タングラム法律事務所

BitTorrent開示請求の弁護士費用|相場と依頼の判断基準を解説

BitTorrent開示請求の弁護士費用|相場と依頼の判断基準を解説

BitTorrent開示請求の弁護士費用|相場と依頼の判断基準を解説

BitTorrent開示請求の弁護士費用|相場と依頼の判断基準を解説

BitTorrent開示請求の弁護士費用|相場と依頼の判断基準を解説

BitTorrent(トレント)による著作権侵害を理由に、契約しているプロバイダから「発信者情報開示に係る意見照会書」が届いた。あるいは、すでに情報が開示され、著作権者の代理人から損害賠償を請求する通知書が届いた。こうした書面を前にしたとき、多くの方がまず気にされるのが「弁護士に頼むといくらかかるのか」という点です。請求される金額の見当がつかないうちは、判断がつかないのも当然です。

この記事では、BitTorrentの発信者情報開示に関する弁護士費用を、①意見照会に回答する段階と②開示後に示談交渉をする段階に分けて整理し、見落とされやすい「1件あたり」の数え方と、依頼すべきかを判断する基準を、横浜で発信者情報開示の事案を扱う弁護士が解説します。

BitTorrentの開示請求で弁護士費用が発生する2つの場面

BitTorrentを理由とする発信者情報開示は、著作権者が侵害日時のIPアドレスをもとにプロバイダへ契約者情報の開示を求めることから始まります。請求を受けたプロバイダは、情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法。旧プロバイダ責任制限法)6条1項により、原則として発信者の意見を聴かなければなりません。この手続で届くのが「意見照会書」です。開示に至れば、著作権者から契約者本人に損害賠償が請求されます。弁護士費用が問題になるのは、この2つの場面です。

段階届く書面主な対応
①意見照会段階プロバイダからの意見照会書回答書の作成・提出(開示への同意・不同意とその理由)
②開示後の請求段階著作権者(代理人弁護士)からの通知書請求額の妥当性の検討、受任通知、示談交渉、示談書の締結

注意したいのは、①と②が別の手続だという点です。意見照会に「開示に同意しない」と回答しても、それで手続が終わるわけではありません。情プラ法6条1項の意見聴取は発信者の手続保障のための制度であり、プロバイダが発信者の意見に法的に拘束される旨の規定は置かれていないからです。著作権者は、裁判所へ発信者情報開示命令(情プラ法8条以下の非訟手続)を申し立てることもできます。手続の全体像はBitTorrent(トレント)で開示請求を受けたときの対処法で、請求を受けた側の対応全般は意見照会対応のご案内で解説しています。

意見照会段階の弁護士費用の相場

回答書の作成だけを切り出して依頼する場合、費用は比較的抑えられます。法律事務所が公表している料金を見ると、回答書の作成のみで数万円台とする例、その後の示談交渉までを含めて着手金20万円〜30万円程度・報酬金20万円〜30万円程度とする例、着手金22万円・報酬金22万円とする例などがあり、幅があります。近年は、着手金と報酬金に分けず総額を固定する「定額型」も増えています。

弁護士費用は各事務所が自由に定めるものであり、統一された基準はありません(かつての日本弁護士連合会の報酬等基準は2004年に廃止されています)。ここに挙げた金額は各事務所が公表している例であり、どの事務所でも同じ金額になるわけではありません。

金額そのものより重要なのは、その費用でどこまでやってもらえるのかです。回答書を1通作って終わりなのか、開示された場合の示談交渉まで含まれるのかで、総額は大きく変わります。当事務所は、回答書の作成・提出から開示後の示談交渉までを一括して定額で受任しています(BitTorrent著作権侵害の意見照会対応のページをご覧ください)。

なお、意見照会書の回答期限は到達からおおむね2週間程度とされることが多く、余裕はありません。費用の比較に時間をかけすぎて期限を徒過すると、意見を述べる機会そのものを失います。自分で作成する場合の記載事項は意見照会書の回答書を自分で書く方法をご覧ください。

