タングラム法律事務所

理由回答書を自分で書く場合の記載事項と限界|トレント意見照会対応

理由回答書を自分で書く場合の記載事項と限界|トレント意見照会対応

理由回答書を自分で書く場合の記載事項と限界|トレント意見照会対応

理由回答書を自分で書く場合の記載事項と限界|トレント意見照会対応

理由回答書を自分で書く場合の記載事項と限界|トレント意見照会対応

BitTorrent(トレント)による著作権侵害を理由とする発信者情報開示請求について、契約しているプロバイダから意見照会書が届いた——。同封されていた回答書には「発信者情報開示に同意しません」という欄と、その下に空白の「理由」欄があるだけで、何をどう書けばよいのかまったく見当がつかない。回答期限は二週間しかない。弁護士に頼むほどのことなのか、それとも自分で書いて出してしまってよいのか。そう迷ったまま数日が過ぎている、という方は少なくありません。

この記事では、意見照会書に同封されている回答書(実務上「理由回答書」と呼ばれることがあります)について、①それが法律上どういう位置づけの書面なのか、②自分で書く場合に最低限どこまで記載しておくべきか、③逆に書いてしまうと不利に働きかねない記載は何か、④そして本人が書く場合にどうしても超えられない限界はどこにあるのか、を順に整理します。条文と、プロバイダ各社が実務の基準としている業界ガイドラインの書式を根拠に説明しますので、「なんとなく強めに書けばよい」という次元ではない話であることが見えてくるはずです。

理由回答書とは何か——情プラ法6条1項が求めている「理由」

意見照会という手続は、法律に根拠があります。2024年の改正で名称が変わった情報流通プラットフォーム対処法(正式名称は「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」。以下「情プラ法」といいます)の6条1項は、次のように定めています。

「開示関係役務提供者は、前条第一項又は第二項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、当該開示の請求に応じるかどうかについて当該発信者の意見(当該開示の請求に応じるべきでない旨の意見である場合には、その理由を含む。)を聴かなければならない。」

注目すべきは、括弧書きの「その理由を含む」という部分です。法律は、単に「同意するか、しないか」を聞けばよいとはしていません。開示に応じるべきでないという意見であれば、その理由まで含めて聴取することをプロバイダに義務づけています。つまり、理由の記載は回答書の付け足しではなく、法律が意見聴取の中身として想定している本体部分だということになります。

実際、プロバイダが用いている書式もそうなっています。情報流通プラットフォーム対処法ガイドライン等検討協議会が策定した「発信者情報開示関係ガイドライン」(第10版・令和7年5月)の書式②(発信者に対する意見照会書)には、「開示に同意されない場合には、その理由を、回答書に具体的にお書き添えください。」と記載されています。届いた意見照会書の文面に見覚えがある方も多いはずです。多くのプロバイダは、このガイドラインの書式にほぼそのまま沿った用紙を使っています。

「同意しない」に丸をつけただけの回答書がどう扱われるか

ここが実務上いちばん大きな分かれ目です。ガイドラインは、プロバイダの対応手順として、発信者から開示に同意しない旨の回答を得た場合、または一定期間(二週間)を経過しても回答がない場合には、請求者から提出された資料等に基づいて「権利が侵害されたことが明らか」(情プラ法5条1項1号)であるかどうかの検討を開始する、としています。

そのうえで、明白性の判断に当たっては請求者の主張する事情に加えて発信者の主張も考慮するとしつつ、二週間を経過しても回答がない場合には、発信者はこの点に関して特段の主張は行わないものとして扱うと明記しています。理由を書かずに「同意しません」とだけ返した場合も、考慮すべき発信者の主張が乏しいという意味では、これに近い状態に置かれます。

言い換えれば、理由欄は「書いても書かなくても同じ」ではありません。理由欄に何が書かれているかが、プロバイダが開示・不開示を判断する際の材料そのものになります。回答期限までに何を書けるかが、そのまま手続に反映されるということです。

プロバイダは何を判断しているのか——回答書が接続すべき「不開示の理由」

自分で理由回答書を書こうとするとき、多くの方は「自分の言い分」を書こうとします。事情、経緯、反省、生活の実情。しかし、回答書を受け取ったプロバイダが行っているのは、あなたの言い分を情状として汲むという作業ではありません。法律の要件に当てはまるかどうかの判定です。

