タングラム法律事務所

学生・未成年がチケット転売で開示請求を受けたら|親の責任は

学生・未成年がチケット転売で開示請求を受けたら|親の責任は

学生・未成年がチケット転売で開示請求を受けたら|親の責任は

学生・未成年がチケット転売で開示請求を受けたら|親の責任は

大学生の子どもが出品したチケットについて、親名義の回線に意見照会書が届いた。あるいは、高校生の本人が出品し、その事実を親が初めて知った——チケット転売の相談では、こうしたご家族からのお問い合わせが一定の割合を占めます。

この記事では、成年年齢が18歳に引き下げられた現在、どこからが「未成年」なのか、未成年者本人と親のどちらが責任を負うのか、回線が親名義の場合に誰が対応するのか、そして学校や就職への影響を、横浜の弁護士が条文に即して整理します。

まず、その方は未成年か

民法第4条は「年齢十八歳をもって、成年とする」と定めています。2022年4月1日の改正民法施行により、成年年齢は18歳です。

年齢 民法上の扱い 賠償責任の考え方
18歳以上 成年 本人が自分で責任を負う。親は原則として責任を負わない
18歳未満 未成年 責任能力の有無によって、本人か監督義務者かが分かれる

大学生の多くと、高校3年生の一部は、すでに成年です。「学生だから親が対応する」という前提は、法律上は必ずしも成り立ちません。この点を最初に確認してください。

未成年の場合、誰が責任を負うのか

本人の責任能力

民法第712条は「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない」と定めています。この「責任を弁識するに足りる知能」は、おおむね12歳前後を基準に個別に判断されるとされています。

チケットを転売サイトに出品し、代金を受け取るという行為ができる年齢であれば、通常は責任能力が認められる方向で考えることになります。つまり、中高生であっても本人が賠償責任を負い得ます。

監督義務者の責任

民法第714条は、責任無能力者が責任を負わない場合に、監督する法定の義務を負う者が損害を賠償する責任を負うと定めています。裏を返せば、本人に責任能力が認められる場合には、この条文による親の責任は原則として生じません。

もっとも、親に固有の監督上の過失があるといえる事情がある場合には、別の構成で責任が問われる余地が残ります。この点は事案の内容によりますので、断定的なことは申し上げられません。

未成年者の契約は取り消せるが、賠償は別

民法第5条第1項は、未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意を得なければならないとし、同条第2項は、これに反する法律行為は「取り消すことができる」と定めています。転売サイトの利用契約や個々の売買契約について、この取消しを検討する余地はあります。

ただし、契約の取消しと、不法行為に基づく損害賠償責任は別の問題です。契約を取り消せたとしても、興行主に対する責任がそれで消えるわけではありません。ここは混同されやすいところです。

回線が親名義の場合、誰が対応するのか

意見照会書は、回線の契約者に届きます。親名義の回線から子が出品していた場合、書面を受け取るのは親、実際に出品したのは子という状態になります。

この場合の回答の組み立ては、契約者と発信者が異なる一般の事案と同じ考え方になります。詳しくは家族名義の回線に意見照会書が届いた場合をご覧ください。

子が出品したことを回答書に書くかどうかは、慎重な検討が必要です。回答書の記載は撤回できず、開示後の交渉で相手方に引用されます。本人の年齢、責任能力、家庭の状況によって、述べ方も変わります。書く前にご相談いただくことをお勧めします。

学校や就職への影響

学校への通知はない

開示請求の手続の中に、在学先へ通知する仕組みはありません。書面はすべて本人(または回線の契約者)宛に届きます。勤務先についても同じ構造で、知られ得る場面は限られます。詳しくはチケット転売が会社にばれるかで整理しました。

就職への影響

民事の請求を受けたことが、そのまま就職に影響する筋道はありません。他方、刑事事件として立件され有罪判決を受ければ前科として記録されます。もっとも、この分野で公表が確認できる検挙事案は限られています。実際の状況はチケット転売の逮捕事例にまとめました。

ご家族が最初に確認すること

  • 本人の年齢:出品した時点で18歳以上だったか
  • 回線の契約者:親名義か、本人名義か
  • 出品の内容:件数、価格、実際に受け取った金額
  • 期限:意見照会書に記載された回答期限の日付

回答書に記載すべき事項は意見照会書の回答書を自分で書く方法、請求額の考え方はチケット転売の損害賠償はいくらかにまとめています。この段階の取扱いは当事務所の意見照会対応のページ、弁護士に依頼した場合の取扱いの範囲と費用はチケット転売の発信者情報開示請求への対応のページで扱っています。

よくある質問

子どもが出品しました。親が代わりに払わなければなりませんか。

本人に責任能力が認められる場合、民法第714条による監督義務者の責任は原則として生じません。もっとも、事実上、親が支払うという解決を選ぶご家庭は多く、その場合でも支払いの前に金額の妥当性を検討する意味があります。

子どもは18歳になったばかりです。扱いは変わりますか。

民法第4条により18歳で成年ですので、本人が自分の名で対応することになります。ただし、出品した時点の年齢が問題になりますので、時期を確認してください。

未成年だったことを理由に、契約を取り消せば済みますか。

民法第5条第2項により契約の取消しを検討する余地はありますが、興行主に対する損害賠償の責任とは別の問題です。取消しだけで請求が消えるわけではありません。

親が代理人として回答書を出してよいのですか。

回線の契約者が親であれば、契約者としての回答という形になります。本人が成年であれば本人名義での対応が基本です。誰の名で何を述べるかは、事案によって組み立てが変わりますので、書く前にご確認ください。

まとめ

  • 民法第4条により成年年齢は18歳。大学生の多くはすでに成年である
  • 民法第712条により、責任能力があれば未成年者本人が賠償責任を負い得る
  • 民法第714条の監督義務者の責任は、本人に責任能力がない場合の規定である
  • 民法第5条第2項の契約の取消しと、損害賠償責任は別の問題である
  • 回線が親名義なら書面は親に届く。誰の名で何を述べるかは慎重に組み立てる

ご本人の年齢や回線の名義によって、対応の組み立ては変わります。ご家族からのご相談も承っています。書面に記載された期限の日付をお知らせいただければ、対応の可否をその場で判断しやすくなります。横浜のタングラム法律事務所まで、オンラインで全国からご相談いただけます。

チケット転売を理由とする発信者情報開示請求について、対応の流れと弁護士費用はチケット転売の意見照会対応の詳細をご覧ください。

お子さまの出品について書面が届いたご家族へ

タングラム法律事務所(横浜・山下公園)は、チケット転売を理由とする発信者情報開示請求について、意見照会書への回答書の作成・内容確認から、開示後の損害賠償請求への対応・示談交渉まで取り扱っています。オンラインで全国からご相談いただけます。ご本人の年齢と回線の名義、書面の日付をお知らせください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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