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不貞慰謝料の陳述書を自分で書く方法|本人訴訟の書き方と注意点

不貞慰謝料の陳述書を自分で書く方法|本人訴訟の書き方と注意点

不貞慰謝料の陳述書を自分で書く方法|本人訴訟の書き方と注意点

不貞慰謝料の陳述書を自分で書く方法|本人訴訟の書き方と注意点

不貞慰謝料の陳述書を自分で書く方法|本人訴訟の書き方と注意点

執筆:弁護士 安藤 一章(タングラム法律事務所/神奈川県弁護士会所属) 公開日:2026年11月4日 最終更新日:2026年11月4日

不貞慰謝料の裁判を弁護士に頼まずに進めていると、審理の終盤で裁判官から「次回までに陳述書を出してください」と言われることがあります。どこまで書けばよいのか、書いたことが不利にならないかと悩まれるのは自然なことです。

この記事では、原告・被告のどちらかとして本人で訴訟を進めている方に向けて、陳述書の役割と準備書面との違い、立場別の構成、書き方の注意点、提出の方法を、条文と裁判所の公表情報に沿って整理します。

結論として、陳述書は「自分が体験した事実を、時系列で、具体的に書いた証拠」です。気持ちの訴えより事実を中心に書き、覚えていないことは断定せず、手元の証拠と矛盾しないように確認することが要点です。法的な主張は準備書面で行い、陳述書は甲号証・乙号証として提出します。

陳述書とは|不貞慰謝料の裁判での役割

陳述書は、当事者本人や関係者が、体験した事実を文章にまとめて署名などをした書面です。民事訴訟法に陳述書という手続が定められているわけではなく、書証として提出する実務上の運用です。書証の申出は文書を提出して行い(民事訴訟法219条)、裁判所は証拠調べの結果と口頭弁論の全趣旨をしん酌して、自由な心証で事実を判断します(同法247条)。

実務では、尋問の前に話す内容の全体像を示し、尋問を争点に集中させる役割があります。尋問が行われない場合にも、経緯を伝える資料になります。本人尋問そのものの流れは不貞慰謝料の裁判の本人尋問の流れと準備で解説しています。

準備書面との違い|主張は陳述書では足りない

本人訴訟で最も混同しやすいのが、準備書面と陳述書の違いです。

項目準備書面陳述書
性質主張を述べる書面事実を示す証拠(書証)
主な内容請求や反論の理由、相手方の主張への認否自分が見聞き・体験した事実の経過
番号第1準備書面など甲号証(原告)・乙号証(被告)

注意したいのは、陳述書に書いたことで、準備書面での認否や反論を省略できるわけではない点です。相手方の主張を争うことを明らかにしないと、弁論の全趣旨から争ったと認められる場合を除き、自白したものとみなされます(民事訴訟法159条1項)。争う事実は準備書面で否認と理由を示したうえで、その裏付けとして陳述書を出すという順序で考えてください。

陳述書の書式と構成|立場別に書く項目

裁判所の民事訴訟の書式集には、訴状や答弁書の書式はありますが、陳述書の書式は掲載されていません。決まった様式はなく、A4の用紙に次の要素を記載するのが一般的です。

  • 表題(陳述書)と提出先の裁判所
  • 作成日、住所、氏名(署名または記名押印)
  • 本文(番号付きの見出しで、時系列に整理)

私文書は本人の署名または押印があるときは、真正に成立したものと推定されます(民事訴訟法228条4項)。本文の項目は、立場によって次のように整理すると書きやすくなります。

立場本文の主な項目
請求する側(原告)①婚姻から発覚前までの夫婦の生活、②不貞を疑った経緯・知った時期、③相手方や配偶者とのやり取り、④発覚後の生活や心身の変化
請求された側(被告)①相手と知り合った経緯、②関係の実際の内容と頻度、③既婚と知った時期・知った事情、④請求を受けた後のやり取り

書き出しの例は次のとおりです(架空の例です)。

「私は、令和○年○月に夫と婚姻し、その後、横浜市内で同居してきました。令和○年○月ごろ、夫の帰宅が週に2回ほど遅くなり、休日の外出も増えました。同年○月○日、夫の説明と異なる宿泊施設の領収書を見つけたことで、不貞を疑うようになりました(甲3)。」

関連する証拠の番号を括弧書きで添えると、裁判官が事実と証拠を結び付けて読めます。証拠番号の付け方は不貞慰謝料の裁判で証拠を自分で提出する方法をご覧ください。

陳述書の書き方で押さえたい5つのポイント

①感情より事実を書く

「絶対に許せない」と繰り返すより、「発覚後の3か月で通院を始めた」「夜に眠れず仕事を休んだ日があった」のように、苦痛が表れた事実を書くほうが伝わります。

②記憶と推測を分ける

覚えていない日付は「○月の中旬ごろ」「長男の誕生日の前後」と表現し、見ていないことを見たように書かないでください。「夫から聞いた」のように、情報源も明らかにします。

