Caloo(カルー)の病院口コミは削除できる?対処法を弁護士が解説
Caloo(カルー)の病院口コミは削除できる?対処法を弁護士が解説
「Caloo(カルー)に事実と異なる悪質な口コミを書かれた」「クリニックの評判を下げるような投稿が検索結果に表示されて患者が減っている」——病院口コミ検索サイトのCalooをめぐって、このような悩みを抱える医療機関の経営者・院長は少なくありません。医療機関にとって口コミは集患に直結するため、根拠のない中傷や虚偽の書き込みは経営にも大きな影響を及ぼします。
この記事では、Calooの口コミがどのような場合に削除できるのか、運営会社への削除依頼から裁判所を通じた削除仮処分、そして投稿者を特定する発信者情報開示請求まで、横浜のタングラム法律事務所の弁護士が、医療機関の立場に立ってわかりやすく解説します。
Caloo(カルー)とはどのようなサイトか
Caloo(カルー)は、カルー株式会社が運営する病院・クリニックの口コミ検索サイトです。診療科目や地域、症状などから医療機関を探すことができ、実際に受診した利用者による口コミが多数掲載されています。医療機関を探す患者にとっては有用な情報源である一方、投稿された口コミが医療機関の評判を大きく左右するという側面があります。
Calooは、口コミの健全性を保つために「口コミ投稿ガイドライン」を設けており、投稿された口コミはガイドラインに沿って運営会社が確認したうえで掲載される運用がとられているとされています。また、Calooは厚生労働省の医療広告ガイドラインに配慮した運営を掲げており、医療機関側の要望を理由として口コミを編集・削除することには応じないとの方針を示しています。この点は、後述する削除依頼の進め方に大きく関わってきます。
Calooのようなサイトは、良い口コミも悪い口コミもバランスよく掲載することを基本方針としています。そのため「低評価だから」「気に入らないから」といった理由だけでは削除は認められにくく、投稿が違法な権利侵害にあたること、またはガイドラインに具体的に違反していることを示す必要があります。
Calooの口コミが違法・削除対象となるのはどのような場合か
すべての否定的な口コミが削除できるわけではありません。利用者の率直な感想や、体験に基づく正当な評価は表現の自由の範囲として保護され、削除の対象にはなりにくいのが実情です。一方で、次のような投稿は違法な権利侵害にあたる可能性があり、削除や損害賠償請求の対象となり得ます。
名誉毀損にあたる口コミ
「わざと不要な検査をして稼いでいる」「無資格者に処置をさせている」など、具体的な事実を摘示して医療機関や医師の社会的評価を低下させる投稿は、名誉毀損(刑法230条)にあたる可能性があります。これらが事実に反する場合、削除請求だけでなく損害賠償請求の対象にもなり得ます。
信用毀損・業務妨害にあたる口コミ
虚偽の内容を流布して医療機関の経済的な信用を低下させる投稿は、信用毀損罪(刑法233条前段)や、虚偽の内容・威力によって業務を妨害する場合には業務妨害罪にあたる可能性があります。競合する医療機関や退職した元従業員による意図的な書き込みが疑われるケースでは、この観点からの検討も重要です。
プライバシー侵害・その他
特定の医師やスタッフの氏名を挙げて私生活上の事柄を暴露するような投稿は、プライバシー侵害にあたる可能性があります。また、単なる侮辱的な暴言(「最低」「二度と行かない」等のみ)は名誉感情の侵害として問題となることもありますが、権利侵害が「明らか」と評価されるかどうかは慎重な検討を要します。
Caloo運営会社への削除依頼(任意交渉)
最初のステップは、Calooの運営会社に対して口コミの削除を求める方法です。Calooには掲載口コミに関する情報提供・報告のための問い合わせ窓口が用意されており、ガイドラインに違反する口コミについては、この窓口を通じて削除の検討を求めることができます。
削除依頼を行う際のポイントは、次のとおりです。
- 対象となる口コミを1件ずつ特定する(1回の依頼につき1件が原則とされています)
- その口コミが、Calooの口コミ投稿ガイドラインのどの項目に、どのように違反しているのかを具体的に指摘する
- 「事実と異なる」と主張する場合は、なぜ虚偽といえるのかを客観的に説明する
ただし前述のとおり、Calooは医療機関からの要望というだけでは削除に応じない方針です。単に「評判が下がるので消してほしい」という依頼では削除されにくいため、権利侵害やガイドライン違反を法的な観点から的確に指摘することが結果を左右します。任意の削除が難しい場合には、次に述べる裁判所を通じた手続に進むことになります。
