タングラム法律事務所

情プラ法の削除申出とは|大手SNS・掲示板に削除を求める手順

情プラ法の削除申出とは|大手SNS・掲示板に削除を求める手順

情プラ法の削除申出とは|大手SNS・掲示板に削除を求める手順

情プラ法の削除申出とは|大手SNS・掲示板に削除を求める手順

情プラ法の削除申出とは|大手SNS・掲示板に削除を求める手順

執筆:弁護士 安藤 一章(タングラム法律事務所/神奈川県弁護士会所属) 公開日:2026年10月4日 最終更新日:2026年10月4日

「Xに誹謗中傷を書かれたので通報したが、何の返事もない」「YouTubeのコメント欄の悪口を消してほしいが、どこから申し出ればよいのか分からない」――SNSや掲示板の投稿を削除してもらおうとしても、運営会社の対応が見えず、不安なまま待ち続けている方は少なくありません。

この記事では、2025年4月1日に施行された情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)にもとづく「削除申出」について、対象となるサービス、申出の手順と書き方のポイント、回答期限、削除されなかったときの次の手段までを、横浜の弁護士が順を追って解説します。

結論からいえば、総務大臣が指定した大規模なSNS・掲示板(X、Instagram、YouTube、TikTok、爆サイ.comなど)は、権利を侵害されたとする人から削除の申出を受けると、調査を行い、原則として7日以内に削除したかどうかを申出者に通知する義務を負っています。もっとも、通知の義務は削除の義務ではないため、削除されなかった場合には、送信防止措置依頼や裁判所の仮処分など次の手段を検討することになります。

情プラ法の削除申出とは|大規模プラットフォームに課された義務

情プラ法(正式名称:特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律)は、プロバイダ責任制限法を改正・改称した法律で、大規模なプラットフォーム事業者に削除申出への迅速な対応と運用の透明化を義務づけました。制度全体の概要は情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)とは?誹謗中傷被害者への実務的影響で解説しています。

総務大臣は、利用者数などの基準を満たすサービスの提供者を「大規模特定電気通信役務提供者」に指定します(同法20条)。基準は、月間平均の発信者数が1,000万人、または月間平均の延べ発信者数が200万人を超えることなどです。指定された事業者には、主に次の義務が課されます。

義務の内容条文
削除申出を受け付ける方法(オンラインで申出でき、受付日時が申出者に分かるもの)を定めて公表する22条
申出を受けたら、遅滞なく必要な調査を行う23条
権利侵害への対処に十分な知識経験を有する「侵害情報調査専門員」を選任する24条
申出から14日以内で総務省令が定める期間(7日)内に、判断の結果を申出者に通知する25条
削除等の基準を定めて公表する26条
削除等をしたときは、発信者にその旨と理由を通知する27条

削除申出の対象となるSNS・掲示板

総務省の公表によれば、大規模特定電気通信役務提供者として指定されているのは次の事業者・サービスです(2025年4月30日から5月30日にかけて指定)。

事業者指定されたサービス
Google LLCYouTube
LINEヤフー株式会社Yahoo!知恵袋、Yahoo!ファイナンス、LINEオープンチャット、LINE VOOM
Meta Platforms, Inc.Facebook、Instagram、Threads
TikTok Pte. Ltd.TikTok、TikTok Lite
X Corp.X
株式会社ドワンゴニコニコ
Pinterest Europe LimitedPinterest
株式会社サイバーエージェントAmebaブログ
湘南西武ホーム爆サイ.com

各社の削除申出窓口と削除基準は、総務省のウェブサイト(「インターネット上の違法・有害情報に対する対応」のページ)に一覧で掲載されています。指定は追加・変更されることがあるため、申出の前に最新の一覧を確認してください。

注意:Googleは、総務省の公表資料で確認できる範囲ではYouTubeについて指定されており、Googleマップの口コミは一覧に掲載されていません。また、5ちゃんねるなど指定を受けていない掲示板も多くあります。これらのサイトでは、情プラ法の7日以内の通知義務を前提にできないため、別の方法を組み合わせる必要があります。Googleマップの口コミについてはGoogleマップ口コミ・低評価の削除の特設ページもご覧ください。

サイトごとの具体的な削除・投稿者特定の方法は、当事務所の掲示板・SNS別の削除・投稿者特定のページでご案内しています。

削除申出の手順と書き方のポイント

削除申出は、各社が公表する専用の窓口(オンラインのフォーム)から行います。一般的な流れは次のとおりです。

  1. 証拠を保存する:申出の前に、投稿のURL、投稿者のアカウント名、投稿日時、投稿内容が分かる画面を記録します。申出をきっかけに投稿が消えることがあるため、先に保存しておくことが重要です。
  2. 窓口を確認する:通常の「報告」ボタンとは別に、権利侵害の申出用の窓口が設けられていることがあります。
  3. 申出フォームに入力する:対象の投稿を特定する情報と、権利侵害の内容を記載します。
  4. 受付日時を記録する:受付完了の画面や確認メールを保存しておくと、回答期限の起算点が明確になります。

