く伺います。国家公務員については、人事院「懲戒処分の公表指針について」(平成15年11月10日総参―786)が原則的な取扱いを示しています。要点は次の3つです。
| 項目 | 公表指針の定め |
|---|---|
| 公表対象 | (1) 職務遂行上の行為又はこれに関連する行為に係る懲戒処分、(2) 職務に関連しない行為に係る懲戒処分のうち、免職又は停職である懲戒処分 |
| 公表内容 | 事案の概要、処分量定及び処分年月日並びに所属、役職段階等の被処分者の属性に関する情報を、「個人が識別されない内容のものとすることを基本として」公表する |
| 公表の例外 | 被害者又はその関係者のプライバシー等の権利利益を侵害するおそれがある場合等、上記によることが適当でないと認められる場合は、一部又は全部を公表しないことも差し支えない |
私生活上のファイル共有は「職務に関連しない行為」ですから、この指針を前提とすれば、公表対象となるのは処分が免職または停職に至った場合であり、減給・戒告にとどまるのであれば公表対象には含まれません。また、公表される場合でも氏名の公表が原則とはされていません。
ただし、これは国家公務員に関する人事院の指針です。地方公共団体は、それぞれ独自に懲戒処分の公表基準を定めています。多くは人事院の指針に沿った内容ですが、公表の範囲や記載事項に違いがあり得ますので、実際の見通しを立てる際にはご自身の勤務先(都道府県・市町村または教育委員会)の公表基準を確認する必要があります。この点は各団体の公表内容を確認できた範囲でしか具体的なことは申し上げられませんので、一般論としてお示しするにとどめます。
教員に固有のリスク——免許状の失効と取上げは、どこまで起きるか
教員の方が最も気にされるのは、教員免許状の帰趨です。ここは条文が明確に限定を置いています。
免許状が失効する場合(教育職員免許法10条1項)
教育職員免許法10条1項は、免許状が効力を失う場合を次の3つに限定しています。
- 第5条第1項第3号又は第6号に該当するに至つたとき(3号は「拘禁刑以上の刑に処せられた者」)
- 公立学校の教員であつて懲戒免職の処分を受けたとき
- 公立学校の教員であつて、地方公務員法28条1項1号(勤務実績不良)又は3号(適格性を欠く)に該当するとして分限免職の処分を受けたとき
国立学校・私立学校(および公立大学法人が設置する公立学校)の教員については、同法11条1項が、懲戒免職の事由に相当する事由により解雇されたと認められるときに免許管理者が免許状を取り上げなければならないと定めています。
ここから読み取れることは重要です。権利者に損害賠償を支払って和解したこと、それ自体は、免許状の失効事由にも取上げ事由にも当たりません。免許に影響が及ぶのは、拘禁刑以上の刑に処せられたか、懲戒免職・一定の分限免職という最も重い処分に至った場合に限られます。減給や戒告であれば、免許状は失効しません。
失効・取上げの場合の公告(同法13条1項)
もっとも、失効・取上げに至った場合の効果は重いものです。同法13条1項は、免許管理者は「その免許状の種類及び失効又は取上げの事由並びにその者の氏名及び本籍地を官報に公告する」とともに、所轄庁および授与権者に通知しなければならないと定めています。氏名が官報に載るという効果は、この段階で初めて生じます。裏返せば、そこに至らない限り、この公告は行われません。
再取得の制限(同法5条1項4号・5号)
免許状が10条1項2号・3号により失効した場合は失効の日から3年、11条1項から3項までにより取り上げられた場合は処分の日から3年を経過しない者には、免許状を授与しないものとされています(同法5条1項4号・5号)。
刑事事件になった場合——起訴休職と失職の条文
公務員の身分に最も直接的に影響するのは、実は懲戒ではなく刑事手続です。地方公務員法は次のように定めています。
- 28条2項2号:職員が「刑事事件に関し起訴された場合」には、その意に反して休職することができる(いわゆる起訴休職)
- 28条4項:職員は、16条各号(2号を除く)のいずれかに該当するに至つたときは、条例に特別の定めがある場合を除くほか、その職を失う
- 16条1号:拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
著作権法119条1項の法定刑は「十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金」であり、拘禁刑は選択刑として定められています。もっとも、同法123条1項により同罪は原則として親告罪とされており、権利者による告訴がなければ公訴を提起することができません。BitTorrent事案で権利者が民事上の損害賠償請求(示談交渉)を選択することが多いのはこのためです。刑事責任の枠組みと親告罪の意味については、トレントで逮捕される可能性はあるのか|著作権法の罰則と親告罪で詳しく解説しています。
公務員・教員が意見照会書を受け取ったときに、実際にすべきこと
以上を踏まえると、この段階で取るべき行動は明確になります。
1 回答期限を確認し、期限内に回答する
意見照会書には回答期限が記載されています。回答しないまま期限を経過すると、開示に同意しない理由を主張する機会そのものが失われます。情プラ法6条2項は、開示に応じるべきでない旨の意見を述べた発信者に対しては、プロバイダが開示命令を受けたときに遅滞なくその旨を通知しなければならないと定めていますので、不同意の回答をしておくことは、次の段階の情報を得られるかどうかにも関わります。回答後の流れは「開示に同意しない」と回答した後の流れで解説しています。
2 回答書に、謝罪や反省を書かない
公務員・教員の方に特に強く申し上げたい点です。誠実に対応しようとするあまり、回答書に「軽率でした」「深く反省しています」と書いてしまう方がいらっしゃいます。しかし回答書は、侵害の明白性を判断する材料としてプロバイダに読まれ、その理由は原則として請求者側に伝わり得るものです。自認の記載は、開示を止めるどころか後押しし、その後の示談交渉においても不利な材料として残ります。そして、後に懲戒手続が問題になった場合には、そこで作成した書面がそのまま事実認定の資料になります。何を書き、何を書かないかの線引きについては、理由回答書を自分で書く場合の記載事項と限界をご参照ください。
