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不貞慰謝料の示談交渉が決裂したらどうなる?その後の流れを解説

不貞慰謝料の示談交渉が決裂したらどうなる?その後の流れを解説

不貞慰謝料の示談交渉が決裂したらどうなる?その後の流れを解説

不貞慰謝料の示談交渉が決裂したらどうなる?その後の流れを解説

不貞慰謝料の示談交渉が決裂したらどうなる?その後の流れを解説

不貞慰謝料を請求され、金額の話し合いを続けてきたものの折り合いがつかない。「これ以上は払えない」と伝えたところ、相手から「では裁判にします」と言われた——。この先何が起きるのか、裁判になったら今より高い金額を払わされるのではないかと不安を抱えている方は少なくありません。

この記事では、不貞慰謝料の示談交渉が決裂した後の展開、訴訟を提起された場合の流れ・費用・期間、判決と示談とで金額がどう変わり得るのか、そして決裂後に請求された側が気をつけるべき点を、横浜の弁護士の視点から整理します。決裂は「終わり」ではなく、次の選択肢を落ち着いて選ぶための分岐点です。

不貞慰謝料の示談交渉が決裂するのはどんなときか

示談は当事者双方の合意によって成立する契約です(民法695条)。どちらか一方が応じなければ成立せず、その状態が「決裂」と呼ばれます。不貞慰謝料の交渉では、①金額の隔たりが大きい、②不貞の事実そのもの(肉体関係の有無、既婚者と知っていたか)を争っている、③減額事由の評価が分かれる、④一括か分割か・求償権放棄や接触禁止条項の定め方で合意できない、といった理由で行き詰まることが多く見られます。

決裂の理由によって、その後に取るべき手は変わります。金額だけの問題であれば歩み寄りの余地は残っていますが、事実関係そのものを争っているのであれば、証拠で決着をつける場——すなわち訴訟——に進む可能性が高くなります。請求額が相場から離れていると感じる場合は、不貞慰謝料が高すぎると感じたときの相場との比較と減額交渉のポイントもご覧ください。

示談交渉が決裂した後に起こりうる3つの展開

交渉が決裂したからといって、自動的に裁判が始まるわけではありません。決裂後に考えられる展開は、大きく3つに整理できます。

1. 相手が訴訟を提起する

最も典型的な展開です。請求する側が、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条・710条)として裁判所に訴えを提起し、訴状が被告(請求された側)に送達されます。

2. 相手が調停を申し立てる

不倫相手に対する慰謝料請求は人事訴訟ではないため、調停を経なければ訴訟を起こせないという制約(調停前置)はありません。もっとも、調停委員を介して話し合いたいという理由から民事調停が選ばれることもあります。合意に至らなければ不成立となり、その後に訴訟へ移ります。

3. そのまま動きが止まる

訴訟には手数料や弁護士費用、立証の負担が伴います。証拠が十分でない、相手の資力が乏しいといった事情から、提訴を見送るケースも実際にあります。

ただし「動きが止まった=もう請求されない」ではありません。不貞慰謝料の消滅時効は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年です(民法724条)。その間は、いつ訴えを提起されてもおかしくない状態が続きます。

訴訟を提起された場合の流れ・費用・期間

実際に訴訟を提起された場合、手続はおおむね次のように進みます。

段階内容
訴状の送達訴状・証拠の写し・第1回口頭弁論期日の呼出状が特別送達で届く
答弁書の提出指定の期限までに、請求に対する認否と反論を記載した答弁書を提出する
第1回口頭弁論答弁書を出していれば、初回は出頭しなくても陳述したものとして扱われる運用が一般的
争点整理月1回程度のペースで期日を重ね、書面と証拠を出し合って争点を絞る
尋問事実関係が争われる場合、当事者本人などの尋問が行われることがある
和解の勧告裁判所は訴訟のどの段階でも和解を試みることができる(民事訴訟法89条1項)
判決和解に至らなければ判決。不服があれば控訴を検討する

どの裁判所に起こされるのか

請求額(訴額)が140万円を超える場合は地方裁判所、140万円以下なら簡易裁判所が担当します(裁判所法33条1項1号)。場所は原則として被告の住所地を管轄する裁判所ですが(民事訴訟法4条1項)、不法行為があった地を管轄する裁判所にも提起できます(同法5条9号)。

費用と期間の目安

訴えを提起する側は、訴額に応じた収入印紙を納めます(民事訴訟費用等に関する法律3条1項、別表第一)。裁判所が公表している手数料額早見表によれば、訴額100万円で1万円、200万円で1万5000円、300万円で2万円です。このほか郵便費用(予納郵券)がかかります。

審理期間は事案により大きく異なり、早期に和解が成立すれば数か月、事実関係を全面的に争って尋問まで行う場合は1年を超えることも珍しくありません。訴状が届いた後の対応手順は、不貞慰謝料の訴状が届いたときの対応手順と答弁書の書き方で解説しています。

