タングラム法律事務所

LINEで貸したお金が返ってこない|連絡が取れない相手への請求手順

LINEで貸したお金が返ってこない|連絡が取れない相手への請求手順

LINEで貸したお金が返ってこない|連絡が取れない相手への請求手順

LINEで貸したお金が返ってこない|連絡が取れない相手への請求手順

LINEで貸したお金が返ってこない|連絡が取れない相手への請求手順

執筆:弁護士 安藤 一章(タングラム法律事務所/神奈川県弁護士会所属) 公開日:2026年9月25日 最終更新日:2026年9月25日

LINEで知り合い、親しくなった相手に頼まれてお金を貸した。「来月には必ず返す」と言われていたのに、期限を過ぎると既読がつかなくなり、やがてブロックされた――。手元に残っているのはLINEのアカウントと振込の記録だけで、相手の本名や住所ははっきり分からない。そんな状況で困っている方は少なくありません。

この記事では、LINEでお金を貸した相手と連絡が取れなくなった場合に、まず残すべき証拠、相手の氏名・住所の調べ方、内容証明郵便・支払督促・少額訴訟による請求の手順、そして費用倒れと時効の注意点を、横浜の弁護士が解説します。

結論として、借用書がなくても、振込記録とLINEのやり取りから貸し借りを示せれば、返還を請求できる可能性があります。相手の連絡先がLINEしか分からない場合でも、弁護士会照会で氏名・住所を特定できる可能性がありますが、特定と請求には費用がかかるため、貸した金額と回収の見込みを比べて進め方を決めることが大切です。

まず確認すべき「貸した」ことの証拠

お金の貸し借りは、法律上は金銭消費貸借契約にあたり、借りた人は同じ額を返す義務を負います(民法587条)。借用書がなくても契約は成立しますが、相手が「もらったお金だ」「もう返した」と主張したときに備え、次のような証拠を保存しておくことが大切です。

  • 「貸してほしい」「必ず返す」「○日までに返す」といったLINEのやり取り
  • 銀行振込の記録、送金アプリの履歴、現金を渡した日時が分かる記録
  • 返済を催促したメッセージと、それに対する相手の返信
  • 相手のLINEのプロフィール画面(表示名・アイコン)

相手にブロックされても、自分の端末のトーク履歴は残ります。機種変更やアプリの再インストールで消えてしまわないよう、スクリーンショットやバックアップで保存してください。

連絡が取れない相手の氏名・住所を調べる

請求を法的に進めるには、相手の氏名と住所が必要です。相手の電話番号が分かっている場合は、弁護士会照会により携帯電話会社に契約者を照会できる可能性があります(電話番号から氏名・住所を調べる方法)。

LINEのアカウントしか分からない場合は、相手のプロフィール画面から通報したうえで、弁護士会照会によりLINEヤフー株式会社から登録電話番号の回答を受け、さらに携帯電話会社に照会するという2段階の手続になります。詳しくはLINEしか知らない相手を特定する方法をご覧ください。なお、1対1のLINEは発信者情報開示請求の対象にならない点にも注意が必要です(LINEは開示請求できない?1対1のトークと弁護士会照会の違い)。

貸したお金を請求する手順

手段特徴
内容証明郵便請求の意思と期限を明確に伝える。支払がなければ次の手続へ
支払督促書類審査だけで進む簡易な手続。相手が異議を出すと通常の訴訟に移る
少額訴訟60万円以下の金銭請求で利用でき、原則1回の審理で判決が出る(民事訴訟法368条1項)
通常訴訟金額の制限なし。相手が争う場合や高額の場合

いずれも相手の住所が分かっていることが前提です。ご自身で進める場合の具体的な方法は、内容証明郵便を自分で出す方法、少額訴訟を自分で起こす方法で解説しています。判決を得ても相手が支払わない場合は、給与や預金の差押えなどの強制執行を検討することになります。

費用倒れにならないかの検討

相手の特定から請求までには費用がかかります。当事務所の場合、LINEしか分からない相手方の特定には、着手金110,000円と実費相当負担金33,000円(いずれも税込)がかかり、特定できた場合には報酬金55,000円(税込)が加わります。その後の請求を依頼する場合は、別途その費用がかかります(特定の報酬金に相当する額は、本案の着手金に充当します)。

そのため、貸した金額が数万円程度であれば、費用が回収額を上回るおそれがあります。また、判決を得ても相手に財産がなければ回収できません。当事務所の弁護士費用の考え方は弁護士費用のページをご覧ください。ご依頼の前に、費用と回収の見込みを率直にご説明します。

時効に注意する

貸したお金の返還請求権は、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年で時効により消滅します(民法166条1項)。返済期限を決めていた場合は、原則としてその期限から時効が進みます。期限を決めていなかった場合は、相当の期間を定めて返済を催告することができます(民法591条1項)。

時効が近い場合は、内容証明郵便などで催告すると、その時から6か月間は時効の完成が猶予されます(民法150条1項)。また、相手がLINEで「必ず返す」と借金を認めるメッセージを送ってきた場合は、権利の承認として時効が更新される可能性があります(民法152条1項)。こうしたメッセージは消さずに保存してください。

最初から返すつもりがなかった可能性があるとき

知り合って間もない相手から、恋愛感情や同情につけ込む形で何度もお金を求められた場合、最初から返すつもりのない詐欺だった可能性もあります。いわゆるロマンス詐欺では、他人名義の携帯電話や海外の電話番号が使われていることが多く、相手方の特定や最終的な被害回復に至らない可能性が高いのが実情です。詐欺が疑われる場合は、まず警察に相談してください。

よくある質問

借用書がなくても、貸したお金を請求できますか?

請求できる可能性があります。お金を渡したことが分かる振込記録と、「貸して」「必ず返す」といったLINEのやり取りがあれば、貸し借りであったことを示す証拠になります。ただし、証拠が乏しいと、贈与だった、もう返したなどと争われることがあります。

相手の住所が分からなくても支払督促は使えますか?

支払督促は相手の住所に書類を送達する手続のため、住所が分からないと利用できません。まず相手の氏名・住所を特定する必要があります。

何年前に貸したお金まで請求できますか?

貸金の返還請求権は、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年で時効により消滅します(民法166条1項)。返済期限を決めていたかどうかで起算点が変わるため、早めに確認してください。

数万円の貸金でも弁護士に依頼する意味はありますか?

相手方の特定や訴訟には一定の費用がかかるため、少額の場合は費用が回収額を上回るおそれがあります。ご自身で内容証明郵便や少額訴訟を行う方法もあるため、弁護士に依頼するかどうかは、費用と回収の見込みを比べて判断してください。

まとめ

LINEで知り合った相手に貸したお金は、借用書がなくても、振込記録とLINEのやり取りから貸し借りを示せれば、返還を請求できる可能性があります。相手の連絡先がLINEしか分からない場合でも、弁護士会照会により氏名・住所を特定できる可能性がありますが、特定と請求には費用がかかり、時効にも注意が必要です。

横浜のタングラム法律事務所では、相手方の特定から、内容証明郵便・訴訟による請求まで対応しています。費用倒れにならないかも含めて検討しますので、証拠を保存したうえでご相談ください。相手方の特定の手続と費用は、LINEしか知らない相手の特定(弁護士会照会)の詳細はこちらをご覧ください。

貸したお金を返してもらえずお困りの方へ

タングラム法律事務所では、LINEや電話番号しか分からない相手方の特定(弁護士会照会)から、内容証明・訴訟による請求まで対応しております。費用倒れにならないかも含めてご説明いたします。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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