Google口コミの削除依頼が通らないときの対処法|再審査と法的手段
Google口コミの削除依頼が通らないときの対処法|再審査と法的手段
執筆:弁護士 安藤 一章(タングラム法律事務所/神奈川県弁護士会所属) 公開日:2026年10月7日 最終更新日:2026年10月7日
事実と異なる口コミをGoogleに報告したのに、返ってきたのは「ポリシー違反は見つかりませんでした」という結果だけ。何度報告しても口コミは残ったまま――店舗やクリニックを経営する方から、こうしたご相談をよくいただきます。
この記事では、Google口コミの削除依頼が通らない理由、クチコミ管理ツールでのステータスの確認と1回限りの再審査請求、ポリシーとは別に「法的な理由」で削除を求める方法、そして裁判所の手続までの次の一手を、横浜の弁護士が順を追って解説します。
結論として、Googleの報告フォームは「Googleのポリシーに違反するか」を判断する仕組みであり、「法律上の権利侵害があるか」を判断するものではありません。そのため、報告で削除されなかった口コミでも、名誉毀損やプライバシー侵害にあたるなら、法的な理由による削除リクエストや裁判所の仮処分で削除を求められる可能性があります。再審査請求は1回限りのため、出す前に証拠と主張を整えることが大切です。
Google口コミの削除依頼が通らないのはなぜか
口コミの右側などから行う「報告」は、Googleマップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシーに照らして審査されます。ポリシーでは、虚偽のエンゲージメント、なりすまし、ハラスメント、ヘイトスピーチ、個人情報、関連性のないコンテンツ、宣伝と勧誘などが禁止・制限されるコンテンツとして挙げられています。
裏を返せば、利用者が実際に来店したうえで書いた低評価や厳しい感想は、内容が店舗にとって不本意でも、ポリシー違反とは判断されにくいということです。削除依頼が通らない典型的なパターンは次のとおりです。
| パターン | 通らない理由の例 |
|---|---|
| 報告理由の選び方が合っていない | 「虚偽の内容」なのに、理由の選択や説明が抽象的で、どの部分が事実と異なるのか伝わっていない |
| 感想・評価にとどまっている | 「接客が悪い」「二度と行かない」など、意見・論評として扱われる表現が中心 |
| 事実の真偽をGoogleが判断できない | 「会計をごまかされた」など、事実かどうかは当事者にしか分からない内容 |
| 本文のない低評価 | 星1つだけで、判断する材料がない |
本文のない低評価については、Googleの星1つだけの口コミは削除できるかで詳しく解説しています。
まず確認したい「クチコミ管理ツール」のステータス
ビジネスプロフィールのオーナー・管理者であれば、Googleの「クチコミ管理ツール」で報告した口コミの審査状況を確認できます。Googleのヘルプでは、ステータスとして次の3つが案内されています。
- 判定待ち:報告されたが、まだ審査されていない
- 審査完了 - ポリシー違反なし:審査の結果、ポリシー違反が見つからなかった
- エスカレーション済み:再審査請求がエスカレーションされ、最終的な決定はメールで知らされる
Googleのヘルプでは、クチコミの評価には通常数日かかるとされています。同じ口コミを繰り返し報告しても、結論が早まるわけではありません。
再審査請求は1回限り|出す前に整えること
「ポリシー違反なし」と判断された口コミについては、クチコミ管理ツールから1回限りの再審査請求を送信できるとされています(一度に選択できる口コミは10件まで)。やり直しがきかないため、送信前に次の点を整えておきましょう。
- どのポリシーに違反するかを特定する:「不快だ」ではなく、「来店記録がなく、なりすまし・虚偽のエンゲージメントにあたる」「従業員の実名を挙げた個人攻撃でハラスメントにあたる」など、ポリシーの項目に結びつける
- 事実と異なる部分を具体的に示す:口コミのどの記載が、どのような資料からみて事実と異なるのかを整理する
- 証拠を保存する:口コミの画面、URL、投稿者名、投稿日時を記録する(後の法的手続でも必要になります)
なお、Googleマップの口コミは、情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)の削除申出への「7日以内の通知義務」の対象として総務省が公表する一覧に掲載されていません。
ポリシーで通らなくても「法的な理由」で削除を求める方法
Googleは、ポリシー違反の報告とは別に、法律に違反している、または権利を侵害していると思われるコンテンツを報告する窓口(Legalヘルプの「法的な理由でコンテンツを報告する」)を設けています。ここでは、ポリシー違反かどうかではなく、名誉毀損やプライバシー侵害など法的な権利侵害を理由に削除を求めることになります。
この場合、口コミが社会的評価を下げる具体的な事実を示し、それが真実でないこと(名誉毀損)や、従業員の私生活など公開されたくない情報を含むこと(プライバシー侵害)を、口コミの文言に即して説明する必要があります。
