タングラム法律事務所

TikTokの誹謗中傷で投稿者を特定する方法を弁護士が解説

TikTokの誹謗中傷で投稿者を特定する方法を弁護士が解説

TikTokの誹謗中傷で投稿者を特定する方法を弁護士が解説

TikTokの誹謗中傷で投稿者を特定する方法を弁護士が解説

TikTokの誹謗中傷で投稿者を特定する方法を弁護士が解説

TikTokの動画やコメントで根拠のない悪口を書かれたり、事実無根の内容を拡散されたりして、「相手が誰なのか特定して責任を追及したい」とお考えではないでしょうか。相手が匿名アカウントだと、「どうせ特定できないのでは」と諦めてしまう方も少なくありません。しかし、匿名のアカウントであっても、法的手続を通じて投稿者を特定できる可能性は十分にあります。

この記事では、TikTokの誹謗中傷で投稿者を特定するための「発信者情報開示請求」の全体像を、横浜の弁護士がわかりやすく解説します。TikTok特有の注意点(ログイン型サービスであること、運営会社が海外法人であること)、手続の流れ、費用・期間の目安、特定の成否を分けるポイントまで整理しますので、対応を検討する際の参考にしてください。

TikTokの誹謗中傷で使える法的手段と「発信者情報開示」の位置づけ

TikTok上の誹謗中傷への対応は、大きく「①投稿の削除(送信防止措置)」「②投稿者の特定(発信者情報開示)」「③損害賠償・刑事責任の追及」の3つに分けられます。このうち投稿者の特定にあたる手続が発信者情報開示請求です。

投稿者の特定に関する法律は、2025年4月1日に施行された「情報流通プラットフォーム対処法」(旧・プロバイダ責任制限法を改正・改称したもの)が根拠となります。同法第5条は、権利を侵害された者が、一定の要件のもとでプラットフォーム事業者やアクセスプロバイダに対し発信者情報の開示を請求できる権利を定めています。TikTokのようなログインを前提とするサービスについては、ログイン時のIPアドレス等(特定発信者情報)も開示の対象となり得ることが同条で定められています。

TikTokの運営会社は「TikTok Pte. Ltd.」(シンガポール法人)です。同社は2025年に、総務省から「大規模特定電気通信役務提供者」として指定された事業者の一つでもあります(Google・LINEヤフー・Meta・X等とともに指定)。この指定により、削除申請への対応の迅速化や運用の透明化に関する義務が課されています。

投稿者特定は原則「2段階」で進む

発信者情報開示は、TikTokの運営会社だけに請求すれば完結するものではありません。投稿者の氏名・住所にたどり着くまでには、原則として次の2段階の手続が必要です。

段階請求の相手方主に開示される情報
第1段階TikTok(コンテンツプロバイダ)登録された電話番号・メールアドレス、通信に用いられたIPアドレスとタイムスタンプ等
第2段階アクセスプロバイダ(通信会社)IPアドレスの契約者である投稿者の氏名・住所

まずTikTokに対して開示を求め、そこで得たIPアドレスから利用された通信会社を割り出し、次にその通信会社に対して契約者情報の開示を求める、という流れです。この2段階を1つの裁判手続でまとめて進められるように設けられたのが、情報流通プラットフォーム対処法第8条以降の「発信者情報開示命令」という非訟手続で、手続を一体的に進めやすくなっています。

TikTok特有の注意点――「ログイン型」ゆえの電話番号の重要性

TikTokはアカウントにログインして利用するサービスであり、投稿そのものが行われた瞬間の通信記録(投稿時IPアドレス)を運営会社が保有していない場合があります。この場合、投稿時のIPアドレスだけを頼りに投稿者へたどり着くことが難しくなります。

そこで重要になるのが、TikTokがアカウント登録時に取得している電話番号やメールアドレス、そしてログイン時のIPアドレス(特定発信者情報)です。登録された電話番号が国内の携帯電話会社のものであれば、開示された番号をもとに、弁護士会照会等の方法で契約者を特定できる場合があります。つまりTikTokの投稿者特定では、IPアドレスの経路をたどるルートに加え、登録電話番号から契約者にたどり着くルートも重要な手がかりとなります。どの情報の開示を求めるかを的確に設計できるかが、特定の成否を左右します。

投稿者を特定できる誹謗中傷とは――「権利侵害の明白性」

発信者情報開示が認められるためには、投稿によって申立人の権利が侵害されたことが明らかである必要があります。単に不快な内容、批判的な内容というだけでは足りず、名誉毀損・侮辱・プライバシー侵害・肖像権侵害などの権利侵害が成立していると評価できることが求められます。

たとえば、具体的な事実を挙げて社会的評価を低下させる投稿や、人格を否定する侮辱的表現、無断で顔や私生活を晒す投稿などは、権利侵害が認められやすい類型です。一方、正当な論評の範囲にとどまる批判は、権利侵害が明白とはいえず開示が認められにくい傾向があります。どのような投稿が対象になり得るかは個別判断のため、投稿内容の具体的な検討が出発点となります。