プロバイダが開示に応じないと判断した場合、請求者に対して不開示の通知(ガイドラインの書式⑤)を出します。この書式には、あらかじめ理由の選択肢が用意されており、そこには次のようなものが並んでいます。

書式⑤の理由意味発信者側の主張との対応
1・2情報を特定できない/発信者情報を保有していないプロバイダ側の事情。発信者の回答とは直接関係しない
3「権利が侵害されたことが明らか」(情プラ法5条1項1号)と判断できない回答書がもっとも接続しやすい欄。侵害の成否・故意過失・特定の正確性を争う
4「開示を受けるべき正当な理由」(同項2号)に当たると判断できない請求の目的・必要性を争う
5補充的な要件(同項3号)に当たると判断できないログイン型の請求で問題となる。トレント事案では通常争点にならない
6・7請求書の形式的な不備/その他手続上の問題

理由回答書を書くというのは、要するに、プロバイダがこの表の3または4の欄に丸をつけられる状態をつくる作業だということになります。「困っています」「反省しています」という記載は、どの欄にも接続しません。逆に、後で述べるとおり、むしろ3の欄を消してしまう働きをすることさえあります。

参考:意見の聴取を定める情プラ法6条1項は、ガイドラインの説明でも「プロバイダ等が発信者に対して負う一般的な注意義務を規定しており、同項が発信者情報開示の要件となっているわけではない」と位置づけられています。回答書を出したことそれ自体が開示を止める効力を持つわけではない、という点は最初に押さえておく必要があります。

自分で書く場合に最低限そろえるべき記載事項

そのうえで、ご自身で作成される場合に、形式面として最低限そろえておきたい事項を整理します。ガイドラインの書式③-1(発信者からの回答書)が想定している構成に沿ったものです。

項目記載の要領
宛先意見照会書の差出人である事業者名を正確に。グループ会社が複数ある場合、照会を出した運営会社と契約先の社名が一致しないことがあります
作成年月日実際に作成・発送する日。回答期限との前後関係が記録に残ります
発信者の住所・氏名・連絡先意見照会書の宛名と同一の表記に合わせます。押印欄がある書式では押印します
整理番号・受付番号意見照会書に付されている番号を必ず転記します。同一プロバイダに多数の照会が並行しているため、番号がないと照合されないおそれがあります
回答内容「発信者情報開示に同意しません。」の欄に丸をつけます。同意欄と不同意欄の両方に印がある、どちらにも印がない、といった返送は珍しくありません
理由本体部分。欄が狭い場合は「別紙のとおり」と記載し、別紙に見出しを立てて記載します
証拠主張を裏づける資料がある場合に添付します。ガイドラインの書式の注記にも、証拠がある場合は回答書に添付するよう記載されています
控えの保存提出したものと同一内容の控えを保管します。開示後に権利者側と交渉になった場合、何をいつ述べたかが問題になります

理由欄に書く内容の骨格

理由欄の中身は事案によって大きく変わりますが、トレント事案で検討の対象になりやすい論点の柱は、おおむね次のように分けられます。どれを立てられるかは、意見照会書と添付されている資料に何が書かれているかによって決まります。

  • 侵害の成否に関する点:問題とされているファイルの内容、著作物性、権利者が当該著作物の権利者であることの立証状況。ガイドラインは、権利者性の確認資料として登録を証する書面や販売時の権利者表示の写しなどを挙げています
  • 送信可能化の有無に関する点:BitTorrentでは「ダウンロードしていただけ」という認識であっても、同時にファイルの断片を送信していたと評価されるかが問題になります。この点は「ダウンロードしただけ」という主張と送信可能化権の関係で詳しく整理しています
  • 故意・過失に関する点:ガイドラインは、P2P型ファイル交換ソフトの事案について、請求者は当該ファイルの流通が権利を侵害するものであることに加えて、発信者が当該ファイルを送信可能状態に置いたなど故意または過失により権利侵害が生じたことについても、根拠を示す資料を提出する必要があるとしています
  • 発信者の同一性に関する点:回線の契約者と実際に通信を行った者が異なる場合。詳しくは家族・同居人が使っていた場合の発信者性をご覧ください
  • 特定の正確性に関する点:IPアドレス、接続元ポート番号、タイムスタンプの組み合わせによって当該通信が一意に特定できているか
  • 開示を受けるべき正当な理由に関する点:請求書の「正当理由」欄に何が選択されているか