開示後・示談交渉段階の弁護士費用の相場

発信者情報が開示されると、著作権者の代理人から損害賠償を請求する通知書が届きます。この段階の費用は、大きく次の2つに分かれます。

  • 着手金+報酬金型……依頼時に着手金、示談成立時に報酬金を支払う方式。報酬金は「減額できた金額の○%」と定められることが多く、請求額が低い事案では減額幅も小さいため、着手金の比重が相対的に大きくなります。
  • 定額型……交渉の期間や結果にかかわらず総額が変わらない方式。追加着手金も成功報酬もないため、依頼時点で最終的な負担額が確定します。

いずれの方式でも、訴訟に発展した場合の費用が含まれているかは必ず確認してください。交渉が決裂して損害賠償請求訴訟が提起された場合、多くの事務所では別途の委任契約と追加費用が必要になります。この段階の手順と費用はBitTorrent著作権侵害の損害賠償請求対応のページにまとめています。

示談金そのものの水準については、1作品あたり10万円〜40万円程度を目安として紹介する法律事務所の解説が見られますが、作品の性質・侵害の期間・アップロード量・交渉経過によって大きく変動します。減額の考え方はBitTorrentの示談金相場は?減額交渉のポイントをご覧ください。

見落とされやすい「1件あたり」の数え方

費用の見積もりが狂う最大の原因が、この点です。BitTorrentはダウンロードと同時にアップロード(送信可能化)も行う仕組みであるため、1本の作品を扱った行為が、その作品の権利者に対する著作権侵害として把握されます。複数の作品が対象になっていれば、複数の権利者から時期をずらして別々に意見照会書が届くことになります。

多くの事務所は「著作権侵害行為1件あたり」または「権利者1社あたり」で費用を設定しています。3社から請求が来れば費用も3倍になり得ます。契約前に、次の点を確認してください。

  • 何をもって「1件」と数えるのか(権利者ごとか、作品ごとか、意見照会書1通ごとか)
  • 同じ権利者から後日追加の請求が来た場合、追加費用は発生するか
  • 一定期間内であれば件数を問わず定額とする設定があるか
  • すでに他の事務所に一部を依頼している場合、残りだけを受任してもらえるか

「1件あたりの金額が最も安い事務所」が「総額でも最も安い事務所」とは限りません。自分の事案で何件になりそうかを踏まえて比較することが重要です。分野ごとの費用の考え方は、当事務所の弁護士費用のご案内もあわせてご覧ください。

自分で対応した場合との違い

意見照会書への回答は、本人が行うことも当然に可能です。では、弁護士に依頼した場合と何が違うのでしょうか。

項目自分で対応する場合弁護士に依頼する場合
回答書の内容同意・不同意の選択と簡単な理由にとどまりがち発信者性・権利侵害の明白性・侵害の態様を整理して主張を構成できる
後の交渉への影響事実関係の整理を誤ると不利な材料になり得る示談交渉を見据えて矛盾のない事実関係を組み立てられる
連絡の窓口相手方代理人と本人が直接やり取りする受任通知後は弁護士が窓口となる
示談書の内容清算条項等の範囲を自分で判断する必要がある条項の過不足を検討し再請求のリスクを抑えられる
費用実費のみ弁護士費用が発生する

とくに差が出やすいのが示談書の条項です。清算条項の対象が曖昧なまま署名すると、同一の作品について後日あらためて請求を受けるリスクが残ります。金額の交渉だけでなく、合意の範囲を確定させることが、この段階の実質的な中身です。

著作権侵害には刑事罰も定められています(著作権法119条1項。10年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金、またはこれらの併科。懲役・禁錮は2025年6月1日施行の改正刑法により拘禁刑に一本化されました)。ただし、民事の開示請求を受けたことが直ちに刑事事件化を意味するものではありません。この点はBitTorrentの開示請求で逮捕される?刑事責任で整理しています。