3 勤務先に自ら報告するかどうかは、単独で決めない
人事院の指針が「自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき」を軽減事由として挙げていることは前述のとおりです。しかし、これは非違行為があったことを前提とした量定の話です。意見照会の段階では、開示の可否も、そもそもご本人が発信者であるのかも確定していません。回線契約者と実際の利用者が異なる事案も少なくありません。この段階での自己申告は、確定していない不利益を自ら確定させる方向にも働きます。報告するかどうか、するとしていつ・どの範囲でするかは、事案の内容と勤務先の内部規程を踏まえて判断すべき事項であり、一律の正解はありません。
4 守秘を前提に、早い段階で相談する
職務上の立場から、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまう方が非常に多い分野です。弁護士には守秘義務があり、相談の事実が勤務先に伝わることはありません。意見照会段階の対応の全体像は、意見照会対応の取扱分野ページに、公務員・教員を含めた具体的な進め方はBitTorrent著作権侵害の意見照会対応の特設ページにまとめています。
よくある質問
意見照会書が届いた段階で、勤務先の官公庁や教育委員会に連絡が行きますか。
意見照会は、情報流通プラットフォーム対処法6条1項に基づき、プロバイダが契約者本人の意見を聴くために行うものです。同項は勤務先への通知を定めておらず、照会の事実が職場に伝わる仕組みにはなっていません。回答書の宛先もプロバイダであり、勤務先ではありません。
人事院の「懲戒処分の指針」に著作権侵害は載っていますか。
人事院「懲戒処分の指針について」(平成12年3月31日職職―68、最終改正令和2年4月1日)の第2「標準例」3「公務外非行関係」には、放火・殺人・傷害・窃盗・詐欺・賭博・痴漢・盗撮などが掲げられていますが、著作権侵害の項目はありません。ただし同指針第1は「標準例に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分の対象となり得る」としているため、対象外という意味ではありません。
懲戒処分を受けると、氏名が公表されるのでしょうか。
人事院「懲戒処分の公表指針について」(平成15年11月10日総参―786)は、職務に関連しない行為に係る懲戒処分については免職または停職のものを公表対象とし、公表内容も「個人が識別されない内容のものとすることを基本として公表する」としています。地方公共団体は独自に公表基準を定めているため、勤務先の基準の確認が必要です。
教員の場合、免許状はどうなりますか。
教育職員免許法10条1項により、免許状が失効するのは、拘禁刑以上の刑に処せられたとき(同法5条1項3号)、公立学校の教員が懲戒免職の処分を受けたとき、一定の分限免職の処分を受けたときに限られます。損害賠償を支払って和解したことそれ自体は、免許状の失効事由にも取上げ事由にも当たりません。
刑事事件になった場合、失職しますか。
地方公務員法28条4項は、16条各号(2号を除く)に該当するに至ったときは条例に特別の定めがある場合を除き失職すると定め、同条1号は「拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」を掲げています。もっとも著作権法119条1項の罪は同法123条1項により原則として親告罪であり、権利者が刑事告訴をしない限り公訴を提起することができません。
まとめ
公務員・教員がBitTorrentの意見照会書を受け取った場合の要点を整理します。
- 意見照会は情プラ法6条1項に基づきプロバイダが本人の意見を聴く手続であり、勤務先への通知は制度上予定されていない
- 懲戒の根拠は国家公務員法82条1項3号・地方公務員法29条1項3号(「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」)であり、著作権侵害から自動的に導かれるものではない
- 人事院「懲戒処分の指針」の公務外非行関係の標準例に著作権侵害の項目はなく、指針第1の考慮要素に沿った個別判断となる。自主的な申出は軽減方向の事情として明記されている
- 私生活上の行為が問題となるのは、組織の社会的評価を低下毀損するおそれが客観的に認められる場合である(最判昭和49年2月28日)。処分の適否は「社会観念上著しく妥当を欠き裁量権を濫用したと認められる場合に限り」違法とされる(最判昭和52年12月20日)ため、争点は処分前の段階に集中する
- 公表指針上、職務に関連しない行為に係る処分で公表対象となるのは免職・停職であり、内容も個人が識別されないことを基本とする。地方公共団体の基準は別途確認が必要
- 教員免許状の失効・取上げは、拘禁刑以上の刑または懲戒免職・一定の分限免職に限られる(教育職員免許法10条1項・11条)
- 失職は、拘禁刑以上の刑に処せられた場合の問題であり(地公法16条1号・28条4項)、著作権法119条1項の罪は原則として親告罪である
不安の中身を条文に置き換えていくと、恐れていた事態の多くが、いくつもの要件を越えた先にしか生じないことが分かります。そして、その最初の関門である意見照会の段階は、ご本人が主体的に関与できる数少ない場面です。ここで何を述べ、何を述べないかが、その後の展開を左右します。横浜のタングラム法律事務所では、公務員・教員の方からのご相談も含め、発信者側の立場での意見照会対応を数多く取り扱っております。守秘義務のもとで対応いたしますので、お一人で抱え込まず、期限内にご相談ください。
意見照会書が届いた公務員・教員の方へ
タングラム法律事務所では、BitTorrent(トレント)に関する発信者情報開示の意見照会について、発信者側の立場で多数の対応実績を有しております。回答期限が迫っている場合や、職場への影響をご心配の場合も、まずはご状況をお聞かせください。
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