なお、許諾の有無については注意が必要です。ガイドラインは、権利許諾について「発信者から許諾を受けている旨の回答がない限り、権利許諾はないものとして扱ってよい」としています。許諾があるという主張は、回答書で述べておかなければ、そもそも検討の土俵に乗らないということになります。

意見照会段階でどこまで争えるか、どの主張を選ぶべきかについては、当事務所の意見照会対応のページでも取扱いの範囲を説明しています。BitTorrentの事案に絞った手続の流れ・費用・対応範囲は、BitTorrent著作権侵害の意見照会対応の特設ページにまとめています。

自分で書く場合に最も危険な記載

ここからが、本人が作成する場合に実務上いちばん問題になる部分です。理由回答書は、書かないことによる不利益より、書いてしまったことによる不利益のほうが大きくなり得る書面です。

1.侵害を自認してしまう記載

ガイドラインは、著作権等侵害について、プロバイダが裁判外で開示を行うために侵害を明確に判断できるケースとして、まず「情報の発信者が著作権等侵害であることを自認している」場合を挙げています。

「軽い気持ちでダウンロードしてしまいました」「もう二度としません」「反省しています」——本人が書く回答書に、ごく自然に登場する表現です。しかしこれらは、プロバイダの側から見れば、権利侵害の明白性を判断してよい典型例そのものです。謝罪の言葉が、開示の根拠として機能してしまうという構造があります。情状を述べる場面は、開示後に権利者と交渉する段階であって、意見照会の段階ではありません。

2.自分を特定させる情報を書き込んでしまう記載

ガイドラインの回答書の書式(書式③-1)には、末尾に次の注記が付されています。「理由の内容が相手方に対して開示を拒否する理由となりますので、詳細に書いてください。証拠がある場合は、本回答書に添付してください。理由や証拠中に相手方にとって貴方を特定し得る情報がある場合は、黒塗りで隠す等して下さい。」

さらに、家族・同居人が発信者である場合の書式③-2の注記には、「理由や証拠は、原則としてそのまま相手方に通知されます。」という一文まで加えられています。

つまり、理由欄は権利者側の目に触れることを前提とした書面だということです。ところが本人が書く回答書には、説得力を持たせようとするあまり、勤務先、職種、家族構成、居住形態、当時の生活状況といった記述が入りがちです。氏名・住所そのものはまだ開示されていない段階であるにもかかわらず、理由欄の記述から人物像が絞り込まれてしまうことがあり得ます。何を書けば有利かと同じ重さで、何を伏せるかを設計する必要があります。

3.書式の選択を誤る記載

ガイドラインは、契約者本人ではなく家族・同居人が発信者である場合について、別の書式(書式③-2)を用意しています。これは、実際の発信者が家族や同居人であるのに契約者が身に覚えがないとして単に否認してしまう事例を減らす趣旨で設けられたものです。意見照会書の本文にも、インターネット接続を共用している家族・同居人が発信している場合があること、その場合は書式③-2により発信者から回答するよう手配してほしいことが記載されています。

もっとも、この書式③-2には、「発信者情報開示請求者と直接連絡を取りたいので、加入者の情報に代え、上記の私の住所、氏名及び連絡先を請求者に通知願います」という選択肢が含まれています。これに丸をつけるということは、自分から権利者に連絡先を差し出すことを意味します。実際の発信者が誰かという事実関係の確認と、どの書式でどの欄に丸をつけるかという判断は、切り離して考えることができません。

4.事実と異なる否認

身に覚えがないという記載は、事実であればもちろん適切な主張です。しかし、後の段階で異なる事実が明らかになった場合、意見照会の回答書に何を書いたかは記録として残り続けます。開示された後、権利者の代理人との交渉や訴訟の場面で、当初の説明との食い違いを指摘されることは十分にあり得ます。回答書は、その場をしのぐ書面ではなく、その後の手続全体の出発点に置かれる書面だと考えるのが安全です。

