タングラム法律事務所

電話番号から氏名・住所を調べる方法|携帯電話会社への弁護士会照会

電話番号から氏名・住所を調べる方法|携帯電話会社への弁護士会照会

電話番号から氏名・住所を調べる方法|携帯電話会社への弁護士会照会

電話番号から氏名・住所を調べる方法|携帯電話会社への弁護士会照会

電話番号から氏名・住所を調べる方法|携帯電話会社への弁護士会照会

執筆:弁護士 安藤 一章(タングラム法律事務所/神奈川県弁護士会所属) 公開日:2026年9月24日 最終更新日:2026年9月24日

貸したお金を返さない相手、嫌がらせのSMSを送ってくる相手、LINEの照会で判明した電話番号の持ち主。分かっているのは電話番号だけで、名前も住所も分からない――。請求や法的手続をしたくても、相手の氏名と住所が分からなければ、内容証明郵便を送ることも、訴訟を起こすこともできません。

この記事では、電話番号から相手の氏名・住所を調べる方法として、携帯電話会社に対する弁護士会照会の仕組みと流れ、番号ポータビリティや格安SIMの場合の注意点、特定できない場合について、横浜の弁護士が解説します。

結論として、電話番号しか分からない相手でも、弁護士会照会により携帯電話会社に契約者を照会することで、氏名・住所が判明する可能性があります。携帯電話は契約時の本人確認が法律で義務付けられているため、契約者情報は有力な手がかりになりますが、番号ポータビリティや格安SIMの場合は照会先が複数になり、他人名義の回線などでは特定に至らないこともあります。

電話番号だけで相手の氏名・住所は分かるのか

個人が電話番号を検索しても、分かるのは店舗や事業者の番号がほとんどで、個人の携帯電話番号から氏名や住所が分かることはまずありません。携帯電話会社に問い合わせても、契約者情報は個人情報であり、教えてもらうことはできません。

そこで用いられるのが、弁護士法23条の2に基づく弁護士会照会です。弁護士が受任している事件について所属弁護士会に申し出て、弁護士会が必要性・相当性を審査したうえで、携帯電話会社に契約者の氏名・住所などの報告を求めます。照会を受けた会社が回答することは、個人情報保護法27条1項1号の「法令に基づく場合」にあたり、本人の同意なく提供できると整理されています。インターネットや通信を通じたトラブルの相手方特定については、インターネット問題の取扱分野のページもご覧ください。

携帯電話の契約者情報が手がかりになる理由

携帯電話の契約者情報が有力な手がかりになるのは、いわゆる携帯電話不正利用防止法(携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律)により、携帯電話会社に契約時の本人確認が義務付けられているためです。同法は平成18年4月1日に全面施行されました。

  • プリペイド式の携帯電話も本人確認の対象です
  • 大手携帯電話会社(MNO)だけでなく、格安SIM事業者(MVNO)の音声通話サービスも対象です
  • 契約者は、事業者の承諾なく通話可能な携帯電話を他人に譲渡してはならないとされています(親族等への譲渡を除く)
  • スマートフォンのアプリで使う050番号の電話サービスも、令和6年4月1日から対象に加わりました

一方で、通話機能のないデータ通信専用のSIMは同法の対象外です。

照会の流れ――どの会社に照会するか

状況照会の流れ
番号を割り当てた携帯電話会社でそのまま契約しているその携帯電話会社に契約者を照会する(1回)
番号ポータビリティ(MNP)で他社に移っている元の会社から転出先の事業者の回答を受け、転出先に改めて照会する
格安SIM(MVNO)で契約している回線を提供する携帯電話会社から契約先の事業者の回答を受け、その事業者に照会する

電話番号からは、その番号を最初に割り当てられた事業者を知ることができますが、現在どの会社と契約しているかまでは分かりません。そのため、照会の結果に応じて次の照会先が決まり、照会が2回、3回と重なることがあります。照会のたびに弁護士会の手数料などの実費がかかり、期間も延びます。当事務所では、追加の照会1件ごとに実費相当負担金16,500円(税込)をお願いしています。

