タングラム法律事務所

チケット転売の示談交渉を自分で行う方法|示談書で確認すべき点

チケット転売の示談交渉を自分で行う方法|示談書で確認すべき点

チケット転売の示談交渉を自分で行う方法|示談書で確認すべき点

チケット転売の示談交渉を自分で行う方法|示談書で確認すべき点

チケット転売の示談交渉を自分で行う方法|示談書で確認すべき点

チケット転売を理由に情報を開示され、興行主の代理人から請求書が届いた。金額を見て驚いたが、弁護士に依頼せず自分で話をまとめたい——そう考えて調べておられる方に向けた記事です。

示談交渉は、ご本人で進めることが可能な手続です。ただし、どの順序で何を伝えるか、示談書のどこを確認するかを知らないまま進めると、支払額そのものよりも支払条件で苦しくなることがあります。この記事では、交渉の全体像、書面の書き方、示談書の確認点、そして交渉がまとまらず訴訟になった場合までを順に整理します。

自分で交渉する場合の全体像

チケット転売の損害賠償をめぐる交渉は、おおむね次の順で進みます。

段階内容ここで決まること
①最初の連絡相手方代理人に、対応する意思と連絡手段を伝えるやり取りの方法と窓口
②内訳の確認請求額の算定根拠の説明を求めるどこを争えるか
③こちらの主張事実関係と、減額を求める理由を書面で述べる金額の出発点
④条件の調整金額・支払期限・分割の可否を詰める実際に払える形かどうか
⑤示談書の取り交わし条項を確認し、署名・押印する後日の追加請求を防げるか

ご自身で進める場合、多くの方が③から始めようとします。しかし、②を飛ばすと、何に対していくら請求されているのかが分からないまま金額の話に入ることになります。順序を守ることが、そのまま交渉力になります。

相手方代理人への最初の連絡で決めること

請求書には、通常、代理人弁護士の事務所名と連絡先が記載されています。最初の連絡では、次の3点を確認しておくと以後がスムーズです。

  • 連絡手段:郵便かメールか。記録が残る方法を選ぶ
  • 期限:回答期限が記載されている場合、その日付と、延長の可否
  • 担当者:やり取りの窓口となる方の氏名

電話で話す場合も、結論に関わる話は必ず書面かメールで確認し直すことをおすすめします。口頭で「その金額なら払えます」と述べた内容が、こちらの了解として扱われることがあります。届いた書面そのものの読み方は内容証明が届いたら|チケット転売の損害賠償請求書への対応手順で解説しています。

減額を求める書面に何を書くか

感情や事情を長く述べるより、相手方が金額を計算し直せる材料を示すほうが効果があります。書面に入れるべきものは、おおむね次のとおりです。

  • 対象の特定:請求書に記載された出品のうち、どれについて述べるのか
  • 事実関係:出品した時期、枚数、価格、経緯を、記録に基づいて簡潔に
  • 実際の受取額:出品価格ではなく、手数料を差し引いて入金された額
  • 争う点:請求項目のうち、因果関係や金額に疑問がある部分
  • 提案:支払える金額と方法の具体案
請求額がどの項目で組み立てられ、どこに減額を主張する余地があるかはチケット転売の損害賠償はいくらか|請求額の内訳と減額の考え方で詳しく整理しています。書面を書く前にご覧いただくと、争点の当たりがつけやすくなります。

逆に、書かないほうがよいこともあります。聞かれていない別の出品を自ら書き添えること、反復して出品していた事実を必要以上に強調すること、相手方への不満を書くこと。いずれも、こちらの立場を弱めるだけで、金額を動かす力を持ちません。

分割払いを申し入れるときの伝え方

一括では払えない場合、分割払いの申し入れは一般的に行われています。ただし、「分割にしてほしい」とだけ伝えても、相手方は判断できません。次の3点をそろえて提案してください。

  • 毎月いくら払えるか:手取り収入と固定費から逆算した、無理のない額
  • いつから始められるか:初回の支払日
  • 何回で完了するか:総額と回数の対応

ここで最も避けたいのは、払えない額で合意してしまうことです。示談書には、支払いが滞った場合に残額を一括で請求できるという条項(期限の利益喪失条項)が置かれるのが通常です。見栄を張った条件で合意すると、一度の遅れで全額の請求に戻ります。

示談書で必ず確認する5項目

金額の合意ができると、相手方から示談書の案が送られてきます。署名する前に、少なくとも次の5点を確認してください。

項目確認すること見落としたときの影響
清算条項「本件に関し、当事者間に他に債権債務が存在しないことを相互に確認する」旨があるか後日、別項目で追加請求を受けるおそれ
支払額と期限金額・振込先・期日が明記されているか入金の認識がずれ、遅延と扱われる
期限の利益喪失何回の遅滞で一括請求になるのか1回の遅れで残額全部を請求され得る
遅延損害金割合と、いつから発生するか総額が想定より膨らむ
守秘条項誰に何を話してはいけないのか家族への説明も違反になり得る書き方がある