本人が作成する場合の限界はどこにあるか

ここまでを踏まえたうえで、本人が作成する場合の限界を三つの層に分けて整理します。

限界1:資料を読み解けないと主張が立てられない

意見照会書には、通常、請求者が提出した請求書の写しや、権利侵害を主張する根拠の資料が添付されています。トレント事案では、そこにIPアドレス、接続元ポート番号、接続先IPアドレス、ファイルのハッシュ値、ファイルサイズ、取得完了時刻といった技術的な記録が並びます。時刻は協定世界時(UTC)で記載されていることも珍しくありません。

ガイドラインは、P2P型ファイル交換ソフトの事案について、請求者が特定方法の信頼性に関する技術的資料を提出し、プロバイダがそれに基づいて信頼性の有無を判断するとしつつ、協議会が別途認定したシステム(認定システム)を用いた場合には当該資料の提出を要しない、としています。したがって、「特定の方法が信用できない」という漠然とした主張は、実務上ほとんど通りません。争えるとすれば、記録そのものの読み方や、記録された事象と請求されている権利侵害との対応関係といった、より具体的な水準になります。これは資料を読み解けて初めて可能になる作業です。

限界2:手続のどの段階にいるかを判別できない

意見照会は、裁判外の請求を受けて行われることもあれば、裁判所に発信者情報開示命令の申立てがされたことを受けて行われることもあります。どちらの段階にいるかによって、回答書の位置づけも、その後に何が起こるかも変わります。届いた書面の表題と本文の記載を照らし合わせて判別することになりますが、本人が文面だけから読み分けるのは容易ではありません。

関連して、情プラ法6条2項は、開示関係役務提供者が発信者情報開示命令を受けたときは、意見の聴取において開示の請求に応じるべきでない旨の意見を述べた発信者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならない(通知することが困難であるときを除く)と定めています。不同意の意見を述べておくことが、次の段階の情報を受け取れるかどうかにも関わってくるということです。無回答のまま放置した場合、この通知の対象からも外れることになります。

限界3:回答書だけでは手続を止められない

最後に、これが最も重要な限界です。ガイドラインの意見照会書の書式には、「ご回答いただけない場合又は開示に同意されない場合でも、同法の要件を満たしている場合には、〔弊社・私〕は、次葉記載の発信者情報を、権利が侵害されたと主張される方に開示することがございますので、その旨ご承知おきください。」と明記されています。

回答書は、開示を止めるボタンではありません。プロバイダの判断材料を増やし、不開示という結論に接続し得る事情を記録に残す手続です。そして、裁判所の手続に移行した場合、発信者本人は当事者ではありません。意見照会は、発信者が自分の言い分を手続の中に入れられる、事実上ほとんど唯一の機会だということになります。だからこそ、その一度きりの機会に何を書くかが問題になるのであって、「開示に同意しない」と回答した後の流れまで見通したうえで内容を決める必要があります。

弁護士に依頼した場合に何が変わるか

ご自身で作成することが不可能というわけではありません。実際、書式に沿って必要事項を記入し、期限内に返送すること自体は、どなたでも行える手続です。違いが出るのは、次のような点です。

場面ご自身で対応する場合弁護士が対応する場合
資料の読解技術的な記録の意味を判断しにくい記録の内容と主張の対応関係を検討したうえで争点を選ぶ
主張の組み立て思い当たる事情を順に書くことになりやすい不開示の理由(明白性・正当な理由)に接続する形に構成する
不利な記載の回避謝罪・自認・特定情報が入り込みやすい自認に当たる表現と特定につながる記述を避けて記載する
書式・提出書式の選択、記載漏れ、送付方法で迷う照会書の記載に沿って形式を整え、控えを保存する
その後の見通し開示された場合の展開が読みにくい開示後の交渉まで見通したうえで回答内容を決める
連絡窓口プロバイダとのやり取りを自分で行う代理人が窓口となる

費用に見合うかどうかは、事案の内容によります。作品数、期間、請求者の属性、回線の利用状況などによって、その後に想定される展開は相当に幅があります。判断の枠組みについてはトレント開示請求の弁護士費用と費用倒れの判断基準で整理していますので、あわせてご確認ください。

