タングラム法律事務所

X(旧Twitter)の誹謗中傷で投稿者を特定する方法を弁護士が解説

X(旧Twitter)の誹謗中傷で投稿者を特定する方法を弁護士が解説

X(旧Twitter)の誹謗中傷で投稿者を特定する方法を弁護士が解説

X(旧Twitter)の誹謗中傷で投稿者を特定する方法を弁護士が解説

X(旧Twitter)の誹謗中傷で投稿者を特定する方法を弁護士が解説

X(旧Twitter)で自分や自社に対する誹謗中傷が投稿され、「この投稿をした相手が誰なのか特定したい」「損害賠償や謝罪を求めたい」とお考えではないでしょうか。匿名アカウントからの一方的な中傷は精神的な負担が大きく、放置すれば拡散して被害が広がることもあります。しかし相手が匿名であっても、法律上の手続を踏めば投稿者を特定できる可能性があります。

この記事では、Xで誹謗中傷を受けた被害者の方に向けて、投稿者を特定するための「発信者情報開示」の仕組みと流れを、横浜の弁護士がわかりやすく解説します。Xは他のサービスと異なる特殊なログ保有状況があるため、その点を踏まえた特定の考え方や、開示される情報の範囲、費用・期間の目安、特定できないケースまで具体的に説明します。

Xの投稿者特定はなぜ難しい?「投稿時IPを保有しない」という事情

インターネット上の投稿者を特定する基本的な仕組みは、投稿された際に記録される「IPアドレス」を手がかりに、そのIPアドレスを割り当てていた通信事業者(経由プロバイダ)を経由して、契約者である投稿者にたどり着くというものです。

ところがXの場合、ツイート(ポスト)を投稿した時点のIPアドレスを保有していないことが多いとされています。Xが保有しているのは、主にアカウントにログインした際のIPアドレスやタイムスタンプ、アカウント登録時の情報、そして認証のために登録された電話番号やメールアドレスです。つまり「その投稿がどの回線から行われたか」を直接示すログが残っていないため、ログイン時の記録などから間接的に投稿者を突き止めていく必要があります。

このような、ログインした状態で投稿するタイプのサービスを「ログイン型サービス」と呼びます。X・Instagram・TikTokなどが代表例です。ログイン型サービスの特定については、ログイン型SNSの投稿者を特定する「特定発信者情報」開示請求とは?の記事でも詳しく解説しています。

情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)とは

投稿者の特定は、「情報流通プラットフォーム対処法」(情プラ法)という法律に基づいて行います。この法律は、従来の「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(いわゆるプロバイダ責任制限法)が改正され、名称が変更されたもので、2024年5月17日に公布され、2025年4月1日に施行されました。

情プラ法では、被害者が発信者情報の開示を求める権利が第5条に定められています。ログイン型サービスに関しては、投稿そのものの通信ではなく、アカウントへのログインなど「侵害関連通信」に係る情報(特定発信者情報)についても、一定の要件のもとで開示を求められる仕組み(第5条第1項第3号)が整えられています。X社は、2025年4月に情プラ法上の大規模プラットフォーム事業者として総務省から指定された事業者の一つでもあります。

ポイント:2022年10月1日には、発信者情報の開示について新しい裁判手続である「非訟手続」が創設されています。これにより、後述する「発信者情報開示命令」「提供命令」「消去禁止命令」を一体的に扱えるようになり、手続の迅速化が図られました。この枠組みは情プラ法にも引き継がれています。

Xで投稿者を特定する2段階の流れ

Xの投稿者特定は、大きく次の2つの段階に分かれます。X社から得られる情報(ログイン時のIPアドレスや電話番号など)を出発点として、そこから投稿者本人にたどり着くという流れです。

段階相手方求める情報
第1段階X Corp.(コンテンツプロバイダ)ログイン時のIPアドレス・タイムスタンプ、登録された電話番号・メールアドレス等
第2段階経由プロバイダ(携帯電話会社・回線事業者)/電話番号からの契約者照会IPアドレスや電話番号に対応する契約者の氏名・住所

第1段階では、X Corp.を相手方として、裁判所に発信者情報開示命令(情プラ法第8条)を申し立てます。同時に、投稿者を最終的に特定するために必要な経由プロバイダの情報を得るための提供命令(第15条)や、ログが消えてしまうのを防ぐための消去禁止命令(第16条)を組み合わせて申し立てるのが一般的です。

第2段階では、開示されたIPアドレスをもとに経由プロバイダに対して契約者情報の開示を求めます。またXから電話番号やメールアドレスが開示された場合には、弁護士会照会などの方法で携帯電話会社に照会し、契約者を特定できることがあります。どのルートで特定を目指すかは、Xから何が開示されたかによって変わってきます。

Xから開示される情報の範囲

Xに対する発信者情報開示で、実際にどのような情報が得られるのかを整理すると、次のとおりです。ただし、どの情報が保有・開示されるかは個々のアカウントの利用状況によって異なります。

