au・UQモバイルから意見照会書が届いたら|チケット転売の対応
au・UQモバイルから意見照会書が届いたら|チケット転売の対応
KDDI株式会社から「発信者情報開示に係る意見照会書」が届いた。差出人はau、あるいはUQモバイルの契約先——チケットを転売サイトに出した心当たりがある方も、まったくない方も、まず何をすればよいのかが分からないまま期限だけが迫っていく、というのがこの書面の厄介なところです。
この記事では、KDDI名義で照会が来る回線の範囲、同じKDDIグループでも照会元が別会社になる場合、回答期限までに確認すべきこと、回答書で述べる意味のある事情を、横浜の弁護士が整理します。
なぜKDDIから書面が届くのか
チケット転売を理由とする発信者情報開示は、二段階で進みます。興行主はまず転売サイトに対して出品時のIPアドレス等の開示を求め、次に、そのIPアドレスを割り当てていた通信事業者に対して契約者の氏名・住所の開示を求めます。KDDIから書面が届いたということは、第1段階が既に終わっているということです。
制度そのものの流れはチケット転売の開示請求が情プラ法でどう進むのかで整理しています。キャリアごとの手続の違いはドコモ・au・ソフトバンクから意見照会書が届いたら|キャリア別の違いで比較しています。
「KDDI」名義で照会が来る回線と、そうでない回線
ここがau・UQの利用者にとって分かりにくいところです。同じKDDIグループでも、法人が違えば照会元も違います。
| ブランド・サービス | 照会元になり得る会社 | 備考 |
|---|---|---|
| au(携帯回線) | KDDI株式会社 | ― |
| UQ mobile | KDDI株式会社 | 2020年10月1日にUQ mobile事業のKDDIへの統合が完了 |
| povo | KDDI株式会社 | 同社のオンライン専用ブランド |
| auひかり | KDDI株式会社 | 固定回線 |
| BIGLOBE | ビッグローブ株式会社 | KDDIの子会社だが別法人。照会元も別になる |
つまり、auとUQモバイルは同じ会社から書面が来ますが、BIGLOBE回線から出品していた場合は別の会社から届きます。書面の差出人がどの会社かを最初に確認してください。宛先を取り違えて回答すると、期限内に届かないことになります。
UQモバイルの契約なのに差出人がKDDIである理由
UQ mobileは、もともとUQコミュニケーションズ株式会社が提供していたサービスですが、KDDIは2020年10月1日にUQ mobile事業の統合が完了したと公表しています。契約書やアプリの表記がUQのままであっても、通信事業者としての立場はKDDIにありますので、開示請求もKDDIに対して行われます。
回答期限までに確認する3点
1. 期限と整理番号
回答期限は2週間程度に設定されていることが多く、郵便の到達日から数えると検討できる日数はさらに短くなります。まず期限の日付と、書面の整理番号・照会番号を控えてください。期限内に方針が固まらない見込みであれば、延長の可否を照会元に確認するという方法もあります。
2. 対象となっている出品
書面には、対象となる出品の日時や公演名が記載されています。どの転売サイトへの出品かによってその後の進み方も変わりますので、チケット流通センターかチケジャムかを確認し、そのサイトの取引履歴と照らし合わせてください。
3. 誰がその回線を使っていたか
契約者と実際に出品した人が同じとは限りません。家族名義の回線から出品していた場合、書面は契約者に届きます。この点は回答の組み立てを大きく変えますので、家族名義の回線に意見照会書が届いた場合をご覧ください。
回答書で述べる意味のある事情
意見照会は、発信者の言い分を聴くための手続です。回答しなければ開示が止まるというものではありませんが、述べるべき事情があるのに何も述べなければ、その事情は判断の場に出ないまま結論が出ます。この類型で意味を持ちやすいのは、次の点です。
- 価格:手数料を含めて定価以下であったか
- 件数と期間:単発の譲渡か、継続的な出品か
- チケットの性質:本人確認や同行者登録が必要な公演のものであったか
- 発信者の同一性:回線の契約者と出品者が同じか
- 経緯:行けなくなって手放したものか、当初から転売目的か
記載すべき事項は意見照会書の回答書を自分で書く方法にまとめています。この段階の全体像は当事務所の意見照会対応のページで扱っています。
開示された後に起きること
開示が認められると、興行主側は氏名・住所を把握し、通知書や内容証明を送ってきます。請求の内容は、転売によって得た利益の返還、営業上の損害、調査費用など、事案によって異なります。請求額の考え方はチケット転売の損害賠償はいくらか、書面が届いた段階の対応は内容証明が届いたときの対応手順をご覧ください。
意見照会から示談交渉までを弁護士に依頼した場合の取扱いの範囲と費用は、チケット転売の発信者情報開示請求への対応のページにまとめています。
よくある質問
UQモバイルなのに、書面の差出人がKDDIになっています。間違いではありませんか。
間違いとは限りません。KDDIは2020年10月1日にUQ mobile事業の統合が完了したと公表しており、通信事業者としての立場はKDDIにあります。ブランド名が一致しないことを理由に書面を無視しないでください。
BIGLOBEから届いた場合も、auと同じ扱いですか。
ビッグローブ株式会社はKDDIの子会社ですが、別の法人です。回答の宛先も窓口も別になりますので、書面に記載された宛先に従ってください。法律上の枠組みは同じです。
povoは料金プランを解約していますが、それでも開示されますか。
照会の対象は、出品があった時点で当該IPアドレスを使用していた契約者の情報です。その後にプランを変更・解約していても、記録が保存されている限り開示の対象になり得ます。
公衆Wi-Fiから出品していた場合はどうなりますか。
接続の記録がどこまで残っているかによります。事業者側で発信者を特定できなければ開示に至らないこともありますが、アプリへのログイン情報など別の手がかりから特定が進むこともあります。「Wi-Fiだから大丈夫」と考えるのは早計です。
まとめ
- KDDIから書面が届いた段階は、転売サイトからの開示が既に済んでいる段階である
- au・UQ mobile・povo・auひかりはKDDI株式会社、BIGLOBEはビッグローブ株式会社と、照会元が分かれる
- UQ mobile事業のKDDIへの統合は2020年10月1日に完了したと公表されている
- 回答期限は2週間程度。整理番号と期限の日付を最初に控える
- 回答書の記載は撤回できず、開示後の交渉の前提になる
ご自身の出品がどの程度の問題になるのか、争える事情があるのかが分からない段階でも構いません。回答期限の日付をお知らせいただければ、対応の可否をその場で判断しやすくなります。横浜のタングラム法律事務所まで、オンラインで全国からご相談いただけます。
チケット転売を理由とする発信者情報開示請求について、対応の流れと弁護士費用はチケット転売の意見照会対応の詳細をご覧ください。
au・UQモバイルから意見照会書が届いた方へ
タングラム法律事務所(横浜・山下公園)は、チケット転売を理由とする発信者情報開示請求について、意見照会書への回答書の作成・内容確認から、開示後の損害賠償請求への対応・示談交渉まで取り扱っています。オンラインで全国からご相談いただけます。回答期限がある場合は、その日付をお知らせください。
法律相談の予約はこちら※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。