配偶者のスマホで不倫相手のLINEを見つけたら|証拠の残し方と注意点
配偶者のスマホで不倫相手のLINEを見つけたら|証拠の残し方と注意点
執筆:弁護士 安藤 一章(タングラム法律事務所/神奈川県弁護士会所属) 公開日:2026年9月29日 最終更新日:2026年9月29日
ふとしたきっかけで配偶者のスマホを見たら、知らない相手と親密なLINEのやり取りが残っていた――。頭が真っ白になる一方で、「このやり取りを証拠として残さなければ」「相手が誰なのか知りたい」と考える方も多いと思います。しかし、ここでの対応を誤ると、証拠として使いにくくなったり、ご自身が法的な責任を問われたりするおそれがあります。
この記事では、配偶者のスマホで不倫相手とのLINEを見つけたときに、証拠をどう残せばよいか、やってはいけない操作、証拠として使えるかの考え方、そして不倫相手の特定への生かし方を、横浜の弁護士が解説します。
結論として、見つけたLINEのやり取りは、配偶者のアカウントを操作せず、画面を自分のスマホやカメラで撮影して残すのが無難です。配偶者のIDとパスワードで別の端末からログインしたり、トークを転送したりすることは、不正アクセス禁止法違反やプライバシー侵害の問題を生じるおそれがあるため避けてください。
見つけた直後にすべきこと・してはいけないこと
| すべきこと | してはいけないこと |
|---|---|
| 画面を別の端末で撮影して残す | 配偶者のIDとパスワードで別の端末からログインする |
| 日時・相手の表示名が写るように撮る | 配偶者のアカウントからトークを転送・送信する |
| 見つけた日時と状況をメモしておく | 配偶者のアカウントで不倫相手に連絡する |
| 弁護士に相談して今後の方針を決める | その場で配偶者を問い詰める、メッセージを消させる |
その場で配偶者を問い詰めると、やり取りを削除されたり、不倫相手と口裏を合わせられたりするおそれがあります。まずは記録を残し、方針を決めてから行動することが大切です。
証拠の残し方
別の端末で画面を撮影する
配偶者のスマホの画面を、自分のスマホやデジタルカメラで撮影します。配偶者のスマホでスクリーンショットを撮って自分宛に送る方法は、配偶者のアカウントを操作することになり、送信の履歴も残るため避けたほうが無難です。
日時・表示名・前後のやり取りが分かるように撮る
メッセージの日時と相手の表示名が写るようにし、都合のよい部分だけでなく前後のやり取りも連続して撮影します。相手のプロフィール画面(表示名・アイコン)も撮影しておくと、相手の同一性を示す手がかりになります。
撮影したデータを安全に保管する
撮影した画像は、配偶者が見る可能性のある共有のアルバムや家族共有のクラウドには保存せず、自分だけが管理できる場所に保管します。バックアップも別の場所に取っておくと、端末の故障や紛失に備えられます。
証拠として役立つ内容
不貞慰謝料の請求では、肉体関係があったことを示す、または推認させるやり取りが重要です。ホテルや宿泊の約束、性的関係をうかがわせる表現、会った日時や場所が分かるやり取りなどです。LINEの証拠力を高める残し方は、不倫のLINEは慰謝料の証拠になる?で解説しています。
証拠として使えるかの考え方
配偶者のスマホを見ること自体の問題と、それを裁判で証拠として使えるかは、別の問題です。
まず、配偶者の承諾なく、インターネットを通じて配偶者のIDとパスワードを入力してLINEなどにログインすると、不正アクセス禁止法違反にあたるおそれがあります。これに対し、手元のスマホの画面を見る行為がどう評価されるかは、事情によって異なります。詳しくは夫・妻のスマホを勝手に見るのは違法?をご覧ください。
民事裁判では、違法に集めた証拠を一律に排除する規定はなく、裁判所が証拠の価値を自由に判断します。もっとも、東京高裁昭和52年7月15日判決は、著しく反社会的な手段で人格権を侵害して採集された証拠は違法の評価を免れないとしており、取得の方法によっては証拠として使えない可能性があります。証拠を集める段階から、方法に注意することが大切です。
不倫相手の特定への生かし方
撮影したやり取りから、不倫相手の電話番号や勤務先、車のナンバーなどが分かれば、それを手がかりに相手を調査できる場合があります。電話番号が分かれば、弁護士会照会により携帯電話会社に契約者を照会できる可能性があります(電話番号から氏名・住所を調べる方法)。
LINEの表示名しか分からない場合は、LINEヤフー株式会社への弁護士会照会を検討しますが、その前提となる通報は、相手のプロフィール画面を開けるアカウントから行う必要があります。相手とつながっているのが配偶者だけの場合、配偶者のスマホを無断で操作して通報することは避け、方法を弁護士と検討してください(不倫相手がLINEでしか分からない場合の記事)。不貞慰謝料請求の全体像は、不貞慰謝料の取扱分野のページをご覧ください。
よくある質問
配偶者のLINEを自分のスマホに転送してもよいですか?
配偶者のアカウントを操作してトークを転送したり、自分宛に送信したりすることは、プライバシー侵害などの問題を生じるおそれがあり、証拠を集めたことが配偶者に知られるきっかけにもなります。画面を別の端末で撮影する方法にとどめるのが無難です。
配偶者のLINEに、パソコンから配偶者のIDとパスワードでログインしてもよいですか?
配偶者の承諾なく、インターネットを通じて配偶者のIDとパスワードを入力してログインすると、不正アクセス禁止法違反にあたるおそれがあります。行わないでください。
見つけた写真は裁判で証拠として使えますか?
民事裁判では、証拠の取得方法が違法であっても直ちに証拠として使えなくなるわけではありませんが、著しく反社会的な手段で集めた証拠は排除される可能性があります。取得の経緯を弁護士に正確に伝えてください。
不倫相手の表示名しか写っていません。相手を特定できますか?
表示名だけでは相手を特定できません。弁護士会照会で相手を特定するには、相手のプロフィール画面を開けるアカウントからの通報が前提になるため、どのアカウントから通報できるかを含めて弁護士と方法を検討する必要があります。
まとめ
配偶者のスマホで不倫相手とのLINEを見つけたら、配偶者のアカウントを操作せず、画面を別の端末で撮影して、日時・表示名・前後のやり取りが分かるように残すのが無難です。配偶者のIDとパスワードで別の端末からログインしたり、トークを転送したりすることは避けてください。その場で配偶者を問い詰める前に、証拠を残して方針を決めることが大切です。
横浜のタングラム法律事務所では、見つけた証拠の評価から、不倫相手の特定、慰謝料請求まで一貫して対応しています。LINEしか分からない相手の特定の手続と費用は、LINEしか知らない相手の特定(弁護士会照会)の詳細はこちらをご覧ください。
配偶者の不倫の証拠を見つけてお悩みの方へ
タングラム法律事務所では、不貞慰謝料の請求と、LINEしか分からない不倫相手の特定(弁護士会照会)を取り扱っております。見つけた証拠をどう使うかの段階からご相談いただけます。
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