タングラム法律事務所

不倫の証拠にSNSは使える?インスタ・XのDMや投稿の証拠力を解説

不倫の証拠にSNSは使える?インスタ・XのDMや投稿の証拠力を解説

不倫の証拠にSNSは使える?インスタ・XのDMや投稿の証拠力を解説

不倫の証拠にSNSは使える?インスタ・XのDMや投稿の証拠力を解説

不倫の証拠にSNSは使える?インスタ・XのDMや投稿の証拠力を解説

執筆:弁護士 安藤 一章(タングラム法律事務所/神奈川県弁護士会所属) 公開日:2026年9月30日 最終更新日:2026年9月30日

配偶者のインスタグラムに見覚えのない人物との旅行写真が上がっていた、X(旧Twitter)のDMで親密なやり取りを見つけてしまった――。SNSがきっかけで不倫に気づくケースは少なくありません。一方で、「この投稿で慰謝料を請求できるのか」「どうやって残せばよいのか」と迷い、手が止まってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、SNSの投稿やDM(ダイレクトメッセージ)が不倫の証拠としてどの程度使えるのか、証拠力を高める保存方法、違法になりかねない集め方、削除・匿名アカウントへの対応、SNSの証拠を突きつけられた側の考え方まで、横浜の弁護士が解説します。

結論として、SNSの投稿やDMも不倫(不貞行為)の証拠として裁判で使うことができます。ただし、肉体関係を直接示すDMでなければ単独では証拠として弱いことが多く、投稿者や日時が分かる形で保存したうえで、他の証拠と組み合わせることが重要です。また、配偶者のIDやパスワードを無断で使ってログインするなどの方法は、不正アクセス禁止法違反となるおそれがあるため避ける必要があります。

SNSの投稿やDMは不倫の証拠になるのか

民事裁判では、どのような資料を証拠として提出するかについて厳格な制限はなく、裁判所は「口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により」事実を認定します(民事訴訟法247条、自由心証主義)。そのため、SNSの投稿やDMのスクリーンショットも、証拠として提出すること自体は可能です。

もっとも、不貞慰謝料の請求で問題となるのは、原則として配偶者と不倫相手との間に肉体関係(性交渉またはこれに類する行為)があったかどうかです。SNSの情報がそれをどの程度推認させるかによって、証拠としての価値は大きく変わります。

なお、2026年5月に全面施行された民事訴訟手続のデジタル化により、データ(電磁的記録)そのものを証拠として提出する手続も整備されています(民事訴訟法231条の2)。

証拠になりやすいSNSの情報と証拠力の目安

SNSの情報は、内容によって証拠力に大きな差があります。一般的な目安は次のとおりです(最終的な判断は個別の事情によります)。

SNSの情報の例証拠力の目安補足
肉体関係があったことを前提とするDM(「昨日のホテル」「また泊まりたい」など)比較的強いやり取りの前後の流れも含めて保存することが重要
二人での旅行・宿泊を示す写真や投稿中程度宿泊先や日時が特定できると他の証拠と結びつけやすい
同じ店・同じ日の写真を別々に投稿している(いわゆる匂わせ)弱い行動を共にしていたことの間接的な裏付けにとどまる
「いいね」、フォロー関係、好意を示すコメント弱い親密さを示す一事情にとどまることが多い

証拠力が弱い情報でも、クレジットカードの利用明細、探偵の調査報告書、LINEのやり取りなどと組み合わせることで、全体として不貞行為を推認させる材料になることがあります。LINEの証拠については不倫のLINEが慰謝料の証拠になるかを解説した記事もあわせてご覧ください。

SNSの証拠を残す方法|スクリーンショットの撮り方

SNSの投稿は、投稿者自身がいつでも削除・非公開にできます。インスタグラムのストーリーのように一定時間で表示されなくなる機能もあるため、見つけたらできるだけ早く保存することが大切です。

  • アカウント名・投稿日時が写るように撮影する:誰がいつ投稿したものかが分からないと、証拠としての価値が下がります
  • プロフィール画面も保存する:アカウントと本人を結びつけるため、プロフィール写真・自己紹介欄なども残します
  • URLを控える:投稿やアカウントのURLをメモしておくと、後に運営会社への照会などを検討する際に役立ちます
  • DMは前後の流れごと保存する:一部だけを切り取ると、文脈が分からず反論を招きやすくなります。長いやり取りは画面録画も有効です
  • 発見の経緯をメモする:いつ、どの端末で、どのように見つけたかを記録しておくと、証拠の信用性を説明しやすくなります

画像は加工・トリミングせず、元データのままバックアップしておきましょう。

やってはいけないSNSの証拠集め

証拠を集めたい気持ちが強いほど、行き過ぎた方法をとってしまいがちです。次のような行為には注意が必要です。

配偶者のID・パスワードを使ったログイン

他人のID・パスワードを無断で入力してSNSにログインする行為は、不正アクセス禁止法が禁じる「不正アクセス行為」(同法2条4項1号、3条)に当たるおそれがあり、違反した場合は「三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」の対象となります(同法11条)。夫婦間であっても例外ではありません。配偶者のスマホを見る場合の注意点は配偶者のスマホを勝手に見るのは違法かを解説した記事で詳しく説明しています。

