エキテンの悪い口コミを削除・投稿者特定する方法|弁護士が解説
エキテンの悪い口コミを削除・投稿者特定する方法|弁護士が解説
店舗・サービスの口コミサイト「エキテン」に、事実無根の内容や誹謗中傷ともいえる書き込みをされてしまい、「このままでは集客に影響する」「なんとか削除できないか」とお悩みではないでしょうか。実店舗を営む方にとって、口コミは新規のお客様が来店を判断する重要な情報源です。悪質な口コミが放置されれば、売上や信用に直接ダメージが及ぶこともあります。
この記事では、エキテンに書き込まれた悪い口コミへの対処法を、(1)運営会社への削除依頼、(2)裁判所を通じた削除、(3)発信者情報開示請求による投稿者の特定という順で、横浜の弁護士が実務の流れに沿って解説します。どの口コミが削除・特定の対象になり得るのか、費用や期間の目安、自分で対応する場合の限界についても整理します。
エキテンの悪い口コミは削除できる?まず知っておきたい前提
エキテンは、飲食店・美容室・クリニックなど、地域の店舗やサービスの口コミ・評判を掲載するポータルサイトです。利用者は星の数による評価とコメントを投稿でき、店舗を検索した人がその内容を参考にします。だからこそ、悪質な書き込みの影響は無視できません。
結論から言えば、悪い口コミが「常に削除できる」わけではありません。口コミサイトは本来、利用者が率直な感想や評価を投稿する場であり、正当な批判や個人の主観的な感想は、表現の自由として一定の範囲で保護されます。単に「評価が低い」「気に入らない内容だ」というだけでは削除は難しいのが実情です。
一方で、事実と異なる内容の摘示や、社会通念上許される限度を超えた侮辱的表現などは、名誉毀損・侮辱・信用毀損として権利侵害にあたり得ます。こうした投稿は、削除や投稿者特定の対象になり得ます。まずは「感情的に許せない口コミ」と「法的に問題のある口コミ」を切り分けて考えることが出発点になります。
対処の前に必ず「証拠を保全」する
削除や投稿者特定に着手する前に、必ず問題の口コミの証拠を保全してください。削除依頼をした結果、運営が投稿を削除すると、後から投稿者を特定して損害賠償を求めようとしても、肝心の投稿内容やURLが失われてしまうことがあります。
保全のポイントは次のとおりです。
- 問題の口コミが表示されているページ全体を、URLと投稿日時が分かる形でスクリーンショット・印刷(PDF保存)する
- 投稿者のニックネーム・投稿番号など、投稿を特定できる情報を控える
- 撮影日・撮影者を記録しておく(後日の立証で役立ちます)
証拠保全の具体的なやり方は、Googleの星1つの口コミへの対処の記事でも触れています。削除と特定のどちらを優先するかで動き方が変わるため、迷う場合は着手前に弁護士へ相談すると安全です。
【方法1】エキテン運営会社に削除を依頼する
もっとも手軽な第一歩は、エキテンの運営会社に対し、サイト上の窓口から削除を申請する方法です。エキテンでは、お問い合わせフォームから削除を求める方法と、口コミページ上の報告機能から違反を報告する方法があるとされています。
お問い合わせフォームを利用する場合は、お問い合わせ区分で店舗関係者を選択し、どの口コミの、どの部分が、なぜガイドライン違反・権利侵害にあたるのかを、具体的に記載することがポイントです。「気分が悪い」といった主観的な訴えではなく、「記載された事実が客観的に誤っている」「特定の個人を侮辱している」といった形で、権利侵害の内容を筋道立てて説明します。
送信防止措置依頼(テレサ書式)という方法
フォームからの依頼のほか、プロバイダ責任制限法の実務で用いられてきた「送信防止措置依頼書」(いわゆるテレサ書式)を用いて、正式に削除を申し出る方法もあります。書式に沿って侵害情報・侵害された権利・侵害されたとする理由を記載し、運営会社へ送付します。書き方の詳細は、送信防止措置依頼書の書き方の記事で解説しています。
なお、2025年4月1日に施行された情報流通プラットフォーム対処法(旧・プロバイダ責任制限法。以下「情プラ法」)により、一定規模以上の大規模事業者には、削除申出の窓口整備や対応の迅速化などが義務づけられました。この法律は事業者側の運用の透明化を図るものであり、申出をすれば必ず削除されると保証するものではない点に注意が必要です。
