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訴状が届いたら|会社が自分で答弁書を書く方法を弁護士が解説

訴状が届いたら|会社が自分で答弁書を書く方法を弁護士が解説

訴状が届いたら|会社が自分で答弁書を書く方法を弁護士が解説

訴状が届いたら|会社が自分で答弁書を書く方法を弁護士が解説

訴状が届いたら|会社が自分で答弁書を書く方法を弁護士が解説

執筆:弁護士 安藤 一章(タングラム法律事務所/神奈川県弁護士会所属) 公開日:2026年10月8日 最終更新日:2026年10月8日

ある日、裁判所から「特別送達」と書かれた封筒が会社に届いた――。法務担当者のいない中小企業や個人経営の店舗では、何から手を付ければよいのか戸惑う方も少なくありません。

この記事では、会社に訴状が届いたときに最初に確認すべきこと、放置した場合のリスク、地方裁判所と簡易裁判所で誰が対応できるか、そして会社が自分で答弁書を書く場合の書き方と注意点を、横浜の弁護士が解説します。

結論として、訴状が届いたら、まず同封の書面で第1回口頭弁論期日と答弁書の提出期限を確認し、期限までに必ず答弁書を提出することが重要です。答弁書を出さずに期日を欠席すると、原告の主張を認めたものとみなされ、請求どおりの判決が出るおそれがあります。会社が自分で対応することも可能ですが、地方裁判所では原則として代表者本人か弁護士しか訴訟行為ができない点に注意が必要です。

訴状が届いたら最初に確認すべき4つのこと

封筒には、訴状の副本のほか、期日の呼出状、答弁書の提出を求める書面、証拠の写し(甲号証)などが同封されています。まずは次の点を確認してください。

確認事項見るべきポイント
裁判所名・事件番号地方裁判所か簡易裁判所か。「少コ」は少額訴訟を示します
第1回口頭弁論期日日時と法廷(被告の都合を聞かずに指定されるのが通常)
答弁書の提出期限同封の書面に記載された期限。期日の1週間ほど前に設定されることが多いです
原告と請求の内容誰が、いくらを、どのような理由で請求しているか(請求の趣旨・請求の原因)
裁判所を装った架空請求の事例もあります。裁判所は、不審な点があれば記載の電話番号をそのまま使わず、電話帳等で調べた番号で裁判所に直接問い合わせるよう呼びかけています。一方で、本物の訴状を「身に覚えがない」と放置すると判決が出てしまうため、確認は必ず行ってください。

答弁書を出さずに放置するとどうなる?

当事者が口頭弁論期日に出頭しない場合、相手方の主張した事実を自白したものとみなされます(民事訴訟法159条3項・1項)。つまり、答弁書も出さずに第1回期日を欠席すると、原告の言い分がそのまま認められ、請求どおりの判決(いわゆる欠席判決)が言い渡される可能性があります。

判決が確定すれば、原告は会社の預金や売掛金を差し押さえる強制執行に進むことができ、取引関係にも影響しかねません。

なお、第1回期日に欠席しても、答弁書を提出していれば、その内容を陳述したものとみなしてもらえます(民事訴訟法158条)。準備が間に合わない場合は、請求の棄却を求める簡潔な答弁書を出し、詳しい反論は次回以降に行う対応も実務上よく見られます。

会社が訴えられたとき誰が対応できる?地裁と簡裁の違い

会社が被告になった場合、訴訟は会社の代表者(代表取締役など)が会社を代表して行います(民事訴訟法37条)。総務担当者や経理担当者などの従業員に任せられるかどうかは、裁判所によって異なります。

裁判所対応できる人
地方裁判所(訴額140万円超が中心)代表者本人、弁護士。弁護士でない従業員は原則として訴訟代理人になれません(民事訴訟法54条1項本文)。支配人(会社法11条1項)は例外ですが、訴訟のためだけの形式的な選任は認められないと解されています
簡易裁判所(訴額140万円以下)代表者本人、弁護士・認定司法書士のほか、裁判所の許可を得た従業員(民事訴訟法54条1項ただし書)

地方裁判所の事件で代表者が毎回出廷するのは負担が大きいため、弁護士への依頼を早めに検討することをおすすめします。

答弁書の書き方|会社が自分で作る場合の記載事項

答弁書には、請求の趣旨に対する答弁のほか、訴状に記載された事実に対する認否や被告の主張(抗弁事実)を具体的に記載することが求められています(民事訴訟規則80条)。裁判所のウェブサイトの書式・記載例も参考になります。主な記載事項は次のとおりです。

  • 表題・事件の表示:事件番号・事件名、当事者名(会社名と代表者名)、提出日、提出先の裁判所
  • 請求の趣旨に対する答弁:争う場合は「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。との判決を求める。」と記載するのが一般的です
  • 請求の原因に対する認否:訴状の記載を段落ごとに「認める」「否認する」「知らない(不知)」「争う」で答えます
  • 被告の主張:支払済み、相殺、消滅時効など会社側の言い分を具体的に記載します
  • 証拠:契約書・メール等を「乙第1号証」などと番号を付けて提出します

