タングラム法律事務所

家族名義の回線に意見照会書が届いた|チケット転売に身に覚えがない場合

家族名義の回線に意見照会書が届いた|チケット転売に身に覚えがない場合

家族名義の回線に意見照会書が届いた|チケット転売に身に覚えがない場合

家族名義の回線に意見照会書が届いた|チケット転売に身に覚えがない場合

家族名義の回線に意見照会書が届いた|チケット転売に身に覚えがない場合

「携帯電話会社から自分あてに書面が届いたが、チケットの転売などした覚えがない」。ご相談のなかで、実際に少なくない件数を占めるのがこのご質問です。回線の名義がご自身で、実際に使っていたのがお子様や配偶者だった、というケースが典型です。

この記事では、なぜ契約者であるご自身に書面が届くのか、家族に事情を確認するときに気をつけること、そして回答書に何をどう書くかを、状況別に整理します。心当たりがないまま放置してしまうことが、いちばん避けたい対応です。

なぜ自分名義の回線に書面が届くのか

チケット転売を理由とする発信者情報開示は、二段階で進みます。まず興行主等が転売サイトに対して開示を求め、出品時の通信記録(IPアドレスや送信日時など)を取得します。次に、その通信記録から回線を提供している携帯電話会社・接続業者を特定し、その事業者に対して契約者の情報を求めます。

この二段階目で辿り着くのは、その回線の契約者です。実際に端末を操作していた人物が誰かまでは、通信記録からは分かりません。したがって、家族が使っていた回線であっても、書面は契約者であるご自身のもとに届きます。特定の仕組み全体はなぜ匿名のチケット転売出品者が特定されるのかで解説しています。

「契約者」と「出品した人」は別に扱われる

ここが最も誤解されやすい点です。書面が届いたことは、あなたが出品したと認定されたことを意味しません。照会は「この通信を行った方はどなたか、開示についてどうお考えか」を尋ねる手続であって、契約者に責任があると判断した通知ではありません。

もっとも、実務上は次のような流れになりやすいことも事実です。

段階誰が相手方として扱われるか
意見照会回線の契約者(名義人)
情報の開示契約者の氏名・住所等が開示される
損害賠償の請求開示された契約者あてに書面が届くことが多い

つまり、名義人であるというだけで、請求の窓口に立たされる可能性があるということです。だからこそ、照会の段階で事実関係を整理しておく意味があります。

まず確認する3つのこと

家族に話を切り出す前に、届いた書面から次の3点を書き写してください。この3点がないと、家族に確認しても話がかみ合いません。

  • 対象の日時:出品や送信が行われたとされる年月日と時刻(秒単位まで記載されていることがあります)
  • 対象のサイト・出品内容:転売サイト名、公演名、座席などの記載
  • 回答期限:多くは2週間程度と短く設定されています

そのうえで、その日時に誰がその回線を使っていたかを考えます。自宅のWi-Fiが対象になっている場合は、同居のご家族だけでなく、来訪者が使っていた可能性も含めて検討することになります。

家族に確認するときの注意点

事情を聞く場面には、いくつか落とし穴があります。

  • 誘導しない:「あなたがやったんでしょう」と決めつけて聞くと、事実と違う答えが返ってくることがあります。日時と公演名を示して、心当たりがあるかを尋ねるほうが正確です
  • 記録を確認する:本人の記憶よりも、転売サイトの取引履歴、購入時のメール、入金の記録のほうが確実です
  • その場で結論を出さない:認めた・認めないをその場で決めるより、資料を揃えてから判断するほうが、回答書の精度が上がります
  • 資料を消させない:不安から退会や履歴の削除をしてしまうと、価格が定価以下であったことなど、有利な事情を示す資料まで失われます
出品した本人にとっても、定価以下で譲っていた、1公演分を手放しただけだった、という事情は法的に意味を持ち得ます。資料を残すことは、家族をかばうことにも、事実を明らかにすることにもつながります。

回答書にどう書くか(状況別)

確認の結果によって、書くべき内容は変わります。共通するのは、期限内に、事実に基づいて、聞かれた範囲で答えるという原則です。

本当に心当たりがない場合

「回線の契約者は自分だが、対象の日時に自分が出品した事実はない」と述べたうえで、回線の利用状況(同居の家族が使っていた、自宅のWi-Fiを複数人が使っていた等)を分かる範囲で書きます。単に「知りません」と書くよりも、事情の説明があるほうが実態が伝わります。