反対に、事実に基づく批判や意見・論評は、前提となる事実が重要な部分で真実であり、人身攻撃に及ぶなど論評の域を逸脱していなければ、違法性を欠くとされています(最高裁平成9年9月9日判決・民集51巻8号3804頁)。この線引きを踏まえて権利侵害を構成することが、削除が認められるかどうかを左右します。
Googleマップの口コミ削除について当事務所がお手伝いできる内容は、Googleマップ口コミ・低評価の削除の特設ページでもご案内しています。病院・クリニックの場合は病院・クリニックのGoogle口コミ削除の特設ページもご覧ください。
それでも削除されない場合|削除仮処分と発信者情報開示
Googleが任意の削除に応じない場合は、裁判所の手続を検討します。主な選択肢は次のとおりです。
| 手続 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 削除の仮処分 | 人格権に基づく差止請求を前提に、裁判所に削除を命じる仮処分(民事保全法23条2項)を求める | 相手方は米国法人のGoogle LLC。担保金の供託が必要 |
| 発信者情報開示 | 投稿者を特定し、損害賠償請求や再発防止につなげる | ログの保存期間に限りがあるため、早めの着手が重要 |
仮処分の費用や期間の目安はGoogleマップの口コミ削除を弁護士に依頼する費用と期間で解説しています。サイトごとの手続の違いは、当事務所の掲示板・SNS別の削除・投稿者特定のページで整理しています。
削除だけを目指すのか、投稿者の特定や損害賠償まで求めるのかで、手続と順序が変わります。報告・再審査に時間をかけるうちにログが失われることもあるため、早めに方針を決めることが大切です。削除と開示の手続の全体像は、当事務所の発信者情報開示請求・削除請求のページで詳しくご案内しています。
削除依頼が通らないときにやってはいけない対応
- オーナー返信で感情的に反論する:来店時の事情や投稿者を推測させる情報を書くと、個人情報の暴露や名誉毀損として新たなトラブルになるおそれがあります(詳しくはGoogle口コミへの返信で注意すべき法的リスク)
- 関係者に高評価の口コミを依頼する:評価の操作として、かえって店舗側がポリシー違反を問われるおそれがあります
- 証拠を残さずに待つ:口コミが投稿者自身により削除・編集されると、後の法的手続が難しくなります
よくある質問
同じ口コミを何度も報告すれば、いずれ削除されますか?
報告の回数を重ねても、判断の基準はGoogleのポリシーであるため、結論が変わるとは限りません。Googleのヘルプでは、ポリシー違反なしと判断された口コミについて1回限りの再審査請求ができるとされています。再審査でも削除されない場合は、法的な理由による削除リクエストや裁判所の手続を検討することになります。
再審査請求の結果が出るまで、どのくらいかかりますか?
Googleのヘルプでは、クチコミの評価には通常数日かかるとされ、再審査請求の結果はメールで通知されると案内されています。結果を待つ間も、口コミの画面やURLなどの証拠は保存しておきましょう。
Googleが削除しない口コミでも、裁判所なら削除を命じてくれますか?
口コミが名誉毀損やプライバシー侵害などにあたり、権利侵害が認められれば、裁判所が仮処分で削除を命じる可能性があります。もっとも、Googleのポリシーと裁判所が用いる法律の基準は別のものです。事実に基づく批判や意見・論評にとどまる口コミは、裁判所でも削除が認められないことがあります。
削除が認められなかった口コミには、どう対応すればよいですか?
冷静で事実に即したオーナー返信を付けて、閲覧者に店舗側の説明を伝える方法があります。ただし、返信の内容によっては投稿者の個人情報の暴露や名誉毀損として新たなトラブルになるおそれがあるため、感情的な反論や来店時の具体的な事情の記載は避けるべきです。
まとめ
Google口コミの削除依頼が通らないのは、報告がGoogleのポリシーを基準に審査されるためです。まずはクチコミ管理ツールでステータスを確認し、1回限りの再審査請求は、違反するポリシーと事実と異なる部分を具体的に示したうえで送信しましょう。それでも削除されない場合は、法的な理由による削除リクエスト、削除の仮処分、発信者情報開示といった手段があります。
どの手段が適しているかは、口コミの文言と事実関係によって変わります。報告や再審査を繰り返して時間が経つほど、証拠やログの面で不利になることもあるため、削除依頼が通らなかった段階で、横浜のタングラム法律事務所など、この分野を扱う弁護士に相談することをおすすめします。
Google口コミの削除依頼が通らずお困りの方へ
タングラム法律事務所では、Googleマップの口コミ削除や発信者情報開示請求について、豊富な取扱い実績を有しております。ポリシー違反なしと判断された口コミについても、法的な権利侵害の有無を検討し、とり得る手段をご提案します。
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