裁判所を通じた削除——削除仮処分・送信防止措置
運営会社への任意の削除依頼に応じてもらえない場合、裁判所に投稿記事削除の仮処分を申し立てる方法があります。削除仮処分は、権利侵害を受けている投稿を速やかに削除させるための民事保全手続で、次のような流れで進みます。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 申立て | 削除を求める投稿を特定し、名誉毀損等の権利侵害(被保全権利)と削除の必要性(保全の必要性)を疎明する資料とともに裁判所へ申し立てる |
| 審尋 | 裁判官が申立人(および相手方)の主張を確認する |
| 担保金の供託 | 裁判所の決定に応じて、一定額の担保金を法務局に供託する |
| 決定・削除 | 裁判所が削除を命じる決定を出し、これに基づき運営会社が投稿を削除する |
なお、プロバイダに対して任意の削除を求める書式として「送信防止措置依頼書(テレサ書式)」を用いる方法もあります。2025年4月に施行された情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)は、こうした削除対応の枠組みを定める法律ですが、削除申出から一定期間内の通知などの迅速化義務が課されるのは、月間の発信者数等が一定規模を超える「大規模特定電気通信役務提供者」に限られます。Calooのような専門口コミサイトは通常この規模には達しないため、任意対応が難しい場合には削除仮処分の活用が現実的な選択肢となります。
投稿者を特定する——発信者情報開示請求
悪質な口コミについて、削除だけでなく投稿者本人に責任を追及したい場合には、発信者情報開示請求によって投稿者の特定を目指します。匿名の投稿であっても、権利侵害が認められれば、次のような二段階の手続を経て投稿者の氏名・住所等の特定に至る可能性があります。
- 第一段階:サイト運営者(コンテンツプロバイダ)に対し、投稿時のIPアドレス・タイムスタンプ等の開示を求める
- 第二段階:開示されたIPアドレスから判明した経由プロバイダ(アクセスプロバイダ)に対し、契約者の氏名・住所等の開示を求める
情プラ法(旧・プロバイダ責任制限法)では、これらを一体的に扱える「発信者情報開示命令」という非訟手続が設けられており、従来より迅速な特定が期待できます。もっとも、経由プロバイダの通信ログの保存期間には限りがあり、時間が経つと特定に必要な情報が失われてしまうおそれがあります。投稿者を特定したい場合は、被害に気づいた段階でできるだけ早く着手することが重要です。特定後は、損害賠償請求や再発防止に向けた交渉につなげていくことになります。
Google マップやエキテンなど他の媒体でも同様の被害を受けているケースでは、媒体ごとに手続を検討する必要があります。あわせて病院・クリニックへのGoogle口コミ・悪評対策の記事やエキテンの悪い口コミを削除・投稿者特定する方法、開示にかかる期間の目安については発信者情報開示で投稿者特定までどれくらいかかるかを解説した記事もあわせてご覧ください。
医療機関が口コミ対応で注意すべきこと
医療機関がネット上の口コミに対応する際には、他の業種にはない特有の注意点があります。
第一に、口コミへの反論・返信には特に慎重を要します。患者の受診の事実や病状に触れる返信は、医師の守秘義務や個人情報保護の観点から問題となるおそれがあり、また医療広告ガイドラインとの関係でも注意が必要です。感情的な反論はかえって炎上を招き、二次被害につながることもあります。
第二に、削除や開示の手続には権利侵害の的確な主張立証が不可欠であり、医学的・専門的な内容が絡む口コミでは、その評価は容易ではありません。「削除できるか」「開示が見込めるか」の見極めを誤ると、時間とコストをかけたうえで手続が認められないという事態にもなりかねません。
横浜のタングラム法律事務所では、病院・クリニックの口コミ被害について、削除の可否の見極めから手続の実行まで一貫して対応しています。医療機関の口コミ対策については、病院・クリニックのGoogle口コミ削除に関する専用ページもご用意していますので、あわせてご参照ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. Caloo(カルー)の口コミは病院からの依頼で削除してもらえますか?