LINEから電話番号が判明した場合

LINEしか分からない相手を特定する場合、弁護士会照会でLINEヤフー株式会社から回答されるのは、基本的に登録電話番号とメールアドレスです。そのため、この記事で解説した携帯電話会社への照会が、氏名・住所にたどり着くための2段階目の照会になります。LINEヤフー株式会社が回答する範囲はLINEヤフーは弁護士会照会で何を回答するかの記事で、手続の全体像はLINEしか知らない相手を特定する方法で解説しています。

特定できない・回答が得られない場合

弁護士会照会には強制力がなく、次のような場合には相手方の特定に至らないことがあります。

  • 番号がすでに解約され、別の人に割り当てられている場合
  • 回線が他人名義・法人名義で、実際の使用者と契約者が異なる場合
  • 海外の電話番号である場合
  • 契約時の住所から転居している場合(住民票等による追跡が必要になります)
  • 照会先が回答を拒否した場合

特に、投資詐欺やロマンス詐欺では、他人名義のSIMや海外の番号が使われることが多く、実際の加害者の特定や最終的な被害回復に至らない可能性が高いのが実情です。詐欺被害の場合は、まず警察と振込先の金融機関に相談してください。

判明した情報の使い方と注意点

照会で判明した氏名・住所は、受任している事件の目的にのみ使えるものです。相手の自宅を訪ねたり、勤務先や家族に連絡したりすると、ご自身が名誉毀損やプライバシー侵害の責任を問われるおそれがあります。

また、損害賠償請求権は、損害及び加害者を知った時から3年で時効により消滅します(民法724条1号)。相手の氏名・住所が判明した時点から時効が進み始める可能性があるため、判明後は速やかに内容証明郵便や訴訟などの手続に着手してください。住所が古い場合の調査や送達の考え方は、相手の住所がわからない場合の対処法も参考になります。

よくある質問

電話番号が分かれば、自分で携帯電話会社に問い合わせて契約者を教えてもらえますか?

教えてもらうことはできません。契約者情報は個人情報であり、本人以外からの問い合わせには回答しないのが通常です。弁護士会照会は、弁護士が受任している事件について弁護士会を通じて行う制度です。

プリペイド式の携帯電話や格安SIMでも特定できますか?

プリペイド式の携帯電話も格安SIM(MVNO)の音声通話サービスも、携帯電話不正利用防止法による契約時の本人確認の対象です。ただし、格安SIMの場合は回線を提供する携帯電話会社と契約先の事業者が異なるため、照会が2回以上必要になることがあります。

050から始まる番号でも照会できますか?

050の番号はIP電話の番号で、提供事業者に照会することになります。スマートフォンのアプリで使う050番号の電話サービスは、令和6年4月1日から携帯電話不正利用防止法の本人確認の対象に加わりましたが、それ以前の契約や事業者の運用によっては、契約者情報が十分に得られないこともあります。

照会したことは相手に知られますか?

照会を受けた会社が相手に照会の事実を通知するかどうかは、その会社の運用によります。相手に知られることを前提に、証拠の保存など必要な準備を済ませておくことをおすすめします。

まとめ

電話番号しか分からない相手でも、弁護士会照会により携帯電話会社に契約者を照会することで、氏名・住所が判明する可能性があります。携帯電話には契約時の本人確認義務があるため契約者情報は有力な手がかりですが、番号ポータビリティや格安SIMでは照会先が複数になり、他人名義の回線などでは特定に至らないこともあります。

横浜のタングラム法律事務所では、電話番号やLINEしか分からない相手方の特定から、特定後の請求まで一貫して対応しています。手続と費用はLINEしか知らない相手の特定(弁護士会照会)の特設ページをご覧ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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