申出の内容は、削除されるかどうかを左右します。特に次の点を意識してください。

  • 投稿を一つずつ特定する(URLを個別に記載し、「このアカウントの投稿すべて」のような書き方は避ける)
  • 侵害された権利を明示する(名誉権、名誉感情、プライバシー、肖像権など)
  • なぜ権利侵害にあたるのかを具体的に書く(例:「投稿にある〇〇という事実はなく、私の社会的評価を低下させる」)
  • 投稿が自分のことを指していると分かる事情(同定可能性)を説明する

回答期限は原則7日|通知の内容と例外

大規模特定電気通信役務提供者は、申出を受けた日から14日以内で総務省令が定める期間内に、削除などの措置を講じたかどうかを申出者に通知しなければなりません(情プラ法25条)。総務省令はこの期間を7日と定めています。削除しなかった場合には、その旨だけでなく理由も通知することとされています。

ただし、投稿者に意見を照会する場合や、専門的な検討が必要な場合など、一定の場合には7日を超えることがあり、その場合は事業者からその旨が通知されます。また、同じ内容の申出を繰り返した場合などには、通知が省略されることもあります。

なお、削除が行われると、事業者から投稿者に対し、削除した旨とその理由が通知されます(同法27条)。反発による再投稿に備え、証拠は手元に残しておきましょう。

削除されなかったとき・対象外のサイトでとれる手段

情プラ法が定めるのは、調査と通知の義務であり、申出どおりに削除する義務ではありません。削除されなかった場合や、指定を受けていないサイトの場合は、次の手段を検討します。

手段概要
再度の申出・追加資料の提出通知された理由を踏まえ、権利侵害の説明や資料を補って申し出る
送信防止措置依頼サイト運営者に書面等で削除を求める従来の方法。指定外のサイトでも利用できる(送信防止措置依頼書の書き方)
削除の仮処分裁判所に削除を命じる決定を求める手続。担保金が必要になる(投稿削除を仮処分で求める方法)
発信者情報開示請求投稿者を特定し、損害賠償請求や再発防止につなげる

削除だけでなく投稿者の特定や損害賠償まで視野に入れる場合は、ログ(通信記録)の保存期間との関係で、削除申出と並行して開示請求の準備を進めるべきこともあります。手続の全体像は、当事務所の発信者情報開示請求・削除請求のページで詳しくご案内しています。

どこに相談すればよいか迷う場合は、総務省の委託事業である「違法・有害情報相談センター」で、削除依頼の方法について助言を受けることもできます。

削除申出を弁護士に依頼するメリット

削除申出は本人でも行えますが、次のような場合は弁護士への相談をおすすめします。

  • 申出をしたが「規約違反は確認できない」などの理由で削除されなかった
  • 削除だけでなく、投稿者の特定や慰謝料の請求も考えている

弁護士は、法的な要件に沿って申出の理由を組み立て、削除されなかった場合の仮処分や開示請求へも切れ目なく移行できます。SNS上のなりすましや誹謗中傷については、SNSなりすまし・誹謗中傷への対応の特設ページでも当事務所の対応をご紹介しています。

よくある質問

情プラ法の削除申出は誰でもできますか?

申出ができるのは、投稿によって自分の権利を侵害されたとする人(被害者本人)です。代理人として弁護士が申し出ることもできます。第三者が他人に関する投稿の削除を求める場合は、通常の報告機能を利用することになります。

削除申出をすれば、必ず削除されますか?

必ず削除されるわけではありません。情プラ法が大規模プラットフォームに義務づけているのは、調査と、原則7日以内の判断結果の通知です。削除するかどうかは、各社が公表する基準と権利侵害の有無の判断によります。

7日を過ぎても回答がない場合はどうすればよいですか?

投稿者への照会などで期間を超える場合は、その旨が通知されることになっています。何の通知もない場合は、受付日時の記録を確認して窓口に問い合わせ、それでも対応が得られなければ仮処分などの法的手続を検討します。

Googleマップの口コミも情プラ法の削除申出で消せますか?

総務省の公表資料で確認できる範囲では、Googleの指定対象はYouTubeであり、Googleマップは含まれていません。Googleマップの口コミは、Googleの報告機能や法的削除の申立て、裁判所の手続などを使い分けて対応します。

まとめ

X、Instagram、YouTube、TikTok、爆サイ.comなどの大規模なSNS・掲示板には、情プラ法にもとづく削除申出の窓口が設けられ、事業者は原則7日以内に判断の結果を通知する義務を負っています。申出の前に証拠を保存し、投稿の特定と権利侵害の理由を具体的に示すことが、削除につなげるためのポイントです。

一方で、通知の義務は削除の義務ではなく、Googleマップや指定外の掲示板には同じ仕組みが及びません。削除されなかった場合や、投稿者の特定まで考えている場合は、早めに弁護士へご相談ください。横浜の当事務所でも、SNS・掲示板の誹謗中傷に関するご相談をお受けしています。

SNS・掲示板の投稿が削除されずお困りの方へ

タングラム法律事務所では、ネット上の誹謗中傷について、削除請求から発信者情報開示請求、損害賠償請求まで数多くの案件に対応してまいりました。削除申出で解決しなかった事案についても、次にとるべき手段をご提案します。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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