依頼すべきかを判断する3つの基準

1.請求の件数が複数になりそうか

単発かつ低額にとどまる見込みであれば、費用対効果の観点から自分で対応する選択もあり得ます。他方、複数の権利者から時期をずらして書面が届いている場合は、全体を見通した方針を立てる必要性が高くなります。

2.事実関係に争いがあるか

回線契約者と実際に操作していた人が異なる場合(家族が使用していた、共用回線であった等)や、IPアドレスの割当て・日時の特定に疑問がある場合は、技術的な事実の整理が結論を左右します。「心当たりがない」と回答するにしても、何を根拠にそう言えるのかを組み立てなければ、単なる否認として扱われかねません。

3.勤務先・家族への影響を避けたいか

開示されるのは回線契約者の氏名・住所等であり、勤務先が直接開示されるわけではありません。もっとも、家族に知られたくないという事情がある場合、連絡方法・送付先を含めて窓口を弁護士に一本化できることには実務的な意味があります。

よくある質問

BitTorrentの開示請求で支払った弁護士費用は、相手に請求できますか?

請求を受けた側が防御のために支出した弁護士費用を、著作権者に負担させることは通常できません。不法行為の損害賠償で認容額の一定割合を弁護士費用相当額として加害者に負担させる扱いがありますが、これは請求する側の費用についての議論です。発信者側の弁護士費用は自己負担が原則です。

不同意と回答して開示されなかった場合、弁護士費用は返ってきますか?

費用体系によります。着手金・報酬金型では着手金は結果にかかわらず返還されず、開示されなければ報酬金が発生しないという形が一般的です。定額型では開示されずに終了した場合も費用は変わりません。契約前に、どこまでの対応が費用に含まれるかを確認してください。

複数の著作権者から請求されています。費用も件数分かかりますか?

多くの事務所は1件あたりで費用を設定しており、権利者や侵害行為の数が増えれば費用も増えます。BitTorrentでは複数の権利者から時期をずらして請求が届くことが珍しくないため、何を1件と数えるのかを必ず確認してください。

弁護士費用より示談金のほうが安い場合でも、依頼する意味はありますか?

金額だけを比べれば依頼しないほうが安く済む場面はあります。もっとも、清算条項の範囲が適切か、同一の作品について再度請求されない建て付けか、後続の権利者への対応をどうするかは、金額とは別の判断が必要です。

自動車保険の弁護士費用特約は使えますか?

多くの弁護士費用特約は、被害者として損害賠償を請求する場面を対象としており、請求された側の防御活動は対象外とされていることが一般的です。約款によって異なりますので、加入されている保険会社に個別に確認してください。

まとめ

BitTorrentの発信者情報開示をめぐる弁護士費用は、意見照会に回答する段階と開示後の示談交渉の段階のどちらを、どこまで依頼するかによって変わります。着手金+報酬金型と定額型があり金額にも幅があるため、提示された数字だけを並べても比較にはなりません。「何をもって1件と数えるのか」「訴訟になった場合はどうなるのか」「示談交渉まで含まれるのか」の3点を揃えて比較することが、総額を見誤らないための近道です。

そして、意見照会書には回答期限があります。期限を過ぎれば、意見を述べる機会自体が失われます。横浜のタングラム法律事務所では、インターネット関連事案を継続的に取り扱う弁護士が、届いた書面を確認したうえで、見込まれる負担と対応方針をお伝えしています。

ご依頼をご検討の方は、BitTorrent著作権侵害の意見照会対応の詳細はこちらからご確認ください。

BitTorrentの意見照会書・損害賠償請求でお困りの方へ

タングラム法律事務所では、BitTorrent(トレント)による著作権侵害を理由とする発信者情報開示・意見照会への対応や、開示後の示談交渉について、ITエンジニアの経験を持つ弁護士が対応しています。回答には期限がありますので、書面が届いた方はお早めにご相談ください。

法律相談の予約はこちら

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

発信者情報開示請求・削除請求について見る

意見照会書や損害賠償請求の通知が届いた方へのご案内

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。