不倫相手の特定から慰謝料請求までの期間と費用|流れを解説
不倫相手の特定から慰謝料請求までの期間と費用|流れを解説
執筆:弁護士 安藤 一章(タングラム法律事務所/神奈川県弁護士会所属) 公開日:2026年9月27日 最終更新日:2026年9月27日
配偶者の不倫相手に慰謝料を請求したい。でも、相手の名前も住所も分からず、分かっているのはLINEのアカウントだけ。弁護士に依頼すれば相手を特定できる可能性があると聞いたものの、どのくらいの期間がかかり、費用はいくら必要なのか、慰謝料を受け取っても費用倒れにならないのか――。依頼を決める前に、全体像を知っておきたいという方は多いのではないでしょうか。
この記事では、名前も住所も分からない不倫相手に慰謝料を請求する場合の流れを、相手方の特定、内容証明郵便による請求、示談交渉、訴訟の各段階に分け、期間と費用の目安、費用倒れを避ける考え方とあわせて、横浜の弁護士が解説します。
結論として、LINEしか分からない不倫相手への慰謝料請求は、①相手方の特定(数か月程度)と、②慰謝料の請求(交渉なら数か月程度、訴訟なら1年程度以上)の2段階で進みます。費用も段階ごとにかかるため、見込まれる慰謝料額と比べて、どこまで進めるかを判断することが大切です。
全体の流れと期間の目安
| 段階 | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 証拠の保存・相談 | 不貞の証拠、相手のLINEのプロフィール画面などを保存し、弁護士に相談する | ― |
| 2. 相手方の特定 | 通報のうえ、LINEヤフー株式会社と携帯電話会社に弁護士会照会を行う | 数か月程度 |
| 3. 内容証明郵便による請求 | 慰謝料の額と支払期限を示して請求する | 回答期限は2週間程度とすることが多い |
| 4. 示談交渉 | 金額・支払方法・接触禁止などの条件を話し合う | 数か月程度 |
| 5. 訴訟 | 交渉で解決しない場合に提起する | 1年程度以上かかることもある |
期間は、照会先の回答の状況や、相手の対応によって大きく変わります。番号ポータビリティなどで追加の照会が必要になると、特定までの期間も延びます。相手方の特定の仕組みは、不倫相手がLINEでしか分からない場合の記事で解説しています。
相手方の特定にかかる費用
当事務所では、LINEしか分からない相手方の特定を、次の費用でお引き受けしています(いずれも税込)。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 着手金 | 110,000円 |
| 実費相当負担金(LINEヤフー株式会社及び最初の携帯電話会社への照会まで) | 33,000円 |
| 追加の実費相当負担金(番号ポータビリティ等で追加の照会が必要な場合、1件につき) | 16,500円 |
| 報酬金(相手方が特定できた場合) | 55,000円 |
特定後の慰謝料請求を当事務所にご依頼いただく場合は、報酬金に相当する額を、慰謝料請求の着手金に充当します。
慰謝料請求の段階でかかる費用
相手が特定できた後の慰謝料請求では、弁護士費用(着手金・報酬金)のほか、訴訟になれば裁判所に納める手数料(収入印紙)と郵便切手の費用がかかります。たとえば、200万円を請求する訴訟の手数料は15,000円です(民事訴訟費用等に関する法律別表第一)。当事務所の弁護士費用の考え方は弁護士費用のページをご覧ください。
裁判の期間と費用の詳細は、不貞慰謝料の裁判にかかる期間と費用の目安で解説しています。
費用倒れを避けるための考え方
不貞慰謝料の額は、婚姻期間、不貞の期間や回数、不貞が原因で離婚に至ったかどうかなどによって大きく変わります。相場の考え方は不貞慰謝料の相場はいくら?をご覧ください。
見込まれる慰謝料額に比べて、相手方の特定と請求にかかる費用が大きい場合には、費用倒れになるおそれがあります。また、判決を得ても相手に財産がなければ回収できません。ご依頼の前に、次の点を確認しておくことをおすすめします。
- 不貞行為を証明できる証拠があるか
- 相手が既婚者だと知っていた(又は知ることができた)と言えるか
- 夫婦関係が不貞の前に破綻していなかったか
- 相手方を特定できる見込み(通報できるアカウントがあるか等)
- 見込まれる慰謝料額と、特定・請求の費用との比較
不貞慰謝料請求の全体像は、不貞慰謝料の取扱分野のページもご覧ください。
期間を短くするためにできること
相手方の特定から慰謝料の受領までの期間は、準備の仕方によって短くできる部分があります。
- 証拠を最初にそろえておく:不貞の証拠と相手のLINEのプロフィール画面を、相談の時点でまとめてお持ちいただくと、方針を早く決められます。
- 通報の前に相談する:通報の方法や記録の取り方を誤ると、照会をやり直すことになりかねません。
- 請求内容の優先順位を決めておく:金額だけでなく、接触禁止や謝罪など、何を重視するかを整理しておくと、交渉がまとまりやすくなります。
- 訴訟を見据えて進める:相手が交渉に応じない場合に備え、早い段階から訴訟を想定した証拠の整理を進めておくことも有効です。
一方で、相手が請求を無視したり、事実関係を争ったりする場合には、訴訟によって解決するしかなく、どうしても期間は長くなります。
時効との関係
不貞慰謝料の請求権は、損害及び加害者を知った時から3年、不貞行為の時から20年で時効により消滅します(民法724条)。相手の氏名・住所が分からない間は3年の期間が進まないと考えられますが、判明した時点から進み始める可能性があるため、特定後は速やかに請求に着手してください。時効の詳細は不貞慰謝料の時効は何年?で解説しています。
よくある質問
相手の特定だけを依頼することはできますか?
当事務所では、LINEしか分からない相手方の特定(弁護士会照会)だけをお引き受けすることができます。特定後の慰謝料請求を当事務所にご依頼いただく場合は、特定の報酬金に相当する額を慰謝料請求の着手金に充当します。
特定できなかった場合、費用はどうなりますか?
報酬金は相手方が特定できた場合にのみいただきますが、着手金と実費相当負担金は、特定できなかった場合にもご負担いただくことになります。
弁護士費用を不倫相手に請求できますか?
示談交渉では相手の合意がない限り難しく、訴訟では、認められた慰謝料額の1割程度が弁護士費用相当額の損害として加算されることがあるにとどまるのが一般的です。
どのくらいの期間で慰謝料を受け取れますか?
相手方の特定に数か月程度、その後の交渉で解決すれば数か月程度が目安です。訴訟になると、さらに1年程度以上かかることもあります。
まとめ
LINEしか分からない不倫相手への慰謝料請求は、相手方の特定と慰謝料の請求という2段階で進み、それぞれに期間と費用がかかります。特定には数か月程度、その後の請求は交渉なら数か月程度、訴訟なら1年程度以上が目安です。見込まれる慰謝料額と費用を比べ、どこまで進めるかを判断することが大切です。
横浜のタングラム法律事務所では、相手方の特定から慰謝料請求まで一貫して対応し、ご依頼の前に期間と費用の見込みをご説明しています。相手方の特定の手続と費用は、LINEしか知らない相手の特定(弁護士会照会)の詳細はこちらをご覧ください。
不倫相手の特定から慰謝料請求までをご検討の方へ
タングラム法律事務所では、LINEしか分からない不倫相手の特定(弁護士会照会)から、内容証明・示談交渉・訴訟による慰謝料請求まで一貫して対応しております。期間と費用の見込みをご依頼の前にご説明いたします。
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