認否で注意したいのは、争うことを明らかにしない事実は自白したものとみなされる点です(民事訴訟法159条1項)。「知らない」と答えた事実は争ったものと推定されますが(同条2項)、会社が当然知っているはずの事実まで「不知」とすると、裁判所の心証を損なうおそれがあります。訴状を作成する側の視点は、訴状の書き方と自分で売掛金訴訟を起こす手順の記事も参考になります。

また、送達を受ける場所は裁判所に届け出る必要があります(民事訴訟法104条1項)。

少額訴訟・簡易裁判所の事件で知っておきたいポイント

60万円以下の金銭請求の少額訴訟は、原則として1回の期日で審理を終えるため、証拠は第1回期日までにすべて準備しておく必要があります。少額訴訟の仕組みは少額訴訟を自分で起こす方法の記事で解説しています。

被告は、最初の期日で弁論をする前であれば、通常の訴訟手続への移行を求めることができます(民事訴訟法373条1項・2項)。

また、請求額に争いはないものの一括では払えない場合、簡易裁判所の金銭請求事件では、裁判所が分割払いなどを定める「和解に代わる決定」をすることがあります(民事訴訟法275条の2)。答弁書に支払可能な月額と開始時期を書いておくとよいでしょう。

2026年5月施行の民事訴訟デジタル化で変わったこと

改正民事訴訟法が2026年5月21日に施行され、民事訴訟手続は全面的にデジタル化されました。裁判所の案内によれば、誰でも裁判所のシステムで答弁書等をオンライン提出でき(弁護士等の訴訟代理人は義務)、届出をすれば判決書などをオンラインで受け取ることもできます。

オンラインでの訴え提起や送達は施行後に提起された事件が対象です。代表者が自分で対応する場合、オンライン提出は義務ではないため、不安があれば書記官に提出方法を確認しましょう。裁判所が相当と認めるときは、ウェブ会議で期日に参加できる場合もあります(民事訴訟法87条の2)。

自分で対応する場合の限界と弁護士に依頼するメリット

答弁書は書式を使えば自分で作成することも可能です。ただし、訴訟の勝敗は「どの事実を主張し、どの証拠で立証するか」で大きく左右されます。消滅時効の援用や相殺など、主張しなければ考慮されない反論を見落とすと、本来支払う必要のない金額まで認められるおそれがあります。

元従業員からの残業代請求や解雇をめぐる訴訟などは、専門的な判断が必要な場面が多くあります。労働トラブルで労働審判を申し立てられた場合の対応は、労働審判を申し立てられた会社側の対応の記事をご覧ください。

弁護士に依頼すれば、答弁書・準備書面の作成から期日への出頭、和解交渉まで任せられるため、代表者は本業に専念できます。当事務所の企業法務への対応については、横浜の弁護士による企業法務サポートのページもご覧ください。

よくある質問

Q. 答弁書の提出期限に間に合わない場合はどうすればよいですか?

まずは担当書記官に連絡して事情を伝えてください。期日に欠席し答弁書も提出していないと、原告の主張を認めたものとみなされるおそれがあります(民事訴訟法159条3項)。少なくとも「請求の棄却を求める。詳細は追って主張する」という簡潔な答弁書を期日前に提出しておくことが考えられます。

Q. 従業員の総務担当者に裁判所へ行ってもらうことはできますか?

地方裁判所では、弁護士でない者は原則として訴訟代理人になれないため(民事訴訟法54条1項本文)、代表者本人が対応するか弁護士に依頼する必要があります。簡易裁判所では、裁判所の許可を得れば従業員を訴訟代理人とすることができます(同項ただし書)。

Q. 請求額に争いはないが一括で払えない場合はどうすればよいですか?

答弁書で分割払いによる和解を希望する旨と、支払可能な月額・開始時期を具体的に記載する方法があります。簡易裁判所の金銭請求事件では、被告が原告の主張を争わない場合に、裁判所が分割払い等を定める「和解に代わる決定」をすることがあります(民事訴訟法275条の2)。

まとめ

会社に訴状が届いたら、まず期日と答弁書の提出期限を確認しましょう。答弁書を出さずに欠席すると、請求どおりの判決が出るおそれがあります。地方裁判所では原則として代表者本人か弁護士しか対応できず、簡易裁判所では許可を得て従業員が対応できるなど、裁判所による違いもあります。

答弁書は自分で作成することもできますが、反論の見落としは結果に大きく影響します。提出期限までの時間は限られているため、早めに弁護士へ相談し、自社で対応するか依頼するかを判断することが大切です。

会社に訴状が届いたら、提出期限前にご相談ください

タングラム法律事務所では、企業法務(契約書レビュー・労務・法改正対応等)について、中小企業・個人経営の事業者向けに豊富な実績を有しております。訴状の内容の確認から答弁書の作成、期日への出頭まで、横浜の弁護士が対応いたします。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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