よくある質問

理由回答書に決まった書式はありますか。

法律が書式を定めているわけではありません。もっとも、多くのプロバイダは「発信者情報開示関係ガイドライン」の書式③-1(発信者からの回答書)に沿った用紙を意見照会書に同封しています。理由欄が狭い場合は、理由欄に「別紙のとおり」と記載し、別紙に理由を記載して添付する方法が用いられています。

回答期限までに提出できない場合はどうなりますか。

ガイドラインは、意見照会から二週間を経過しても回答がない場合、発信者は権利侵害の明白性に関して特段の主張は行わないものとして扱うとしています。無回答は「同意」ではありませんが、争う材料を出さなかったものとして扱われます。ガイドラインの意見照会書の書式には、二週間以内に回答できない事情があればその理由を知らせるよう記載されていますので、間に合わないときは早めに事情を連絡することが考えられます。

「開示に同意しない」と書けば開示は止まりますか。

止まりません。ガイドラインの意見照会書の書式には、回答がない場合または開示に同意しない場合でも、法律の要件を満たしているときは発信者情報を開示することがある旨が明記されています。意見の聴取はプロバイダが発信者に対して負う一般的な注意義務であって、開示の要件そのものではないと解されています。回答書は、開示を止めるスイッチではなく、プロバイダの判断材料を増やす手続と位置づけられます。

理由回答書に書いた内容は、権利者側に伝わりますか。

伝わることを前提に書く必要があります。ガイドラインの回答書の書式には、理由の内容が相手方に対して開示を拒否する理由となるため詳細に書くこと、理由や証拠の中に相手方にとって自分を特定し得る情報があるときは黒塗りで隠すこと、という注意書きが付されています。家族・同居人用の書式では、理由や証拠は原則としてそのまま相手方に通知されるとまで明記されています。

家族が使っていた場合、どの書式で回答すればよいですか。

ガイドラインは、回線の契約者ではなく家族・同居人が発信者である場合のために、書式③-2(発信者(加入者のご家族・同居人)からの回答書)を別に用意しています。契約者本人が身に覚えがないとだけ書いて返送する対応が想定されており、注意喚起がされている場面です。もっとも、この書式には自分の住所・氏名・連絡先を請求者に通知するよう求める選択肢も含まれており、選択の意味は小さくありません。誰が、どの書式で、何を書くかは、事実関係を確認したうえで慎重に決める必要があります。

まとめ

理由回答書について、押さえておきたい点を整理します。

  • 理由の記載は付け足しではない。情プラ法6条1項は、開示に応じるべきでないという意見について「その理由を含む」意見を聴くことをプロバイダに義務づけている
  • 回答書は、プロバイダが不開示の理由として選択し得る欄(権利侵害の明白性がない、開示を受けるべき正当な理由がない)に接続する形で書く必要がある
  • 謝罪や自認の記載は、ガイドライン上、侵害の明白性を判断してよい典型例に当たり得る
  • 理由や証拠は相手方の目に触れることを前提とした書面である。書式の注記も、特定につながる情報は黒塗りにするよう求めている
  • 回答書に開示を止める効力はない。ただし、不同意の意見を述べておくことは、開示命令が出された場合の通知(情プラ法6条2項)とも関係する
  • 二週間を経過して回答がない場合、発信者は特段の主張を行わないものとして扱われる

意見照会は、発信者が手続の中で自分の言い分を述べられる、事実上ほとんど唯一の機会です。そして、そこで書いた内容は取り消せません。ご自身で書かれる場合でも、少なくとも「何を書かないか」については慎重にご検討ください。判断に迷われる場合、期限までに時間が残っているうちに弁護士にご相談いただくことをおすすめします。当事務所は横浜・山下公園の法律事務所ですが、この分野のご相談はオンラインでも承っています。手続の流れと対応範囲は、BitTorrent著作権侵害の意見照会対応の詳細はこちらをご覧ください。

トレントの意見照会書が届いた方へ

タングラム法律事務所では、BitTorrentによる著作権侵害を理由とする発信者情報開示について、意見照会書を受け取った発信者側のご相談を多数お取り扱いしています。理由回答書の作成から、開示された場合の示談交渉まで対応いたします。回答期限が迫っている場合は、その旨をお知らせください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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