情報の種類特定への使われ方
ログイン時のIPアドレス・タイムスタンプ経由プロバイダを割り出し、契約者を特定する手がかりとする
登録電話番号(SMS認証等)携帯電話会社への照会により契約者を特定できる場合がある
登録メールアドレス他の情報と組み合わせて投稿者を推認する補助資料となる
アカウント登録時のIPアドレスログイン時情報が乏しい場合の補完的な手がかりとなる

開示される情報が「氏名・住所そのもの」ではなく、IPアドレスや電話番号といった中間的な情報である点に注意が必要です。そこから最終的に投稿者本人へたどり着くまでには、さらに手続を重ねる必要があります。発信者情報開示で最終的にどこまでわかるのかについては、発信者情報開示でどこまでわかる?開示される情報の範囲もあわせてご覧ください。

特定できないケースと注意点

手続を尽くしても、必ず投稿者を特定できるとは限りません。特定が難しくなる主なケースには、次のようなものがあります。

  • ログの保存期間が過ぎてしまった場合……経由プロバイダのログ保存期間には限りがあり、時間が経つと特定に必要な記録が消えてしまいます。
  • 投稿内容が権利侵害とまではいえない場合……単なる批判や論評にとどまり、名誉毀損や侮辱などの権利侵害が明らかとはいえない場合、開示が認められないことがあります。
  • 公衆Wi-Fiや海外の回線などが使われている場合……契約者と実際の投稿者が一致しない、あるいは追跡が困難になることがあります。

特に重要なのが「時間との勝負」である点です。Xへの開示と経由プロバイダへの開示という2段階を踏む間にログが消えると、そこで特定が途切れてしまいます。まずは投稿画面のスクリーンショットとURL、投稿日時を保存し、早めに弁護士へ相談することが、特定の成功率を高めるうえで大切です。手続全体にどれくらいかかるかは、発信者情報開示で投稿者特定までどれくらいかかる?期間の目安で解説しています。

XをはじめとするSNSでのなりすまし・誹謗中傷への対応については、当事務所の特設ページ「SNSなりすまし・誹謗中傷への対応」でも、削除請求と発信者情報開示の両面からご案内しています。

よくある質問(FAQ)

Xのアカウント名しかわからなくても投稿者を特定できますか?

アカウント名(@ユーザー名)と投稿の内容・URLがわかれば手続を進めることは可能です。X社は投稿時のIPアドレスを保有していないことが多いため、アカウントにログインした際のIPアドレスや、登録された電話番号・メールアドレスの開示を求め、そこから経由プロバイダや携帯電話会社をたどって投稿者を特定していく流れになります。

非公開(鍵アカウント)やDMでの誹謗中傷でも特定できますか?

非公開アカウントやダイレクトメッセージでの投稿でも、権利侵害が認められれば発信者情報開示の対象となり得ます。ただし1対1のやり取りの場合は名誉毀損の要件である「公然性」が問題になることがあり、事案に応じた検討が必要です。証拠として投稿画面やURL、日時を保存しておくことが重要です。

すでに投稿が削除されてしまいました。特定はもう無理ですか?

投稿が削除されても、投稿画面のスクリーンショットやURLなどの証拠が残っていれば手続を進められる場合があります。ただしプロバイダのログ保存期間には限りがあり、時間の経過とともに特定が困難になるため、できるだけ早く動くことが大切です。

投稿者の特定までにどれくらいの時間がかかりますか?

X社への開示と経由プロバイダへの開示という2段階を経るため、事案にもよりますが、開始からおおむね数か月から半年程度かかることが一般的です。ログ保存期間との関係で早期の着手が望まれます。

まとめ

Xは投稿時のIPアドレスを保有していないことが多いという特殊な事情がありますが、ログイン時のIPアドレスや登録電話番号などを手がかりに、情プラ法に基づく発信者情報開示命令・提供命令・消去禁止命令を組み合わせることで、投稿者の特定を目指すことができます。特定は「X社からの開示」と「経由プロバイダ等からの開示」という2段階で進むため手続が複雑で、ログ保存期間の関係から時間との勝負にもなります。

投稿者の特定は法的な要件の検討と裁判手続を伴うため、被害者ご自身だけで進めるのは容易ではありません。弁護士に依頼すれば、証拠の整理から複数の手続の同時進行までを一貫して進められ、ログが消える前に必要な手を打てる可能性が高まります。Xでの誹謗中傷にお悩みの方は、証拠を保存したうえで、早めに弁護士へご相談ください。

X(旧Twitter)での誹謗中傷・投稿者特定でお悩みではありませんか?

タングラム法律事務所では、ネット誹謗中傷に関する発信者情報開示請求・削除請求・損害賠償請求について、豊富な実績を有しております。横浜・新横浜を拠点に、XをはじめとするSNSでの被害について、投稿者特定から損害賠償までを見据えて対応いたします。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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