証拠能力が争われる可能性

裁判例では、証拠が「著しく反社会的な手段を用いて、人の精神的肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法」によって収集された場合には、証拠能力が否定されうるとしたものがあります(東京高裁昭和52年7月15日判決・判例時報867号60頁)。違法な方法で集めた証拠は、使えないおそれがあるうえ、損害賠償請求を受ける原因にもなりえます。

不倫の事実をSNSで暴露する

見つけた投稿を拡散したり、不倫の事実を書き込んだりすると、名誉毀損(刑法230条1項)やプライバシー侵害の問題が生じ、かえって慰謝料を請求される立場になりかねません。詳しくは不倫をSNSで暴露するリスクを解説した記事をご覧ください。

投稿が削除された・相手が匿名アカウントの場合

保存する前に投稿が削除されてしまった場合や、不倫相手がニックネームのアカウントで本名も住所も分からない場合もあります。このような場合、訴訟の中で裁判所から運営会社等へ調査を嘱託してもらう方法(調査嘱託、民事訴訟法186条)や、弁護士会を通じて照会する方法(弁護士会照会)を検討することになります。ただし、SNSの運営会社には海外の事業者も多く、照会しても回答が得られない場合や、保存期間の経過によって情報が残っていない場合があります。

不倫相手の連絡先がLINEしか分からず、氏名や住所が特定できないという場合には、LINEしか知らない相手を弁護士会照会で特定する方法もご参照ください。不貞慰謝料の請求全体の進め方については、当事務所の不貞慰謝料請求の取扱分野ページで詳しくご案内しています。

SNSの投稿を証拠として示された(請求された)側の対応

反対に、SNSの投稿やDMを根拠に慰謝料を請求された側は、次の点を冷静に確認することが大切です。

  • その投稿から肉体関係まで推認できるか:食事や写真の投稿だけであれば、不貞行為の証拠としては弱い場合があります
  • 投稿の時期:相手方の婚姻関係がすでに破綻していた時期や、既婚者と知らなかった時期のものではないか
  • 時効:損害及び加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で消滅時効にかかります(民法724条)

感情的に反論したり、認める内容の書面にすぐ署名したりせず、まずは証拠の内容と請求額の妥当性を弁護士とともに検討することをおすすめします。

よくある質問

インスタのストーリーは24時間で消えますが、証拠にできますか?

表示されている間にスクリーンショットや画面録画で保存すれば、証拠として提出することは可能です。投稿者名・表示日時が分かる形で残し、見つけた日時と経緯もメモしておくことをおすすめします。

「いいね」やフォロー関係だけで不貞慰謝料を請求できますか?

いいねやフォロー関係だけで肉体関係を推認することは一般に困難です。親密さを示す事情の一つとして、宿泊の事実を示す証拠やメッセージの内容など、他の証拠と組み合わせて検討することになります。

配偶者のスマホに表示されたDMを撮影するのは違法ですか?

画面にすでに表示されているものを撮影する行為が直ちに不正アクセス禁止法違反になるわけではありませんが、配偶者のIDやパスワードを無断で入力してログインする行為は同法に違反するおそれがあります。プライバシー侵害の問題もあるため、判断に迷う場合は事前に弁護士に相談してください。

SNSの証拠だけで慰謝料の相場より高い金額を請求できますか?

証拠の種類によって慰謝料額が決まるわけではありません。慰謝料額は、婚姻期間、不貞行為の期間・回数、離婚や別居に至ったかどうかなどの事情を総合して判断されます。SNSの証拠は、不貞行為の存在や期間を示す資料として意味を持ちます。

まとめ

SNSの投稿やDMは、不倫の証拠として裁判で使うことができます。ただし、肉体関係を直接示す内容でなければ単独では弱いことが多く、アカウント名や日時が分かる形で早めに保存し、他の証拠と組み合わせることが重要です。配偶者のアカウントへの無断ログインや、SNSでの暴露は、かえって自分が責任を問われる原因になります。

手元のSNSの証拠でどこまで請求できるのか、あるいは請求された側としてどう反論できるのかは、証拠全体を見て判断する必要があります。証拠集めの段階から弁護士に相談することで、違法な収集を避けつつ、交渉や訴訟を見据えた準備を進めることができます。横浜で不貞慰謝料の問題にお悩みの方は、お早めにご相談ください。

SNSで見つけた不倫の証拠、どう使えばよいかお悩みの方へ

タングラム法律事務所では、不貞慰謝料の請求・減額交渉について、請求する側・請求された側の双方から多数のご相談をお受けしています。お手元の証拠でどこまで主張できるか、今後の進め方とあわせて弁護士がご説明します。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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