方法1の限界:運営への依頼は費用をかけずに始められる反面、削除するかどうかは最終的に運営の判断に委ねられます。ガイドライン違反にあたらないと判断されれば、削除されないこともあります。運営が応じない場合は、次の裁判所を通じた手続を検討します。
【方法2】裁判所の「削除仮処分」で削除を求める
運営会社への任意の依頼で削除されない場合、裁判所に投稿削除の仮処分を申し立てる方法があります。仮処分は、通常の裁判(本案訴訟)よりも迅速に結論を得ることを目的とした手続で、権利侵害が疎明(一応確からしいと裁判所に示すこと)でき、必要性が認められれば、運営会社に対して削除を命じる決定が出されます。
削除仮処分の一般的な流れは次のとおりです。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ①申立て | 削除を求める投稿を特定し、権利侵害の理由と証拠を添えて裁判所に申し立てる |
| ②審尋(債権者面接) | 裁判官と面談し、主張・証拠を説明する |
| ③担保の決定・供託 | 裁判所が定めた担保金を法務局に供託する |
| ④決定 | 要件が認められれば、運営会社に削除を命じる決定が出される |
仮処分では、申立人側で担保金(供託金)を用意する必要があります。担保金は事案により金額が異なり、手続終了後に一定の要件を満たせば取り戻せますが、一時的な資金の準備は必要です。法的な主張の組み立てや証拠の疎明が求められるため、投稿削除の仮処分は弁護士に依頼して進めるのが一般的です。
投稿者を特定する—発信者情報開示請求の流れ
削除だけでなく、悪質な投稿をした人物を特定して損害賠償や謝罪を求めたい場合は、発信者情報開示請求を行います。匿名の投稿者を特定する手続で、情プラ法に基づく制度です。
二段階の請求が基本
投稿者の特定は、原則として二段階で進みます。
| 段階 | 請求の相手 | 開示を求める情報 |
|---|---|---|
| 第1段階 | エキテンの運営会社(コンテンツプロバイダ) | 投稿時のIPアドレス・タイムスタンプ等 |
| 第2段階 | アクセスプロバイダ(通信会社) | IPアドレスの契約者の氏名・住所等 |
まず運営会社に投稿時のIPアドレス等の開示を求め、開示されたIPアドレスからWhois検索などで通信会社(アクセスプロバイダ)を特定します。次に、その通信会社に対して契約者情報の開示を求める、という二段構えです。
発信者情報開示請求の要件
開示が認められるには、情プラ法5条が定める要件を満たす必要があります。中でも重要なのが、権利侵害の「明白性」です。これは、投稿によって権利が侵害されたことが明らかであり、違法性を否定する事情(正当な批判にあたる等)がうかがわれないことを意味し、通常の不法行為より厳しい判断がなされる傾向があります。単に不快な口コミというだけでは要件を満たしません。
発信者情報開示命令という新しい手続
従来の裁判手続に加え、令和3年改正で導入された「発信者情報開示命令」の手続を利用すれば、開示命令の申立てを一つの手続の中でまとめて進められます。あわせて、開示に必要な情報を早期に引き継ぐ「提供命令」(情プラ法15条)や、通信ログの消去を防ぐ「消去禁止命令」を活用することで、より迅速・確実に特定を目指せる場合があります。
削除・特定できる口コミとできない口コミ
どのような口コミが法的対応の対象になり得るのか、典型例を整理します。あくまで一般的な傾向であり、最終的には投稿の文脈全体をふまえた個別の判断になります。
| 口コミの性質 | 対応の可能性 |
|---|---|
| 虚偽の事実の摘示(例:提供していない不衛生な行為があったと断定する等) | 名誉毀損・信用毀損として対応できる可能性がある |
| 社会通念上許される限度を超える侮辱的表現 | 侮辱・名誉感情の侵害として対応できる可能性がある |
| 店舗と無関係な個人のプライバシーを暴露する内容 | プライバシー侵害として対応できる可能性がある |