Calooは厚生労働省の医療広告ガイドラインに沿って運営されており、医療機関からの要望を理由とした口コミの編集・削除には応じないとの方針を示しています。ただし、投稿がCalooの口コミ投稿ガイドラインに違反している場合には、運営会社の判断で削除されることがあります。削除を求める際は、どの部分がどのガイドラインに違反するのかを具体的に指摘することが重要です。
Q2. 運営会社に削除を断られた場合はどうすればよいですか?
任意の削除依頼に応じてもらえない場合でも、裁判所に投稿記事削除の仮処分を申し立てる方法があります。名誉毀損・信用毀損・プライバシー侵害など権利侵害が認められれば、裁判所の決定を得て削除に至る可能性があります。手続には権利侵害の疎明や担保金の供託が必要となるため、弁護士への相談が現実的です。
Q3. 誰が口コミを書いたのかを特定できますか?
投稿が名誉毀損等の権利侵害にあたる場合、発信者情報開示請求(発信者情報開示命令の申立てを含む)によって投稿者の氏名・住所等の特定を目指すことができます。ただしプロバイダのログ保存期間には限りがあるため、被害に気づいたら早期に着手することが重要です。
Q4. 口コミに反論のコメントを投稿してもよいですか?
医療機関側が口コミに直接反論すると、医療広告ガイドラインや守秘義務との関係で新たな問題が生じるおそれがあり、患者情報に触れる返信は特に慎重を要します。感情的な反論はトラブルを拡大させることもあるため、対応方針は弁護士に相談したうえで検討することをおすすめします。
Q5. 削除や開示にはどのくらいの費用・期間がかかりますか?
任意の削除依頼は比較的短期間で結果が出ることもありますが、削除仮処分や発信者情報開示の手続は数か月単位の期間を要するのが一般的です。費用は依頼内容や手続の段階によって幅があるため、具体的な事案について弁護士に見積りを確認することをおすすめします。
まとめ
Caloo(カルー)の悪質な口コミへの対応は、(1)運営会社への削除依頼(任意交渉)、(2)裁判所を通じた削除仮処分、(3)投稿者を特定する発信者情報開示請求、という段階で検討していくことになります。Calooは医療機関の要望というだけでは削除に応じない方針のため、権利侵害やガイドライン違反を法的に的確に指摘できるかが結果を大きく左右します。
また、投稿者の特定にはプロバイダのログ保存期間という時間的な制約があり、対応が遅れると特定が困難になります。医療機関特有の注意点も多いため、口コミ被害に気づいたら、早めに弁護士に相談し、削除の可否や見通しを確認することをおすすめします。横浜のタングラム法律事務所では、病院・クリニックの口コミ被害についてのご相談を承っています。
Caloo・病院口コミの誹謗中傷でお困りの医療機関の方へ
タングラム法律事務所では、病院・クリニックのネット口コミ被害について、削除の可否の見極めから削除仮処分・発信者情報開示請求まで一貫して対応しております。事実と異なる口コミや悪質な書き込みにお悩みの方は、お早めにご相談ください。
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