タングラム法律事務所

意見照会書を無視するとどうなるか|チケット転売で放置した場合

意見照会書を無視するとどうなるか|チケット転売で放置した場合

意見照会書を無視するとどうなるか|チケット転売で放置した場合

意見照会書を無視するとどうなるか|チケット転売で放置した場合

チケット転売について意見照会書が届いたものの、何を書けばよいのか分からないまま日が過ぎていく。「返事をしなければ、そのまま終わるのではないか」——この考えは、この手続に限っては当てはまりません。

この記事では、意見照会に回答しないまま期限が過ぎた場合に何が起きるのか、「同意しない」と回答した場合とどう違うのか、期限を過ぎてからでもできることがあるのかを、横浜の弁護士が整理します。

意見照会は「あなたの同意を取る手続」ではない

まず前提として、意見照会は発信者の言い分を聴くための手続です。開示するかどうかを決めるのは、照会を送ってきた通信事業者やサイト運営者であり、最終的には裁判所です。あなたの同意が開示の条件になっているわけではありません。

したがって、回答しなかった場合、「同意が得られなかった」という理由で手続が止まることはありません。止まるどころか、あなたの言い分がないまま判断されることになります。この点は、「同意しない」と回答した場合との違いを含めて、意見照会書に同意しないと回答すれば開示は止まるのかで詳しく扱っています。

放置した場合に起きること

段階 放置した場合 回答した場合
照会の期限 回答なしとして処理される 述べた事情が判断材料に入る
開示の判断 請求側の主張のみで判断される 争点があれば、それが考慮される
開示後 相手方は氏名・住所を得て請求してくる 同じ(ただし前提となる事実は整理されている)
示談交渉 こちらの事情を一から説明することになる 回答書の内容が出発点になる

放置しても、期限が過ぎた瞬間に不利な決定が自動的に下されるわけではありません。もっとも、争える事情があったのに、それが判断の場に出ないまま結論が出るという結果になります。定価以下での譲渡だった、単発だった、回線の契約者と出品者が違う——こうした事情は、述べなければ考慮されません。

「何も書かないほうが、後で不利な材料を作らずに済む」という考え方も、まったく的外れではありません。回答書の記載は撤回できず、後の交渉で相手方に引用されるためです。ただしそれは、述べるべき事情がない場合に限った話です。争える事情があるのに黙っていることは、その事情を放棄することと変わりません。

「開示されなければ何も起きない」ではない

放置を選ぶ方の多くは、「開示されなければ、そこで終わる」と考えています。しかし現在のチケット転売の状況では、開示が認められる方向で手続が動いています。

2026年3月18日の東京地方裁判所の判決は、転売出品が興行主の営業権を侵害すると判断したと公表されており、開示請求の入口が通ったことになります(判決の意味はこちら)。また、株式会社STARTO ENTERTAINMENTは開示請求を2024年の299件から2025年2月末までに4,342件へと拡大し、2026年3月13日付の公表では出品者に対して2,000万円を超える損害賠償請求訴訟を提起したとしています(経緯はこちら)。

つまり、放置は「開示されない」という結果を引き寄せる方法ではありません。開示された後に、より不利な位置から交渉を始めることになるだけです。

期限を過ぎてしまった場合にできること

1. まず照会元に連絡し、受付の可否を確認する

期限を過ぎていても、手続がまだ進行中であれば、回答を受け付けてもらえることがあります。書面に記載された照会番号を伝えたうえで、受付の可否を確認してください。

2. 開示後の交渉に備えて事実を整理する

回答の機会を逃した場合でも、開示後の交渉は残っています。出品の件数、価格、実際の入金額、公演の性質、誰がその回線を使っていたか。これらを手元で整理しておくことが、次の段階での材料になります。請求額の考え方もあわせてご覧ください。

3. 通知書が届いた段階での対応に切り替える

開示が済むと、興行主側から通知書や内容証明が届きます。この段階の進め方は内容証明が届いたときの対応手順にまとめています。金額に折り合いがつかず訴訟に至った場合はチケット転売で訴えられたらをご覧ください。

そもそも書面が本物か分からない場合

差出人がふだん目にしているブランド名と違うために、架空請求を疑って放置してしまう例があります。通信各社はブランドと法人名が一致しないことが多く、NTTドコモ・OCNソフトバンク・ワイモバイルau・UQモバイル楽天モバイル・格安SIMのように、それぞれの記事で対応関係を整理しています。見覚えのない社名だからという理由だけで放置しないでください。

この段階の取扱いは当事務所の意見照会対応のページ、弁護士に依頼した場合の取扱いの範囲と費用はチケット転売の発信者情報開示請求への対応のページにまとめています。

よくある質問

回答しなかったことで、態度が悪いと評価されますか。

無回答であること自体が制裁の対象になるわけではありません。ただし、開示後の交渉で「争う事情があるなら、なぜ照会の段階で述べなかったのか」と問われることはあります。

期限の翌日に気づきました。もう手遅れですか。

手続がまだ進行中であれば、受け付けてもらえる可能性があります。まず照会元に連絡して確認してください。あわせて、開示された後の対応も同時に検討しておくのが現実的です。

放置したら、どのくらいで次の書面が来ますか。

事案によって幅があり、一律の目安は申し上げられません。数か月単位で間が空くこともあれば、比較的早く通知書が届くこともあります。届いていない期間を「終わった」と受け取らないほうが安全です。

回答しないほうがよい場合はありますか。

述べるべき事情がなく、かつ書くことで不利な事実を認めてしまう懸念が大きい場合には、回答の内容を絞る、あるいは提出しないという判断があり得ます。ただしこれは、事案を検討したうえでの選択であって、迷った末の放置とは別のものです。

まとめ

  • 意見照会は同意を取る手続ではなく、無回答でも手続は進む
  • 放置すると、争える事情が判断の場に出ないまま結論が出る
  • 開示請求は件数が拡大しており、放置が「開示されない」結果を導くわけではない
  • 期限を過ぎていても、照会元に受付の可否を確認する価値はある
  • 差出人がブランド名と違う社名でも、架空請求と決めつけて放置しない

期限が過ぎている場合でも、できることが残っていることは少なくありません。書面に記載された日付をお知らせいただければ、対応の可否をその場で判断しやすくなります。横浜のタングラム法律事務所まで、オンラインで全国からご相談いただけます。

チケット転売を理由とする発信者情報開示請求について、対応の流れと弁護士費用はチケット転売の意見照会対応の詳細をご覧ください。

意見照会書を放置してしまった方へ

タングラム法律事務所(横浜・山下公園)は、チケット転売を理由とする発信者情報開示請求について、意見照会書への回答書の作成・内容確認から、開示後の損害賠償請求への対応・示談交渉まで取り扱っています。オンラインで全国からご相談いただけます。期限を過ぎている場合も、書面の日付をお知らせください。

法律相談の予約はこちら

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

発信者情報開示請求・削除請求について見る

意見照会書や損害賠償請求の通知が届いた方へのご案内

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。