| 実際の体験に基づく率直な感想・正当な批判 | 表現の自由として保護され、削除・特定は難しい |
| 単に星の数が低いだけの評価 | 原則として削除は難しい |
飲食店の口コミへの具体的な対応の考え方は、食べログの悪い口コミへの対処法の記事も参考になります。プラットフォームは異なっても、権利侵害の判断の枠組みは共通しています。
自分で対応する場合の限界と弁護士に依頼するメリット
運営会社への削除依頼は、店舗経営者ご自身でも始められます。まずはガイドラインを確認し、フォームから権利侵害の内容を丁寧に説明してみる価値はあります。
もっとも、運営が応じない場合の削除仮処分や、投稿者を特定する発信者情報開示請求は、法的要件の検討・証拠の疎明・裁判所への申立書の作成といった専門的な作業が必要になります。とくに「権利侵害の明白性」をどう主張立証するかは、結論を左右する重要なポイントです。手続を誤ると、ログの保存期間切れで特定できなくなるリスクもあります。
弁護士に依頼すれば、削除と投稿者特定のどちらを優先すべきか、証拠保全から一貫した戦略を立てて進められます。営業への影響を抑えながら、削除・特定・損害賠償という複数の選択肢を状況に応じて使い分けられる点も、専門家に相談する大きなメリットです。
よくある質問
エキテンの口コミは店舗側から削除できますか?
エキテンの運営会社にお問い合わせフォームから削除を申請することは可能です。ただし削除するかどうかは運営の判断に委ねられ、ガイドラインに違反していないと判断されれば削除されないこともあります。運営が応じない場合は、裁判所に削除の仮処分を申し立てる方法があります。
低評価をつけられただけでも削除できますか?
星の数が低いというだけでは、原則として削除は難しいと考えられます。口コミは利用者の感想・評価を投稿する場であり、正当な批判や個人の感想は表現の自由として保護されるためです。事実と異なる内容や、社会通念上許される限度を超える侮辱的表現など、権利侵害が認められる投稿が削除・開示の対象となります。
エキテンの匿名の投稿者を特定できますか?
権利侵害が明白であるなどの要件を満たせば、発信者情報開示請求により投稿者を特定できる可能性があります。まず運営会社にIPアドレス等の開示を求め、次に判明したアクセスプロバイダに契約者情報の開示を求める、二段階の手続が基本です。ログの保存期間には限りがあるため、早期の対応が重要です。
口コミ対応を弁護士に依頼すると費用はどのくらいですか?
費用は手続の種類(削除のみか、投稿者特定・損害賠償まで行うか)や事案の難易度によって異なります。削除のみを求める場合と、開示請求まで進める場合とで費用は大きく変わるため、依頼前に見積りを確認することをおすすめします。当事務所でも料金体系をご案内しています。
まとめ
エキテンの悪い口コミへの対処は、(1)運営会社への削除依頼、(2)応じない場合の削除仮処分、(3)投稿者を特定する発信者情報開示請求、という段階で考えるのが基本です。ただし、削除や特定ができるのは、事実に反する内容や度を超えた侮辱など、権利侵害が認められる投稿に限られます。単なる低評価や正当な批判は対象になりにくい点を理解しておくことが大切です。
削除を優先すると投稿者特定が難しくなる場合があり、ログの保存期間にも限りがあるため、対応の順序と時期の見極めが重要になります。判断に迷う場合は、証拠を保全したうえで、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。横浜のタングラム法律事務所でも、口コミ・誹謗中傷への対応についてご相談を承っています。
エキテンの口コミ・ネット上の誹謗中傷でお困りの方へ
タングラム法律事務所では、ネット誹謗中傷に関する発信者情報開示請求・削除請求・損害賠償請求について、豊富な実績を有しております。店舗・事業者の口コミ被害についても、削除と投稿者特定の両面から最適な進め方をご提案します。
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