訴訟になると慰謝料額はどう変わるのか

「裁判になったら今の提示額より高くなるのでは」という不安をよく伺いますが、実際は上下どちらにも動きます。裁判所は証拠に基づいて金額を判断するからです。

判決で金額が上振れしやすい要素

  • 遅延損害金——不法行為に基づく損害賠償は、不法行為の時から遅延損害金が発生すると解されています。法定利率は民法404条により3年ごとに見直されますが、法務省の告示によれば令和11年3月31日までは年3%で据え置かれています。
  • 弁護士費用相当額——最高裁昭和44年2月27日判決(民集23巻2号441頁)は、不法行為の被害者が訴訟追行を弁護士に委任した場合、相当と認められる範囲の弁護士費用は不法行為と相当因果関係に立つ損害にあたるとしました。

判決で金額が下振れしやすい要素

  • 証拠が不十分——立証責任は請求する側にあり、証拠が推測の域を出なければ請求が一部または全部認められないこともあります。
  • 婚姻関係がすでに破綻していた——不貞行為の時点で夫婦関係が破綻していたと認められる場合、慰謝料請求は認められにくくなります。
  • 既婚者と知らず、知らないことに過失もなかった——故意・過失が否定されれば不法行為は成立しません。
  • 配偶者からすでに支払いを受けている——不貞行為は共同不法行為(民法719条1項)と解され、損害は全体として一つですので既払分が考慮されます。

決裂して訴訟になることは、請求された側にとって必ずしも不利とは限りません。夜職やパパ活をきっかけとする慰謝料請求で「既婚者とは知らなかった」という事情がある方は、夜職・パパ活の不倫慰謝料請求への対応のページもご覧ください。

決裂後に請求された側が注意すべきこと

決裂した後の振る舞いが、後の交渉や訴訟での立場を左右します。次の4点には特に注意してください。

  • 訴状を放置しない——答弁書を提出せず口頭弁論期日にも出頭しないと、相手方の主張した事実を争わなかったものとみなされます(民事訴訟法159条3項)。請求どおりの判決が確定すれば、給与や預貯金の差押えにつながるおそれがあります。
  • 時効の完成を当てにしない——交渉の過程で支払いに応じるような言動があれば債務の承認(民法152条1項)として時効が更新されたと評価されることがあり、訴えが提起されれば時効の完成は猶予されます(民法147条1項)。
  • 直接のやり取りを再開しない——感情的な連絡に安易に返信すると、不用意な一言が不利な証拠として残ることがあります。
  • 資産を隠さない——支払えない事情があるならば、分割案として正面から提示するほうが解決に近づきます。

決裂後に再交渉するためにできること

決裂したからといって、話し合いの道が閉ざされたわけではありません。実務では、むしろ訴訟が始まってから金額が歩み寄り、訴訟上の和解で終わる事案が数多くあります。和解の進み方は不貞慰謝料の裁判で和解を勧められたときの流れとメリットで解説しています。再交渉に向けては、支払える金額の根拠(収入・生活費・債務の状況)を資料とともに整理し、減額を基礎づける事情を洗い出したうえで、分割の回数・金額と、譲れる条項・譲れない条項を決めておくことが有効です。具体的な対応方針は不貞慰謝料請求に関する取扱分野のページでもご案内しています。

よくある質問

示談交渉が決裂したら、必ず裁判になるのですか。

必ず裁判になるわけではありません。訴訟を起こすかどうかは請求する側の判断であり、費用・時間・立証の負担を考えて提訴を見送るケースもあります。もっとも、提訴されない保証はなく、交渉が止まったまま時間だけが経過することもあります。

訴訟になると慰謝料は交渉時より高くなりますか。

一概には言えません。裁判所は証拠に基づいて金額を判断するため、証拠が弱ければ交渉時の提示額より低くなることもあります。他方、判決では不法行為時からの遅延損害金(現行の法定利率は年3%)が加算され、事案によっては弁護士費用相当額が損害として認められることもあります。

交渉が決裂したまま放置するとどうなりますか。

訴訟を提起され、答弁書も出さず期日にも出頭しないと、相手の主張を争わなかったものとして扱われ(民事訴訟法159条3項)、請求どおりの判決が出るおそれがあります。判決が確定すれば給与や預貯金の差押えにつながることもあります。

まとめ

不貞慰謝料の示談交渉が決裂した後は、訴訟、調停、あるいは動きが止まったままという3つの展開が考えられます。訴訟になっても金額が必ず上がるわけではなく、証拠と法的な評価に応じて上下します。重要なのは、決裂を放置しないこと、訴状が届いたら期限内に答弁書を提出して反論の機会を確保することです。

決裂後も再交渉の余地は残っており、訴訟上の和解で決着する事案も多くあります。どの段階でどのような主張を組み立てるかによって最終的な負担額は大きく変わり得ますので、相手方に弁護士が付いている場合はなおさら、専門的な検討を経ずに応否を決めるのは避けたいところです。弁護士に依頼すれば連絡窓口が代理人に一本化され、日常生活への影響を抑えながら交渉や訴訟に臨むことができます。

不貞慰謝料の交渉が決裂し、今後の対応にお悩みの方へ

タングラム法律事務所では、不貞慰謝料を請求された方の交渉・訴訟対応について、横浜を拠点に数多くの事案を取り扱っております。交渉が行き詰まった段階からのご相談、訴状が届いた後のご相談にも対応いたします。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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