費用・期間の目安

発信者情報開示は原則2段階の手続を経るため、投稿者の特定までには数か月から半年程度かかることが一般的です。TikTokの運営会社が海外法人であることや、通信ログの保存期間の制約もあり、時間との勝負になる面があります。ログが消去される前に手続を進める必要があるため、早期の着手が望まれます。

費用は、裁判所に納める実費(申立手数料・郵便費用等)に加えて弁護士費用がかかり、金額は事案の難易度や事務所の料金体系によって異なります。なお、特定後の損害賠償請求では、開示手続に要した弁護士費用・調査費用の一部を、加害者に対する損害として請求できる場合があります。

証拠の保全が何よりも先決です。TikTokの動画やコメントは、投稿者自身が削除したり運営が削除したりすると復元が難しくなります。対応を検討する段階で、投稿のURL・アカウント名・投稿日時が分かるスクリーンショットや画面録画を必ず保存しておきましょう。証拠保全の具体的な方法は、弁護士に相談する前でも実行できます。

投稿者特定までの流れ(まとめ)

  • ①証拠保全:投稿のスクリーンショット・画面録画・URLを保存する
  • ②権利侵害の検討:名誉毀損等が成立し得るかを確認する
  • ③第1段階の開示:TikTokに対し電話番号・IPアドレス等の開示を求める
  • ④経路の特定:開示された情報からアクセスプロバイダや契約者の手がかりを割り出す
  • ⑤第2段階の開示:通信会社に対し契約者の氏名・住所の開示を求める
  • ⑥責任追及:特定した投稿者に対し損害賠償請求や刑事告訴を検討する

TikTokでの被害はX(旧Twitter)やInstagram等の他のSNSと重なって発生することも多く、投稿者特定の考え方は共通する部分があります。あわせてX(旧Twitter)の誹謗中傷で投稿者を特定する方法や、TikTokの誹謗中傷への法的対処法(削除・損害賠償を含む全体像)もご参照ください。開示で実際にどこまで情報が分かるのかについては、発信者情報開示でどこまでわかるかで詳しく解説しています。SNS上のなりすまし・誹謗中傷への対応をまとめたこちらのページもあわせてご覧ください。

よくある質問

TikTokは匿名でも投稿者を特定できますか?

アカウント名が匿名でも、TikTokは登録時の電話番号やメールアドレス、通信に用いられたIPアドレス等の情報を保有しているため、発信者情報開示請求により投稿者を特定できる可能性があります。特に登録電話番号が国内の携帯電話会社のものであれば、弁護士会照会等を通じて契約者を特定できる場合があります。

TikTokの投稿者特定にはどのくらいの期間・費用がかかりますか?

発信者情報開示は原則として2段階の手続を要し、投稿者の特定まで数か月から半年程度かかることが一般的です。裁判所に納める実費のほか弁護士費用がかかり、金額は事案や事務所により異なります。まずは個別に見積りを確認することをおすすめします。

TikTokの動画やコメントは特定と同時に削除できますか?

削除(送信防止措置)と発信者情報開示は別の手続です。証拠を保全したうえで、削除の仮処分や運営への削除申請と、開示のための手続を並行して進めるのが一般的です。順序を誤ると証拠が消えるおそれがあるため、着手前の設計が重要です。

投稿者を特定した後、慰謝料は請求できますか?

特定後は、名誉毀損等を理由とする損害賠償(慰謝料)や、特定にかかった弁護士費用・調査費用の一部を請求できる場合があります。示談交渉での解決や、訴訟による請求のいずれも選択肢となります。

証拠として何を保存しておくべきですか?

投稿のスクリーンショット(URL・アカウント名・投稿日時が写るもの)と、投稿ページのURLを保存してください。動画は削除されると復元が難しいため、画面録画も有効です。日時が改ざんされていないと分かる形で保存することが望ましいです。

まとめ――TikTokの投稿者特定は早期の対応が重要

TikTokの誹謗中傷は、匿名アカウントであっても発信者情報開示請求によって投稿者を特定できる可能性があります。ポイントは、TikTokがログイン型サービスであるため電話番号などの登録情報が特定の鍵になること、運営会社が海外法人であること、そして通信ログの保存期間という時間的な制約があることです。証拠保全を最優先で行い、どの情報の開示を求めるかを的確に設計することが、特定の成否を大きく左右します。

TikTokのようなログイン型・海外事業者が相手となる案件では、開示を求める情報の選び方や主張の組み立てに実務的な工夫が必要になります。ご自身での対応に不安がある場合は、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。横浜のタングラム法律事務所でも、TikTokをはじめとするSNSの誹謗中傷についてご相談を承っています。

TikTokの誹謗中傷でお困りの方へ

タングラム法律事務所では、ネット誹謗中傷に関する発信者情報開示請求・削除請求・損害賠償請求について、豊富な実績を有しております。TikTokの投稿者特定や、証拠保全のタイミングでお悩みの方は、お早めにご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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