家族が使っていたと分かった場合

ここは慎重な判断が必要な場面です。事実に反することは書けませんが、聞かれていない事情まで書き添える必要もありません。家族の氏名を書くかどうかは、その後に誰が請求を受けるかに直結します。回答の範囲と表現を決める前に、一度専門家に相談する価値が大きい場面です。

結局は自分の出品だった場合

この場合は、通常のチケット転売の意見照会と同じ考え方になります。回答書の作り方は意見照会書の回答書を自分で書く方法にまとめています。

家族が出品していた場合に起きること

賠償の責任を負うのは、原則として実際に出品した本人です。回線の名義人であるというだけで、当然に支払義務が生じるわけではありません。

ただし、実際の場面では次のようなことが起こります。

  • 開示されるのは契約者の情報であるため、請求書は名義人あてに届くことが多い
  • 名義人が「自分ではない」と説明しても、相手方が納得するとは限らず、実際に出品した本人の対応が必要になる
  • 出品者が未成年の場合、年齢や事情によっては親権者が責任を問われることがあり得る

未成年のお子様のケースは、責任の有無が事情によって分かれます。お子様の年齢、出品に至った経緯、代金の使途などを確認したうえで判断する必要がありますので、回答書に事実を書く前に方針を決めておくことをおすすめします。

放置した場合にどうなるか

「自分ではないのだから答える必要はない」と考えて放置すると、次の2つの不利益が生じます。

第一に、開示された事実を知る機会を失います。情報流通プラットフォーム対処法第6条第2項は、事業者が発信者情報開示命令を受けたときは、意見の聴取において開示の請求に応じるべきでない旨の意見を述べた発信者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならないと定めています。無回答のままでは、この通知の対象になりません。

第二に、事実関係を説明する最初の機会を失います。心当たりがないという事情は、照会の段階で述べておくほうが自然に伝わります。請求書が届いてから初めて主張するより、経緯として一貫します。

意見照会書が届いた直後にすべきことの全体像はチケット転売で意見照会書が届いたらを、当事務所の対応の流れと費用はチケット転売の発信者情報開示請求への対応ページでご案内しています。

よくある質問

本当に身に覚えがない場合、無視してよいですか。

無視はおすすめできません。回答がないまま手続が進むと、開示された事実を知らないまま請求書を受け取ることになりかねません。心当たりがないのであれば、その旨と、回線の利用状況について分かる範囲の事実を書いて期限内に返すほうが、結果として自分を守ることになります。

家族が出品していたと分かりました。名義人である私が支払うのですか。

回線の名義人であることだけを理由に、当然に賠償責任を負うわけではありません。責任を負うのは原則として実際に出品した本人です。ただし、名義人あてに請求書が届く、名義人が窓口として扱われるといったことは実際に起こります。家族間で誰が対応するかを早めに決めておくことが大切です。

未成年の子どもが出品していた場合はどうなりますか。

年齢や事情によっては、親権者が責任を問われることがあり得ます。判断が分かれる領域ですので、お子様の年齢、出品の経緯、代金の使途などを確認したうえで、個別に検討することが必要です。回答書に事実を書く前に、方針を決めておくことをおすすめします。

家族に確認したところ、認めましたが黙っていてほしいと言われました。

事実と異なる回答をすることは避けてください。後に取引記録と食い違えば、名義人自身の説明の信用が下がります。事実を書きたくない場合でも、虚偽を書くのではなく、回答の範囲や表現を検討するという進め方になります。ここは弁護士に相談する価値が大きい場面です。

まとめ

  • 通信記録から辿り着くのは回線の契約者であるため、家族が使っていた場合でも書面は名義人に届く
  • 書面が届いたことは、名義人が出品したと認定されたことを意味しない
  • 家族に確認する前に、対象の日時・サイト・公演名・回答期限を書き写しておく
  • 確認は誘導せず、記憶より取引履歴などの記録で裏づける。資料を消させない
  • 家族の氏名を書くかどうかは、その後に誰が請求を受けるかに直結する。回答前に方針を決める
  • 心当たりがない場合でも、無回答は開示の通知を受ける機会を失うため避ける

ご家族の名義で書面が届いた事案は、事実関係の整理と、回答の範囲の判断がとくに難しい類型です。横浜のタングラム法律事務所では、名義人の方からのご相談も、実際に出品されたご本人からのご相談も承っています。

身に覚えのない意見照会書が届いた方へ

タングラム法律事務所(横浜・山下公園)は、チケット転売を理由とする発信者情報開示請求について、意見照会書への回答書の作成・内容確認から、開示後の損害賠償請求への対応・示談交渉まで取り扱っています。オンラインで全国からご相談いただけます。回答期限がある場合は、その日付をお知らせください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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