清算条項は、こちらにとって最も重要な条項です。「本件出品に関し」と限定されているのか、当事者間の一切の債権債務を対象にしているのかで、守られる範囲が変わります。案文の文言をそのまま受け入れる前に、範囲を読み取ってください。

示談が成立するまでの全体の流れはチケット転売で氏名・住所が開示された後|損害賠償請求までの流れにまとめています。

交渉がまとまらず訴訟になった場合

金額の隔たりが大きい場合や、連絡が途絶えた場合、相手方が訴訟を提起することがあります。裁判所から訴状が届いたら、対応の仕方が変わります。

裁判所の説明によれば、答弁書とは「訴状に書いてある原告の請求、主張等に被告が返答する書面」です。そして、答弁書を提出せず、第1回口頭弁論期日にも出席しない場合には、原告の請求のとおりの判決が言い渡される可能性があるとされています。反論の内容が固まっていなくても、期限内に答弁書を出すこと自体に意味があります。

また、訴訟が始まっても話し合いの余地がなくなるわけではありません。裁判所は、裁判上の和解について、確定した判決と同一の効力を有すると説明しています。訴訟の中で和解が成立し、そこで支払条件を定めるという解決は、実際によく行われています。

書面が届いた側の対応について、当事務所の考え方や取扱いの範囲はインターネット上の問題で書面が届いた方の対応(取扱分野ページ)でご案内しています。

自分で進める場合の限界

ご本人で交渉すること自体は可能です。そのうえで、限界として知っておいていただきたい点が3つあります。

第一に、相手方は代理人弁護士です。書面の書き方や条項の意味に習熟した相手と、条件を詰めることになります。金額そのものより、支払条件で不利になりやすいのはこのためです。

第二に、述べたことは撤回できません。交渉の過程でこちらが述べた事実は、訴訟になった場合の前提として扱われます。争える点を先に手放してしまうことがあります。

第三に、相場観がないまま判断することになります。この類型には公表された算定基準がなく、提示された金額が交渉の余地のあるものか、すでに相当な水準なのかを、ご自身で見極めるのは容易ではありません。

当事務所の対応の範囲と費用はチケット転売の発信者情報開示請求への対応ページでご案内しています。ご自身で作成した書面や、届いた示談書の案について確認したいというご相談も承っています。

よくある質問

相手方の代理人に電話で連絡してもよいですか。

連絡自体は可能ですが、口頭のやり取りは後から内容を確認できません。日程の調整など事務的な連絡は電話でも差し支えありませんが、金額や支払方法など結論に関わる話は、書面やメールで残る形にすることをおすすめします。

示談書に署名する前に、どこを見ればよいですか。

清算条項の範囲、支払額と支払期限、分割の場合の期限の利益喪失条項、遅延損害金の割合、守秘条項の内容の5点です。とくに清算条項は、後日の追加請求を防ぐ意味を持つ一方、書き方によって効力の及ぶ範囲が変わります。

交渉の途中で連絡を止めてしまいました。もう遅いですか。

遅すぎるということはありません。連絡が途絶えると訴訟に移行しやすくなりますが、訴訟が始まった後でも和解の話し合いは行われます。放置を続けるより、現状を説明して交渉の場に戻るほうが選択肢は広がります。

訴状が届きました。答弁書を出さないとどうなりますか。

裁判所の説明によれば、答弁書を提出せず第1回口頭弁論期日にも出席しない場合、原告の請求のとおりの判決が言い渡される可能性があります。反論があるかどうかにかかわらず、期限内に答弁書を提出することが重要です。

まとめ

  • 示談交渉はご本人でも進められる。ただし、内訳の確認を飛ばして金額の話に入らないこと
  • 結論に関わるやり取りは、必ず記録の残る形にする
  • 減額を求める書面には、実際の受取額など相手方が計算し直せる材料を入れる
  • 分割払いは、月額・開始時期・回数をそろえて提案する。払えない額で合意しない
  • 示談書は、清算条項・支払期限・期限の利益喪失・遅延損害金・守秘条項の5点を確認する
  • 訴状が届いたら、期限内に答弁書を提出する。提出も出席もない場合、請求どおりの判決が出る可能性がある

ご自身で交渉を進めてきたが、示談書の案が届いた段階で内容を確認したい、というご相談は実際に多くいただきます。横浜のタングラム法律事務所では、交渉の代理だけでなく、書面の内容確認からのご相談も承っています。

示談交渉をご自身で進めている方へ

タングラム法律事務所(横浜・山下公園)は、チケット転売を理由とする発信者情報開示請求について、意見照会書への回答書の作成・内容確認から、開示後の損害賠償請求への対応・示談交渉まで取り扱っています。オンラインで全国からご相談いただけます。回答期限や支払期限がある場合は、その日付をお知らせください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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