③証拠と照らし合わせる

LINEの履歴、領収書、カレンダーなどを見ながら書きます。提出済みの証拠と日付や順序が食い違うと、他の部分まで疑われるおそれがあります。

④不利な事実も無視しない

相手方が証拠を出している事実を書かないでいると、尋問で指摘されたときに説明が難しくなります。別居の時期や夫婦げんかの経緯など、避けられない事実は、自分の言葉で事情を説明しておくほうが適切な場合があります。

⑤相手への非難や不要な私生活の暴露を避ける

人格攻撃は説得力を高めません。性的な場面の詳細も、争点の判断に必要な範囲を超えて書く必要は通常ありません。訴訟上の書面でも、許される範囲を超えた記述は、別途、名誉毀損などの問題を生じる可能性があります。また、紙で提出された訴訟記録は誰でも閲覧を請求できるのが原則であるため(民事訴訟法91条1項)、子どもや第三者の情報も必要最小限にとどめてください。

否認している場合・既婚と知らなかった場合の注意点

被告として不貞そのものを否認している場合でも、否認するだけの短い陳述書では、裁判官に事情が伝わりにくい面があります。「どこで会い、何をしたのか」「なぜ肉体関係はなかったといえるのか」を具体的に述べ、宿泊などの間接事実には、自分の説明を示すことが重要です。

「既婚者と知らなかった」と主張する場合は、知り合った場面、相手が話していた内容、自宅や休日の過ごし方など、そう信じた事情を具体的に書きます。不貞慰謝料の検討で、どちらが関係を主導したかが問題となることもありますので、その経緯も事実として整理してください。夜職やパパ活の場面で請求を受けている方は、夜職・パパ活の不倫慰謝料請求への対応もご参照ください。

なお、宣誓した当事者が尋問で虚偽の陳述をしたときは、10万円以下の過料の対象となります(民事訴訟法209条1項)。陳述書に書いた内容は、尋問で確認される前提で作成してください。

陳述書の提出時期と提出方法

提出期限は裁判所が指定するのが通常で、遅れそうなときは早めに担当書記官へ連絡してください。時機に後れた提出は却下されることもあります(民事訴訟法157条1項)。

陳述書は書証ですので、ほかの証拠と同様に番号を付け、証拠説明書とあわせて提出します(民事訴訟規則137条)。紙で提出する場合、通数や相手方への直送の方法は担当書記官に確認してください。

2026年5月21日に全面施行された民事訴訟手続のデジタル化により、オンライン提出システム(mints)が利用できるようになりました。オンライン提出が義務づけられているのは委任を受けた訴訟代理人などで(民事訴訟法132条の11第1項)、本人で訴訟を進める場合は、紙で提出することも可能と案内されています。

本人で書く場合の限界と弁護士に依頼する違い

陳述書は自分で書くことができますが、どの事実が争点の判断に影響するかを見極めるのは簡単ではありません。特に相手方に弁護士がついている事件では、陳述書の細部が反対尋問の出発点になることがあります。

弁護士に依頼した場合は、聞き取りをもとに争点に沿った陳述書を作成し、証拠との整合性や想定される質問まで検討できます。訴訟の途中からの依頼も可能です。当事務所の対応内容は不貞慰謝料請求・減額交渉の取扱分野ページでご案内しています。

よくある質問

陳述書は必ず提出しなければなりませんか?

法律上、陳述書の提出を義務づける規定があるわけではありません。ただ、本人尋問を行う事件では、裁判所から尋問前の提出を求められることが多くあります。指示があったときは提出期限を担当書記官に確認し、提出が難しい場合は早めに相談してください。

陳述書に書いたことと尋問での答えが違ってしまったらどうなりますか?

食い違いがあると、説明全体の信用性を疑われるおそれがあります。提出後に誤りに気づいたときは、訂正の陳述書を出すことや、尋問で訂正して理由を説明することが考えられます。気づいた時点で、担当書記官に手続を確認してください。

配偶者や友人に陳述書を書いてもらうことはできますか?

第三者が作成した陳述書も、書証として提出できます。ただし、尋問を経ていない書面は、内容を相手方から確かめられていないため、争いがある事実では評価が限られることがあります。重要な事実については、その人の証人尋問が必要になることもあります。

まとめ

  • 陳述書は、体験した事実をまとめて書証として提出する書面で、主張を述べる準備書面の代わりにはならない
  • 原告は発覚前後の生活と苦痛の表れ、被告は関係の実際と認識の経過を中心に、時系列で書く
  • 感情より事実を書き、記憶と推測を分け、提出済みの証拠と照らし合わせる
  • 期限は裁判所の指示に従い、番号を付け証拠説明書とともに提出する。本人は紙での提出も可能と案内されている

書き上げた内容で争点に対応できているか不安なときは、尋問の前に弁護士へご相談ください。横浜のタングラム法律事務所でも、ご本人で進めている訴訟の途中からのご相談を承っています。

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タングラム法律事務所では、不貞慰謝料の請求・減額交渉について、請求する側・請求された側の双方から多数のご相談をお受けしています。ご本人で進めている訴訟の途中からでも、横浜の弁護士が争点の整理と今後の見通しを検討いたします。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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